1 :
てうにち新聞新入社員 :
野球物の小説です。
この小説では実際の野球とはちょっと違ってJリーグのように1部下位2チームが、
セリーグから落ちて2部上位2チームがセリーグに参入します。
我らがゼティマは、現在二部リーグに居る所から始まります。
後FAは、同じチームに3年以上居れば行使できる事にします。
それでは以上のことを踏まえてよろしくお願いします。
去年後一歩の所で、セリーグ参入を逃したゼティマには今年も無名の新人達が入団を決めていた。
今日は、その新人達のお披露目会と寮入りの日である。
(あーあ、お披露目会って言ってもあんなもんやろうなー。ていうか何でうち指名されたんやろうか?)
加護亜依…甲子園三連覇の高校の控え投手で公式戦当番は無し,MAX160kmのストレートと度胸が武器だが
コントロールの悪さと性格の悪さとムラの多さが欠点で、変化球を覚える事が急務の前途多難な今年のドラフト1位
監督の話に退屈した加護が暇そうに外を眺めていると、球場で一人の選手が練習しているのが見えた。
(9番って事は…誰やっけ?)
加護が微かな記憶を辿っていると、隣の辻が小声で話し掛けてきた。
辻希美…甲子園準優勝校の控え三塁手だが、代打での打率だ異様に高くムードを変えるのが上手い
欠点は背の低さのほかに守備範囲の狭さ、今年のドラフト3位
「別に何もあらへんよ。」
加護がそっけなく言うと、辻は何故か笑い始めた。
(何やねん?)
4 :
串テスト : 2001/03/14(水) 12:33 ID:4x3am5Sg
こちらこそよろしくお願いします。
趣味は剃り跡鑑賞です
加護が不気味がると辻が説明した。
「だって、関西弁ってテレビでしか聞いた事無かったから何か嬉しくて。」
(喜んどったんかいな。)
2人がそんな話をしていると、監督の話が終わったのか新人選手達が席を立ち始めた。
「辻ちゃんは何て呼んだら良いんや?ウチはあいぼんで良いで!」
「私はののって呼んで!早く寮に行こうよー。」
2人が駆け足で外に出ようとすると、ドアの所で色黒な選手にぶつかった。
「痛ったー、どこに目を付けてあるいてんねん!」
自分からぶつかっておいて加護が逆ギレすると、突然加護の体が宙に浮いた。
「アンタ何歳?口の利き方知らないのね?教えてあげようか?」
吉澤は加護の襟を掴むと睨み付けた。
吉澤ひとみ…大学三年のときに東都大学リーグで活躍したものの
四年生の1年間はベンチウォーマーだったが、つんくGMの「天才的に良いスイングする」の一言で、
逆指名までさせた未完の大砲 今年のドラフト2位 背番号は13番
「ひとみちゃん、駄目だよ。同じ新人同士仲良くしないと私なら大丈夫だから!」
「梨華ちゃんがそう言うなら…でもこういうのは最初舐められると調子に乗るから気をつけた方が良いよ。」
吉澤はそう言うと加護の襟から手を離した。
石川梨華…中学を卒業後1週間だけ高校に入るが、父の会社が倒産したためバイトをはじめる。
野球チームの助っ人のバイトをしている所が、和田スカウトの目にとまり就職先を世話される。
三年間朝昼夕はOLとして働き、夜は名門社会人チームで鍛え上げられた。
実家の生活のめどが立ったので今年ようやく入団が決定 今年のドラフト4位
背番号は14番
四人が揉めていると、向こうの方から中澤の怒号が聞こえてきた。
「とりあえず今は休戦ね。」
四人はすばやく走ると、中澤の前に立った。
「これな!部屋割りとか書いてあるさかい仲良くな。」
中澤はそう言いながら四人に紙を手渡すと、フラリとどこかに行ってしまった。
(えっと、私の部屋は…)
石川が紙を見ると自分の部屋を見つけた。
「梨華ちゃん両隣が先輩だね。」
「そういうひとみちゃんは、矢口さんの隣じゃない。でも両側じゃないから良いなー。」
「石川さん、こういうときは、挨拶した方が良いんですか?」
「梨華で良いよー。辻ちゃん、そうね挨拶は大事よね。」
石川の提案で、四人はそれぞれの部屋の隣人に挨拶をして回る事にした。
(どっちを先にしよう…困ったなー。)
石川は自分の部屋に荷物を置くと、安倍と保田どちらを先に挨拶しようか迷った。
(こういうのって大事よね…。)
石川がどうでも良い事に悩んでいる頃
10 :
江田島平八 : 2001/03/14(水) 12:44 ID:mWpf1mn.
なんかストッパー毒島っぽいな・・・
加護が毒島、吉澤が川岸かよ!(w
(何ででんねん?)
加護は隣の後藤の部屋を訪れていた。
左腕と右腕の違いはあるが、同じ速球派の投手として心構えを聞いておこうと思ったからである。
しかし呼び鈴を鳴らしても誰も出てこないので、諦めて戻ろうとしたときようやく扉が開いた。
「こんな時間になんか用ですかー?ていうか誰?」
後藤真希…昨年の新人王右腕投手で、160kmを超える速球とスローカーブが武器
昨年の成績 25勝10敗 3.85は2部での最多勝と沢村賞を獲得
背番号は50番
(こんな時間って、もう正午やで…)
加護は突っ込みたい気持ちを堪えてから、作り笑顔をすると挨拶をはじめた。
「隣に住む事になった加護亜依って言います!」
「あっそー。今何時?」
「正午ですよ。」
「加護だっけ?ご飯食べに行こうか?」
(先輩との交流も大事やな。)
続きは夜か夕方更新します。
主役は、まだあんまり出てきません。
15 :
江田島平八 : 2001/03/14(水) 15:03 ID:XV0x/dMQ
>>てうにち新聞新入社員
わかる。
もうすぐ開幕だし、タイムリーで良いんじゃないかな?
ま、続き頑張ってくれ。
石川が保田の部屋をノックすると、中からは楽しそうな笑い声が漏れてきた。
(何してるんだろう?)
数秒後、扉が開かれ部屋には、保田の他に矢口と安倍が居るのが見えた。
(ラッキーだ!安倍さんも居るし…)
石川は心の中で、ガッツポーズをした。
保田圭…高校を中退し草野球でバイトをして貯めた金で上京する。
プロテストを受けようかと迷っていたが和田スカウトに声をかけられ
ゼティマを受験するも落選し一時はプロを諦めたが、
和田スカウトが「自腹で給料を払う覚悟と首をかける」とフロントを説得し
念願のプロとなる。プロになってからは、過酷なトレーニングで自分を鍛え上げ才能を開花させる。
走攻守肩の4拍子揃った選手だが、ゼティマの年俸基準が成績無視の人気のみなので
薄給の扱いを受けていて毎年単年契約のためオファーが殺到するが、「恩返しが済んでない。」
の一言で断っている。
ポジションは外野手で、背番号は昨年契約のもつれから任意引退した市井の11番をつけている。
昨年の成績 打率389 本塁打50本 盗塁20 得点160点 年俸400万円
矢口真里…日本で一番守備範囲の広いと噂の高い二塁手で、昨年のチーム盗塁の60%を占める。
打率は低いが出塁率とバント成功率が非常に高い
入団当時に中澤(当時3塁手)から
「サーカスに入った方がいいんちゃう?」と言われたのを根に持っている様子。
昨年の成績 打率210 本塁打3本 盗塁40 失策15 得点22点 年俸2500万円
安倍なつみ…ミスゼティマといわれ球団設立当初から居る選手の一人。
保田の覚醒まで4番を打っていたが、今は5番を打っている。
投手からの信頼やリードや打撃などに何の問題も無いが、唯一の弱点はウエイト維持。
保田と2人で野手を纏め上げている。背番号は23
昨年の成績 打率320 本塁打45本 盗塁5(全て本盗) 得点98点 年俸4500万円
今日から隣に住む事になりました。石川梨華です!
ポジションはショートで、保田さんみたいに夢を与える選手になりたいです!」
石川が自分の意気込みと目標を一気に言うと、部屋を一瞬静寂が包んだ。
「新人の入寮って今日だっけ?矢口の隣にも1人くるんだよね。挨拶来てるかな?」
「さあ?負け逃げはズルイべよ。」
「じゃあ、この新人を変わりに出すから最初からね。」
そう言うと矢口は、石川の肩をポンッと叩いて部屋を出て行った。
>>15 あれとは全然変えるつもり…
今は2部だけど開幕までには1部にあげるつもりです。
感想レスつくかな?
22 :
江田島平八 : 2001/03/14(水) 23:29 ID:8kbYCLfY
>>てうにち新聞新入社員
おおっ、矢口が三条だ!(w
感想レスね・・・って上げなきゃ無理っしょ(w
わしは期待しとるぞ、頑張れ!
23 :
SOL : 2001/03/15(木) 02:03 ID:/UdFp71g
期待sage
(え、私?)
石川がドキッとすると、2人の目が石川を見た。
「あの〜今何をしてたんですか?」
石川が恐る恐る尋ねると、2人は口を揃えて答えた。
「腕立て伏せ大会!夕食を賭けてね。矢口が負けてたところにちょうど来たって分けよ。」
「まあハンデにはちょうど良いべさ。石川もやるっしょ!」
5分後
「貧弱過ぎだべさ。ナッチと圭ちゃんで、鍛えてやるべさ。」
(一人だやれ、一人で…)
保田はそう言いたかったが、安倍一人に任せるのがとても不安だったので付き合う事にした。
「まずは体力測定するべさ。」
誰も居ない球場を訪れた3人はアップを終えると、測定をはじめた。
「初めは50M走、準備は良い?用意 スタート!」
(走るのなら…)
安倍はスットプウォッチを止めるとタイムを見た。
(4.59…圭ちゃんと矢口並だべさ。一気にトップスピードに成れるんだべな。)
安倍が羨ましそうに記録用紙に記録していると、二人がやってきた。
「ナッチータイムどうだった?結構速かったんじゃない?」
「後で見せるべさ。とりあえず次だべさ。」
結局体力測定は、その日一日をかけて徹底的に行われた。
「ところで石川さぁ、私みたいに夢を与える選手に成りたいって言ってたけど…。」
「言いましたよ。どんなに大敗してても諦めないで、全力を尽してる保田さんって格好良いですよ。」
「そ・そんなの当然よ!プロなんだから…。」
(初めて言われて動揺してるべさ。)
その夜保田の部屋にて
保田と安倍は、今日取った石川のデータの整理に追われていた。
「何か楽しいべさ。教育係って楽しいべな?」
「そう?偉く張り切ってるんじゃない?」
保田がめんどくさそうにデータを打ち込むと、突然安倍が背後から抱きついてきた。
「お腹減ったべさ。」
「データ打ち込むの終わったよ。冷蔵庫の物食べて良いよ。」
保田は安倍を振りほどくと、メールのチェックを始めた。
(お、沙耶香の奴からメールが入ってるよ。何々…は?)
そのメールを見た保田は慌ててインターネットを始めた。
「ねぇナッチ、キャンプ明けにトーナメントやって優勝と準優勝がセリーグに参入出来るなんて知ってた?」
「何だべされ?」
安倍はバナナを齧りながら保田のパソコンを覗き込んだ。
「今年参入予定だった2チームが、両方とも倒産したため急遽開催だってさ。」
「時間が無いからトーナメントってわけだべな。高校生のとき以来だべさ。」
「和田さん見にくるのかな?」
「毎年初戦だけ自分のスカウトした選手見にくるから来るべさ。」
その一言が火をつけたのか保田は、一気に石川強化メニューを作り上げた。
「これって普段の圭ちゃんのキャンプメニューだべ?」
「だって、ナッチは後藤の球を受けるし大変でしょ?だから私が面倒見てあげる。」
「圭ちゃんがねー。人間どこでどう変わるか分かんないもんだべな」
安倍はそう言いながら、冷蔵庫に有った牛乳を一気飲みした。
という訳で、開幕までにはセリーグにいけるかも…
>>22 頑張りますのでよろしく!
何か感想あったらお願いしますね。
ageて荒らされませんかね?
>>23 頑張りますので…
30 :
名無し娘。 : 2001/03/16(金) 00:08 ID:/u1I831s
あげると小説はすぐ荒らされるから、
できればsageでやってくれ。
野球ファンとしてめっちゃ期待してる。
がんばれ!
31 :
江田島平八 : 2001/03/16(金) 00:45 ID:rwGAhd0k
>>てうにち新聞新入社員
>>30 それもそうだな・・・んじゃマタ〜リsageて行きましょう。
>感想
野球ファンのモヲタとしては期待大!
どっかで見たような設定が個人的に気に入った。
個々のキャラ作りも悪くないんじゃないかな?
ま、頑張れ!
次の日から、昨年セリーグ参入を逃したゼティマのキャンプが、スタートした。
「今年も頑張っていこうな!そんで…」
新監督中澤の挨拶が終わると、選手達は各々の練習のため散らばった。
(えっと〜、保田さんは?)
朝食のとき自分の指導を保田が引き受けてくれる事を安倍から聞いた石川は、キョロキョロしていた。
「石川!コッチコッチ!」
保田は安倍とアップをしていたのだった。
「私とアップしようよ。」
石川が傍に駆け寄ると、後藤が誘ってきたので一緒にやる事にした。
5分後
「じゃあ、私と石川はランニングに行って来るから…。石川これ!」
(何?)
保田はポケットから重りを取り出すと、石川に手渡した。
「筋力をつけるんなら、まずは下半身を鍛えないとね。」
(5kgってかいてある…両足だから10kgかー。)
石川が不安そうに保田の顔を見ると、保田は自分の靴に倍以上の重さが入っているのを見せた。
「慣れればこんなもんよ。外に行くよ!」
「待ってくださいよー。」
保田が走り始めたのを見た石川は、慌てて追いかけた。
「ごっちん、そろそろこっちも始めるべさ。」
それを見た安倍が構えると、後藤も投げ始めた。
後藤が10球投げ終えただろうか、グランドの方からガラスの割れる音がした。
「何やねん?どこに投げてんねん?」
ネット裏で選手の様子を見ていた中澤は、隣のガラスが割られた事に驚いていた。
「監督、大丈夫かいな?コントロール悪いって聞いてたからマウンドで投げさせたんやけど…」
その様子をベンチで見ていた投手兼投手コーチの平家が、ネット裏に説明に来たのだった。
平家みちよ…Max155kmの速球と2シーム、4シームを巧みに使い分け10種類以上の変化球を自由自在に使いこなす左腕
今年から名実ともに投手コーチも兼任する事となった。投手陣の姉御的存在で背番号は34
今年は先発に専念し、30勝を目指すとか…
昨年の成績 23勝5敗30セーブ 1.63で最優秀防御率と最多セーブを受賞
「まさかここまで悪いとは、思わんかったで…」
「で、物になりそうかいな?」
中澤はマウンドで、大木と何やら相談している加護を遠目で見ながら尋ねた。
「まずはフォームの改造やね、でもすんなり聞くか問題なんやけどな…」
「みっちゃんの力を見せれば、良いんちゃうの?」
「逆に聞くけど良いんかいな?ショック受けても…」
(聞くまでも無い事やな…。)
中澤の返事を聞くと平家はブルペンへ向かった。
今日はここまでです。
何でこのチームが昨年敗れたのかは、後々にでも…。
>>30 sageて書きますね〜。
>>31 感想有難うございます。
ライバルチームを作ろうと思うんですけど、名前何が良いかな?
38 :
江田島平八 : 2001/03/16(金) 21:40 ID:7Whh81Wc
>>37 ライバルチーム?
やっぱ網とか鮎とか、そっち系のライバルがいると面白いかもね。
ってかこれじゃチームじゃ無いし!(w
39 :
30 : 2001/03/17(土) 00:49 ID:5r2Fv2Ag
エイベックスなんてどうだ?(ワラ
もしくは東芝EMIとか(ワラ
>>38 39
ライバルチームは、ソニックスって名前にしようと思います。
後トーナメントにも何チームか出す予定です。
「あ、平家さん!さっきのガラスが割れたような音なんですか?」
平家がブルペンに入ると、待ってましたとばかりに後藤が尋ねてきた。
「あ〜あれか…加護のコントロールが予想以上に悪くてな。
フォームを改造せなあかんけど、性格的に聞いてくれそうに無いんで、見本を見せるっちゅうわけや。」
「投手コーチ初仕事だべな。ナッチがキャッチャーだべ?」
「せやな、大木じゃとれんからナッチ頼むわー。後藤にはバッター頼むは…」
平家がそう言い終えると、2人は仲良くマウンドに向かった。
「あれ…どうしたんだろ?」
二人はベンチに出ると、何やら張り詰めた空気が流れているのを感じた。
ホームベースでは、大木が蹲っている。
「どうしたの?」
後藤がベンチで、辻と何やら相談している飯田に尋ねた。
「加護の球が、やっとストライクになったんだけど…。」
どうやら大木は、球が速すぎて採れなかった様だ。
(あーあ、珍しくストライクになったのに取れて無いやん…。)
加護がつまらなさそうにマウンドを降りようとすると、安倍に止められた。
「待つべさ!今度は正捕手のナッチがキャッチャーするべさ。」
安倍はそう言うと、ミットを構えた。
左打席に憧れの後藤が、バットを構えているのを見た加護は久しぶりの打者との対戦に闘志を燃やした。
1球目の豪速球が大きく外れて、先ほど割った窓の所に入ったのを見た
安倍は慌てて加護に駆け寄った。
「どうしたべさ?」
「ちょっと手が滑って…。」
(わかりませんなんて格好悪い事言えるかいな。)
プライドが人一倍高い加護は、苦し紛れに言い訳するしかなかった。
(緊張したんやな…。)
加護が深呼吸して投げた第2球目は、何と後藤の顔面へ…
「わ〜」
間一髪仰け反って避けると、マウンドに向かおうとする後藤を安倍が慌てて止める。
「新人だべ・・心を広くだべさ。」
「分かってるけどさ…。」
そこにようやく肩を作った平家が現れた。
「後藤待たせたなー。後はウチの仕事やさかいベンチで休んでてな。」
後藤がベンチに下がっていくのを見た加護は、改めて安倍を見た。
「加護〜今から勝負や!もしウチが勝ったら言う事聞いて貰うで…」
平家はそう言うと、右打席に入った。
1球目
加護の投げた球は、ボール4個分外れた。
「ボール!」
いつの間にか審判の格好をした飯田がコールすると、スコアボードに明かりがついた。
(本気で投げて外れたら大変や、第一あんな人に打たれるわけないやん。)
しかし加護の根拠のない自信は、フルカウントまで粘られる事で完璧に壊された。
(何やねん?あの人投手やろ?)
加護は平家の力を見くびっていた事を痛快した。
(最高の真ん中や!これで打ち取ってやるで…)
諦めの悪い加護は、細かいコントロールを無視してど真ん中に投げる事にした。
「これなら打たれないはず…」という確かな自信が加護には有った。
しかし結果は、軽々とバックスクリーンへの特大アーチだった。
(何でや?)
マウンドに膝を付く加護に平家が近づいてきた。
「アンタの球は、キレが無いから実際より遅く見えるんや。投手のウチに打てるんやから打者なら…
第一速球が何ぼ速くても、ピッチングはコンビネーションやから意味ないで…
それと、上半身だけ鍛えてたんやろ?コントロールが悪いのはそのせいや。」
加護が?という顔をして首を傾げると、平家は安倍からボールを受け取った。
「打席に立ってみ。口で言うよりも分かりやすいはずや。」
加護は力なく頷くと、打席に立った。
(キレって何や?変化球の事かいな?)
加護にはまだその言葉の意味が全く分からなかった。
平家が、新人加護に投手としての心構えを諭している頃
「ハアーハア…」
石川は、1600段近い神社の階段を延々と上り下りしていた。
(もう5往復したけど、保田さんに3回抜かれたから…)
石川が降りながらそんな事を考えていると、ようやく下で待っている保田の姿が見えた。
(何か機嫌悪そう〜待たせたからかな?)
不安になった石川は、一気に階段を下りた。
「お疲れさん!じゃあラストはおんぶして1往復ね。先に私がやるから!」
「もう無理です…。私の足パンパンです。」
石川が下を向いて呟くと、屈んでいた保田が起き上がった。
パチッという乾いた音が、響き渡った。
保田のビンタが、石川の頬を捉えたのだった。
「無理?いつまでアマチュア気分で居る気?プロの練習は自分の限界を超えるための練習よ。」
勿論こんな考えで居るのは、広いプロ野球界かいでもそうは居ない。
一人はこの人保田、もう一人はその保田を新人時代教育した石黒である。
「そんな事言ったって…。」
石川の目から一つまた一つと大粒の涙が零れ落ちる。
(泣くなよ〜。こっちが悪者みたいだろ…。)
「わかったから、泣くのをやめな。」
「はい…。」
石川は目を擦ると、涙を拭き取った。
「じゃあ、1往復半私がしてあげるから、最後の降りるのは自分でやんな。
上りより下りのほうが効果あるしね。」
それを聞いた石川は、不安になったが自分もプロだという自覚から屈んだ保田に乗った。
今日はここまでです。
続きはまた明日
5分後
「じゃあ石川頑張れよ!」
石川に乗った保田が耳元で囁くので、恐る恐る階段を降り始めた。
(ポジティブ、ポジティブよ。虐めてるわけじゃないんだし全部私のためなんだから)
石川がそんな事を考えていると、下の方から階段を上る音が聞こえた。
(誰かな?)
何と二つの影は、平家と加護だった。
2.3段しか降りていなかった石川が、その場で待ってみる事にした。
「あ、圭ちゃんやん!今年も頼りにしてるで…。石川も頑張ってるみたいやな?」
加護よりも先に到着した平家は、息を整えながらそう言うと加護に檄を飛ばした。
暫らくして登り終えた加護は、その場にぺタリと座り込んだ。
「しんど〜、梨華ちゃんいたんかい?」
「うん・でももう行かなきゃ。」
石川が足を踏み出すと、何を考えたか加護は平家を背負いだした。
「下まで競争やで!負けた方が今日の夕食奢りな。」
そう言い終えるが否や加護は、石川の返事を聞かずに一気に降り始めた。
(勝てるはず無いよ。だって私は何往復もしてるし、靴に重りも入ってるし…)
石川が諦めてゆっくり歩き出すと、今まで黙っていた保田が口を開いた。
「アンタまさか勝てるはず無いとか思ってないよね?」
石川は、ドキッとして足をとめた。
「プロは、3連戦とか普通にあるのよ。今こんなので音を上げるようでどうするの?
3連戦の後だから全力が出せませんでしたが言い訳になると思う?」
保田はそれだけ言うと、また黙った。
(そ・そうだよ。保田さんみたいになるのが夢だったじゃない!
こんな事で泣きごと言ってたら、絶対無理よ。)
そして15分後
石川と加護は、息を切らして休んでいた。
「もう足パンパンです〜。」
「あっそのままの姿勢で良いよ。」
保田はそう言うと、石川の両足をテープで巻き始めた。
「何やってるんですか?」
石川は不安そうに尋ねたが、すぐにその意味を理解した。
(ま・まさか・手だけを使って帰るの?)
「次は上半身の練習よ。」
平家に足を巻いてもらいながら、説明を続ける保田の言葉は石川の耳にはもう入っていなかった。
一ヶ月後
言葉にするのは、簡単だが石川にとっては今まで体験した事の無いような濃厚な日々だった。
10000本ノック・最高速でのフリーバッティング・ダッシュ200M*500、1600階段昇り、陸人魚(足縛りほふく前進)、
腕立て、スクワット、背筋1000回、、特打2000球、ノック1000本、素振り1000回など
石川は厳しくて堪らなかった練習も今では、楽にこなせるようになっていた。
それどころか、むしろ自分を鍛える事に喜びさえも覚えていた。
そしてキャンプが終了し、兼ねてから噂になっていた緊急参入球団選出戦の開催が発表された。
ゼティマは、中澤のくじ運が悪く昨年負け越しているチームと同じブロックだった。
第一試合ゼティマ対GIZAINC
第二試合アンティノス対ビクター
第三試合ユニバーサル対第一試合の勝利チーム
第四試合ソニックス対第二試合の勝利チーム
今日はここまでです。
ソニックスのメンバー誰が良いかな?
ポジションもどこがいいか教えてください
61 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 08:31 ID:Ur3/q706
最初から読んでるよ〜。
浜崎を入れて欲しいな
62 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 08:52 ID:Ur3/q706
頑張れ!
63 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 09:48 ID:rXNCsXP2
おもしろいよ!野球知ってるものとしては!
どんどんさげでつづけちゃって!
64 :
江田島平八 : 2001/03/22(木) 10:22 ID:Kwt9P9U2
>>てうにち新聞新入社員
をを! ちょっと見ない間にここまで進んでいるとは・・・
いや、面白い! 頑張れ!
65 :
名無し娘。 : 2001/03/23(金) 09:13 ID:FJ0q89JM
続き希望!
66 :
名無し娘。 : 2001/03/23(金) 09:53 ID:zTFzrfn.
ここで自分の思ったとおりやっててもらえれば、
もう2度と向こうでは暴走しないだろ。その点は助かるな。
>>66 そんな事より感想を教えてくださいよ。
文句だけっていうのは…。
オーダー表
ゼティマ GIZAINC
1番辻 (三) 1番織田(一)
2番矢口(二) 2番豊臣(遊)
3番石川(遊) 3番羽柴(中)
4番保田(中) 4番徳川(二)
5番安倍(捕) 5番柴田(三)
6番飯田(一) 6番伊達(捕)
7番ルル(右) 7番北条(左)
8番吉澤(左) 8番武田(右)
9番平家(投) 9番倉木(投)
試合前
(あ、麻衣やん!)
緊張していた加護がトイレに行こうとすると、中から倉木が出てきた。
(気づかれませんように…)
正直倉木が苦手だった加護は帽子を深く被ると、その場をやり過ごそうとした。
「あれ?加護?プロになったんだ?」
しかし加護の願いも空しく倉木に気づかれてしまった。
「せや…悪いんか?」
「別に。」
口ではそういったが、倉木の顔は明らかに馬鹿にしていた。
「でもさあ、アンタみたいな無名な投手を指名するなんてゼティマは、よっぽど貧乏球団なのね?
それとも、弱い上に人気も無いんじゃあ解散すればいいのにね?どっちにしろアンタにはお似合いよ。」
(な・何やて!ウチの事ならまだしも先輩らの事まで…)
加護は顔を紅潮させると、倉木を睨み付けた。
「事実じゃない?アンタみたいな落ちこぼれの居るチームなんて5回で十分よ。」
倉木はそう言い放つと、加護の手を振り解きベンチのほうへ歩いていった。
(アイツのせいで3年間ベンチ入りも叶わんかったのは事実やけど、プロでは見返してやんねん。)
加護は目を擦ると、トイレの中に入っていった。
別の視点
「ナッチもミネラル?」
保田は自販機のボタンを押すと、ミネラルウォーターを安倍に投げた。
「みっちゃんは?」
「しっ、ウチもミネラルや!聞こえるやろ?」
平家の顔がいつになく真剣だったので、安倍と保田も耳を澄ました。
加護と倉木の話
「ルーキーって、みんなああなのかな?まあ別に関係ないけどね。」
そう言うと保田は、緊張している石川のためホットコーヒーを買うと歩き始めた。
「加護が落ちこぼれやて?シバイたろうか?」
「キャンプでの加護の成長を知らないべな。もっと良い方法があるべさ。」
「何や?」
「3回コールド!確か15点差で良い筈だべさ。」
「一度徹底的に叩き潰して置くのも悪くないやろ。やるで!」
安倍と平家も、怒りのあまり握り潰した空き缶をゴミ箱に放ると歩き始めた。
いよいよ?明日から試合に入る予定…
どうやって書こうかかなり迷ってます。
小説らしくない書き方になるかもしれません。
感想なんでも良いので書いてくださいね。
73 :
江田島平八 : 2001/03/23(金) 23:59 ID:d0ZFB24Q
>>てうにち新聞新入社員
おお、次回から試合っすか!?
>小説らしくない書き方
わしなんかが言うのもなんだが、型にとらわれず自由に書いてくだされ。
#ところで相手チームの捕手は、男塾の伊達臣人?(w
74 :
66 : 2001/03/24(土) 02:09 ID:NYBKtelU
>>67 そんなら今日のタメゴト。
「ある小説を読んで細部を全て記憶にとどめねばならないとしたら私はうんざりする」
(グレアム・グリーン)
作中の人物や、ディテールに作者がこだわればこだわるほど、
読者にとっては全体が見えなくなる。作者の頭の中の半分も読者には伝わらないんだから、
登場人物に読者が10人いたら10通りのイメージを抱かせる描き方ができなければ、
それは小説ではない。単なる説明文だ。
75 :
66 : 2001/03/24(土) 02:15 ID:NYBKtelU
全体的に君の文章は読者がイメージを膨らませるのを妨げるような、
安易な説明が多すぎる。どっかで他の人も書いてたけど、感情を地の文で書かず、
カッコで書くのは安易な感情の書き方だ。芝居や映画で言えば、
演出家や監督のダメだしを観客にさらしているのと一緒だ。
一語一語、これが本当に必要なのか考えて書くことを薦める。誤字も減るし。
76 :
66 : 2001/03/24(土) 02:28 ID:NYBKtelU
長くなったね、スマソ。向こうで俺は去年のオフあたりからの
荒唐無稽な展開以後書かなくなってるんで、向こうに報復はしないでね(w
何人かが言ってたこととほぼ同じ意見だけど。
今日の更新は休みです。
地震の後片付けで、それどころではありません。
>>73 人数あわせに戦国武将の名前を…
>>76 貴方はただ僕の悪口を言いたいだけなのはわかってますからご心配なく
78 :
名無し娘。 : 2001/03/24(土) 22:50 ID:PHv7d2wo
>>77 やれやれ…まともな感想のつもりなんだけどな。じゃあ具体的に。
例えば、69だとカッコの2つはなくてもいいわけだし、
「やり過ごそうとした」というのは帽子を目深にかぶったという記述で十分。
「気づかれてしまった」というのも、その前の倉木の言葉で分かる。
逆にここで初めて出てくる倉木のキャラを鮮明にするために、
声の調子とかの倉木の記述を厚くした方が登場人物が生き生きとしてくるはず。
小説家スレで君が言われていた、「オチのないコント」というのは、
こんなふうに、緊迫した場面なのに冗長な表現が多く、メリハリが薄く感じられることから
来ているんじゃないかな。だから作中の細かい知識に反応できる読者しか
物語について来られなくなってるんだ。せっかく書くんだからそれじゃ勿体ない。
79 :
名無し娘。 : 2001/03/24(土) 23:50 ID:7ZYGYyug
80 :
名無し娘。 : 2001/03/25(日) 01:33 ID:uJxsL0ok
議論だったら別のところでやってくれ。
この人の文章が好きな人だっているんだし。
81 :
江田島平八 : 2001/03/25(日) 01:46 ID:i0M4p2N2
>>てうにち新聞新入社員
やっぱ戦国武将だよね。
いや、伊達とか柴田とか、男塾塾生やら、メロンの人がいたからさ(w
ま〜、アンチ(?)もいるみたいだが、わしは貴君の小説を期待しておるし、楽しみにしておるぞ。
1回表
ゼティマの攻撃は1番辻から
(飯田さんが初球狙えって言ってたけど、なんでだろう?)
右打席に入った辻は、足場を整える。
(喰らえー)
倉木の初球は、ど真ん中のストレート
「ストライーク!」
(これを狙ってたんですね。)
苦笑いを浮かべてベンチを見ると、不機嫌そうな顔をした飯田が目に入る。
「ストライーク!」
「え?」
何と辻のカウントは、よそ見していたせいでツーストライクに追い込まれていた。
「タ・タイム!」
慌ててネクストゾーンに居る矢口に指示を仰いだ。
「落ち着きなさい!多分・・・」
矢口のアドバイス通り3・4球目は際どい所を突いたボール球だったので、辻は少し落ち着いた。
「加護の情報によると、コントロールが良くて、カーブとフォークそして
決め球のスライダーのキレが抜群らしいけど…。変だなー。」
保田はスコアブックを付けながら、首を傾げている。
(それがどうしたんやろ?)
「何か新球覚えたんやろ、じゃなきゃ一番に決め球使うはずないやろ。」
加護の考えている事がわかったのか平家は、独り言のように呟いた。
そして、カキーンという打球音が響いた。
「辻出たで〜。石川出番やで!加護手袋持ってーな。」
中澤は的確に指示を出し終えると、文字通りベンチ裏に隠してあった
アイスボックスからよく冷えたビール1本を取り出し栓を開けた。
「のの〜手袋や!」
加護は一塁に着くと、辻に手袋を渡した。
(えっと〜赤が内角で、白が外角だよね)
辻が読唇術で確認すると、加護は頷き戻っていった。
二番矢口は、二・三度素振りをしてから左打席に入った。
(盗塁は?了解!)
辻がベンチを見ると、中澤がビールを一気飲みしていた。
『監督がビールの一気のみをしたら盗塁で、日本酒なら待て、ワインなら任せるだよ』と
キャンプで飯田から教わったときは、耳を疑ったが実際見ると真意がわかんないから意外と凄い人なのかも
「セーフ」
(危ない危ない)
何とか牽制死を免れた辻は、打席の矢口を見た。
(馬鹿〜、あとで圭織に怒られても知らないぞ。良し走った!)
「織田さん突っ込みますよ。」
「わかってる!」
矢口のバントに気がついた織田と倉木は、処理のためにホームにダッシュした。
しかしコツンという音と共に打球が、2人の頭上を越え1.2塁間でバウンドした。
「え?徳戻れ!」
カバーのため一塁に向かっていた徳川は、急ブレーキで止まると素早く二塁に投げたが、
楽々余裕のセーフでノーアウト1.2塁
分かり難くてすみません。
試合って書きにくいんだよな。
>>79 名無し読者さんですか?
いつもお世話になってます。
>>80 そう言って貰えると嬉しいです。
頑張りますのでよろしく!
>>81 いつも有難うございます。
また感想有ったらよろしくお願いします。
89 :
名無し娘。 : 2001/03/25(日) 22:00 ID:vAkr/Uz.
地震のあった地方らしいけど、筆が早いね。大丈夫なの?
>>74 ここでグレアム=グリーンなんて出すのは反則じゃない?
少年野球の選手をメジャーリーガーと比べるようなもんだよ。
小説なんて量を書かなきゃ上手くなんないんだからさ。
>せっかく書くんだからそれじゃ勿体ない。
って書いてるから荒らしじゃないみたいだし、まず褒めることから始めなよ。
91 :
89 : 2001/03/25(日) 23:03 ID:vAkr/Uz.
>>90 66の言うことも一理あるとは思うけどね。関係ないこと書いて作者スマソ。
92 :
江田島平八 : 2001/03/26(月) 00:36 ID:QGKwADt6
>>てうにち新聞新入社員
>辻の打席
わはははは、どっかで見たぞ、こんなん(w
(あっちは甘いスローボールだったけど)
ってか気になるんだが、この選手達かなりハイレベルだよね?
よくありがちな強さのインフレにならんかが心配・・・
>>89 昨日の深夜も余震がありましたが、無事でした。
>>89 いえいえこれからも宜しく
>>92 大丈夫です。
まだ一回戦ですから…。
力の差が有りすぎるだけですから・・・
続く三番の石川は死球で出塁し、次のバッタは4番保田
(石川を歩かせて背水の陣にして、希望をちらつかせ私を抑えて
チームの戦意を喪失させようったって、そんな事させないよ。)
保田は右打席に入ると、マウンドの倉木を睨み付けた。
(まずは外に逃げるスライダーで…)
1球目 アウトコースにスライダーが上手く決まりワンストライク
(このスライダーは、すでにプロレベルね・・・。)
保田は1球1球確かめるように見送った。
「ボール」
そしてカウントツーツ
(いよいよあれ逝きますか?)
伊達のサインに頷いた倉木は、ふりかぶった。
(ここまで温存しておいたんだ。大丈夫だ!)
ボールは唯のスローボールかと思いきやホームベース上で、大きく揺れ始めた。
「ナックルやて?」
「高校出に投げれる球だべ?」
日本酒を片手に持っている中澤は、気にせず飲み続けている。
(ストレートの後にこれがくるとは、普通の奴なら三振ね。)
(どこまで引き付けるきやねん?なここで始動・・・)
「貰った〜」
打球は軽々とスコアボードを越え場外へと消えた。
「何てちゅうスイングスピードやねん?」
「または速くなってる。加護、これが圭ちゃんウチの4番の本気だよ。」
(キャンプは、調整やったって事かいな?ウチキャンプでさえもまともに抑えれんかったのに)
その後自信を失った倉木は、三回で20失点を記録した。
96 :
スタンドにて : 2001/03/28(水) 14:45 ID:.iKe68xs
「1.2番で微妙にストライクゾーンを狂わせ掻き乱し、得点は確実に・・・
4番で投手の息の根を止めるとは、完璧だな。」
「福山監督、ウチは大丈夫ですよ。今日の試合と今までのデータで奴らの弱点が確認できました。
長瀬のコントロールがあれば大丈夫です。打線は俺と太一と松岡が何とかしてくれるでしょう。」
「じゃあ帰って、対策の確認するか?」
「そうですね。これ以上ストレートだけの投球見てもしょうがないですね。」
ユニバーサルの福山と山口は、そう言うと席を立った。
「ストライク!」
観客からは「後一人コール」が起こっている。
(最後まで直球だけだべ?)
(当然や!)
打席の倉木は、すでに戦意を喪失している。
(試合前の強気はどこにいったんやろな?出直して来い!)
平家は大きく振り被った。
「ストライク!バッタアウト!ゲームセット!」
「明日はどうするべさ?」
「明々後日の研究と石川の特訓」
帰りの車の中で、安倍と保田は隣の席だった。
「石川?何で?」
「今日ヒット打てなかったでしょ。気にしてるみたいなの。」
「ふーん。」
安倍が後ろの石川を見ると、静かに寝息を立てていた。
今日はここまでです。
さっさと第二試合に逝きたいのですが、いけそうにありません。
100 :
ファイ : 2001/03/28(水) 23:12 ID:x4DTXj4k
次の日の夜
中澤が明後日に行われる試合のオーダーを考えていると、監督室の戸がノックされた。
(こんな時間に誰やねん?)
中澤は目薬を点すと、戸を開けると石川が立っていた。
「どうしたこんな時間に?明日も圭ちゃんと練習あるんやろ?」
「はい・・・でも・・・」
とりあえず中澤は石川を部屋に入れると、椅子に座らせた。
今日はここまでです。
更新できなくてすみません
103 :
名無し娘。 : 2001/03/30(金) 14:47 ID:B0VdqFKQ
頑張れよ
104 :
名無し娘。 : 2001/03/30(金) 15:21 ID:DpzWU196
くどい程の駆け引きが見たいです、ドカベンのような。
あ、今日セリーグ開幕だった。
福山選手兼監督きぼーん(ワラ
楽しみにしてます。
>>104 頑張ってみます。
福山選手は…秘密です。
次の更新は、明日の夜か日曜日の予定
106 :
名無し娘。 : 2001/04/02(月) 11:18 ID:/RaDHAUA
頑張れよ
107 :
名無し娘。 : 2001/04/03(火) 10:59 ID:2eOCIaig
ゼティマ対宜野座
そして、二日後
ユニバーサルとゼティマの試合が行われた。
試合は、ユニバーサルの徹底したID野球と後藤の快投で膠着状態になるが、
9回裏飯田のサヨナラホームランが出て試合終了
これで、ゼティマのセリーグ参入が決定した。
翌日の朝刊
『城島ソニックス緊急補強 倉木(GIZAINC)
&山口、長瀬、松岡、国分(ユニバーサル)獲得へ』
記事を見た中澤は、机を叩いて悔しがった。
(2部リーグ撤退の噂は、本当やったんやな?投手はウチラの方が足りんのに…
フロントは一体何しててたんや?)
中澤が明後日のオーダー表と睨めっこしていると、平家が監督室にやってきた。
「明後日の先発柴田ってのは、自分本気か?」
「せや、中継ぎあさみ、抑え加護で投げてもらうつもりや。」
「そりゃあな、プロの洗礼を勝敗に関係ない今度で経験させるのも良いかも知れんけど
強打を誇るソニックスが相手やで…下手したら立ち直れんで…話はそれだけや」
平家はそう言うと、監督室を出ていった。
(そんな事言われんでもわかってるって・・・)
中澤は、再びオーダー表を考え始めた。
次の日
「石川、何を怖がってるべさ?そんなんだから今だヒットなしなんだべ。」
先日の死球の影響で、インコースが全く打てなくなった石川は、今日も特訓を受けていた。
「こうやって強く踏み込まないと打てないよ。」
保田が後藤の球を打って見せるも、石川はやっぱり空振り
完全に腰が引けているので、アウトコースも打てなくなっていた。
(こりゃあ重症やな・・せや!)
それを見た中澤は慌てて監督室に戻るとオーダー表を書き直した。
「石川には、少し勉強してもらって…」
中澤は、悪循環を断ち切るため思い切った事をしてみる事にした。
オーダー
ゼティマ ソニックス
1番辻 (三) 1番松岡(三)
2番矢口(二) 2番国分(二)
3番中澤(遊) 3番持田(左)
4番保田(中) 4番浜崎(中)
5番安倍(捕) 5番宇多田(遊)
6番飯田(一) 6番ナナ(右)
7番吉澤(右) 7番hitomi(一)
8番ルル(左) 8番山口(捕)
9番柴田(投) 9番島谷(投)
サブ
石川(内) 鈴木(投)
りんね(外) 鬼束(投)
稲葉(投) 相川(投)
平家(投) ミーナ(内)
あさみ(投) 長瀬(投)
加護(投) 安室(内)
監督 中澤裕子 監督 城島 茂
投手コーチ 平家みちよ投手コーチ 福山雅治
走塁コーチ 夏まゆみ 走塁コーチ 中居正広
解説者席
解説 石黒
アナウンサー 宗口
今日も更新はここまで…
ソニックスは、娘のライバルなどで構成したつもりです。
ジャニーズは、キャラを把握しているTOKIOを入れてみました。
何かソニックスの打順とか、メンバーに希望があったら教えてください
115 :
名無し娘。 : 2001/04/04(水) 03:04 ID:LAvpicLg
どう考えても「ソニックス」の方が強そう(w
30点差で3回コールドか?
柴田じゃ1アウトも取れなさそう…
野球小説をはじめられたのですね
好きに作品を書いて頑張ってください
うちのHPのほうにメールありがとうございます
あの騒動と中澤脱退で向こうのほうはやや閑散としてしまってます
大騒ぎにならない程度に(ワラ)スレ振興に協力してください
出てこないのが一番大騒ぎにならないかもしれないですが(w
>>76 66さん、そんなこといわないでどんどん書き込んでってください
>>ファイさん、ほか野球好きの読者の皆さん
「むこう」というのはM−seekにある野球ネタスレです。面白いので参加してみてください
公式HP(笑)⇒
http://matsuyama.cool.ne.jp/chageishikawa/
117 :
解説者席 : 2001/04/04(水) 12:54 ID:2cN9p2Tw
宗口「本日のオーダーを見てどうですか?」
石黒「裕ちゃんのショートがまた見れるなんて楽しみです。」
宗口「一回戦からショートを守っていた石川選手はどうしたんでしょうか?」
石黒「死球を受けてから調子を狂わせていますから、大事をとったのではないでしょう。
あとショートのあり方を感じてもらいたいのかもしれません。」
宗口「両チームとも新人投手の先発ですね。とは言っても島谷は先日の試合にも先発していますが…」
石黒「勝敗の関係ないこの試合での起用は、予想できますが先日は本当に驚かされました。」
宗口「元々無かった試合だし、勝てば儲け物位に考えてるんでしょうか?」
石黒「いえ、余程打線に手ごたえを感じていて自信があったのでしょう。」
宗口「結果的には、島谷と鬼束の二人の新人選手には良い経験になったようですね?」
石黒「そうですね。自信を持ったんじゃないでしょうか。」
宗口「それでは、試合前の両チームの監督と先発投手のインタビューをご覧ください。」
118 :
VTR1 : 2001/04/04(水) 13:00 ID:2cN9p2Tw
宗口「今日は勝てそうですか?」
中澤「いや〜、何ともいえませんね。
石川がスランプになってから打線の調子も落ちてますし、何か考えないといけませんね。」
宗口「セリーグ参入が決まりましたが、目標などは有りますか?」
中澤「そうやね、やっぱやるからには優勝目指しますね。」
119 :
VTR2 : 2001/04/04(水) 13:05 ID:2cN9p2Tw
宗口「プロ初先発になりますが、昨日は眠れましたか?」
柴田「いえ、あんまり眠れなかったです。」
宗口「先輩達からは、今日の初先発について何かアドバイスを貰いましたか?」
柴田「はい、稲葉さんに『気楽にやればいい』って言われました。」
宗口「今年の目標などありますか?」
柴田「とりあえず今日は、担当の四回を完投したいです。」
120 :
VTR3 : 2001/04/04(水) 13:13 ID:2cN9p2Tw
宗口「先日の試合は見事な完勝でしたが、今日は勝てそうですか?」
城島「完勝?馬鹿言っちゃあいけません!
走塁のイージーミスが3個、サイン見落としが4回、エラーが2回もあったんですよ。
あのままでは、セリーグには通用しませんので、気合を入れなおしました。」
宗口「そうですか…今年の目標は?」
城島「やるからには、優勝ですね。」
121 :
VTR4 : 2001/04/04(水) 13:19 ID:2cN9p2Tw
宗口「先日は3回を無安打に抑える安定したデビューでしたが、今日の調子は?」
島谷「普通ですね。前回高めにボールが浮いたので今回は気をつけたいです。」
宗口「先輩達には、何か言われましたか?」
島谷「相川さんに『開幕投手は譲らんで〜』とか『先輩の仕事少しはさせろや』って言われました。(笑)」
宗口「今日の目標は?」
島谷「そうですね〜、この前みたいに野手を信頼して打たせて取るピッチングで
3回を0に抑えたいです。」
122 :
解説者席 : 2001/04/04(水) 13:27 ID:2cN9p2Tw
宗口「という両チームのインタビューでしたが、解説の石黒さんどうですか?」
石黒「そうですね〜、両チームとも頑張って欲しいですね。」
宗口「ところで、今日も福田選手の姿はありませんでしたが、何かあったんでしょうか?」
石黒「あの選手は、完璧な自己流の調整法を持っているので、今頃山篭りでもしてるんでしょう。」
宗口「え?山篭りですか?セリーグ参入戦に参加せずですか?」
石黒「ナインを信頼しているから出来るんでしょうが、投打の要がする事じゃあないですね。(笑)」
123 :
てうにち新聞新入社員 : 2001/04/04(水) 13:30 ID:2cN9p2Tw
>>115 一応九回まで考えています。(笑)
>>116 気が向いたらまた衝撃的な書き込みをするかも…
感想も書いてくださいね。
マスコットって何が良いですかね?
ミニモチャン?プッチクン?矢口君?
あと言い忘れましたが、宇多田も新人です。
124 :
名無し娘。 : 2001/04/04(水) 16:23 ID:84y21cBs
いい調子だね、がんばって。楽しく続けてね。
とにかくモー娘や、その周辺の芸能人をまんべんなく使って欲しい。
それぞれの性格がわかるような文章もどんどんたのんます。
今までの文は読んでて楽しいです、リズムがいいっていうか・・
(こいつは、足があるから高めでいくべさ。)
安倍がインコース高めにミットを構えると、柴田も頷き振り被った。
(え?)
それを読んでいたかのように松岡バントの構え
「バントや!」
サード辻慌てて前進!
「ストラーイク!」
(高めだから、バスターにしたべ?)
(どないしよ…後退かな)
「平家さーん、後退させた方が良いんじゃないですか?また強振しましたよ。」
(全く新人選手を初回から揺さぶってくれるわ。)
平家は、溜め息混じりに内野を後退させた。
(良し・これでバントしやすくなった。ここからは1番の仕事に集中するか…)
「ボール!」
(スライダーは、良いキレじゃないか。次はインコースに際どい所か?)
「ファール」
(危ない危ないカット出来て良かったよ。ストレート・スライダー・フォーク
大分引き出したな。後は太一に任せるか)
(ここで全部を出してしまうのは、辛いべさ。という訳で外に逃げるスライダー
これなら打たれても一・二塁間だから心配ないべさ。)
(バントされても右投手の私がいるから大丈夫ですね。わかりました!)
「コツーン」
バントを成功させた松岡一塁に走る。
(良いバントが出来た、あれはキレない)
一塁についてからフェアーの事を確認し小さくガッツポーズをする。
「シャカシャカ」
城島ここで一塁ランナー松岡に盗塁の指示
「盗塁ですか?」
「せや、あの新人には悪いがここで勝負を決めさせてもらう。5番の自分にも回ると思うで」
「セーフ!」
宗口「松岡盗塁成功!積極的に走りますね?」
石黒「完全にバッテリー警戒の隙を突きましたね。」
宗口「新人柴田にとっては、辛い状況ですね?」
石黒「そうですね。ちょっと間を取ってやると良いんですが…」
宗口「おっと、二番国分ライト前ヒットでノーアウト一塁・二塁となりました。」
石黒「完全に混乱してますね。拙いですよ。」
(あ〜あ可哀相に…)
右打席に入った持田足場を整える。
(ど真ん中じゃん!)
「貰った〜!カキーン」
宗口「伸びる伸びるフェンスに当たった。ノーアウト満塁で次のバッターは4番浜崎です。」
石黒「ここは歩かせた方が良いかもしれませんね。満塁のときの4番と言うのは怖いものです。」
宗口「しかし次のバッターも新人ながら、本場アメリカ帰りの強打者宇多田ですよ?」
石黒「ですね…ここは外野と内野をバックさせてホームランしか得点できないようにしてみるしかないでしょう。」
宗口「やはりそのようですね。ゼティマベンチ守備を下げます。」
「あゆみの奴何か企んでますね〜。」
「何でわかんねん?」
ヘルメットを取り出しながらふとhitomiが呟いた。
「何となくですよ。おおかた次のヒカルに花を持たせようとか思ってるんですよ。」
(しかしこの状況で・・・・まさか)
宗口「一回表ゼティマの先発柴田捕まっています。
ノーアウト満塁で迎えるバッターは、4番浜崎に対して第一球ランナー走った!」
石黒「え?」
宗口「四番浜崎まさかのスクイズ!サード慌てて前進。ソニックス1点先制!」
石黒「恥ずかしながら、完全に浜崎に足がある事を忘れていましたね。」
安倍「次を抑えて立て直すべさ!」
柴田「はい・・大丈夫ですかね?」
中澤「同じ新人やし勝負してみ!」
矢口「打たれてもウチラがバックアップするから!」
飯田「取ったらバックホームだよね?」
中澤「いや、3塁ランナーは足があるからピッチャーゴロのとき以外は一塁や!」
抜き打ち更新!
読みにくいかな?
感想を聞かせてくださいね。
マスコットどうしよう?
>>124 頑張ってみますね。
試合は読みにくいですか?
137 :
名無し娘。 : 2001/04/05(木) 01:13 ID:HQDftxJ.
話の設定は面白いと思う。展開も好きだ。
が、無死二塁からライト前ヒットなのに何故無死一・二塁なのか?
さらにフェンス直撃なのに何故無死満塁なのか?
通常なら、ライト前ヒットなら、少なくとも一・三塁になるはずでは?
さらにフェンス直撃の当りなら、少なくとも松岡は生還しているのではないか?
あなたの作品にケチを付けようとは全く思わないし、
次回の更新をとても楽しみに待ってるんだけど、少し気になった。
城島「何で走らんかったんや?お前の足なら十分間に合ったやろ?」
松岡「一応ライトとレフトの守備のレベルと肩の強さを知っておきたかったので…」
城島「で…何がわかった?」
松岡「ライトの新人は、まだ木に慣れていないのか守備はザルで足が遅く肩もそんなに強くないです
バックホームのときショートが中継しようとしたので、間違いないでしょう。」
城島「浜崎のスクイズも自分の差し金か?」
松岡「あれは違いますよ。ただ打席に入る前俺を見てきたので何かあるとは思いましたがね…。
あ〜そうだ。今サードが前に出てるのは、バント処理のためだけじゃなくて高めが打たれた
ワンバウンドして頭の上を越えないようにするためですよ。」
城島「そうか…ご苦労!それにしてもアイツ何をやってるんだ?」
訂正
ゼティマ→ソニックス
平家「石川、アンタあの新人と知り合いか?」
石川「そうですけど、どうかしたんですか?」
平家「さっきからこっちをずっと睨んでるんやけど…」
石川「気のせいですよ〜。」
平家「なら良いんや。っていうか何で知り合い何や?」
石川「実は・・・」
141 :
試合前 : 2001/04/05(木) 14:30 ID:Y8qfJrpo
「今日はここでお昼にする?」
「そうですね。」
少し早く球場入りした保田と石川は、外に出て昼食をとることにした。
「お二人様ですね?こちらです。」
店に入ると店員は、愛想笑いを浮かべて2人を席へと案内した。
「結構混んでますね?」
「良いからさっさと注文しなさい。」
(変なの〜、試合前練習にはまだ時間有るのに…)
142 :
試合前 : 2001/04/05(木) 14:36 ID:Y8qfJrpo
2人が注文を終えると、入り口の方から別の店員がやってきた。
「申し訳ありませんが、席が不足しているため相席になりますが宜しいでしょうか?」
「良いですよ〜ねえ保田さん?」
「どんな人ですか?」
保田が店員に尋ねると、店員は入り口の方を見た。
143 :
試合前 : 2001/04/05(木) 14:44 ID:Y8qfJrpo
入り口の椅子には、ソニックスのジャンパーを着た3人組が座っている。
「良いですよ。」
保田がそう言うと、店員はまた走って入り口の方に戻っていった。
「どうも…」
「良いんですか?これから試合の選手と一緒って…」
「良いからヒカルも座りなって!」
浜崎と持田は、困惑している宇多田を座らせると注文を済ませた。
144 :
試合前 : 2001/04/05(木) 14:51 ID:Y8qfJrpo
「私も同じ物で…」
宇多田も恐る恐る注文すると、3人は2人を見た。
「あれ〜誰かと思えば圭じゃんか!去年は惜しかったね?」
「オフ以来だね。元気にしてた?今年も勝負だよ。」
「まあねって、本塁打王やMVPを二年連続で取るつもり?」
「さ〜ね。」
145 :
試合前 : 2001/04/05(木) 15:03 ID:Y8qfJrpo
「あの〜」
三人が和気藹々と話していると、石川と宇多田が殆ど同時に口を開いた。
「あ、忘れてた〜ごめんごめん。これがウチの期待の新人遊撃手宇多田ヒカルだよ。
アメリカに野球留学した事もあるらしいよ。」
「フーン、アメリカね〜。こっちは只今死球の後遺症に苦しんでいる悩める新人石川梨華よ。
ポジションはショートよ。」
互いの新人の紹介が済むと、ちょうど良いタイミングで店員がやってきた。
「ライスのおかわりはご自由にお申し付けください。」
店員がお辞儀をして下がろうとした。
「おかわり*2」
石川と宇多田が殆ど同時に御代わりをすると、戦いの火蓋が切って落とされ
その戦いは、10分後それぞれの先輩にゲンコツを落とされるまで続いた。
今日の更新は、ここまで?
夜も時間が有ったらするかも…。
>>137 松岡のキャラを作りたかったんで、不自然な事になりました。
また何でもいいので、感想をお願いします。
147 :
試合前(球場に向かう道で) : 2001/04/05(木) 20:46 ID:Y8qfJrpo
石川「もう少しで試合ですね〜。」
宇多田「あのさあ、石川ちゃん死球の後遺症でバット振れなくなったって言ってたけど
あんまり気にしないほうがいいよ。私もアメリカで成った事あったけどすぐ治ったから…」
石川「どうやって治したんですか?」
宇多田「簡単だよ〜。強く踏み込むんだよ、
気持ちとしては、『私はまだ野球を続けたいとか、こんな球に負けてたまるか』って感じかな。」
石川「ヒカルさんは、強いんですね…」
宇多田「そんな事ないよ〜、死球受けた人なら誰でも出来る事だよ。
逃げなかったから当たったんだし…プラス思考ポジティブこれは大切ね。」
石川「ポジティブ…ですか。」
宇多田「とりあえず開幕までには治してよね。私・石川ちゃんをライバルに決めたんだから〜。」
石川「ライバルですか?」
宇多田「だって同じルーキーだし、ポジションも一緒だし、声も似てるし…いいでしょ?」
石川「良いですよ。望むところです!今年の新人王とゴールデングラブ賞とベストナインを目指しましょう。」
宇多田「そうそう、その意気!とりあえず今日は私が本場で揉まれたって所を見せてあげるね。」
石川「という訳です…。」
平家「ライバルな〜。良い響きやな〜。それでこっちを見てるって訳やな?」
石川「多分…」
平家「ならしっかり見せてもらわんとな。石川のライバルがどんなもんか
それに自慢の本場で揉まれた野球ってのも見にゃいかんな。」
安倍(右対右だし…ここは外から際どく入るスライダーで様子を見るべさ。)
柴田(データも無いし、そうですね。)
審判「ボール!」
安倍(次は外に逃げるシュートだべ。今度は入れるんだべ。)
審判「ストライーク!」
柴田(次は…インコース高めにフォークですか。)
審判「ストライーク!」
安倍「何で振らないんだべ?」
宇多田「次に来るストレートを待ってるんですよ。」
安倍(読まれてる?でも今ならフォークに目が慣れてるなら…)
宗口「宇多田追い込まれていますね〜。」
石黒「安易な勝負は危険を感じますが、今ならフォークで目が慣れているので大丈夫でしょう。」
宗口「ここで三振を奪えば、この裏の攻撃でゼティマに流れが回る可能性も…」
石黒「十分考えられますね。」
宗口「ここでもう一球フォークなんて使うと、混乱するんじゃないでしょうか?」
石黒「それは面白いですが、次がストレートだといっているような物ですね。」
安倍(ちょっと不安なので、インコース高めにもう一球フォークだべ。)
柴田(ボール半個分外ですね。)
審判「ボール!」
宇多田「あれあれ?フォークが2種類あるの?次は??」
安倍(混乱してるべさ、今度は一球前と同じコースにストレートだべ。)
柴田(勝負!)
城島「一見追い込まれてるように見えないことも無いな。」
松岡「監督にもそう見えますか?」
城島「仮にもソニックスの5番が、1球も振らずに追い込まれるはずが無いだろ。」
松岡「遊ばせすぎですよ。サイン出した方が良いんじゃないですか?」
城島「まあまそう言うな、新人は大きく育てないとな!」
柴田(まだ振ってない…よし勝った!)
ボールがホームベース上を横切った。
安倍(ここから始動…速い!)
宇多田(一気に決めてやる!)
「カキーン」
打球はライトへ
宗口「ライナーで飛んでいく!ライト吉澤届かない。入った〜、いや切れています切れました。」
石黒「危ないですね。」
宗口「今の打球凄かったですね?」
石黒「ファーストとセカンドが飛びついて、ライトまでジャンプしたボールがスタンドインするとは…」
宗口「ファールになったのは、フォークが効いていたんでしょうか?」
石黒「無意識のうちに効いていたのでしょう。」
宗口「バッテリー苦しくなりました。」
今日はここまでです。
一応中澤のラジオ聞かなきゃ。
感想教えてくださいね。
試合の書き方読みにくいのか?長いかな?教えてください
156 :
てうにち新聞新入社員 : 2001/04/06(金) 07:51 ID:io57yi4Q
今日から学校なので、今日の更新は夜です。
157 :
1回表(ソニックスの攻撃)ゼティマバッテリー : 2001/04/06(金) 20:58 ID:io57yi4Q
安倍(ここで決め球シンカーだべ。)
柴田(大丈夫ですかね?)
安倍(柴田のシンカーは変化するのが遅いけど、幅があるから大丈夫だべ。)
柴田(でも…今のスイング…)
安倍(目から一番遠いアウトコース低めだべ。)
宇多田(ショートがサードよりに動いた。腰を低くしてるって事はゴロに備えてるの?
あの守備位置から予測すると、コースはアウトコース…高さは目から遠い低め?)
宗口「柴田振り被って投げたー。」
宇多田(ストレート?オカシイそれじゃあゴロには…それにさっきと同じコースじゃん)
ボールがベースの上を通過
宇多田(貰った〜…ボールが消えた?)
安倍(勝った!)
宇多田(ヤラレタ…でも打たなきゃ!せっかくあゆみさんがチャンスくれたのに…)
柴田(今更振り始めても無駄よ。)
安倍(え?)
宇多田(ボールの揺れを見極めて、最短にコンパクトにスイングすれば間に合う)
柴田(まさか・・・)
安倍(う・ウソダベ…打たれた・・・ゴフォゴフォ焦げ臭い)
宗口「伸びる、伸びる!グングン伸びる!入った〜満塁ホームラン!
ソニックス四点追加!5対0!打線爆発!
ボールはスコアボード最上部にあたり、場外へ消えました。」
保田(何とか助けたいけど、あれは無理よ。)
宗口「凄い新人が現れましたね?」
石黒「スイングが速いと球をギリギリまで引き付けられるというメリットが出来ますね。
あのスイングのレベルは、かなり高いですね。」
宗口「まさに天性の才能とでも言うのでしょうか?
さらに宇多田はこの打力だけでなく、走力・守備力・肩もかなり高いレベルが高いのだから驚きですね。」
石黒「それでも、ゼティマが諦めるのはまだ早いですね。」
宗口「え?」
石黒「宇多田以上の選手が私の現役時代には、ゼティマにいましたからね…」
宗口「福田・安倍両選手ですか?」
石黒「いえいえ、彼女達はいわば天才…それとは正反対の言うなれば
天性とは無縁の選手ですよ。彼女は毎日死ぬほど練習してましたよ。
まあ私の在籍中は、その力に振り回されて使いこなせていませんでしたけどね。」
宗口「ではこの試合はもつれると言う事ですか?」
石黒「何しろまだ1回ですからね。」
安倍「まだ1回だべ。打線がきっと逆転してくれるべ!」
柴田「・・・」
審判「hurry up!」
(もう無理だよ。どうせ私には無理なんだ〜。)
「コツーン」
宗口「2者連続ホームラン!これで6対0」
石黒「気持ちで負けたら終わりですよ。」
宗口「ここで平家代理監督タイムを取ります。」
石黒「あれ?監督と投手コーチ以外グランドに入って良いんでしたっけ?」
宗口「良いはず無いでしょう…あれ?」
塁審「ルールだから駄目です。」
稲葉「こんな大事なときにルールなんてどうでも良いやろ?どけ。邪魔や!」
塁審「アホだと?退場!審判への悪質な暴言と暴行で稲葉投手速やかに退場!」
稲葉「柴田!アンタなに諦めてんねん?打線を信じれんのんかい?
投球はハートやってあんなに教えたやろ?自分4回まで投げるんやろ!」
塁審「退場!」
164 :
てうにち新聞新入社員 : 2001/04/06(金) 22:13 ID:io57yi4Q
今日はここまでです。
明日はいよいよ加護の当番予定!
何でも良いから感想を教えてください。
特に試合について…
165 :
名無し娘。 : 2001/04/08(日) 07:12 ID:hAUOrdqI
hozen
>>165 有難うございました。
今日から石川記念日と名乗る事にしました。
心機一転頑張る事にします。
その後何とかスリーアウトを取った柴田は、4回を投げ抜き自責点6
5回からは、中継ぎとしてあさみが登板し3回を無失点で切り抜ける。
新人投手の好投に応える様に、ゼティマ打線は4回からマウンドに上がった
ベテラン左腕の鈴木を打ち崩しその差を2点差とする。
5回裏
立ち上がりから、コントロールの定まらない鈴木の失投を見逃さず
先頭打者安倍がライトスタンドへと運びまず一点
その後ワイルドピッチや死球などで、ツーアウト2・3塁でバッタは1番辻
バッテリーは弱点のアウトサイドを多用して抑えようとしたが、コントロールが乱れ
スリーランと成る。
今日はここまでです〜。
短くてごめんなさい。
明日こそ加護を投げさせたい。
でも、この形式にすると…
そこから両チームとも得点圏にランナーを進めるものの決定打が出ず膠着状態となったが
8回からマウンドに上がった加護が、7.8.9番から三者連続を奪うと流れは一気にゼティマへと流れた。
「残念だったね?」
「ん?何がや?」
「加護に変化球覚えさせたくて、ワザとソニックスに投げさせてるでしょ?」
保田は、ベンチから加護にアドバイスを送りながら中澤に尋ねた。
「まあな。抑えれば自信になるし、打たれればストレートだけの無謀な投球も諦めるやろうし…
どっちに転んでも損にはならんやろ?」
中澤は三振して帰ってきた加護を見ながらそう小声で答えた。
「考えられたリレーやな。左オーバー・左サイド・左アンダーやろ。的が絞れんわけや。
短期戦にはもってこいやな、ウチも最初は柴田は三回で良いと思ったんやけど、
監督が加護が抑えとしてやっていけるか見ておきたかったしな…。」
打席ではミートの上手い矢口が、空振りしている。
(自然と目って慣れてくるし、狂わせられるのよね。)
矢口が三振したのを見た保田は、溜め息をつくとグランドに出た。
「ストライーク!」
松岡(う〜ん、速いのは分かってたけど、打席に入ると一段と速く感じるな。
それに手元でかなり伸びるまるで消えた感じだ。それに微妙に変化するし…。)
安倍(次は…。)
加護「逝け〜」
コツンという打撃音と共にボールは、高々と上がった。
「オーライ、オーライ。アッ」
吉澤はフェンスに当たってボールを落としてしまった。
「ファール」
松岡は、10球も粘ったが結局三振したのでベンチに戻った。
城島「珍しいやないか?松岡がボール球に手を出すなんて?」
松岡「すみません…」
浜崎「唯のストレートですよね?」
松岡「唯のじゃなくて、こう微妙に変化するし伸びるし…」
宇多田「あ、国分さんバントしましたよ。」
「セーフ」
(あ〜あ、ランナー出してもーた。セット苦手やねん。)
「ボール」
加護の投げたボールは、ワンバウンドすると安倍のミットに収まった。
不安を感じた安倍はタイムを取ると、マウンドに向かった。
ショート中澤もマウンドへと向かう。
安倍「加護〜落ち着く」
中澤「ゴロにすれば良いくらいの気持ちでいけば大丈夫や」
加護(気楽に行けってことやな。)
「石川良く見とくやで?あれがゼティマのショートの仕事や。」
平家は加護を励ましている中澤を指差すと、ベンチに座っている石川を見た。
石川は黙って頷くと、再びグランドを見た。
「まあ、向こうが合わせてくる限り安心やな。」
「え?」
「加護ってのは、不思議なタイプでピンチに成ればなるほど、燃えれば燃えるほど
常に進化をし続ける究極進化型投手なんや。」
「コツン」
「あれ?」
平家の予想は、惜しくも外れたのか打球はセカンド矢口の目前でワンバウンドし
頭上を越えセンター前ヒットとなった。
(ピンチやな。しかも次は4番やで…燃えるな〜打者も打つ気満々やし)
訂正
予想→説明
今日の更新はここまでです。
マスコットは…。
応援歌は…問題山積み
179 :
名無し娘。 : 2001/04/14(土) 00:16 ID:rKDduL6w
hozen
180 :
名無し娘。 : 2001/04/14(土) 14:23 ID:PX1P69p6
催促上げ
181に付け加え
加護編は、もう2ヶ月近く更新が無いので
興味や関心のある方や腕に自信のある人達でリレーにして貰えると幸いです。
「カキーン」
「危ない」
マスクを外した安倍は、三遊間の方を見て叫んだ。
打球は中澤と辻の守備範囲が、ちょうど重なる所を通過し
2人ともこれ以上点はやれないとばかりに、必死にダイビングしたため接触してしまった。
「中澤選手と辻選手の怪我の治療のため暫らくお待ちください」
ウグイス嬢のアナウンスが、球場に響き渡り観客はざわついた。
2分後
平家が交代を告げサードにりんね、ショートに石川が付くと試合が再開した。
(満塁でよりにもよって宇多田だべ。勝負する?)
(当たり前やん…でも満塁…)
まともに勝負するのが分が悪いと直感した加護は、一球低めに投げた。
「ファール」
打球はバックネットに当たった。
(まさかもうウチの球に慣れたんやろうか?)
(みたいだべ…一か八かスローボールをインコース低めに頂戴)
安倍の配球が功を奏したのか、打球はショートゴロと成った。
「2人とも大した怪我やないんやけど、念のためな…」
平家が交代して入った2人を見ながら説明した。
「石川!逝くよ。次アンタから」
保田は石川にヘルメットをかぶせると、何やら耳元で囁いた。
(多分初球はインコースに来るから、バッターボックスの外側に立ちなさい。)
ネクストゾーンで保田と別れた石川は、言われたとおり左打席の外側に立った。
「そうそれで良いのよ。インコースが駄目なら無くしてしまえばいいのよ。
私がアドバイスするのはここまで、あとは自分で何とかなさい。」
保田は雛を見守る親鳥のような気持ちで、石川を見守っていた。
1球目はタイミングが合わず空振り、2球目はアウトコースに手が届かずにストライク
「タイム!!」
(怖がっていたら、いつまでたっても打てない…)
3球目の前にタイムを取った石川は、打席の最内部にたった。
(ポジティブ・ポジティブ)
石川が目を開けると、ボールが目の前に来ていた。
(こ・ここから曲がる…)
石川は球を見極めると思いっきり振り抜いた。
打球はセンター前ヒットとなり
一塁でガッツポーズをして喜んでいる石川をみた保田は、静かに微笑を浮かべた。
その後保田もセンター前ヒットが続いたところで、
女房役安倍がサヨナラスリーランを放ち何とか逆転勝利となった。
ヒーローインタビューでは名誉の負傷(?)をした中澤がお立ち台に立ち
『私が選手としてグランドに立つのは、今日の甲子園が最後ですが
これからは監督としてゼティマを引っ張っていくので、こ応援をよろしくお願いします』というと
客席から『4年間お疲れ様!』という声が飛び交う中、選手会長飯田と副会長保田から花束が送られた。
今日はここまで、何と甲子園で試合をしていたんです。(笑)
中澤卒業をどう組み込むかかなり悩んで、こんな結果になりました。
これで監督業に専念させれると思います。
中澤は監督として、かなり活躍する予定…
今日の更新は、高熱のためありません。
今早退して帰ってきました。