1 :
号泣五十三次 :
暗い話しでごめんね。
2 :
号泣五十三次 : 2001/02/23(金) 22:11 ID:gOvn44dk
第1章 「眺める理由」
南に向いた窓から顔をせり出して西の方角を見る。
夕暮れ時の太陽を左側半分だけ見る事が出来た。
毎日、夕方には太陽を眺める。それは私がここにいる間毎日かかさず
行っている決まり事だった。
「また外見てるん?よくまぁ毎日飽きずに。」
ドアを開け同室の田村直美が入ってきた。
ここは地方にある聖法(仮名)女子少年院。
各部屋は10畳ほどの広さに2段ベットが二つ、東と西の壁際に
備え付けられている。
窓は南側に一つ。その先には黒い鉄格子がはめ込まれている。
私は振り向くと何も言わず、田村の顔をじっと眺めていた。
「怖い顔すんなよ。ただ毎日同じ事してるから聞いてみただけだよ。
・・・・ねぇ吉澤ぁ・・・・それ何か意味あんの?」
田村は畳の上にあぐらをかき、規則により無理やり黒くさせられた髪を
かき揚ながら聞いてきた。
「別に・・・・・。」
私は一言そう答えるとまた窓の外を眺め始めた。
真っ赤に滲んだ西の空に半分だけの太陽が沈み始めていた。
上の方はすでに紫色で、一番星が見えている。
しばらくの間私はそれを眺め続けていた。
3 :
号泣五十三次 : 2001/02/23(金) 22:12 ID:gOvn44dk
太陽があらかた沈んだのを確認した私は眺めるのを辞めて
畳の上に座った。
田村は膨れた顔で私に背を向けている。
私はそれが可笑しくて小さく鼻で笑うと、田村は振り向いて
私に当たり始めた。
「吉澤お前ふざけんなよ!!お前が変な事してるから聞いたんじゃ
ないかよ!!何でお前毎日外ばっか見てんだよ!!えぇっ!!
そんなに出てえのかよ!?」
田村は本気で怒っていた。
「ちゃんと意味があるんだよ。私にはね。」
「何だよその意味ってぇ?私にも言えないのかよ!!」
「そんなんじゃ無いけどね・・・・。」
私は側にあった座布団を田村に投げつけた。
「お尻痛くなるよ。使いなよ。」
田村は座布団を乱暴に敷く。
私も座布団を持ってきて改めて座りなおした。
「もうすぐ夕飯の時間じゃん。食べ終わったら話して上げるよ。」
「ホントだな!!飯食ったら話せよ!!」
「はいはい・・・・。」
田村はそれを聞いて機嫌を直した。
それを見て私は「素直な奴だ」と思った。
しばらくすると部屋に取り付けられたスピーカーから音楽が鳴り、
夕飯の時間になった。
4 :
号泣五十三次 : 2001/02/23(金) 22:12 ID:gOvn44dk
この部屋は本来四人部屋なのだけど、今は私と田村の二人しか居ない。
変わり映えのしない見るのも飽きた夕飯を私達は黙って食べていた。
その間、私は考えていた。田村に話してもいいのだろうか?と。
でも、やってしまった事は事実なのだし、今更隠しても仕方が無い。
私の犯した罪は日本中が知っている事なのだから。
私がここに入った時、一番最初に仲良くしてくれたのが田村だった。
田村はいろいろと親切にしてくれた。
それがどれだけ私の助けになったのだろう。
だからいいんだ。
私は夕飯を噛みながらそう思った。
夕飯を終え、部屋を片付けると私達は部屋の真ん中に座る。
田村はもう待ちきれないとゆう顔で私が話すのを待っている。
私は息を吐き、話し始めた。
「大事な友達が西の方の病院に居るの。その娘は私のせいでおかしくなった。
私はその娘が心配だからいつも1日の終わりには西の方を見て
その娘の事を思ってるんだよ。」
「・・・・・。マジで・・・・・!?」
私は唇を噛んだ。
田村は眼を開いて驚いていた。
「・・・ごめん・・・そんな事とは知らなかったから・・・私・・・。」
「ん〜んっ、いいの。黙ってた私も悪いんだから。」
開けっぱなしの窓から涼しい風が入ってきた。
私は壁際に移動し思い出していた。
自分の犯した罪のことを。
田村は黙って私を見ていた。
5 :
名無し娘。 : 2001/02/23(金) 22:16 ID:H/ZnWsXo
おい、田村直美かよ
6 :
号泣五十三次 : 2001/02/23(金) 22:26 ID:Ki4ioZrE
7 :
号泣五十三次 : 2001/02/23(金) 22:32 ID:P4laubFk
>>5 ああ、解かった。ごめん気にしないで、周りに居る名前を二つ
くっつけただけだから。
8 :
号泣五十三次 : 2001/02/23(金) 22:46 ID:L6O8pXME
第2章 「何時からか」
あれからどの位立つのだろう、二年ほど前だろうか?
正確には忘れてしまったけれど、その当時、私はモーニング娘の一員だった。
日本中の誰もが私の事を知っていた。
人気も有り、毎日が忙しかった。それこそ全国を飛びまわった。
田村はそれを「羨ましい」と言うけれど私はそう思わない。
何故なら、私がここに来る事になったのも、元はと言えばメンバーとの仲が原因だからだ。
テレビや雑誌等で見られる私達の笑顔は作り物。
本当は最悪の人間関係だった。
私はモー娘の新メンバーとして選ばれた四人の中の一人だった。
その中でも同い年の石川梨華とは特に仲が良かった。
二人でいろいろと頑張ってきた。
辛い事もあったし、何かと励ましあってきた。
だけどいつからか梨華はモー娘のリーダーである中澤に可愛がられるようになり、
逆に私は遠ざけられてきた。
リーダーの権限なのか他のメンバーも私には冷たくなってきた。
話しかけかけても素っ気無い返事が返ってくる。
思えばその頃から段々と私はおかしくなってきたのかもしれない。
メンバーに会うのが嫌になってきた。
唯一仲のいい梨華とさえ、中澤からの横やりに邪魔をされ話しさえ出来ない。
日に日に私は追い詰められるような気分になっていった。
9 :
名無し : 2001/03/03(土) 02:27 ID:JZtS9UY.
続きを待っていたりするのです。
10 :
名無し娘。 : 2001/03/06(火) 01:47 ID:6SF.AHhk
私も続きを待っていますよ。
11 :
名無し娘。 : 2001/03/10(土) 10:02 ID:QNp3a2S6
かまん。うつくしいすべてはおそろしさのまえぶれです。
12 :
名無し娘。 : 2001/03/10(土) 10:07 ID:Rk4OIzj.
中澤ではなくて、中澤様と言いなさい・・・・・・・・(涙
13 :
娘。リーダー : 2001/03/10(土) 10:18 ID:WMI8/AYM
ぜってー卒業なんてだめだ。。。お願いゆうちゃん、やめないでくれい!
(涙。) (;_;)
14 :
名無し娘。 : 2001/03/11(日) 22:56 ID:yt4ihC/I
ヘロン記念日「つづき待ってます」
15 :
名無し娘。 : 2001/03/18(日) 00:41 ID:RZGHvpC.
ほぜん記念日
16 :
名無し娘。 : 2001/03/25(日) 00:29 ID:73dFo.ac
ホゼン
17 :
名無し娘。 : 2001/03/31(土) 03:14 ID:zu8AXKVc
暗い話し好きだぜ。どんどん暗くしてくれ。
18 :
名無し娘。 : 2001/04/03(火) 00:25 ID:72K.1y6U
hozen
19 :
名無し娘。 : 2001/04/08(日) 07:13 ID:hAUOrdqI
hozen.
20 :
アップ職人 : 2001/04/11(水) 14:28 ID:5TlieNmc
上げるか
21 :
名無し娘。 : 2001/04/14(土) 00:12 ID:rKDduL6w
hozen..
22 :
名無し娘。 : 2001/04/19(木) 00:32 ID:.aBZm6RI
hozen...
23 :
名無し娘。:2001/04/21(土) 03:47 ID:d4tOHtXs
hozen....
24 :
名無し娘。:2001/04/24(火) 01:47 ID:7ZYGYyug
最終更新から2ヶ月たちましたよ。
25 :
名無し娘。:2001/04/25(水) 04:36 ID:CNHzOErU
作者さんからの反応がなければ、保全を止めます。
26 :
名無し娘。:2001/04/28(土) 22:12 ID:e.z6R4IY
もうちょこっと待ってみる。
27 :
名無し:2001/05/02(水) 02:57 ID:Vlivhqqw
テスト
28 :
名無し娘。:2001/05/07(月) 00:02 ID:M3GZKQqM
一応
29 :
名無し娘。:2001/05/08(火) 18:16 ID:DVXliJNo
sage
30 :
名無し娘。:2001/05/10(木) 00:20 ID:GcTuikDs
sage
31 :
し: