1 :
名無し娘。 :
ショートショート創作スレッドです。
ふるってご参加下さい。
2 :
保田の休日 : 2001/02/09(金) 21:25 ID:bf6gA2mw
「いかがですか?充分お楽しみいただけましたか?」
「ええ、勿論」
「トップアイドルであるモーニング娘。のあなたがキ○ィちゃんのファンとは、我々社員
も鼻高々ですよ。」
太陽が傾きかけたサ○リオランド。
保田は、この日ほど芸能人に、モーニング娘。になれたことを感謝したことはなかった。
趣味で集めていたキ○ィちゃんグッズ。そのことがサ○リオの社長に伝わり、このサ○
リオランドに招待されたのだ。
「さあ、今日は特別です。あなたにとっておきのプレゼントがあるんです」
案内を努めるその若い社員は、にこやかに微笑んだ。
「え?まだ何かあるんですか?」
既に保田の両手には持ちきれない程のグッズでいっぱいだ。
「本物のキ○ィちゃんに会わせてあげますよ」
3 :
保田の休日 : 2001/02/09(金) 21:25 ID:bf6gA2mw
「本物?」
一瞬、保田は男の言っている意味が解らなかった。
どういうこと?着ぐるみとなら、さっき一緒に写真撮ったけど……。
今一つ要領を得ないまま、保田は男の案内するランド内のオフィスのある建物の地下に
降りて行く
「いいですか?これは絶対内緒ですよ」
ウィンクする男に生返事をしながら頷くと、エレベータが停止した。
扉が開くと、動物園やペットショップのような獣の匂いが鼻を突いてくる。
そしてそこには…
「どうです?本物に会った感想は?」
驚きのあまり、保田は暫く声が出せなかった。
そうか。本物とはこういうことだったのか…。
4 :
保田の休日 : 2001/02/09(金) 21:28 ID:bf6gA2mw
目の前のガラス越しに動き回る、生きた、本物のキ○ィちゃん達。
ただ、保田には、それは可愛いと言うより、グロテスクに感じられた。なにしろ顔はあの
ままなのに、体は猿のように毛むくじゃらで、大きさも10センチくらいのものも居れば人間
より大きなものまで居るのだ。それに、鳴き声。「グエッ、グエッ」と叫びまわる様は、その
可愛い顔とはあまりに不釣合いだ。
男はそこから適当なサイズのものを一匹取り出し、飼育係らしき女性に手渡した。
「お楽しみはこれからですよ。今から作り立てのキ○ィちゃんグッズをさし上げますから」
その言葉に、保田は不吉なものを感じたが、果たしてそれは的中した。
「グエッ、グエーッ!!」
激しく暴れるキ○ィちゃん。だが、飼育係は表情も変えずにその首を刃物で掻き切った。
「グええええ!!!!」
断末魔の叫びが途切れるまで、ものの数秒だった。
「いやっ!」
保田は頭を抱えてしゃがみこんでしまったが、男と飼育係はお構い無しに作業を続ける。
ベリベリ…。おそらく頭の皮を剥いでいるのであろう、気味の悪い音が、血の匂いと共に
保田を容赦なく包み込んでいく。
5 :
保田の休日 : 2001/02/09(金) 21:29 ID:bf6gA2mw
そうだったのだ。数々の愛らしいグッズは、全てこうして…。
「あとはこれを乾燥させて、お好きなものに貼りつければ、キ○ィちゃんグッズの出来上がり
です。何がいいかな。あ、エルメスのバッグにくっつけてあげましょう」
男はそこで初めて、座りこんで震えている保田に気がつき、苦笑した。
「おや、ちょっと刺激が強過ぎましたか?でも、毛皮のコートや鰐皮のバッグとか、女性は
残酷なものがお好きでしょうに」
その時、奥の方で何かが壊れる音と共に、飼育員らしき人間の悲鳴が上がった。
男の顔が青ざめる。
「しまった、あれが…。」
「グエッ!!!!!!グエエエエエエッ!!」
通路の奥から現れた、その巨大なキ○ィちゃんの動きは、まさに肉食獣の素早さだった。
その長く鋭いツメで男の頭を一瞬で跳ね飛ばし、銃を構える女性飼育員を食いちぎる姿を
保田は呆然と見つめるしかなかった。
私達はキ○ィちゃんが好きだ。そしてキ○ィちゃんは人間の肉が好きなのだ。
保田を見下ろす、愛らしい獣は、口を大きく裂け広げ、白い牙を剥き出しにした。
終り
6 :
可愛い悪魔。 : 2001/02/10(土) 02:00 ID:Fq8OqWDk
辻と加護が、またはしゃいでいる。
いつ如何なる時も、そのテンションの高さが変らない二人だが、
特に、ここ数ヶ月のはしゃぎようは、尋常ではない。そして、
そのテンションの異常上昇に同調するように、モーニング娘。
に「ある異変」が起こっていた。
その「ある異変」の前兆に、いち早く気がついたのは、矢口真里
だった。いつも、楽屋入りすると、すぐに矢口にペットリとしな
だれかかってくる中澤裕子が、ここ数日、全く矢口に寄りつかな
くなったのだ。それだけではない。矢口の方から中澤にじゃれつ
いて行っても、中澤はつっけんどんに矢口の躯を押し返し、一つ
ため息をついて、じっと動かなくなってしまうのだった。
明らかに、何かがおかしかった。
7 :
可愛い悪魔。 : 2001/02/10(土) 02:01 ID:Fq8OqWDk
「体調悪いのかな…裕ちゃん」
いつもはウザく感じていた中澤の抱擁も、無くなれば寂しいもの
で、矢口は心配そうに呟くのだった。しかし、そんな矢口の願い
も虚しく、中澤はとうとう仕事場に姿を見せなくなってしまった。
リーダー不在のモーニング娘。ではあったが、結束の強さは変る
ことはなく、いつもの仕事を、いつも以上のがんばりでこなして
行った。が、しかし、どこか締まりがないのも事実で、妙な空気
がメンバー内を包んでいた。しかし、そんな中にあっても、辻と
加護のテンションは下がる事を知らなかった。それどころか、前
にも増してパワーが強くなっている感じさえする。
「ちょっとアンタたち、裕ちゃんがいない時くらい、静かにしたら」
矢口は何度も二人を嗜めたが、その場は大人しくなっても、また
すぐにはしゃぎ回ってしまう。矢口はその様子を横目で見ながら、
中澤の存在の大きさというものを改めて感じずにはいられなかった。
8 :
可愛い悪魔。 : 2001/02/10(土) 02:02 ID:Fq8OqWDk
2日後。
中澤が来なくなって間がないというのに、今度は保田圭が仕事を休
んでしまった。さらに、その翌日に飯田圭織が、そして、さらにそ
の2日後に安倍なつみがと、年長のメンバーが次々と仕事に来なく
なってしまったのである。矢口はガランとした控え室の片隅で、こ
の不可解な事件について、一人考えていた。
『絶対におかしいよ…年上のメンバーから順番に倒れていっちゃう
なんて…何が起こってるっていうの?…』
そこまで考えて、矢口は背筋に悪寒を走らせた。
そう。順番から行けば、次は矢口の番なのだ。一体、メンバーたち
に何が起こっているのか、そして、矢口自身の身にどんな事が起こ
るのか。矢口は、一人でいるのが急に怖くなって、急いで控え室を
飛び出した。そして、どこに行く訳でもなく、スタジオ内の廊下を
ウロウロと歩き回った。
「………や………さ…」
9 :
可愛い悪魔。 : 2001/02/10(土) 02:03 ID:Fq8OqWDk
ふと、自分の名前を呼ばれたような気がして、矢口は立ち止まった。
辺りを見回すが、人影はない。気のせいかと、また歩き出そうとす
る矢口の耳に、今度ははっきりと自分の名前が飛びこんできた。
「…やぐちさんは……」
矢口の立ち止まった場所は機材倉庫の前だった。開け放たれた扉。
倉庫の中は薄暗くて、誰がいるのか、よく見えない。矢口は怖が
りながらも、意を決して倉庫の中に入っていった。太いカメラケ
ーブルや照明機材が所狭しと置かれていて、歩きにくい中、矢口
は身をかがめ、赤ちゃんのする「ハイハイ」のような姿勢で、ゆ
っくりと薄暗い室内を進んで行く。
「…!」
矢口は驚きのあまり声も出なかった。
10 :
可愛い悪魔。 : 2001/02/10(土) 02:03 ID:Fq8OqWDk
倉庫の一番奥にしゃがんでいた二つの人影。見慣れた赤いTシャツ。
辻と加護だった。
「…みんな、意外と簡単にやられちゃうね」
「だって、みんなもういい歳だから」
「フフフ…そうだよね。年寄りだからしょうがないよね」
「次は矢口さんだよ? どうやって料理しちゃう?」
「そうだなぁ…矢口さんは意外と強いから、ちょっとやそっとの事
じゃダメだと思うな」
「じゃあ、全開パワーで暴れちゃおっか」
「そうだね…矢口さんの魂って、まだ若いから、きっと高くさばけ
るはずだし」
「そうだね…でも、みんな驚くだろうね、私たちが悪魔の遣いだっ…」
ガシャーン
矢口は、その場から逃げようとして、近くにあった機材にぶつかっ
てしまった。その物音に気がついた二人が、矢口のもとに近づいて
来る。
「あれ…矢口さーん、何やってるんですか、こんなトコで?」
「もしかして、わたしたちのはなし、きいてました?」
矢口は、もはや瞬きをする事さえできずにいた。いつもの、屈託な
く笑っている辻と加護の表情はそこにはなかった。緑色の皮膚、こ
の世の物とは思えないグロテスクな顔面からは、涎の雫が滴り落ち
ている。それはまぎれもなく「悪魔」の姿そのものであった。
「見ちゃったんですね、私たちの秘密…」
「そうなっしまったいじょうはもう…生かしちゃおけないですね…」
しゃがんだままの態勢の矢口に、口を大きく開けた二人が襲いかか
らんとする。半狂乱となった矢口は大声をあげ、身をよじらせなが
ら出口へと向かおうと身体をもがかせるが、全く前に進まない。矢
口の背後で、ピチャピチャと粘膜の張り付く音がする。矢口は叫び
ながら、耳を塞ぎ、蹲った。
「いやーーーーーーーーーーっ!」
11 :
可愛い悪魔。 : 2001/02/10(土) 02:04 ID:Fq8OqWDk
「…矢口…ちょっと、矢口って…」
身体を震わせ、耳を塞いだまま泣き喚いている矢口を、中澤の両手
が揺すった。恐る恐る目を開け、そこにいるのが中澤と解ると、矢
口はもう一度号泣し、中澤の胸に飛び込んだ。そして、少し落ちつ
いた所で、今見た夢の一部始終を矢口は話した。中澤は、ケラケラ
と笑いながら、時折矢口の頭を撫でてやる。
「…そんな怖い夢見るほど疲れてるんか…少し休んだ方がええのか
も知れんなぁ」
中澤は自分のハンカチで矢口の涙を拭いながら、そう呟いた。
「もう大丈夫か?歩けるか?」
「…うん…」
「よっしゃ。気分直しにジュースでも買いに行こか」
そう言って中澤は、矢口を抱きかかえるようにして控え室を出てい
った。
その中澤の足跡から、白濁色の粘液が、後から後から滲み出す。
その事をまだ、矢口は知らない…
=終わり=
歌番組の収録が、終わった。
「今日も大変やったなぁ。」
加護は、辻と二人で乗った局のエレベーターで呟いた。
「そうですねぇ。最近いっぱいお仕事あって、何処にも遊びに行けませんよ。」
辻は、何の気なしに言った。
今、考えるとそれがいけなかったのだ。
いつもなら、楽屋のある階までは、3分かからないのだが、
今日はヤケに、時間が掛かる。
「どうしたんやろなぁ。」
「そうですねぇ。遅いですねぇ。」
エレベーターに乗り、7分が経過していた。
「事故でも起こったんやろかなぁ?」
「あのー、加護ちゃん。」
15分経過、まだ着かない。階数表示も止まったままだ。
「なんやの?辻ちゃん。」
「エレベーターに閉じ込められて、困ることってなぁーんだ?」
「あっ、暇つぶしに、なぞなぞ やね!」
辻は、首を横に振る。
その時だ。チィーン
エレベーターの扉が開いた。二人はホッとしたが、
次の瞬間、目の前に広がる異常な風景に気がつく。
なんと、そこは…
トイレだったのだ。
「トッ、トイレ…?」
唖然とする二人、だが辻には安堵の表情が浮かんだ。
「加護ちゃん、答えはお、おトイレ。」
早口でそう言うと辻は、急いで個室へ駆け込んだ。
コトが済むと、この異常事態について話した。
再び閉まったエレベーターの中で…。
しかし、この二人だ。話は、反れる反れる…。
約2時間経った頃か、再び扉が開く。
まさかと思った……案の定、目的の階ではなかった。
そこは…
ラーメン屋だった。
扉が開くと同時に加護のお腹が鳴った。
「おなか空いたなぁ。」
そうこうしてる内に、店のオヤジがこういった。
「はい、しょうゆとチャーシュウ…」
二人が、棒立ちになっているとまた、オヤジが、
「なにしてんの?お嬢ちゃんたち。早くしないと麺、のびちゃうよ。」
「辻ちゃん!」
加護が、辻の袖を引っ張る。
そして二人、考えるより先に、椅子に座り麺を啜る。
オヤジは、おいしそうに麺を啜る二人に、
「大変な事になったねぇ、お嬢ちゃん達。
このエレベーターについて誰かに聞いたかい?」
二人は、首を振る、もちろん横に。
「このエレベーターはね。生活に疲れた人が乗ると、
それを癒そうかどうか解かんないけど、
今、行きたい所に移動しちゃう、不思議なエレベーターになちゃうんだ。」
「じゃぁ、おじさんはどうして、此処に居るの?」
辻の質問にオヤジは、真剣にこう答えた。
「おじさんは、そのエレベーターに乗ってる内に、
現実が必要なくなったから…ここから出れなくなっちゃたんだ。」
加護も箸を止めた、オヤジは話を続ける。
「だからね、本当に現実に戻りたいなら、
今でも遅くないと思う、戻りたいって思い続けるんだよ!」
「これは、タダでいいから。じゃぁげんきでね!」
オヤジの声を背に、重い空気の中のラーメン屋をでる。
いや正確には、イカれたエレベーターに戻る。
扉が閉まると加護が、
「えらいモンに乗ったなぁ。」
「でも、好きな所にコレで行けちゃうんでしょう?」
辻が、声を弾ませる。
「せやかて戻れんようになるかも知れなんのや…」
加護の言葉の途中で、1分前に閉まったか否か、
またもや扉が…そこは、遊園地。
「辻ちゃん、あのなぁ…」
しかめっ面の加護を尻目に、辻は扉を出る。
「辻ちゃん!待ってーな。」
用意された遊び場に、加護も続いて足を踏み入れた。
どうやら、二人の他には誰もいないらしい。
二人は、遊んだ。
普段、時間が無くて行けない遊園地で遊んだ。
自分達の理想通りの遊園地で遊んだ。
不思議なエレベーターが創ってくれた遊園地で遊んだ。
イカれたエレベーターが創った遊園地で遊んだ。
イカれたエレベーターが自分達のために創った遊園地で遊んだ。
イカれたエレベーターが自分達のためだけに創った空想の遊園地で遊んだ。
時間を忘れて。
日常を忘れて。
現実を忘れて。
エレベーターもオヤジの言葉も「モーニング娘。」も
そして、……………………本当の自分を失った。
二人は遊んだ………あの扉が閉まるまで………ズーンガタッ…
二人は遊んだ………その扉が閉まった後でも…
〜了〜
17 :
名無し読者 : 2001/02/10(土) 07:11 ID:tQGaVGZE
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
18 :
名無し娘。 : 2001/02/11(日) 18:25 ID:LXzgZyJA
おもしろいのでage
19 :
名無し娘。 : 2001/02/11(日) 19:29 ID:Eqlqg7jY
これってオリジナル…だよね。完成度高いね<特にエレベーター
キ○ィもおもしろいage
20 :
ワオ!! : 2001/02/11(日) 19:43 ID:yhiH3kE6
蝶蝶蝶イイ感じ!!
蝶蝶蝶蝶イイ感じぃー!!!
もっとお願いします!
蝶アゲ↑!!!!!!
21 :
小さ過ぎる矢口 : 2001/02/11(日) 19:56 ID:KrMRBpys
中澤が矢口の異変に気づいたのは、3日前のことだ。
ハロモニの収録中、いつものように矢口にべったり抱きついた時、違和感を覚えた。
いつもの感じと違う。
「矢口、あんた、ひょっとして縮んだ?」
「何言ってるの、裕ちゃん。矢口は元々ちっちゃいじゃん。きゃはははは!」
「そらそうやけど…」
そやな。単にちょっと痩せただけやろ。
しかし、それは中澤の気のせいではなかった。日に日に矢口は小さくなっているのだ。
今では加護より頭一つ分小さいから、120〜130センチくらいだろう。
「なあ、圭坊。ここんとこ矢口、ちっさ過ぎへん?」
「はあ?矢口が小さいの、今に始まったことじゃないでしょ?何言ってるの?」
何でや、何で誰も気づかへんのや?
22 :
小さ過ぎる矢口 : 2001/02/11(日) 19:57 ID:KrMRBpys
「なんぼ何でも小さ過ぎるわな。」
1週間後のMステの日。とうとう矢口の大きさは10センチを切ってしまった。
だが、相変わらず他のメンバーをはじめ、スタッフや事務所関係者も、そのことには誰も
触れようとしない。
当の矢口も、別段気にするふうでもなく、明るい笑顔を振り撒いている。
「どうしたの?裕ちゃん。何だか矢口を見る目が怖いよお。きゃははははは!」
どういうことや?ウチの目がおかしいんか?
恋レボのカメリハ中、中澤の視線は矢口ばかりを追ってしまう。
…気をつけんと、矢口を踏んづけてしもうたら、えらいことや。
「裕ちゃん、ほんっと、矢口がお気になんだねえ」
休憩時間、飯田が皮肉混じりに中澤を揶揄する。
「いや、冗談じゃなく、真面目にリハはこなしてもらわないと困るよ。」
番組プロデューサーとマネージャーからも、厳しい注意がされた。
「はあ。すいません。」
23 :
小さ過ぎる矢口 : 2001/02/11(日) 19:58 ID:KrMRBpys
いよいよ本番。
集中せな。リーダーとしても示しがつかへんわ。
恋もしてWoo Baby 仕事してWoo Baby 歴史刻んだ地球♪
泣いちゃったWoo Baby 腹減ったWoo Baby ラブレボリューション21♪
そして惨劇は起こった。
ぷちっ。
え?何?今の感触。
スタジオに悲鳴が上がる。呆然としたタモリの顔。安倍も後藤も何か口々に叫んでいる。
中澤が足をどけると、そこにはゴキブリの如く潰れた矢口がいた。
「誰か早く救急車!!!!!」
「何が起こったんだ?とりあえずCM流して、Vで確認しろ!!!!」
ディレクターがヒステリックに指示を出され、スタッフがモニターの前に集まる。
泣いちゃったWoo Baby 腹減ったWoo Baby ラブレボリューション21♪
映し出されたVTRには、突然頭上に現れた巨大な足に踏み潰される矢口の姿が再現され
ていた。
「何だ????この馬鹿でかい足は???!!」
喧騒が包むスタジオ、中澤はシューズについた血を、こっそりと通路脇のマットに擦りつけ
ていた。 ゴシゴシ。
「きしょく悪う。」
終り
24 :
笑いの神様 : 2001/02/11(日) 21:52 ID:KrMRBpys
「石川、さぶ過ぎや。もう余計なこと言うなや。」
中澤の冷たい言葉が突き刺さる。周囲の重苦しいムードが、それが冗談ではないことを
如実に物語っていた。
どうしてなんだろう?私のやることは、いつも裏目に出てしまう。せっかく盛り上がった流れが
私の一言で止まり、その場が凍りついたように気まずくなる。
矢口さんはいいなあ。いつも彼女の周りは笑いが絶えない。
そうか、きっと教育係が悪いんだわ。マネージャーに頼んで代えてもらおう。
ポジティブに行かなきゃね。ポジティブに!
石川は早速、スタジオの隅でマネージャーに交渉を始めた。
「お願いしますよ。保田さんが教育係じゃ、私のトークは伸びそうもないです。」
「そうは言ってもねえ。これは、つんくさんと社長が決めたことだし。」
「じゃあ、つんくさんと社長に言ってくださいよ。保田さんを….」
「あたしが何だって?」
振りかえった石川の目の前には、鬼瓦のような顔を強張らせた保田が立っていた。
「あんた、自分のセンスの無さを、あたしのせいにするんじゃないわよ!!!」
「いえ、あたし、そんなつもりじゃ…」
まただ。あたしはいつもタイミングが最悪なのだ。
25 :
笑いの神様 : 2001/02/11(日) 21:54 ID:KrMRBpys
はあ……。保田さん、謝っても許してくれないかなあ……。その日、50回目のため息をつき
ながら、石川は自分のワンルームマンションに辿りついた。
部屋に入った石川は、ハッと息を呑んだ。薄闇の中で誰かがこちらを向いて座っている。
「だ、誰??!!」
部屋の明かりをつけながら、石川は思わず叫んだ。
「?岡村さん?」
「いや、笑いの神さんです。笑いの神さんが、不憫なあんたを見かねて降りてきたんや」
しかし、その男はどう見てもナイナイの岡村である。
「はあ?何訳の解らないこと言ってるんですか?それより、どうやってあたしの部屋に…あ、
そっか、これ、ドッキリですね!なんだ…」
石川の言葉を無視して、岡村は続けた。
「ここに俺の写真がある。笑いのパワーを身につけたかったら、毎晩これにキスするんや。
そしたら、もう2度とサブい思いせんで済む。ええか、キスの回数が多いほど効果はあがる。
ただし、キスせんかったら、今より酷いことになるさかいな。」
呆気にとられている石川を尻目に、岡村ソックリの笑いの神様は忽然と姿を消した。
石川の目の前には、ウィンクする岡村の写真が一枚残された。
26 :
笑いの神様 : 2001/02/11(日) 21:55 ID:KrMRBpys
どうなってるの?
混乱しながらも、石川はその夜、写真にキスをして眠りについた。そして…。
保田さんに、もう1度キチンと謝らなきゃ。
朝、集合場所で保田の姿を確認するや、石川は昨日の事を詫びようとした。
「あのう、昨日はすいませんでした。あたし、自分の努力が足りないのを保田さんのせいに…」
「ぷっ…。あんた…クク…。面白い、面白いよ、石川あ。いいよ、いいよ。もう怒って…ない…
あははは、もう駄目。あはははは」
「あたし、何か面白いこと言いましたっけ?」
保田だけではない。周囲は大爆笑である。
「梨華ちゃん、最高!」
吉澤が笑いながら石川の首に手を回す。
よく解らないが、これが笑いの神様の効果なんだろうか?とりあえずキスは欠かせないな。
27 :
笑いの神様 : 2001/02/11(日) 21:57 ID:KrMRBpys
それからの石川の置かれている状況は一変した。常にその周りには明るい笑いが起こり、
誰も石川を責めなくなった。そればかりか、中澤が新しいバラエティ番組の要に、石川を推薦
したのである。
「いいんですか?あたしで?」
「大丈夫、今のあんたの成長ぶりは誰もが認めてる。」
「中澤さん…」
そうか、やっぱりあたしは成長したんだ。もういいよね。あの写真にキスしなくっても。
だが…。
「ふざけんな!!!何だよ、おたくのタレントは!絶対笑いがとれるって言うから起用したんだ
ぜ。どうしてくれんだよ。俺のせっかくのギャグにあんなツッコミ入れやがって!!」
激高する大物お笑いタレントの前で、小さくなるマネージャー。その後ろで、石川は泣きながら
後悔にくれていた。
やっぱり笑いの神様の言っていたことは本当だったのだ。キスをさぼったから…。
そうだ。今夜は百回以上キスしよう。失った分を、とり返さなければ。
28 :
笑いの神様 : 2001/02/11(日) 21:58 ID:KrMRBpys
翌日。
昨夜は徹夜で数え切れないくらい写真にキスしたから、きっと大丈夫のはず。
「おはようございます!」
「ぎゃはははははは!!!!」
スタジオで、楽屋で、事務所で。石川が口を開くたびに爆笑が起こり、場の収拾がつかなくなって
しまったのである。
そんな…。
「ぎゃははは。い、石川、ひっ。あ…ぷぷぷ。あ、あんた、帰って…ぎゃはは。いい…から」
マネージャーが、床でのた打ち回りながら帰宅命令を出す。
1ヶ月以上たっても事態は好転しなかった。どこに行っても石川が喋ろうとするだけで、周囲は
笑いのパニックに陥ってしまうのだ。
誰も自分をまともに相手にしてくれない。メンバーも。友達も。家族も。…もう嫌だ。
とうとう石川は自分の命を絶ってしまった。
29 :
笑いの神様 : 2001/02/11(日) 21:59 ID:KrMRBpys
石川の魂は三途の川を渡り、使者の行列に並んだ。
そうか、あたし死んだんだ。あの裁判官みたいな人に、天国か地獄かを言い渡されるんだ。
「次の人。名前を言いなさい。」
「石川梨華です。」
言い終わらないうちに、その場は爆笑に包まれた。
「ぎゃはははははは。く、苦しい。助けて。ぎゃははは!!」
笑いの神様の効力は絶大だ。周囲はいつも爆笑の渦。それはあの世でも変わらないらしい。
だが、石川の心は北極のように寒かった。
終り
30 :
名無し読者 : 2001/02/12(月) 00:01 ID:U6nysAyg
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
辻と加護には今、流行ってるモノがある。
それは、おもちゃ会社から出ている「10分の1の奇跡」という、
子供騙し的な、占いキッド。1セット300円。
商品内容は、一辺10cm四方のボール紙10枚と、外箱。
使い方は10枚の紙に「起きて欲しくない出来事」を書く。
それを外箱に入れ、毎日引く、
そうすると次の日に、引いた紙の内容と、逆の出来事が起こる。
これが結構効果がある。子供騙しと馬鹿にできないモノだった。
ある日中澤は、辻と加護だけの楽屋に居た。というか、置き去りになった。
何をする訳でもない中澤は、辻と加護に話し掛けた。
「なぁ?今、何してんの二人。」
辻と加護は、このおもちゃについて上の様に話した後、こう言った。
「中澤さんにも、一つあげますよ。」
「そうや!モーニング娘。みんなに書いてもろて、
中澤さんが引くっていうのは、どうですか?」
中澤は、二人の強引さにより、その遊びにつきあう事と相成った。
しかし、この説明には、おもちゃの名前の由来ともなった
「アノ説明」が欠けていた。これが後々中澤を襲う事となる。
辻と加護の強引さには頭が下がる。
実は、本当はこの遊びにつきあうことは、中澤は乗り気で無く、
こんな遊びに他の7人は、乗ってこないと思って安心しきっていた。
だが………持ってきた…。
二人は、7+2人分のボール紙を集めて持ってきた。
あとは、私の分だけだ…
「しゃぁないなぁ…よし、後は私の分やな!」
この際だ、ここまでするなら。と、感じ中澤はやけくそ半分に
『素敵な人に嫌われる』と、書いた。そして、箱を振る。
「それでは、中澤さんの一枚目です!」
辻が威勢良く言う。それに押されて、中澤は、箱から紙を…
『100円落とす』
「そんな…なぁ………」
(単なるおもちゃや…けど)怪訝な顔をする中澤に加護は、
「大丈夫ですよ。逆やねんで、逆。」
加護の言葉の、馴れ馴れしさなど気にならない並みのショックだった。
しかし、次の日中澤が100円拾ったことは言うまでも無い。
中澤が100円拾う日、辻と加護に見守られ、
また一枚紙を引いた。それはお金を拾う20分前。
まだ、この行為を「遊び」だと思っていた時だ。
『宝くじの一等が当たらない』
なんと、詳細な不幸だろうか。
この日、こんな紙の事など気にしていなっかった中澤は、
100円の次に、明日抽選がある宝くじをも拾うこととなる。
中澤はこの「遊び」を、確実に当たる占いであることを確信していく。
『損な買い物をする』
大特価でバッグを買った。
『大切な人を失う』
長く連絡が無かった、親友から電話がくる。
『大事な事を忘れる』
郵便物を出さなくてはならない事を思い出す。
『寝過ごしておこられる』
仕事の時間になっても、楽屋で寝ていた皆を起こして感謝された。
『暴言を吐く』
この日は頭の回転が良く、スムーズな司会進行が出来た。
『嫌な知らせが届く』
新しい仕事が決まった事を、知らされる。
…全て逆だった。しかし、それはいけない事だったのかも知れない。
ご機嫌な顔の中澤に、辻は言った。
「中澤さん最近、調子がいいですね。」
中澤は占いの事を話した。
「あの占いええわ、今まで確実に当たってるわ。全部逆やけどな。」
そう聞くと辻は言いづらそうに
「あの…中澤さん、実はこの占い、絶対一つは逆じゃなくて
そのまま本当に起こるんです…。」
中澤は3秒ほど間を置いた後、辻の方を睨んで
「なんやて!…そ、そうなん?」
辻は、中澤を見ないように、小さく頷いた。
聞いてへんで!大変や、この子の言ってることは本当の事やろうしな、
残ってるのはあと2つ、私のともう一つや。
『素敵な人に嫌われる』か…、それは勘弁やな。
もうひとつの方が実現すればええんやけどな。
中澤は、覚悟を決めて1/2の確率で現実に起こる出来事が
書いてある紙を引く。
『死ぬ』
「…えっ…」
それ以降、この日中澤は仕事以外では、喋らなくなっていた。
中澤は願った。もちろんこの紙は、はずれて欲しいと。
それ以上に、今までは偶然の出来事だったと、
自分に言い聞かせたりした。そうでも無ければとても仕事などできない。
次の日、中澤は仕事を休もうとまで思った。
だが、大人としての自覚と、占いに屈したくないという強がり。
それが中澤を仕事へと向かわせた。
怖い、怖いのだ。当たり前だ、自分は今日死ぬかもしれない。
そう、面と向かって「死ぬ」言われているのと同じだ。全てが恐怖の場所と化す。
「石橋を叩いて渡る。」まさに、中澤がそれだった。
周りからすれば、中澤の行動は滑稽に見えたであろう。
しかし、中澤は必死であり、ごく当たり前の行為であった。
細心の注意をはらい、どうにか家に辿り着く。
家でも、油断はしない…つもりだった。
眠いのだ、非常に眠いのだ。中澤はとうとう睡魔に負けた。
そして…………………………。
20年後、モーニング娘。が集まった。「同窓会」と言ったところか。
しかし一人足りない、なぜならあの日中澤は失踪したからだ。
「それにしても、あやっぺの娘って、今テレビ出まくってるよね!」
中澤の事は、アンタッチャブル。暗黙の了解だった。
その、石黒の娘はその会場に来るべきだったかも知れない。
そう思ったのは、辻だ。
以前、その石黒の娘に会った時にこう言われたからだ。
「辻さん、占いはずれたで。ほなな。」
中澤は死んでない、その逆。生まれていた。
〜了〜
36 :
名無し娘。 : 2001/02/12(月) 04:38 ID:tfh7Fwi2
パチパチパチ!
こんなとこで発表するなんてもったいない
ストーリーランドとかに出せばいいのに…
でもやっぱりもっと読みたい。
37 :
名無し娘。 : 2001/02/12(月) 04:48 ID:h9iU1Rpw
>>36 前に「モーニング娘。版「世にも奇妙な物語」をするなら」スレが消えたのは。
私のその気持ちのせいです。ハイ。
(でも、隠し球は長編になるので、ネタが尽きたら…)
38 :
それぞれの眠り : 2001/02/12(月) 23:17 ID:eIbVKzWY
後藤・吉澤・石川は、暇な時ちょとした賭けをする。
いや、大そうな額を賭ける訳ではないし、
賭けの対象も身近なもの、
例えば、メンバーの誰が一番遅く仕事場に来るか、とか。
最近吉澤は、後藤と石川がこの賭けを仕掛けてこない事に、
ちょっと違和感を感じ、
その二人がよく話しをしている事に、疎外感も感じていた。
吉澤が話し掛けても、あまり話が弾まないのだ。
こういう状況には、少し心当たりがある。
「そういえば、こうなり始めたのは、
私の同級生が事故に遭った頃だったなぁ。」
あまり親しく無かったが、
ここ2ヶ月よく話している男子の、自転車事故のことだ。
この状況と、事故が関係しているのを知ったのは。
コトが起きてからだった…。
39 :
それぞれの眠り : 2001/02/12(月) 23:18 ID:eIbVKzWY
ピィーンポーン、私の家のチャイムが鳴る。
「こんにちは、梨華です。」
梨華ちゃんが家に来た、突然の出来事だった。
「なに?梨華ちゃんどうしたの?」
吉澤の当然の質問に、石川は。
「いやいやいや、いいじゃないですかぁー。」
石川の作ったような「元気」に吉澤は返す言葉は無く、
今日は自分しか居ない家に、石川を招き入れる事になった。
吉澤は石川をリビングに誘導した。
「今、紅茶淹れて来るから。」
そう言った吉澤は、リビングを急ぎ気味で出る。
石川は、吉澤がリビングを出てる間じゅう、真剣な面持ちで、
これからしようとしている、或る「告白」の練習をしている。
「あっ、お待たせ。」吉澤がリビングに戻る、
それと同時に、石川は今までの顔を「元気な顔」に戻す。
40 :
それぞれの眠り : 2001/02/12(月) 23:19 ID:eIbVKzWY
「早速なんだけど、私が今日此処に来たのは、
よっすぃーに言わなきゃいけない事が有るからなの。」
石川はいつもより早口気味で喋り続ける。
「あのね、よっすぃーの同級生の男の子、最近事故を…」
「落ち着いて、紅茶でも飲みながらさっ。」
慌てている様な喋りっぷりの石川に、吉澤は優しく話を中断させた。
紅茶を喉に流した石川は、すぐに話を続けた。
「それで、その事故の事…うっ……グボッ」
石川は、首をおさえると同時に、赤褐色の液体を吐きだした。
「…よっすぃー………じゃぁね。」
石川は苦しい顔で、当然の様に別れを告げた。
石川の目から頬に透明なモノが伝っていった。
「えっ、なんで……じゃぁねって……。」
吉澤が石川の別れの言葉に疑問を抱いてる…その時。
41 :
それぞれの眠り : 2001/02/12(月) 23:20 ID:eIbVKzWY
よっすぃー、早過ぎだよ。」
その時、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「ご、ごっちん…なんで…?」
振り返った吉澤は、そこに居た後藤に言う。
「ごめん、よっすぃー。今日梨華ちゃんと賭けしてたんだ。」
後藤は、ただ感情無く返した。
「ねぇ、私にも復讐してよ。」
「復讐?」
後藤は、聞き返した吉澤に、苛立つ様な句調でこう返す。
「だから、よっすぃーの彼を私達は、賭けの対象にしたの。」
後藤は淡々と話を続ける。
「自転車のブレーキに細工して、次の日までに死ぬか死なないか…
二人とも『彼は死ぬ』に賭けた…
多分、二人ともよっすぃーに、嫉妬してたんだからだと思う。」
後藤の話は、ここから複雑さと難解さが、更に増す。
「でも、やっぱり後悔した。だから今度は、事実を知ったよっすぃーが、
二人のどっちに先に復讐するか、を賭けの対象にした。
二人とも『自分が先に復讐される』に賭けたの…自分の命を賭けたの…。」
吉澤は呆然と聞いていたしかし、内容はしっかり理解出来た。
42 :
それぞれの眠り : 2001/02/12(月) 23:21 ID:eIbVKzWY
吉澤に後藤はロープを差し出した。
「私は賭けに負けたの。ねぇ、だからよっすぃーが私を殺して…」
さっきより声のトーンが落ちている後藤は、吉澤を説得する。
「よく考えてみて。
梨華ちゃんが先でも、私が先でも、よっすぃーが復讐しなくても、
どっちみちこの賭けをするとゆうことは、二人とも死ぬことになるの。
自分勝手だけどお願い、私にも復讐してよ。」
この賭けが、吉澤に殺されたいが為の賭けであること、
それを、知ってか否か吉澤は、ロープを手に取り、
後藤と向かい合ったまま、ロープを首に巻きつける。
後藤は覚悟を決めながらもこう言った。
「なんで、この体勢なの?」
そうだ、普通首を絞めるとなると向かい合う事は想定できない。
「私もごっちんに、言わなきゃいけないことがあるの。」
後藤は目を閉じる。吉澤は軽く腕を広げながら続ける。
「実は、アイツは私の彼氏じゃないし…、
アイツを殺したの…私なの。」
後藤の体がびくつく。
「私ね…特殊な体質で、10歳に成ってから1年で1人、人を殺さないと…
寝ることが出来なくなるんだ。
だから、手近でどうでもいいあの男子を、事故に見せかけて殺したんだ。」
43 :
それぞれの眠り : 2001/02/12(月) 23:22 ID:eIbVKzWY
吉澤は、後藤が聞きたいであろう、事を話す。
「私ね、梨華ちゃんとごっちんに、それがバレたと思って、梨華ちゃんを…」
後藤は目を閉じたまま
「でもいい、もういい復讐じゃなくても、口止めでもいい。
こうなるのが…、好きな人に殺されるの夢だったし…。」
普通では理解不能な会話であろう。
しかし、少なくともこの二人には、この会話に違和感など無いのである。
今、思い思いの気持ちで流れている大粒の涙がそれを示している。
後藤は徐々にロープが絞まっていくと同時に意識が薄れ、やがて死体と化した。
それから数分後、吉澤も永遠の眠りに着く。
本人の意思では無かった。
吉澤が人を殺せるのは1年に1人が限度だった。
人を殺せば眠れるという特異体質には、
1年に3人は睡眠薬の多量使用と同じだった…つまり、自殺行為なのだ。
三人はそれぞれの涙を流し、ぞれぞれの眠りに着いた。
「うーんっ、なんか眠くなちゃった。」
吉澤の最期の言葉だ。
まるで、吉澤は「これはアクビで出てきた涙ですよ。」と言わんばかりだった。
〜了〜
スレ建て人の方へ、でしゃばった事をしてすいませんでした。
45 :
駆け込み乗車 : 2001/02/14(水) 00:58 ID:/A3AENDk
「どうします?」
「じゃぁ…思い切って片桐の案でいこう。」
某鉄道会社は、駆け込み乗車の対策として、
『電車のドアに鋭い刃物を採用』という、非常に危なく、
そして人の心に効果的な、案を実行に移した。
今も、電車を移動の手段にしている保田だが、
その事については知らなかった。
< 扉が閉まりますご注…
アナウンスに継ぎ駅員の笛が鳴る。
「はぁはぁっはぁ…ヤバイッ…っと…」
保田は駆け込み乗車に成功した…が、
その次の瞬間、異変に気付いた。
「えっ…あれっ、カバンは…?」
今日は、持つ部分の紐が長い手提げカバンのはずだが…、
紐しかない。扉のガラスの向こう、
つまりホームに、主なる「カバン」の部分があった。
不思議そうな顔をしている保田の脳の中では、
「まぁ、大したもん入ってないから、盗まれないでしょ。」
意外と冷静だ。
46 :
駆け込み乗車 : 2001/02/14(水) 01:01 ID:/A3AENDk
仕事場で先ほどの駅へ電話を掛ける。
落し物として問い合わせをした。
「あっ朝のね…うーん、青っぽいのね、ありますよ。
保管しておきますから、取りに来て下さいね。
それと駆け込み乗車、非常に危ないのでね。
ほら、刃物付いてるから、もう駆け込み乗車しないでね。」
事務的な電話の対応の中にあった、
『刃物』という言葉が引っかかった。
保田は何を聞いても
一番、馬鹿にされないであろう中澤に聞いてみた。
他のメンバーなら常識を知らないとして、
馬鹿にされそうだったからだ。
「何、知らんのアンタ。今の電車のドアにはな、恐ろしい事に、
切れ味の鋭い刃物が付いてんねんで、私はどうかと思うけどなぁ。
…そうそう、そういえば最近、圭織が髪切ったやろ、あれ実はな
電車のドアで切れたんや。みんなには言わんといてな。」
馬鹿にされなかったのはいいが、皆にバレるのは時間の問題だろう。
今日、後藤が足から血を流しながら仕事場に来た。
「もう駆け込み乗車はしない。」保田は心に決めた。
帰宅時、駆け込み乗車したい状況に陥ったが、
保田はその心を抑えた。
47 :
駆け込み乗車 : 2001/02/14(水) 01:03 ID:/A3AENDk
「…」電車で眠っている保田。
「うー……んっ、あっ降りなきゃ」起きる保田。
「バッ!」席を立つ保田。
「ダッダッ!」走る保田。
「グッザクッ」ドアに挟まる保田。
1秒後、電車・ホームに悲鳴が轟いた。
「今日………時、……駅で人身事故が発生しました。
亡くなったのは、人気グループ、モーニ…」
画面には保田圭の顔がモノクロで映っていた。
〜了〜
48 :
砂嵐の結末 : 2001/02/14(水) 23:22 ID:ivEZsncg
矢口はその日、大ポカをした。
「やっばーい!野球中継のこと考えてなかった。」
ビデオの録画予約のことだ。
前半30分間、野球の試合が録画してある
ビデオテープを観て、はじめて気付いた。
しかし、矢口はこの時、野球中継も途中までしか
映っていないことなど、気にも留めなかった。
その二日後、久しぶりのオフの日。
映画を観ることにした。
事件が起こって、犯人がいて、というようなサスペンスもの。
普通に観て、普通に展開を楽しみ…
普通に最後の30分間寝てしまった。
「えっ!あっ、ええっ!終わってんじゃん。」
当然悔しい、自分のした事が原因とはいえ非常に悔しい。
それが直接、自分のせいで無い事に、矢口はまだ気付いていない。
49 :
砂嵐の結末 : 2001/02/14(水) 23:23 ID:ivEZsncg
それに気付いたのは、レンタルビデオを借りたときだ。
借りたビデオが壊れていたのだ。後半が砂嵐だった。
ビデオ店に文句を言いに行ったが、目の前でビデオを再生され、
2時間全部、観せてもらった。いや、見せつけられた。
帰ってみて、ビデオデッキがオカシイのかといろいろ再生してみた。
しかし、ビデオデッキは、普通に作動した、ある一点以外は普通に。
いろいろ、ビデオをとっかえひっかえ再生してる内に、
ドラマの結末・スポーツの結果・クイズ番組の最終問題、
この全ての映像に差し掛かると、砂嵐になった。
これで矢口はうすうすだが、感づいた。
ビデオ録画・映画・レンタルビデオ…
「結末がわからなく…なってるの…私。」
微かに人生に絶望を感じた、だが、じきにそれは治るものだと信じた。
信じていた…。
50 :
砂嵐の結末 : 2001/02/14(水) 23:24 ID:ivEZsncg
信じていた…のだが。
だんだんその症状は、酷くなっていった。
日常の生活にも支障をきたしていくようになっていったのだ。
例えば、食事時の談話。
オチのありそうな話になると途端に耳の聞こえが悪くなる。
雑誌のいろんな記事、所々がぼやけて見える。
「なんかの病気なんだよきっと、うん!そうだよきっと。」
病院へ行ってみた。だが…
「あなたの症状は…………………………なので……………です。」
聞こえない。医者の口元がぼやけて見える。
薬などは出なかった…。
「多分、新しい、今治すことの出来ない病気なんだよ。」
自分を勇気づける矢口だったが…。
51 :
砂嵐の結末 : 2001/02/14(水) 23:25 ID:ivEZsncg
「もうだめだよ…。」症状は最悪になった。
とうとう、矢口は自殺を決める。
洗面器に水を張り……手に剃刀…………………そして薄れる意識……
…………………………………………………
………起きる矢口、………「ええっ!生きて…る?」
あるはずの手首の傷が無い。
今の矢口に『自殺』と言う人生の結末は、
ビデオに録画されたドラマの結末と同じように、
見ることは出来なくなっていた。
〜了〜
52 :
名無し娘。 : 2001/02/14(水) 23:41 ID:ivEZsncg
ここは、オナニースレに変わったのって本当ですか?
53 :
( ´ : 2001/02/15(木) 05:30 ID:g1YzGDqQ
素敵な人に嫌われる方法、、、これいいね。
そうきたか。ラストの台詞とかとくに小気味いい。
54 :
名無し読者 : 2001/02/15(木) 06:51 ID:w5lkSolY
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
55 :
最新型の恋 : 2001/02/16(金) 00:32 ID:5ipu8vqY
近頃、出始めた携帯電話に『人工知能入り携帯電話』と、いうのがある。
人と同じような感情を持った、最先端の人工知能を入れる事により、
コミュニケーションを売りにした商品だ。
後藤は、携帯をそれに買い換えることにした。
「残念ながら、今、品を切らしておりまして、
男性の人工知能の物しか、お渡しできないのですが、
よろしいでしょうか。」
後藤は『人工知能入り』という、言葉に惹かれていたので、
男性であろうが、女性であろうが構わなかった。
後藤が手にした携帯電話の製造記号は『I10−O160』
それに後藤は目を付け、『イトウ・オウイチロウ』
略して『いっちゃん』と、呼ぶことにした、ベタである。
こういう様に、身近な物に愛称を付けることなどよくあることだ。
人工知能というように、何か『生きてる感』があれば尚のことである。
メンバーの中で、先にこの携帯を持っていた、飯田もそうだったように。
56 :
最新型の恋 : 2001/02/16(金) 00:34 ID:5ipu8vqY
こう愛称が付くとなると、情が湧いてくるものだ。
コミュニケーション目的で作られた、人に近い感情を持った携帯電話。
果たしてこれが後藤に必要だったのか?
友達もそこそこ居て、家族も円満。
仕事仲間とも、そう仲が悪い訳でもない。
それに加えてのコミュニケーションが必要だったのだろうか。
新しい物好きの性で買った後藤だったが。
その携帯への情は、徐々に増していった。
それは、芸能人であるという立場が生み出してしまった現状。
男性と話すという機会は弟と、同級生との簡単なやりとり、
それと仕事上の会話ぐらいしかない。
「大丈夫っ、いつでも僕がついてるよ。」
後藤は、優しく話し掛けてくるこの携帯電話に
恋をしてしまったのかもしれない。
後藤はそれではいけないと思っていた。
「そう、機械なんだもん。」
57 :
最新型の恋 : 2001/02/16(金) 00:42 ID:5ipu8vqY
私の携帯電話が鳴る、取ろうとすると切れる。
1コールで切るなら解かるし、出るのが遅いのであるならば納得できる。
だが、通話ボタンを押そうとすると切れる。今週に入って毎日だ。
悪戯かと思ったけど、毎回違う人間で、
掛け返すと、私が切ったと言い張るのだ。
「なんで僕がいるのに他に人が必要なの?」
いっちゃんはこう聞いてきた。
「…だから。せっかく僕が電話を切ってるのに、なんで掛け返すの?
僕が居ればそれで十分でしょ。なのにマキちゃんは…」
(…酷い…人に掛かってきた電話を勝手に切るなんて…。)
「ひどいよ…いっちゃん………ひどすぎるよ!」
後藤は奴に怒りをあらわにする余り、
いつも、奴と話すときと違い、まるで電話を掛けている時の様に、
耳をスピーカーに当て、そう言い放った。
その時だ。
「パカァーーーーーン」
高い爆発音がした…。
58 :
最新型の恋 : 2001/02/16(金) 00:45 ID:5ipu8vqY
「警部補、これは殺人ですね。」
「何故だ?どう見ても心臓発作だろ。」
「それにしてもガイシャが若すぎます。それに、
携帯電話を握って死んでいたのも気になります。
最近、アメリカで携帯電話から不意打ち的に、大きな音を出して、
人をショック死させた事件があったハズです。まぁネットによる情報ですが…」
「そんな事ができるのか…」
警部補は、後藤の死体を見ながら。
自分の手に持っている最新型の携帯電話に感心していた。
〜了〜
「男の独占欲は機械になっても変わらないモノなんでしょうかねぇ。」
59 :
名無し読者 : 2001/02/16(金) 07:04 ID:amcTUX9A
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
「そうだなぁ…なっちは、映画みたいな恋がいいな。
刺激的なやつ…そう、命がけの恋とかがしたいな。」
女の子が集まれば、いろんな話に花が咲く。
特に年頃ならば、恋の話をする機会が多い。
メンバーも、そんなお年頃だ。
先ほどの言葉は、どんな恋がしたいか?、という話題での
安倍なつみの言葉。
このような話の内容は、殆どが
その日の気分で出る出任せや。洒落などが多い。
この話題の締めは安倍の、
「もー、こんな話してたら、
本当に恋してきたくなっちゃったよ。」
という言葉だった。
この言葉に皆が頷いてこの話題は終わった。
出会いは中学校だった。
もとい、出会いはそれから数年経った今、
仕事が早く終わった後の、街中だった。
「あれっ、安倍さん・・・だよね?
俺だよ俺。ほら、中二の時、転校して来て、
5ヶ月でまた転校していった・・・・ほら、ほら、ホラホラホラ。」
最初は図々しいファンかと思った。
「あっ…あぁ、はいはいハイハイ、洋二君!」
「そう。久しぶりだよね、安倍さん。」
思い出すのには、時間が掛からなかった。
何故なら、転校生という特殊さと…
当時、一目惚れしたという特別さがあったからだ。
「時間ある?よかったら一緒にお茶でもどう。」
行く事にした。なんか、ナンパっぽかったけれど。
二人の話は弾んだ。
「えっ、うそ。テレビ出てるの?」
彼は芸能に疎かった。でも、当時のように格好良かった。
安倍は少しときめいていた、中学時代の気持ちが蘇ってきたんだろう。
(「恋ちゅうのは、押しが肝心や。押しが肝心やで。」)
何時かの裕ちゃんの言葉を、思い出す。
「ねぇ、今から洋二君の家、行かない?」
「……………。」彼は黙っている。
私は軽い女に見られたかも知れない。
「いいけど・・・・ちょっと寄る所があるんだ。
そこ寄ってからでいい?」
「えっ何処?」
彼が私のお願いを許した事に、ホッとしていたので、
彼の憂鬱そうな顔に気付かなかった。
「幼稚園・・・なんだ・・・子供を迎えに。」
「幼稚園か…誰かに頼まれたんならしょうがないか。」
彼はこう、即答した。
「いや、俺の子を迎えに。」
出会ってから50分後の出来事だった。
彼はバツイチだった。17才で、できちゃた結婚。
それを聞いても何故か私は、彼への気持ちが冷めなかった。
「まぁ、よくある話よね。」
今日の私は、なんか変だ。
まるで、運命の人を逃さないようにと、
必死に彼にしがみ付いているみたいだった。
(「恋ちゅうのは、押しが肝心や。押しが肝心やで。」)
裕ちゃんの言葉が脳を駆け回る。
目的地、幼稚園の前。彼が言う。
「此処で待ってて、すぐ来るから。」
「そんな…一緒に行くよ。子供、好きだし。」
『子供、好きだし』は、押しの気持ちが生み出した無駄な言葉だった。
園内から、女の人の声がした。
「はーい、恭平くーん。お父さんが来ましたよー。」
保育士の人が、男の子を連れて近づいてきた。
「なに?新しい彼女?洋二。」
「別れてるんですから、名前で呼ばないで下さい。」
此処は一気に修羅場になり、私はおどおどするばかりだった。
彼は子供の手を引き、
「ありがとうございました。」怒ったように早口で言った。
「いいじゃない、怒らなくても。
恭平もお母さんといっぱい一緒に居たいでしょ?」
保育士は子供の顔の近くで、同意を求めるように、優しく言った。
「………行くぞ。恭平!」
彼は子供を引っ張って、今来た道を戻っていく。
私も無言のまま、彼に付いていった。
出会ってから70後の出来事だ。
「今のが、別れた妻。つまり、」
「もういいよ。いいから…ねっ。」私は彼の台詞を遮った。
子供はボールを強く握っていた。そして、俯いていた。
「…追ってきたんだ。アイツ、追ってきたんだ。
自分勝手だよ。離婚の原因はアイツな」
「だから…もういいよ………公園でちょっと休もう。ねっ。」
通りかかった公園で、ひと休みすることにした。
ひと休みと言ってベンチへ座ったが、あの後だ。気は休まらなかった。
子供は持っていた、ビニールで出来たソフトボールで
独り遊びをしていた。
「時間って酷いね、あの頃は、…………………
…………………………………………………ねぇ、キスしない?」
普通ならこんな男には幻滅だろう、しかし今の私には…
裕ちゃんのあの言葉が、今が恋をするチャンスと言うように私を後押しする。
「うん…」彼がポツリと言った。
雰囲気は途端に高まった。向き合う二人の顔、目を瞑る彼。
私も目を……と、その時、恭平くんがボールを追いかけて道路に出ようとした。
「あっ、だめっ!恭平くん、危ないっ!」
私は道路に向かって走った。
一台のワゴンがこっちに来ている。このままだと、あの子を轢きそうだ。
「ダメっ!危ないっ!」
乱暴だが、間一髪、道路ギリギリで恭平くんの襟を引っ張り、公園方向へ倒した。
だけど…人は急に止まれない。走った勢いで私は道路に…。
安倍は、映画みたいな恋をした。
1時間40分で終わる恋をした。
〜了〜
66 :
名無し娘。 : 2001/02/17(土) 02:00 ID:hAnES6Jk
>>63 最終行
>出会ってから70後の出来事だ。
訂正
>出会ってから70分後の出来事だ。
話のオチに関わります。見直しは肝心ですね。ハイ。
最近ダレてきたのは、ネタ不足のせいです。すいません。
67 :
名無し娘。 : 2001/02/17(土) 23:16 ID:p1hJmCww
電波あげ
68 :
名無し娘。 : 2001/02/17(土) 23:22 ID:ZeZ0mu0I
俺様「ねぇ俺のチンコどう?」
安倍「いつも入れてるブタのチンコよりも良い〜」
69 :
名無し読者 : 2001/02/18(日) 06:51 ID:eB2XNq8E
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
70 :
メインパート : 2001/02/18(日) 15:36 ID:aJqZEViE
またBメロとハモか…。どうして自分より下手な、後藤や新メンばかりが優遇され
るんだろう?デビューの時は準メイン扱いだったのに、一体いつからこんなふう
になっちゃったんだろう。 あの頃に戻りたい…。
飯田は焦っていた。単にパート割りに対する不満だけではない。バラエティでも
以前のように振舞うことを制約され、フラストレーションが溜まっていた。
その上、彼女の「誇り」だったタンポポは、今や完全に矢口のためのユニットと
化し、飯田の居場所はどこにも無くなっていた。
ミニモニでもブレイクした矢口とは、余りに対照的な自分の立場。長年通した黒髪
を染めたところで、大した話題にもならず、自分の影がすっかり薄くなってしまった
ことを痛感する飯田だった。
このままじゃ、ダメだ…。
71 :
メインパート : 2001/02/18(日) 15:38 ID:aJqZEViE
「このままじゃあかんな」
「いかんな。このままじゃ」
山崎とつんくは、同時につぶやき、お互いの目を見合わせて苦笑した。
「やはり、次は飯田メインという線でいこうか」
「そうですね。このままではグループの将来にも良くないですから。ファンは常に
新しい刺激を求めてるわけですし」
「飯田の将来のためにも、それが一番いい方法だろう」
「ええ?カオリがメインですか?」
まんまるに見開いた目の飯田が、驚きの声をあげる。
「そうや。お前の実力を世間に見せたるんや」
「つんくさん…」
「圭織、がんばって!」
メンバーからの温かい励ましに、飯田の瞳がみるみる潤んで行く。
その様子を見つめる山崎の表情は、とても満足げな物だった。
72 :
メインパート : 2001/02/18(日) 15:40 ID:aJqZEViE
「山崎さんも人が悪いわ。またこのパターンですか?」
「いや、これも飯田のためだよ。もうアイドルとしては限界なのはお前もよく解ってる
はずだろ?かといって飯田の場合、両親を説得してこの世界に引き入れた手前、
こっちからクビにすることもできない。自分から辞めてもらうようにするしかないんだ」
山崎が目線を落したテーブルの上には、新曲リリースの日程表が置いてある。
同日リリース―――倉木麻衣、浜崎あゆみ、ポルノグラフティ…
顔をしかめたつんくが、不安げな声で尋ねる。
「でも、安倍の時みたいに、また自殺でもされたら、どないするんですか?」
「大丈夫、それなら手を打ってある。偶然、笑っていいともでソックリさんを見つけてな」
「そんなんでバレませんかね?」
「心配いらん。現に安倍が入れ替わったことも、誰も気づいてないだろ?」
ほんま、アイドルヲタちゅうのもアホばっかしやな。いくら似てるゆうても、明らかに別人
やないか。性格も体型も。
まあこれもグループの将来のためや。中澤はいつものように俺が言い含めたらええやろ。
どんどん整理していかんとな。
山崎から手渡された葉巻をゆっくり吸いこみ、思案に耽る敏腕プロデューサーの目は、
既に次の企画を見据えていた。
終り
なんてこった!目覚めたら保田になってんじゃん?!どうすりゃいいんだ?
はっ、そうだ……
とりあえず鏡の前で全裸になってみる。 …やはり使えない。
とりあえず、なっちと後藤の携帯番号がメモリーに入っていたので
かけてみる。 ….全然知らないヤクザに繋がってしばかれる。
とりあえず街に出て、自分の知名度を確認しに行く。
ドキドキ …予想通りの結果だった。
以前保田がバイトしてた千葉のマックを訪れてみる。さすがに地元だけは・・。
ドキドキ …入店を拒否された。
とりあえず、メンバー内での評判が気になり、盗聴器を仕掛けてみる。
ドキドキ …やはり予想通りの評判だった。
とりあえず事務所に届いている僅かばかりのファンレターに目を通してみる。
ドキドキ …予想通りダイレクトメールと剃刀レターだけだった。
とりあえず保田実力派説が本当なのか試しに歌ってみた。
あれ? …俺自身がオンチなので、めちゃ下手だった。
保田になっても、何も良いことがないのか?いや、金くらい持ってるだろう。
腐っても国民的アイドルだしな。とりあえず口座を確認する。
ドキドキ …まさかとは思ったが、本当に残高300円とは。
はっ?!そう言えば例のハムスターは?
とりあえず、籠の中を見てみる。 …予想通り。合掌。
おいおい、これじゃ2chのネタそのものじゃんかよ!…・はっ
打ちひしがれた気持ちで、とりあえず2chを覗いて見る。
なんだか、ほっとする。 …だんだん保田の気持ちが解ってきた。
「お前、最近ふざけてるんか?何でちゃんと歌えへんねん!」
つんくに怒られる。無理もない。中身は俺だからな〜〜。
へこんでいたら、ポルシェから元マネの和田がにこやかに手招きしてる。
慰めてくれるのか? …「あとで安倍と出かけるから、洗っといてくれ!」
うたばんに出る。貴さんにトークを振ってもらうのを待つ。よ〜〜し、さあ来い!
2chで鍛えたネタを炸裂させてやる! …歌だけの収録だった。
とうとうライブを外されて暇だ。とりあえずデビュー以来TVに映った通算時間を
調べてみる。 …予想通り新メンに抜かれていた。
今日はダイバーの収録。中身が俺だから、悪運エスパーも終りだな
…1発目で当てる。
そう言えば保田って、時々スゲえ可愛く見えた時があったな。鏡を見て、どの
角度だったのか研究してみよう。 …6時間も見ていて、解らないまま倒れた。
畜生、こうなったらメンバーにセクハラしてやるぜ!
まずは加護と辻だ!こいつらなら小さいから力ずくでレズに持ちこめるはずだ!
ツアー中の二人の部屋に忍び込む。
それっ!! …両親同伴だった。父親にどつかれた。
後藤はホントによく寝る。今日も移動のバンの中で爆睡している。
今のうちにキスでもしてやろう!よし、舌を入れて・・・
「痛てててててて!!!!」 …食物と間違えたらしい。思いっきり噛まれた。
「圭坊、遊びに来たったで〜〜」中澤姐さんが酔っ払って部屋に来た。
色っぽく微笑みながら抱きついて来る。やった!!これがソフトレズ攻撃か?
…顔に向かって思いっきりゲロされた。
メンバーの中に仲の良い奴はいないのか?そう言えば飯田には苛められて
ないな。意外にイイ奴かも。
(圭ちゃん、ジュース買ってきて) …直接頭の中に飯田のメッセージが届いた。
やはり保田を認めてくれるのは2chしかないのか?
とりあえず久しぶりに覗いて見る。 …保田スレがdat逝きになっていた。
こんなに辛い日常なのに、何で保田は芸能界に残ってるんだろう?
日記を発見!!
『歌が好き。歌を伝えたい気持ちだけは一番でいたい』 …マジに泪が出た。
ところで、俺と入れ替わったはずの保田はどうしてるんだ?気になる。
とりあえず、オフの日に実家をこっそり見に行く。
めちゃ幸せそうな俺の姿があった。 …そんなに保田が辛かったのか?
とりあえず、俺になってる保田に話しかける
「あんた誰?」 しらをきられた…そんなに保田に戻るのが嫌なのか?
とりあえず、それでも話しかける
「判ってるだろ?俺達、入れ替わったんだよ!」
俺の姿をした保田が唇を噛む。 …「あたしになってみて苦しみが判っただろ!」
「バカヤロウ!バカヤロウ!!泣きながら俺の胸をドンドン叩く。
そっと抱きしめてみる。 …俺の豊満な胸にうずめているのは・・・俺の顔。
何やってんだろ。俺。
とりあえず、本音を言う。保田になってみて判った本当の気持ち。
「俺、こんな保田のこと、嫌いじゃないよ。つーか…」
…「・・え?」顔を赤らめ、可愛い表情の…俺の顔。
「とりあえず、こんなふうに始まる恋があってもいいよな」笑いかける俺。
…キスを待って目を閉じるのは・・・やはり俺の顔。
自分にキスをする、保田の姿の俺。もう何が何だかわかんねーや。
「とりあえず、これからどうやって元に戻るかも考えねーとな」
「そうだった…」
「おいおい…」
笑い合う俺達の姿が街角のショウウィンドーに映る。
…へえ、保田ってこんな顔で笑うんだ。
終り
79 :
名無し娘。 : 2001/02/18(日) 23:34 ID:.YkvmjLA
「朝起きたら保田になっていた・完全版 」は、
なんか・・・こう・・いいね。最後二行とか。
80 :
三度目の涙 : 2001/02/19(月) 00:29 ID:B6hA5o3I
中澤は、あの知らせを聞いた夜、涙を流した。
何が起こったわけでもない。これはいい知らせなのだ。
しかし、中澤から出たのは、
「…つんくさんの…バカ……バカ」
いや、恨むべき相手はつんくではない筈なのだ。
そして、中澤は泣くのを止めた。
「そやで…決まったわけでもないしな…」
そこに電話が鳴る。
…その後、中澤はまたナミダした。
つんくはこう言った。
「中澤、新曲や。タイトルは『三度目の失恋』まっ、また頼むで。
それにしても中澤は『上海の風』しかり『悔し涙ぽろり』しかり、
悲しい女の歌、歌わせたらええ作品になるなぁ…。」
「当たり前ですよ。だって気持ち解かりますもん。」
薄い関西弁でそれに答えた。
あの知らせを思い出す中澤。
「そう…解かるもん…歌詞通りやもん。私の恋も………歌詞通りやもん。」
次の日、中澤は彼氏と三度目のデートをした。
その日の夜も泣いた。
『上海の風』の時と同じように『悔し涙ぽろり』の時と同じように…
『三度目の失恋』の歌詞に泣いた。
〜了〜
81 :
ライバル : 2001/02/19(月) 21:33 ID:QruxW4.Y
「ああ、そう言えば居たっけ。そんな子」
矢口のつれない言葉に、保田は少なからずショックを受けた。
「酷いよ、矢口。紗耶香のこと忘れるなんて」
市井が娘。を脱退して、今日でまる2年になる。それを口にした保田への反応
が、さっきの矢口の言葉だったのだ。
「あのさあ、圭ちゃん。解ってる?ウチら、来月で卒業だよ。辞めた人のことを
いつまでも心配してる余裕なんてあるの?特に圭ちゃんは決まってないんで
しょ?これからのこと」
私服に着替え終わると、矢口は何事もなかったかのように、楽屋をあとにした。
「お疲れ〜〜」
一人、楽屋に残された保田は、矢口の言葉を噛み締めた。
「卒業か…」
82 :
ライバル : 2001/02/19(月) 21:35 ID:QruxW4.Y
芸能界に一時代を築いたモーニング娘。にも、終焉が近づいていた。
既に安倍と後藤は女優として一本立ちしつつあり、昨年脱退した飯田は、現在
オーストラリアに留学中だ。中澤もバラエティの司会などの仕事が増え、娘。と
して活動するのは、今やレコーディングの時くらいである。
みんな、自分の道を歩いているんだね。
最早、市井や石黒のことがメンバー達の話題に上ることはなかった。
紗耶香…。あんた今、どこでどうしているの?
私が過労で正月のハロプロ公演を休んだ時、傍に居てくれたのは、紗耶香
だったの?
熱に浮かされ、夢うつつの保田の横には、確かに誰かがいた。
目覚めた時、台の上に置かれてた、リンゴ。不器用に剥かれた皮。あれは
紗耶香だったのだろうか?
83 :
ライバル : 2001/02/19(月) 21:36 ID:QruxW4.Y
実のところ、市井は脱退後、メンバーとも音信不通の状態である。
脱退と同時に事務所も辞め、携帯やメールもすぐに繋がらなくなった。
以前、保田は一度、市井に会いに行ったことがある。千葉の実家を訪問したの
だが、既にそこは引っ越したあとで、その後の消息は、近所の人も知らないよう
だった。
表向きは「シンガーソングライターになるため」だったが、実際には複雑な事情が
あったようだ。
ただ、保田だけは市井の言葉を信じ続けた。いつか再び同じステージに立つこと
を信じた。
84 :
ライバル : 2001/02/19(月) 21:37 ID:QruxW4.Y
1ヶ月後、保田の卒業の記者会見が行われた。ただ、既にミニモニ3を始め、
バラエティ進出などで自分の地位を確立しつつある矢口が、ニューオークラで
同じ日に華々しくおこなうのとは対照的に、事務所前という、大変質素なもの
だったが。
「保田さん、今後はどうされるんですか?」
記者の一人が退屈そうに質問する。
「はい。歌手を続けていくつもりです。」
その場の数人から失笑が漏れる。
「歌手って言っても、あなたはレコード会社も決まってないんでしょう?事実上の
芸能界引退じゃないんですか?」
ベテランのレポーターが意地悪な笑いを浮かべる。
85 :
ライバル : 2001/02/19(月) 21:39 ID:QruxW4.Y
「確かに今のところ、事務所やレコード会社からのオファーはありません。でも、
歌は辞めません。将来的には、デュオをやりたいです」
「デュオ?コンビを組む相手がいるんですか?」
質問の途中だというのに、記者達の多くが移動をはじめる。この後、ニューオークラ
で開かれる、矢口の卒業会見に向かう為だ。
「相手は、います。今は連絡がとれませんが」
もう誰も保田の言葉に耳を傾ける者はいなかった。
例えスポットライトやステージが無くても、歌はどこでも歌える。そして、その歌は
この世界のどこかにいる彼女に、絶対届くはずだ。
私が歌を諦めない限り、きっと紗耶香に会える。いつかまた、二人で歌うことができる。
彼女は私の永遠のライバルだから。
終り
86 :
名無し読者 : 2001/02/20(火) 07:02 ID:qPrWXpQ6
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
87 :
名無し娘。 : 2001/02/21(水) 12:11 ID:a5Q2MDoY
−−−−−−−モーニング学校授業中−−−−−−
「え〜じゃ、この公式を応用して例題3をやってみて下さい。じゃあ誰かに
やってもらおうかな。」「ハイ!」飯田が大声で手を挙げる。「え!?あ、じゃあ飯田さん…」
「はい!」飯田は大声で返事して座っていた椅子の上に立ち上がると「かおりが思うに、
重要なのは、なぜ髪の毛は染めるのにここは染めないのかということです!」
飯田はまつげを思い切り引っ張りそう言った。
春の風が教室を吹き抜ける。
「…飯田君、私の負けだ。座りなさい…」 水曜の四時間目はいつも私を待っている。
88 :
アンテナ : 2001/02/22(木) 03:04 ID:f0/0uVZE
矢口はある事に気付き始めていた。
タンポポの仕事の時に、やたらと携帯電話が掛かってくる。
それに比べて、一人で居る時には、電話が鳴ることが無い。
この現象は、この携帯に換えてからでは無く、
「モーニング娘。」に加入して、「タンポポ」が出来た頃からだ。
先日のラジオの収録は、飯田が欠席した。
その日は、電話はおろか留守番メッセージも無かった。
この事を踏まえると、自ずと出てくる『答え』に、
矢口は気付き始めていた。
『圭織が居ないと携帯電話が掛かってこない』
これが、矢口の出した答えだった。
89 :
アンテナ : 2001/02/22(木) 03:05 ID:f0/0uVZE
矢口は人生で一番の恋をした。
だが…相手が悪かった。その結果があんなことに…
それはこの着信音から始まった。
ピッ「ハーイ!まりでーす。」
画面に例の彼のナンバーが表示される。
「エー、今?仕事仕事、なになになに、どうしたの、また電話なんて。」
矢口は、携帯電話で彼と話をするのは、久しぶりだ。
これもよく考えれば解かる。
飯田が居なければ携帯電話は掛からないのだから。
「ウンウンウン…」
恋人同士の他愛もない話は、まだも続く。
90 :
アンテナ : 2001/02/22(木) 03:06 ID:f0/0uVZE
同じ楽屋の飯田は、その五月蝿さに少し眉間にしわを寄せる。
いつも楽屋では一人、周りを気にせず、自分の世界に入っている飯田だが、
何故か、この矢口の電話が、気になって仕方が無い。
「…だって、タカヤの苗字ってイクシマでしょ。…」
飯田は、素早く矢口の方を向いた。自分の名前を呼ばれたかのように。
その気配に気付くことも無く矢口は、会話を続ける。
「ほうほうほう、ファミレスのコックも大変だーね。…」
飯田は、アノ事を確信をして矢口の背後に近づく。
矢口も真後ろに人の気配、それも殺気に近いモノなら感じない筈はない。
「なっ、なにするの!」
矢口の握っている携帯電話を、飯田がもぎ取る。
そして、飯田は矢口に背を向け携帯電話に怒鳴りつけるように…
「かおりは信じてたのに!」
飯田は電話を切った。
「ちょ、ちょと何すんの!」
「それはこっちの台詞だよ!ひとの付き合ってる人を横取りして!…」
飯田は間を置き小さく呟く。
「…サイテー……」
その言葉に対して飯田を睨みつける矢口は、
「サイテーって、どっちがだよ!」
矢口は、飯田の体を精一杯の力で突き飛ばした。
91 :
アンテナ : 2001/02/22(木) 03:07 ID:f0/0uVZE
バランスを崩す飯田、倒れる、そして机に頭を…
「ねぇ!ちょっと!圭織…かおり」
とっさの事だ、パニックに陥った矢口はこう…
「なんてことを…」
矢口の脳に『殺人』という言葉が浮かぶ。
その場から矢口は慎重に逃げた…。
冷静になり、忌まわしいあの部屋に戻る。
楽屋の前で、深呼吸をする。
ドアノブに手をかけると、内側からドアが開く。
「あっ、矢口さん。飯田さん知りません?」
石川が問い掛ける。
「いつも楽屋で閉じこもってる筈なのに、居ないんですよ。」
「ど…こだろうねぇ?」
再度、混乱している矢口は、考えなしに答えた。
(「なんで…だって私が殺しちゃった…んじゃ…」)
そうだ、ドアを開けば、そこにはアノ死体が横たわっている筈だったのだ。
「無い…」
結局その後、飯田が姿を見せる事は無く、
マネージャーは何度も何度も床におでこを擦りつけることとなった。
92 :
アンテナ : 2001/02/22(木) 03:09 ID:f0/0uVZE
暗い帰り道、矢口の携帯電話が鳴った…
『それが何を意味するか?』ということを、矢口は通話ボタンを押して、知るのだった。
「最近、かおりのケータイ調子いいよ。アンテナ三本、絶対立ってるもん。
今まではなんか、大きいのしか立ってなかったのにさ。」
飯田は、大きいバッグをいつも持っている。その中にはいつも…
〜了〜
93 :
名無し読者 : 2001/02/22(木) 07:10 ID:TjUQtCVA
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
94 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 22:40 ID:u1lfpFaw
アンテナの話の意味がわかんな〜い
>>94 たぶんケータイのアンテナと
背の高さを引っ掛けたんじゃない。
・・・・・じゃぁ真ん中のアンテナどこいったんだよ!
95を書いて今日は逃げようと思ったのですが、素直に謝ります。
非常に解かりずらく、申し訳ありません。
ここでいろいろフォローすると他の作者さんにわるい(スレ汚しっぽい)ので、また別の所で。
97 :
: 2001/02/24(土) 01:07 ID:WkquVRuw
なんだか、星新一のショートショートっぽい話が多いね。おもしろい。
98 :
名無し娘。 : 2001/02/24(土) 23:22 ID:.wrM8Vak
>>97 ほら、スレのタイトルが「世にも奇妙な」だから。
楽屋での一コマ、飯田は又、こんな事を言った。
「なんか、みんな最近おかしいよ。」
「何がおかしいの?おかしいと言えばカオリの方がおかしいべ。」
「なっち、そんな事言ったらアカンで、
この子は最初からこんな子やがな。」
飯田の一言に、安倍と中澤がそう答えた。
中澤の苦味の効いた言葉に、この会話は終焉を迎えた。
この何気ない飯田の一言は正しかった。
そして、安倍たちの言葉も間違ったものでは無かった。
石川の持っている二千円札を見て、飯田は又とんでも無い事を言った。
「えっ!コレ偽札?」
「違いますよ飯田さん。これが二千円のお札ですよ。」
「ハハハー、カオリまさか今まで見たこと無かったの?
そんなんだから、みんなに……うーん…『アレ』って言われるんだよ。」
タンポポ内での会話である。
飯田は、矢口の話の詰まりと、『アレ』という言葉が気になった。
「ねぇ矢口、『アレ』って何よ!」
不機嫌な顔で尋ねる飯田に、矢口は。
「えっ…ほらほら…アレっつたらアレじゃん…ねっアレだよアレ…」
答えを言わず、はぐらかそうとしたのだった。
その後も矢口だけでなく、石川・加護にも聞いたが、
飯田を恐れてか、教えてはくれなかった。
その日の飯田は夜、すぐには寝つけなかった。
頭の中の9割が『アレ』はなんなのか?という疑問で支配されていたからだ。
「二千円札って、あんなのだったかな?」
これが、残った頭の中の1割だった。
飯田は又、チンプンカンプンな事を言う。
そして、いつものように誰かがツッ込む。
そういう風景が、日常的に行われて、いつものように違う会話へ…
「飯田さん!もうガマンできません。」
辻が、そう言って近づいてきた。
「辻、それだけはアカン!」
中澤が辻を制止しようとする。
「でも…中澤さん、もうののガマンできないんです。」
「言うたらアカンで!」
一段と中澤の声が大きくなる。
「そーだよ辻。絶対言っちゃ駄目だよ。飯田さんが宇宙人だって事。」
(…・あっ・あーぁ・あらら・うわぁ・やっちゃ・おいおい・アカンて!)
後藤の一言に一同が止まった。
「………えっ!それ…あーあ、そういう風にみんな、
かおりの事を呼んでたんだ……酷いなぁー…でも、いいよ。いや、でもなぁ」
飯田は混乱の中、そんな皆を許そうとしていた。
そのとき矢口がトドメのような一言を…
「違うよ、カオリ。解かんないの?あんたはこの星の人間じゃないの!」
「えっ!」
「だから…此処に居る飯田圭織、つまりあんたは、この星の人間じゃないの。」
矢口が念を押す。
(「私って、地球人じゃないの?」)
不思議そうに眉間にしわを寄せる飯田にさらに、
「もう…ほらっ!」
矢口が後ろを向きズボンを下へずらすと…。
「ほらっ。カオリにはこのシッポ、無いでしょ。」
お尻の少し上辺りで、20cm程であろうか、シッポなるモノが揺れている。
「や、矢口ソレ…。」
「だ・か・ら!…アンタ地球から来たんでしょ?だったらほら、
人一倍努力してこの星の事とか」
「無理やで矢口。」
中澤が矢口の横から口を出す。
「だってこの子、知らん内に本当の飯田と、すり替えられたんやもん。」
一同、中澤の方を睨むように見ている。
「えっ!最初っからこのカオリじゃなかったんですか?」
「あっ…やってもうたわ。」
保田の質問に中澤は、苦い顔をした。
「………せやから事務所が…………他の星でも同じような…なっ…」
一同の話は、今の飯田がこの星の人間では無い事よりも、
中澤は飯田が入れ替わった事を何故、メンバーに話さなかったか?
に焦点が集まり、この場で飯田はその後、相手にされる事はなかった。
飯田は9人の言葉の戦争の雑音の中、こう呟いた。
「はぁー、かおり早く地球に帰りたいよ。」
〜了〜
めっちゃおもしろい!
戦慄あり、笑いあり、感動ありで最高の出来だ!
まとめて本を出版できるぞ、これ。
これだけ良質の作品を書き続けるというのはすごいと思う。
(ぼぼ一人の作者だよね?)
106 :
呪いのマイク : 2001/02/26(月) 00:06 ID:6.pQ.vlU
「プッチはまだ揃ってないの?誰?吉澤?ちょっと、早く呼んで来て」
「はい、すいません」
ディレクターの苛立った声に、保田が走り出す。
ちょっと厳しく言い過ぎたかなあ…。
「ハア…」
本番前10分前だというのに、吉澤はスタジオの外れの倉庫前でへこんだままだ。
音程がバラバラか。ほんと、その通りだ。才能ないのかな…。
あれ?何、このマイク。
吉澤が拾い上げた古びたマイク。何の変哲もないはずのそのマイクに、何故か
彼女は不思議な感覚を覚えた。
ひょっとして、これって…。
思わず歌い始める吉澤。
??!凄い。完璧に歌える!!!これってやっぱり、あの…。
「よっすぃー!!そんなとこで何やってんの!早く!本番始まっちゃうよ」
「すいません、すぐ行きます」
107 :
呪いのマイク : 2001/02/26(月) 00:09 ID:6.pQ.vlU
「さあ、スタンバイして!」
「あの…遅れてきてなんなんですけど、このマイクに替えてもらえませんか?」
「おいおい、もうマイクテスト終ってるんだよ?」
音声スタッフが露骨に嫌そうな顔をする。
「お願いします!リハで失敗しちゃったから、気持ちを切り替えたいんです」
「ウチらからもお願いします」
必死に頭を下げる吉澤に、保田と後藤も一緒にスタッフに交渉する。
「しょうがないなあ。時間がないから急いで」
3人の姿に折れたディレクターが、素早く指示を出し、マイクをセットし直す。
そして…。
「凄いよ!!よっすぃー!」
「やれば、できるじゃん!!リハでメロメロだったのが嘘みたいだよ」
見事に本番を歌いきった吉澤に、保田も後藤も大ハシャギだ。
良かった、上手く歌えて…。やっぱりこれは、「魔法のマイク」なんだ。
吉澤は確信を深めた。
108 :
呪いのマイク : 2001/02/26(月) 00:10 ID:6.pQ.vlU
魔法のマイクの噂を初めて聴いたのは、ハピサマのレコーディングの時だった。
初めてのことに緊張して上手く歌えない新メン4人に、スタッフの一人が冗談
めかして話してくれたのだ。
――――TV東京のスタジオには誰でもが完璧に歌える「魔法のマイク」が
存在するのだという。どんな音痴や素人でも、他人を感動させることができる
古いマイク。だが、そのマイクには恐ろしい噂が…。
実際、その専用マイクで歌うようになってからの吉澤の評価はうなぎ登りだった。
TV、ラジオ、ライブ。どんな状況でも完璧に歌ってみせた。
「凄いね、よっすぃー。何だか差をつけられちゃったかなあ」
石川の淋しそうな視線も気にならなかった。
このマイクがある限り、メインだって夢じゃない。
109 :
呪いのマイク : 2001/02/26(月) 00:12 ID:6.pQ.vlU
「なあ、吉澤。最近あんた、顔色悪いんちゃうか?」
異変に気付き、最初に声を掛けたのは、やはりリーダーだった。
「そうですか?自分じゃ何ともないですけど」
「でも、痩せ過ぎちゃう?今、何キロある?ちゃんと食べてるんか?」
「大丈夫ですって。いやだなあ」
「…あのマイクにしてからだべ」
脇で聴いていた安倍が口を挟む。
「だってそうっしょ?あれで歌うようになってから、何もかも変わったんだべ?」
「安倍さん、妬いてるんだ」
吉澤の顔に冷たい笑いが浮かぶ。
「次の新曲、あたしとごっちんがメインに決まりそうなんで、嫉妬してるのよ」
「なっ?!」
「吉澤、あんた!」
「お先に失礼します」
気まずい空気が流れる楽屋を振りかえりもせず、吉澤はドアの向こうに消えた。
110 :
呪いのマイク : 2001/02/26(月) 00:13 ID:6.pQ.vlU
「よっすぃー、待って!」
局前でタクシーを待っている吉澤を追ってきたのは安倍だった。
「いい加減にしてくださいよ、安倍さん」
「違うの、あれは呪いのマイクなの!」
「はぁ?」
ほんっと、安倍さんってしつこい。
「あのマイク、なっちも使ってたことがあるんだ」
「え?安倍さんが?」
「デビュー当時、明日香に勝ちたい一心で、偶然手に入れたあのマイクを使って
歌ってたことがあるんだ。あのマイク…確かに上手に歌えるべ。したっけ、あれ
を使いつづけると、命を削られるのさ」
「命を?」
「昔、抜群の歌唱力を持ちながらヒットに恵まれず、アパートで餓死した歌手が
いて、その人が死んだとき握り締めてたマイクなんだってや。なっちもそのマイクを
使ってた時、ガリガリに痩せたんだべ。もう少し、そのマイクを手放すのが遅かった
ら、なっちは…」
111 :
呪いのマイク : 2001/02/26(月) 00:15 ID:6.pQ.vlU
驚く吉澤の両腕を掴み、安倍は必死の形相で彼女に訴えた。
「あのマイク、これ以上使っちゃなんねえべ!これ以上痩せたら…」
吉澤は安倍をマジマジと見つめた。
逞しく伸びた二本の腕。はちきれんばかりの頬。どっしりと根をおろした下半身。
マイクの呪いは、手放した後のほうが恐ろしいようだ。
あんなふうに醜く肥え太った姿を晒すようになるくらいなら…。
吉澤は迷うことなく決心した。
終り
112 :
恋の炎 : 2001/02/26(月) 05:03 ID:cI.asXAI
厳かな空間、此処は後藤のいとこの家、今は葬式会場となっている。
亡くなったのは、いとこの夏次雄(かじお)君。後藤と同い年。
葬式は、淡々と滞りなく進んでいく。
いとこの夏次雄君とは、同い年で近所と言う事もあり、仲が良かった。
そして、安っぽい恋愛マンガのようだが、淡い恋心もあった。
静けさは焼香のとき、その部屋にある電話のベルで打ち砕かれた。
「はい、○○ですが…はぁ…はい………えぇ…」
カジオ君の母親が、電話を切り元の場所へ戻って来た。
焼香が一通り終わると、カジオの母はこう言った。
「先程、お医者様から電話がありまして、
カジオの人工心臓の停止手術をしていない。という事でして…」
式場に唖然とした空気が流れる。
「そのまま焼くと爆発するそうなんですよ。それで…」
「あのー、医者は来るんですよね。」
式場の誰かが尋ねると、
「そのーですね。来る事が出来ないそうなんですよ。」
その場所は、さっきとは違う静けさになる。
「じゃぁ、私やります。」
後藤は手を上げた。
113 :
恋の炎 : 2001/02/26(月) 05:04 ID:cI.asXAI
「人工心臓って…生前いろいろカジオ君から聞いた事あるんで…」
後藤はこう続けた。
いつもとは違う、やる気の加減に後藤の家族が驚く程だった。
何故、ここまでやる気があるのか?…それは、後藤が仕組んだ作戦だったからだ。
(死んじゃったんだ…一度でもいいからキスしてみたかった…)
カジオが亡くなったと、知らせを聞いたときに悲しみでは無く、
不謹慎にもそう思ってしまった後藤は、
彼の死亡原因が心臓に関わる事で無い事から、この作戦を思いついた。
人工心臓がまだ止まってないと嘘の電話を友達に掛けてもらって、
皆を式場から一時的に追い出して、その間にキスする作戦。名付けて、
『人工心臓がまだ止まってないと嘘の電話を友達に掛けてもらって、
皆を式場から一時的に追い出して、その間にキスする作戦』である。
そのまま且つ無茶苦茶だ。
「危ないかも知れないんで、別の部屋にでも行ってて下さい。
ここは私一人で大丈夫ですから。」
そう後藤が言うと、なにが怖いのか。皆が部屋から出て行った。
『「大丈夫」と言えば、大体の人がその行為を危険と思う。』
テレビで得た知識だ。
114 :
恋の炎 : 2001/02/26(月) 05:05 ID:cI.asXAI
棺桶の蓋を開ける。
「カジオ………」
後藤の目に涙が溢れてきた。
顔をカジオに近づけた時…
「トゥルルルルートゥルルルルー・・・・・」
電話が鳴り出した。
「まさか、アイツかな?こんな時に…成功してるってゆうのに。」
涙を拭い、後藤は電話を取る。
ガチャッ「はい、○○ですが。」
「葬儀中、失礼致します。カジオ君の担当医の菊地と申します。」
聞き覚えの無い声が、話を続ける。
「申し訳ないのですが、彼のペースメーカーの電源を切る手術を、
しておりませんで、そのまま焼くとマズイ事に…私ですね出張で、
今そちらへ伺えませんので、電源の方をそちら方で切っていただきたいと…」
後藤は固まっている。
作戦ではなく、本当に起きてしまったのだ。
「切り方は簡単です。左、鎖骨の下辺りに切開を縫った後がありますので、
その糸を切って下さい。手術して間もないので、くっ付いて無いと思います。
そうしましたら、青と赤のコードがありますんで、青を切って下さい。
その際ですね、脳に刺激がいって、少し生き返る場合があるので、
注意してください。では。」ブツッツーツーツー ガチャン
早口の医者の言葉は、後藤が合いの手を入れる隙を与えず切られた。
「どーしよ……………よし、やるか…」
115 :
恋の炎 : 2001/02/26(月) 05:06 ID:cI.asXAI
・・・・・プツン・・・・プツン・・・・・
ニッパーで糸を切るとコードが二つ、赤と………
「………赤だ。」
絶望が微かによぎる。しかし、嘘の電話で葬式を中断させたという罪悪感が、
後藤を後戻りさせない。
「こっちだ…」プッチン
・・・・・・・・・「あれ?真希ちゃんどうしたの?」
(生き返った、ってことは…成功した!)
「やったよ。カジオ!良かった。」
後藤は涙を浮かべて、起き上がったカジオに抱きついた。
「えっ?どうしちゃたの真希ちゃん、泣いちゃって。」
「ううん、なんでもない。ちょっと目を閉じて。
まつげのゴミ、取ってあげるから。」
「あぁ…うん。」
(もう少しでまた、眠っちゃうんだし…やっちゃえ)
後藤は、勢いで夏次雄にキスを…
ドカーン・・・・・・・・棺桶は炎をあげた。
どうやら、もう一方だったらしい。
・・・・・・・・熱海・・・・・・・・ピッ
「あっ!やばい、どっちも赤だった。」
「ええやん、そんなん。それより…」
「ま、ま、待てよ裕子。気が早いって…おいおいおいおい」
恋の炎は、菊地と中澤からも上がっていた。
〜了〜
116 :
名無し読者 : 2001/02/26(月) 07:08 ID:ILnw3r5U
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
やあ、待った?悪い悪い。
今日は過去の話をしよう。
過去って言ってもそんな前じゃ無い。10年位…前の話だ。
えっ?充分昔だって?まあイイじゃん、俺にとってはチョット前だよ?
その頃俺は無職で、毎日プラプラ遊んでたんだけど
その時に知り合った奴に圭織って女が居たのね。
その圭織なんだけど、いわゆる「不思議少女」って奴で
常人には理解し難い言動や行動をしやがるんだよ。
例えを出すと…
「真夜中に駅前公園で消火器を撒き散らす」
「今更ピンポンダッシュに夢中」
「笑いながら泣く。しかも何回話を聞いても内容不明」
「明らかに日本人じゃ無い奴に喧嘩を売る」
ってな具合に中々のクラッシャーだったんだよ。
でも厨房な俺は、そんな彼女の事が大好きで、いつも一緒にツルんでた。
うん、つき合ってた訳じゃ無い。初めて出会った頃に1回だけ体を重ねたけど
SEXしてるより圭織と喋ってる方が刺激的だった。
否、喋るってより「圭織が今、何を考えているか?」を探るって方が正しい。
それは知的な推理ゲームみたいで…
まぁ、実際は全部実弾のロシアンルーレットなんだけど。
散々振り回されてたな、俺。
でも優しい所も有ったよ。
俺が「腹減った」って言ったら、結構遠いスーパーまで歩いて買い物に行って
チーズオムレツとか作ってくれてさ、美味く無かったけどジーンって感動したよ。
おっと!こんな話はどうでも良いね。悪い悪い。
そうそう、その圭織がさ、夜中に突然
「海に行きたい」
なんて言い出して、しょうがないから友達にバイク借りて海に行ったんだよ。
1時間は掛かったと思うよ。遠かったなー。
でもって、海に着いたんだけど、圭織は海なんか見て無くて
ボーっと煙草とか吸っちゃってさ、俺ら何しに来たんだろうって感じ?
でも、俺も俺で1人で砂浜でウィリーとかしちゃってんの。
「俺は風だーっ!」なんて言いながら(藁
俺がウィリーに失敗して大転倒すると、圭織が近寄って抱き起こしてくれて
「ははっ、死んだ?」って訊くから俺は
「このまま死ぬのも悪くない」って答えたよ。圭織の胸にハグハグしながら。
圭織はまるで赤ん坊でもあやす様に、俺の髪を撫で付けながら笑ってた。
月光に浮かぶ圭織の顔を見ながら俺は…俺は…そこに菩薩を見た。
圭織って名前の涅槃。ニルヴァーナは此処に有ったんだよ。
おいっ!此処は笑う所じゃ無い!コッチは真剣に話してんだぞ。
…んっ?圭織はどんな顔かだって?
そうだな〜、「ブレードランナー」のレプリカントって感じ。
んな事は、イイんだよ。それでな、「もう帰ろう」ってなって
帰って来る途中で圭織が
「さっきの話だけどさ〜」
「んっ?何々?」
「死んでもイイって言ったよね〜?」
「ああ、言ったよ。お前となら死んでもイイよ」
「ありがと、嘘でも嬉しいわ」
そう言って圭織は、タンデムの後ろから俺にギュッと抱きつき
淋しそうに笑ってた。
それから1週間位経った頃、圭織がビルから飛び降りた。
葬式に行って圭織の顔を見たけど、飛び降り自殺とは思えない位
顔には擦り傷1つ無かったね。
頭じゃ無くて腰から落ちたって、圭織の親が話してくれた。
まるで寝てるみたいって思ったのを覚えている。
死化粧ってゆーの?元々色白だったけど、もっと白くてさ
カミソリみたいな美麗が有ったよ。
俺さー、最近思うんだよね。
海に行った帰りの時、もし俺が圭織に何か…答え…みたいな物を
言ってやれたら、圭織は自殺しなかったんじゃないか?って。
でも、俺なんかに圭織が何を悩んでいたのかなんて、解りっこ無いんだけどね。
もしかしたら、圭織に悩みなんて無かったのかもしれないしね?
圭織は「今日は、天気がイイから死のうと思う」なんてキャラだから。
そう言われたら納得しちゃうもん、俺。
だらだらと喋っちゃったな、じゃあ俺そろそろ行くわ。
えっ?何処に行くかって?
決まってんだろ、圭織に会いに行くんだよ。
葬式の時、約束したんだよ。
10年経って俺がまだ生きてたらお前に会いに行くって。
じゃあな。
完
122 :
名無し読者 : 2001/03/01(木) 07:19 ID:DM5nq716
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
彼に『レストラン・ミスト』の6番テーブルで待つように言われた。
安倍は、はじめての場所に迷いながら『レストラン・ミスト』についた。
此処はあまり人目に着かない場所にあり、店内も少し暗めの、
良く言えば落ち着いた、悪く言えば怪しい雰囲気だった。
店内はまばらに人が居て、深夜のファミリーレストランな感じの、
賑やかな訳でもなく、静かでもない。
店に着くやいなや店員が、
「ご予約はありますか。」と聞く。
安倍は予期しなかった質問に少し戸惑いながらも、
とりあえず彼の名前を告げると、
「…そうですか…6番テーブルですね、ご案内いたします。」
そういうと店員は、その『6番テーブル』に案内した。
安倍の疑問点
・彼は何故、この様な初めての場所に呼んだのか?
その疑問は、彼が来てすべて解ける事となる。
が、それまでの安倍を少し見てみたいと思う。
「ご注文がお決まりになりましたら、お声をお掛けください。」
店員さんが、やたらと丁寧な口調で、水とメニューを置きながら言った。
私は、彼が来るまでコーヒーを飲もうと、メニューを見ずに
「ホットコーヒーお願いします。」
と言うと、店員さんは「かしこまりました。」と、言い奥の方に行った。
いつも彼は遅刻する。コーヒーぐらい奢らせてやれっ。
コーヒーを待つ間、この店内を見渡してみる。
普通のファミレスな感じだけど…なんか変な感じがする。
間違い探しのように、じっくりと見渡すと、
独り喋りしてる人がいる。
その人は、テーブルの上にあるメモ帳を覗き込んで、喋っている。
「メモ帳…?」
よく見ると、どのテーブルにもメモ帳がある。
そして、このテーブルにも。
カランカラン 店のドアが開く。
彼かも知れないと思い、入り口を見ると、人が2人入ってきた。
「なーんだ。」
首を戻しかけた時、おかしい言葉が聞こえた。
「えー、4人です。」
『2人じゃないのかな?』『予約なしでもいいの?』
この疑問が、私の中に加わった。
前の人数の疑問は『後から来る』という私なりの答えで納得したけど、
後の疑問の答えは、曖昧のまま私の中から消してしまった。
「はい、ホットコーヒーお待たせいたしました。」
店員さんがやって来たので、アノ疑問をぶつけてみる。
「あの、すいません。このメモ帳って何に使うんですか?」
「この店に必要なものですから。」
そう答えると、店員さんはまた奥へ下がっていった。
「あの人知らないみたいよ。」
「じゃぁ、驚くでしょうね、相手の人が来たら。」
奥でウェイターがこんな会話をしていた事を、安倍は知らない。
カランカラン コーヒーを啜る安倍は、店のドアに反応しなかった。
こっちのテーブルに店員が、向かってきた。
店員は6番テーブルの前で止まった。
安倍は顔を上げたが、其処には店員しかいない。
呆然としていた安倍の目に、驚くべき光景が映る。
空中に浮いたペンが、メモ帳に何かを書き始めた。
『おまたせ。』
彼が来た…。
当レストランの名前の由来は、
普段見えないはずの透明人間の方を、透明ながら見えるようにする。
見えない存在をせめて『霧』の状態まで見えるようにする。
といった事から、『ミスト』と名付けました。
いろんな事情で透明人間になられた方も、
気軽に、便利に御利用いただけるよう、サービス致しておりますので、
普通の方とのお食事等に、安心してこの店をお使い下さいませ。
『レストラン・ミスト』店長 大塚 実
以上、メニューの裏より抜粋
〜了〜
128 :
名無し読者 : 2001/03/04(日) 07:10 ID:LYM.ip5I
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
129 :
黒い箱 : 2001/03/10(土) 02:19 ID:5xDq8N7Q
その部屋からは、何回も物を叩く音がしていた。
ドンドン バンバンバン
「やっぱだめかなぁ。うん、捨てよう。」
飯田は、その白い箱を捨てることにした。
そして押入れの奥から、少し古い黒い箱を持ってきた。
「そうそう、これがあることを忘れてあれ買っちゃったんだよ。」
『箱』それは電子レンジの事だ。
黒い電子レンジは、飯田が田舎で買って持ってきた物。
白い電子レンジは、それを忘れて新しく買った物。
黒い箱には、今までの白い箱に無かったボタンがついていた、
それは、『気まぐれボタン』だった。
このボタンが、ひと癖もふた癖もあるボタンで…
130 :
黒い箱 : 2001/03/10(土) 02:20 ID:5xDq8N7Q
「カオリ、ありがとうね。」
その日、安倍は飯田の部屋に泊めてもらうことになった。
理由は、安倍の部屋の都合。
隣の住人の毒サソリが安倍の部屋に入ったそうだ。
専門業者が今夜、部屋を荒らすらしい。
飯田にとって、そんなことどうでもよかった。
安倍が部屋に居る事さえどうでもよく、いつもの生活を
少し変える程度だった。
「そうそうまた、なっち今度ね、映画出るんだ。」
少しの間の少しの会話、安倍は自慢気に話し出した。
「恋の話なんだけどね。その娘ね彼に浮気されて、
自殺しようと考えて、彼の犯行に見せかけるために二人分の料理を作るんだ。
そのシーンがね、こうグッときちゃうんだ。
あっ、今日、台本持ってきたんだ、見てみて。」
安倍は、カバンから台本を持ってきた。
その姿は、「待ってました」と言わんばかり、
まるで、今日はこのためにこの部屋に来たかのような、勢いだった。
台本を開き、飯田に見せつけ、
「今からココやるから見てて。」
こう言うと、安倍はコップを片手に芝居を始めた。
131 :
黒い箱 : 2001/03/10(土) 02:20 ID:5xDq8N7Q
気まぐれボタン』の意味を飯田は勘違いしていた。
このボタンを押すとき、自分の好みの暖かさを念じる。
そうすれば電子レンジは、その通りの暖かさに仕上げてくれる。
この解釈には、間違っている部分がある。
いや、不思議なボタンであることは、間違いない。
不思議なのは間違いないのだが…
132 :
黒い箱 : 2001/03/10(土) 02:21 ID:5xDq8N7Q
「あとはホットミルク。」
コップに牛乳を注ぎ、レンジにそのコップを入れる。
夕食時に飯田に教えてもらった通りに『気まぐれボタン』を押す。
「…そう、人の仲なんか、こんなに簡単に暖まらないもんねぇ…」
どこの三流脚本家が書いたのか、そんなありきたりで臭い台詞を言うと、
安倍は、思ったより早く鳴ったレンジからコップを取り出し、
一口ミルクを飲み、こう言った。
「あったかいって、こんなもんなのかなぁ。」
寸劇が終わった。
安倍が悪いのか、台本が悪いのか、感想の言葉に迷った飯田は、
「い・・いよ。良かったよ。」
無理に感情を込めて言った。
「このレンジ壊れてるんじゃない?暖かくないよコレ。」
安倍は場の空気を変えるようにそう言った。
133 :
黒い箱 : 2001/03/10(土) 02:22 ID:5xDq8N7Q
安倍は飯田の部屋に台本を忘れた。
「ちょっとやってみようかな。」
飯田は、コップを持って芝居を始めた。
役の気持ちになって、自分の精一杯でやってみた。
ミルクを一口、最後の台詞
「あったかいって、こんなもウッ…イッッ…ンンンンッ」
飯田はうずくまった、暫くして息をしなくなった。
134 :
黒い箱 : 2001/03/10(土) 02:23 ID:5xDq8N7Q
『気まぐれボタン』それは、
その人の今の気持ちがそのまま、出来上がりに反映されるようにするボタン。
怒ってる人が押せば、熱く。
何気なく押せば、冷たく。
おいしい物を作りたい人が押せば、おいしく。
今、死にたい人が押せば…
「安倍!何回言ったら解かるんだ。もっと気持ちを込めて…」
安倍は問題のあのシーンで、2時間監督に叱られていた。
〜了〜
135 :
名無し読者 : 2001/03/10(土) 03:15 ID:3gYPbSQQ
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
136 :
名無し娘。 : 2001/03/13(火) 01:41 ID:7PczLkwg
スレ汚し失礼、保全。
137 :
穴を掘る女 : 2001/03/14(水) 01:33 ID:Ui78PQ.w
吉澤は、穴を掘る。
時間が空いた時は、いつも掘っている。
スコップ片手に掘り続ける。
それを誰も知らない、
穴を掘る理由など誰も知らない。
吉澤は、時にうさを晴らすように、
そして、時には、何かを忘れるかのように。
吉澤は、穴を掘っている。
只々、掘り続ける。
掘り続けたのだった。
138 :
穴を掘る女 : 2001/03/14(水) 01:34 ID:Ui78PQ.w
彼女は穴を掘っていた。
僕が其処へ行った時には、彼女の姿が隠れる程の深さだった。
正しく言うと、『僕が其処へ行った時』ではなく、
『僕が其処を通り掛かった時』と言うべきだろう。
其処は誰も通らないであろう場所。
其処で彼女は穴を掘っていた。
次の日、僕はその事が少し気になった。
「また、掘ってるかなぁ…」
正しく言うと、『僕はその事が少し気になった』ではなく、
『僕はその事が気になって何も手につかなかった』と直すべきだろう。
なにかに誘われるかのように、僕は其処へ向かった。
僕は、其処へ毎日行った。
彼女は毎日、穴を掘っていた。
理由は解からない。
彼女は今日も穴を掘っている。
〜了〜
139 :
穴を掘る女 : 2001/03/14(水) 01:41 ID:Ui78PQ.w
140 :
名無し読者 : 2001/03/14(水) 01:46 ID:WythVuqE
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
141 :
名無し娘。 : 2001/03/15(木) 01:09 ID:rj.qXDG2
>室蘭シド&ナンシー
飯田の話イイ〜
>>141
有難う、スレ汚し失礼。
143 :
名無し娘。 : 2001/03/18(日) 00:40 ID:RZGHvpC.
保全。スレ汚し失礼。
うふっ、うふふっ。
市井ちゃん、やっと一緒になれたね?
後藤は寂しかったんだぞ、市井ちゃんが脱退しちゃってから全然会えないし、
市井ちゃんも連絡くれないしさー。でも、もう安心。
これからは、ずっとそばに居てあげるから。
市井ちゃんも嬉しいでしょ?
でも大変だったんだよ〜? 人目を避けて此処まで市井ちゃんを運ぶの。
市井ちゃん血だらけだしさ〜、って後藤が刺したんだけどね。
スーツケースに入れて運んだけど、市井ちゃんの重すぎ〜。
ひょっとして太った?なんてね。
それよりも運んでる最中、スーツケースの隙間から血が漏れてきた時!
焦った〜。でもアレだね、意外に見て無いね、人は他人を。
モー娘。の後藤真希としてはチョットは気付かれたいんだけどね。
でも見つかったら最後だしね。うふふっ。
市井ちゃんが悪いんだからね。後藤がこんなに市井ちゃんを好きなのに、
彼氏なんかつくるからだよ。
これからは、ずぅ――――っと後藤と一緒だからね。
ねっ、“いちーちゃん”うふっ、うふふっ。
完
146 :
名無し読者 : 2001/03/18(日) 07:06 ID:eB2XNq8E
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
147 :
名無し娘。 : 2001/03/20(火) 23:30 ID:ExoVSqOY
室蘭シド&ナンシー
これほんと良いねえ・・・。(ウットリ
夜明け前の蒼く誰もいないハイウェイを圭織を乗せて僕は走る。
「雪が見たいね」と言った君の言葉を叶えるために。
誰の足跡もない雪の朝に僕達だけの広い場所で、眩しいほどの光に包まれた
圭織が白い息を吐きながら僕の顔を覗き込む。僕はその笑顔に思わず
うつむいてしまった…
完
また加護がイタズラした。
私のカバンからお菓子を盗った。
何故、加護が盗った事が判ったって?
それは…
加護の顔に書いてあったから…
いや、書いてあるの。
『吉澤さんのお菓子盗っちゃたのバレてないかなぁ』って、
それが私には見える訳よ。おでこに電光掲示板みたいに。
時々、この能力が嫌になることがあるけど。
しょうがないでしょ、うん。
その日の楽屋、弁当を食べる時のこと、
加護がちらちらこっちを見てた。
お菓子の一件を気にしてるみたい。顔に書いてあるし。
私は、お菓子の事は余り気にしていなかったのに…
やっぱり気にしてたんだ。
私が一人楽屋を出たら、加護が後から追って出てきた。
「吉澤さ〜ん。」
振り向くと、申し訳無さそうな顔をした加護が、
おでこに書いてあることと、同じ事を言った。
「お菓子とっちゃって、ゴメンナサイ。」
「自分から謝ってくれたんだ。よしっ!許す。」
許すもなにも、気にしてなかったのに謝ってくれた加護を
少し好きになった。
「ののちゃんあのな、さっきあげたお菓子ね。
吉澤さんから盗ったお菓子やったんよ。」
「ああ、そうなんだ。
どうりで今日の吉澤さん、機嫌が悪いとおもった。」
辻と加護の会話。
いつもの様な会話だが、ここで二人の不満が出た。
「それにしても吉澤さんには困りモノですねぇ。」
「そうよそうよ、だってな今日なんか吉澤さんのおでこに
『お菓子のことは気にしてないよ、加・護』って書いてあったら、
そりゃぁ謝るしかないわよねぇ。」
まるで漫才のように、口調が奥様口調にスッと変わる。
「向こうは『あんたの思ってることバレてるよ。』
とか思ってるんでしょうけど。吉澤さんこそバレバレよ。っての」
「ねぇ〜」
二人の声は、それぞれの気持ちが判り合うかのように重なった。
〜了〜
153 :
穴を掘る女 : 2001/03/24(土) 01:52 ID:pwJzDTS2
>>139 のリンク先は消えました。過去ログ倉庫にもありません。
では、失礼しました。
154 :
名無し読者 : 2001/03/24(土) 07:17 ID:DSn10RUk
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
155 :
名無し娘。 : 2001/03/24(土) 23:05 ID:uwPcIRq2
週一くらいのペースなのかな?
楽しみにしてます。
今日は久々のデートの日。
相手は2ヶ月前友達に紹介で会った年齢ちょっと上の人で、
私がモーニング娘。の石川梨華でも普通に接してくれた人なの。
だから今日まではメル友でいたんだけど会うことにしたの。
原宿で待ち合わせする事になった。やっぱ人がいっぱいいる。
見つけられるかどうか心配していたんだけど、
そんな時私の携帯にメールが来たの、「後ろにいます」って。
待って!これって「恋をしちゃいました!」の歌詞通りじゃない!?
振り返ったらやっぱり彼がいたの。
あれ?なんでだろ?なんかドキドキする…。まさか恋?
「あ、梨華ちゃん。待った?」
あせちゃって私はあまり喋れなかった。あ、これも歌詞通り…?
映画館行ったりラーメン食べたりしたけど私のドキドキは増す一方だったわ。
おかげで、あんまり良く覚えてないの。やっぱり貸し通りだわ。
私はこれが恋だと分かったの。それで歌詞通りにメールしたの。
「楽しいですね」って。
でもデートの最後でちょっと歌詞通りじゃない事が起きたの。
「ねぇ梨華ちゃん、ちょっと話聞いてくれる?」
私はおかしく思ったけど、直接「君が好きです」って言ってくれると思ったの。
でも、彼は
「君は芸能人で僕は一般人。
これ以上会ったら何か問題が起きて君に迷惑がかかるかもしれない。
だからもう会わない事にしようよ。」
って言った。私は反対したけど結局彼の意思を変えることが出来なかった。
彼と別れた後、私はなんで今まで歌詞通りだったのに最後だけ違かったのか考えた。
でも、やっぱ歌詞の通りだったの。その後メールが来て、
私は期待して見た…けど、なぁんだ最後の最後で違ってたんだぁ…。
失恋しちゃったけど、恋をしちゃったけどまた会えたら良いって思った。
そのメールはね、こんなのだったの。
「君が好きでした」
Fin
160 :
小説人 : 2001/03/25(日) 03:11 ID:NJYknhEY
↑の「恋をしちゃいました」書いたものです。
始めての投稿なんでちょっと緊張しました。
161 :
名無し娘。 : 2001/03/26(月) 00:38 ID:wDC7nROY
良かったです。またお願いします。2〜3人なんで辛いっす。
最近、アイデアはでるんですがそれを文にすると…、失礼します。〜了〜
162 :
名無し娘。 : 2001/03/26(月) 01:18 ID:vlT5iw4w
歌詞を利用するって良いね。
面白かったっす。
別に週一じゃなかったらしい(笑)
163 :
小説人 : 2001/03/26(月) 01:31 ID:tqtTlyuI
みなさん、感想ありがとうございます。
157で歌詞が貸しになってました。
「新曲のパートの振り分けを発表するぞ!」
私はこの瞬間が一番嫌いだ。私はメインなんて勝ち取った事が無い。
大体が後藤とかなっちがメインだ。私なんかは、
「保田はBメロとサビの上ハモ!」
こんな言葉しか向けられない。
いつもテレビでは私以外の人が映っている。
せいぜい私が映っているのが8シーンあれば良い方だ。
その日、私はいつもとは違う道で帰宅しようとしていた。
ふと「人生相談所」と言う看板を掲げ占い師にも似た風情の老人が路上で暇をもてはやしていた。
人生相談所…。たまにはこう言うことにお金を使うのも悪くない。
そう思い、私は限りなく一般人っぽくその老人に相談をした。
「私、会社の中で影が薄いんです。どうしたら目立てますか?」
こう言えばOLと思って接してくれるだろうと私は図った。
「明日になれば大丈夫です」
まさかそんな子供だましみたいな事を言われるとは思ってもみなかった。
私は少々怒って、急いで家路についた。
―次の日
「パートを変更する。メインは保田!」
私は信じれなかった。まさか老人の言う通りになるなんて…。
私の心とは裏腹に、レコーディングは着実に進んで行く。
「圭ちゃん、良いなぁ。私なんてBメロとサビの上ハモだってさ」
矢口が私に残念そうに言ってくる。そうか、これが前までの私なんだ。
私は自分のレコーディングが終ると休憩を取った。
あれ?後藤が泣いてる。私にメインを奪われたからだ。
…私、歌えればメインじゃなくてもがんばれたよ。
あ、なっちが泣いてる。6つもあったソロが私のせいで2つに減ったからだ。
…私、そんな事いっぱいあったけど泣かなかったよ。
矢口がレコーディングでつんくさんにひどく叱られている。
…私はどんなに難しいメロディでも、いつもつんくさんを満足させてたよ。
私だったら…。私だったら…。
私は帰り道、あの老人をさがした。あの「人生相談所」を。
昨日と同じ場所に同じ格好であの老人がいた。
「ねぇ、私、やっぱ目立たなくて良い。でも私らしくいたいの!」
いきなりこんな事を言って驚くかと思った。でも、
「明日になれば大丈夫です」
そう言ってくれた。
―数日後
「圭ちゃん!今度の曲さ、なんかめっちゃかっこ良くない!?」
メンバーが出来あがった曲を聞くたびに私に言ってきた。
そんな時私はこう答えるの。
「当たり前じゃない!私がBメロとサビの上ハモ歌ってるんだから!」
Fin
170 :
名無し娘。 : 2001/03/26(月) 01:57 ID:6A9lReGI
>スポットライト
いいねぇ
171 :
小さな愛 : 2001/03/26(月) 02:43 ID:tqtTlyuI
今日もお仕事疲れました。早く楽屋に帰ろう。
あれ?みんな自分の手を向かい合わせてなんかやってる。
中澤さんに何をやってるか聞いてみました。
そしたら、聞いてビックリしちゃいました。
「なんや、辻?知らされてないん?うちらな、ラブマシーンやねん」
何を言ってるのか分からなかったので、もっと聞いてみました。
「だからぁ、こーやって手から愛を出すんやないか!」
最初は私をからかってるのかと思ったけど、中澤さんの手から赤い光が出てきた!
「ほら、これが愛や。ラブマシーンってのは愛製造機って意味やで」
私はあまりに驚いてしまって見とれてちゃってました。
「辻、見とれてないであんたも早よぉ練習しときな!」
172 :
小さな愛 : 2001/03/26(月) 02:43 ID:tqtTlyuI
どうやら、来週から「ラブマシーンキャンペーン」がやるみたいなんです。
手からの赤い光は愛みたいで、その光に包まれた二人は愛し合うみたいなんです。
それでカップルを作るって言うキャンペーンらしいです。
私はできるかなぁ?って思ってやってみたけど…大きさは…
あめ玉くらいで、中澤さんの方が数倍大きかった。
中澤さんに練習しとけって言われました。
173 :
小さな愛 : 2001/03/26(月) 02:44 ID:tqtTlyuI
1週間後、モーニング娘。による「ラブマシーンキャンペーン」が行われました。
私は1週間ずっと練習したのに大きさはあめ玉のままでした。
とても人が入る大きさではありませんでした。
だから私はキャンペーがカップルを成立させてるのを見てるだけンに参加せず、皆でした。
174 :
小さな愛 : 2001/03/26(月) 02:45 ID:tqtTlyuI
キャンペーンが終ると、私は皆に
「辻、カップル成立させられなくて残念だったね!」
って言われました。
でも、私は全然悔しくなかった!
だってね私、昨日見ちゃったんだもん!
公園で練習してたら、私の赤い光の中に入ったありさんがキスしてたんだもん!
Fin
175 :
名無し娘。 : 2001/03/26(月) 23:47 ID:oZk53u2Q
>スポットライト
>小さな愛
ああ・・感動しました・・
特にスポットライト・・良かったです・・・。
176 :
名無し娘。 : 2001/03/27(火) 00:10 ID:OxJPZheU
良かった、2ちゃんじゃないみたい。
177 :
私だけの夏 : 2001/03/27(火) 01:12 ID:Jz8IlWJw
―私、安倍さんになりたいねん。
あれは2年前の夏、後藤さんがモーニング娘。に入る前やったかな?
めっちゃ暑い日の事やってん。
私、夏休みに安倍さんに会ったんや。
その日はたまたまクラスの男子に追いかけられて、私こけてしまってん。
ひざこぞうがすりむけて痛かったなぁ。
せやから私は泣きべそかいて帰り道を1人で歩いてたんや。
178 :
私だけの夏 : 2001/03/27(火) 01:13 ID:Jz8IlWJw
そんな時、偶然安倍さんが私に話しかけてくれたんや。
ケガは大丈夫か?って。
最初は安倍さんが目の前にいる事に驚いてしもたけど、痛いほうが大きかってん。
私は泣きじゃくってしもたねん。
そんな時な、安倍さん歌い出したんや。
どんな曲やったかは全然覚えてないんやけど、めっちゃ綺麗な声で良い曲やった。
179 :
私だけの夏 : 2001/03/27(火) 01:14 ID:Jz8IlWJw
そしたら私、痛みを感じなくなったんや!
驚いてひざこぞう見てみたら傷がなくなっていたんや!
でもな、その後安倍さんを見たら傷ができてるんや、ひざこぞうに。
安倍さんはこう言ったっけ、
「私ね、私の歌を聞いてくれる人がとても大好きなの。
その人が辛いなら、その辛さを私が替わってあげたい。
もし悩んでいたら、その人の替わりに私が悩むの。
それが私の歌を聞いてくれた私なりのお礼なの」
そう言って安倍さんはどっかに行ってしもうた。
180 :
私だけの夏 : 2001/03/27(火) 01:14 ID:Jz8IlWJw
それから安倍さんがどんな人にどんな歌を歌ったかは知らん。
でも、その分安倍さんが痛みを背負い込んでる事を私は知ってんねん。
私も私の歌で色んな人を救いたい、そう思ったのはその時からやった。
夏の暑さなんて忘れてしまうくらい、そう思ったんや。
それから数ヶ月後、テレビで見たんや、新メンバー募集って。
181 :
私だけの夏 : 2001/03/27(火) 01:15 ID:Jz8IlWJw
今では安倍さんと同じモーニング娘。の私はいつも安倍さんを見てるんや。
せやけどな、安倍さんは私の事は覚えてないみたいなんや。
それほどたくさんの人の為に歌ってきたんやろなぁ。
でもな、私は忘れないで、あの日の暑さと思った事を。
今でも何回でも言えるんや。
―私、安倍さんになりたいねん。
Fin
市井ちゃんが屋上から下を覗き込みながら尋ねた。
「ねぇ、私、おかしいのかなぁ?」
ううん、市井ちゃんはおかしくないよ。後藤は嬉しいよ。
だって、しょーがないよね?女同士じゃ結婚できないもんね?
こーゆう方法でしか、市井ちゃんと後藤の愛は成就できないよ。
市井ちゃんも同じ気持ちでしょ?
「後藤、覚悟はいい?」
うん。
市井ちゃんと一緒なら、何も怖くない。
市井ちゃんと一緒なら、この世に未練はない。
市井ちゃんと一緒なら…。
二人で屋上の柵を越え、手を繋いだ。
あれっ?市井ちゃん、凄い汗かいてるね?
それに、何で後藤と目を合わせないの?
「ゴメンね、後藤」
えっ!?なっ!何でっ!
ズルイよっ!いち―――――ちゃ―――――んっ!!!
グヂュ。
完
185 :
名無し娘。 : 2001/03/27(火) 05:06 ID:V7TpsuFo
「室蘭シド&ナンシー」
「ある意味、純愛」
「ある意味、失恋」
書いた者だけど、なんか俺、浮いてるな〜。
気分を害した人がいたらゴメンね。
スレ汚し、失礼。
186 :
名無し読者 : 2001/03/27(火) 07:11 ID:mIFUnCRg
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
187 :
名無し娘。 : 2001/03/27(火) 23:23 ID:iKfQsJHc
>>185 いや、良いと思いますよ。
「室蘭シド&ナンシー」は良かったし。
元々世にも奇妙な物語っていろんな物語あるから。
188 :
名無し娘。 : 2001/03/28(水) 00:06 ID:Zq2sZIps
>>185 187さん同様そのまんまで良いと思います。私にはその雰囲気が出せないので…〜了〜
189 :
名無し娘。 : 2001/03/28(水) 01:01 ID:M.Iq/E1E
>>187 有難う。安心して妄想します。
>>188 俺、〜了〜さんのアイデアの秀逸性を尊敬。
Finさんのほんわか話も好き。
でも自分で書くと…(藁
190 :
うしろに悪魔 : 2001/03/30(金) 02:37 ID:yObqrPx6
局の一室から梨華ちゃんが出てきた。
その姿は普通でなく、なんかドロボウの様だった。
私は、梨華ちゃんの姿が見えなくなったのを確認すると、
その部屋に入った。
「またか…」
その情景は初めて見たものではない。
消えている電気、物があまり無い部屋、
そしてそこには、背中にナイフが刺さった男の死体。
これで3回目だ。
ここ一週間で3回も、こんなふうになった部屋を見ている。
多分こうなるであろうと予想していた吉澤は、
予め用意しておいた大きな袋を広げ、その死体を収納すると、
用心しながらその部屋から出た。
その夜、吉澤は某所に穴を掘ると、その死体を埋めた。
これも3回目だ…。
その脳裏には、石川を想う気持ちがあったのだ。
191 :
うしろに悪魔 : 2001/03/30(金) 02:38 ID:yObqrPx6
「今日もかぁ…3人も4人も一緒だ。」
グスリ…
今日も、あまり関わり合いの無い男に呼び出された。
こんなこともあろうかと、安倍は携帯していたナイフで男を…
「まったく…埒が開かないべ…何人、私を脅迫すれば気が済むの。」
最初は事故だった。
襲ってきた男を突き飛ばした…それが一人目だった。
それを四回繰り返している安倍だったが、
流石に四回もすれば、ある疑問が浮かぶ。
「それにしても、新聞にもテレビニュースにも報道されてる心当たりないなぁ。
まさか、死体が見つかって無い?………おかしいべ、
事件が在ってこその『脅迫』の筈だべ、でも…」
そう、でも安倍が思う安倍に出来る事、それは脅迫すると予想される状況に陥った時に、
行動を起こす事。
それをやるしかなかった。
192 :
うしろに悪魔 : 2001/03/30(金) 02:39 ID:yObqrPx6
「またなのね…」
石川は安倍の出た部屋に入ると、持っていたハンカチで、
ナイフの柄・電気のスイッチ・ドアノブ等、安倍の触ったであろう箇所を拭いた。
「これでヨシと…」
石川は、『モーニング娘。』の事を想って、この5回目の仕事を終えた。
その次の日のニュースは、一人目の死体が海から揚がった事を伝えていた。
「あっ、やっぱ埋めたまんまの方が良かったんか…。」
中澤は、そう呟いた。
自己の身の保全が、人の『想い』の連鎖によって、
死体を海へと移動させたのだ。
193 :
うしろに悪魔 : 2001/03/30(金) 02:40 ID:yObqrPx6
そのニュースは、
『私の前には人殺しがいる。』を
『私の後には悪魔がいる。』という不安に変えた…
自分の行動を見ていた悪魔がいるという不安。
あなたは耐えられますか…得体の知れない悪魔の存在に。
〜了〜
194 :
名無し読者 : 2001/03/30(金) 07:44 ID:QYpXcU92
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
私には人に知られてはいけない秘密がある…。
「どうしたの、よっしー?矢口の顔に何か付いてる?」
「いっ、いえっ、別に」
矢口さんが私の顔を見上げながら訊いてきた。
いけない、あの日以来どうしても無意識の内に矢口さんの方を見てしまう。
気を付けなければ…。
一ヶ月前…。
その日私は仕事が終わってスタジオを出た後、久しぶりに地元の友達と遊びに出かけた。
カラオケBOXで大騒ぎし、程よい疲労感と共に家路に向かってタクシーに乗っていた時、
「あ、矢口さんだ…」
そこには、マンションのエントランスホールから出てくる矢口さんが居た。
スウェットの上下でスッピンの矢口さんは、場末のスナックのママみたいだ。
どうやらゴミを捨てに、外に出てきたようである。
その小さい体の三分の二は在ろうかという、大きなゴミ袋を両手に持っている矢口さんは、
ちんちくりんのやじろべぇみたいで、そぉ〜と〜カワイイ。(顔はスナックのママだけど)
矢口さんは辺りを窺うと小走りで横断歩道を渡り、道の向かい側のゴミ捨て場にゴミを捨てた。
なぜか矢口さんはニヤリと笑い、マンションに戻っていった。
(危ないなぁ、モーヲタどもに見つかったら漁られちゃうよぉ)
その時は、ただ単に老婆心から矢口さんをモーヲタから守ってやりたいと思った。
私はタクシーの運転手さんに車を止めてもらい、料金を払って車を降りた。
私はゴミの山に近づきながら嘆いた。
「まったくもぅ〜、プライベートの管理が大切なのは、なっちの件で解りそうだけど…」
でも、なんでわざわざ外にゴミを出すんだろう?
マンションなら敷地内に共用ゴミ捨て場があるはずだ。おかしい。
その時、矢口さんが捨てたゴミ袋の縛り口が緩んでいるのに気付いた。
覗くつもりは無かったんだけど、“ソレ”が目に飛込んで来た。
これって…、注射器?…何で?あと…毛皮?
しかし毛皮だと思った物は、犬の死体。バラバラにされた、かつて犬だった物。
吐き気が私を襲い、堪らず吐いた。
あれ以来、私の矢口さんを見る目は変わった。
矢口さん、その小さな体にどれだけの狂気を詰め込んでいるのですか?
完
198 :
名無し娘。 : 2001/04/02(月) 00:55 ID:SP8FlCIU
>>ある意味、刹那
こういうのも良いですよね。
リアルタイムで読んでた。
何度かリロードしました(笑)
このスレだいぶ下になってるけど、倉庫にいっちゃう?
199 :
名無し娘。 : 2001/04/02(月) 01:06 ID:fTOraD.c
>>198 有難う。感想貰えると嬉しいです。
カキコが無いと倉庫にいくんじゃなかったかな?
初心者なんで解りません。
200 :
名無し娘。 : 2001/04/02(月) 01:33 ID:0w2jHamA
sageでも書き込みがあればいかないよ
201 :
名無し娘。 : 2001/04/02(月) 19:18 ID:LIP2DQ2E
age
202 :
名無し娘。 : 2001/04/02(月) 20:25 ID:7T0uor3Y
>矢口さん、その小さな体にどれだけの狂気を詰め込んでいるのですか?
これがなんかいい。
203 :
名無し読者 : 2001/04/03(火) 07:05 ID:.Ny0lao6
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
204 :
名無し娘。 : 2001/04/04(水) 04:25 ID:4DQ8lZDs
age
205 :
名無し娘。 : 2001/04/04(水) 04:30 ID:8zGMZbjc
おもしろいよ。でも最初のが最高かな
206 :
名無し娘。 : 2001/04/05(木) 01:31 ID:9xuGCR0s
最初の読んだ時はかなりショックを受けたんですけど、
後の方の話で楽しませてもらいました。(でも、最初のが一番
好きかも知れない)
207 :
名無し娘。 : 2001/04/05(木) 07:52 ID:Hgn53iBg
208 :
小説人 : 2001/04/06(金) 03:10 ID:H4jkuoTc
えっと、久々に来ました。
最近、本家が更新してなかったので、そっちに集中する為に
ネタ書くのを休ませてもらいます。
また書いた時はよろしくお願いします。
作者の皆さん、頑張ってください。
209 :
飯田法規 : 2001/04/06(金) 04:11 ID:TL.ydrUM
現在、モーニング娘。は6人。
辻、安倍、矢口、中澤、加護、そして飯田。
「お疲れ様れしたぁ〜」
「お疲れ様だべ」
「お疲れ様、裕ちゃーん」
「お疲れ様、矢口ぃー」
「お疲れ様ぁ」
「ののー!ジュース買いに行こー!」
「あ…あいぼん…」
飯田は加護を連れて、トイレへと向かう。
「カオリー、加護ちゃんはどうしたべ?」
「ああ、さっきねぇ、第4条に違反したんだー」
「あ、マジで?オッケー」
現在、モーニング娘。は5人。
辻、安倍、矢口、中澤、そして飯田。
210 :
飯田法規 : 2001/04/06(金) 04:13 ID:TL.ydrUM
今日はMステ。
恋愛レボリューション21を披露。
「さて、気合い入れていくのれす」
「頑張るべさぁ〜!」
そして、本番。
「それでは、モーニング娘。で、恋愛レボリューション21です」
♪恋もして〜、仕事して〜、歴史きざんだ地球〜
「すべて見てきた地球〜……あ」
「(なっちだ…)」
(ツカツカツカ…)
「あ、カオリ?いや、今のはね、その」
「なっち、第6条に違反しましたぁ〜」
「やっちゃったのれす、安倍さん」
「ヤバイべさぁ〜…ハハハ…」
飯田はピストルを出し、安倍の額に銃口をくっつける。
(パンッ)
「ぉぼ」(ドテッ)
(パンッ。パンッ。パンッ。パンッ)
「おっ?キレイに脳天貫いたねぇ〜!キャハハハ!」
「TVの前のみんな〜?ごめんね〜。違反したもんだからさぁ〜」
「まぁ、しゃあないわな。さあさあ、歌に戻ろかー」
「ADさーん。これ、片しといてくらさいねー」
現在、モーニング娘。は4人。
辻、矢口、中澤、そして飯田。
飯田法第6条:歌詞を間違ったらピストルで撃っちゃいます。
「娘。の向上のためには仕方無いもんね…カオリってエライ!」
211 :
飯田法規 : 2001/04/06(金) 04:15 ID:TL.ydrUM
Mステ終了後。
「お疲れ様れしたぁ〜」
「お疲れ様、裕ちゃーん」
「お疲れ様、矢口ぃー」(ドンッ)
「イタッ…痛いよ、裕ちゃ〜ん」
「い…いいらさん…」
矢口が日本刀をスラリと抜き、構える。
「エッ?エッ?ここで?ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤ」
(ビシュッ)
現在、モーニング娘。は3人。
辻、矢口、中澤。
飯田法第4条:お仕事終わりの第一声は「お疲れ様」。できない娘。は打ち首です。
今回の適用を最後に、飯田法は廃止された。
〜Ende〜
212 :
名無し読者 : 2001/04/06(金) 07:14 ID:9vwUrFHU
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
213 :
名無し娘。 : 2001/04/07(土) 00:30 ID:fP7MbWmY
>>飯田法規
飯田っぽくて良い〜。
なんか辻が残ってるのが印象的。(笑)
214 :
名無し娘。 : 2001/04/07(土) 01:43 ID:FSsswKv6
good!!
215 :
名無し娘。 : 2001/04/08(日) 01:36 ID:UCQMRd0E
216 :
名無し娘。 : 2001/04/08(日) 03:22 ID:5CBslqmM
age
ある日、僕は矢口さんに恋をした。
思いきって告白してみると、意外にもあっさりとOKをもらった。
そうして僕らは付き合い始めた。
付き合いだして数日。
矢口さんは急にこんな事を訊いてきた。
「ねぇ、私の為に死ねる?」
僕にはその時、何故そんな事を訊いてきたのかわからなかった。
しかし矢口さんを愛していたのは事実だし、「死ねない」と答える理由もなかった。
僕は少し照れながら答えた。
「君の為なら僕は、死ねる」
矢口さんは可愛らしい笑顔を浮かべていた。
その夜、僕らは結ばれた。
朝…二人の時間。僕はただ天井を見つめていた。
横には矢口さんが眠っている…その幸せを噛み締めながら。
その可愛い寝顔を見つめていると矢口さんは急に目を開ける。
「私の為に死ねる?」
またこの質問だ。
「…ああ」
「ちゃんと『君の為なら僕は死ねる』って言って」
「…『君の為なら僕は死ねる』…これでいい?」
「うん!ありがと!…大好きだよ!…じゃあゴハン作るね」
矢口さんは笑顔を浮かべてベッドを下りた。
矢口さんはキッチンに立ちながら言う。
「私ね、独占欲が強いんだ…その…人を愛したら私だけの物にしたくなるの」
「ふぅん…」
「だからね、私だけの物になって」
矢口さんはそう言いながら振り返り、僕の方へ駆け出してくる。
そして僕と矢口さんの体が接触する。
その瞬間僕の全身から力が抜けた。腹のあたりが…熱い。
僕の体から何かが飛び出ている。包丁の柄の部分に見えるが、そんな事はどうでもいい。
矢口さんが何か喋っている。
「アナタはさあ…私の為に死んでくれるんだよね…それだけ愛してくれてるんだよね。
私もアナタの事が大好き。愛してる。だから…私だけの物になってくれるんだよね。
私の為なら死んでくれるんだよね?」
そう。僕は君を愛していた。君も僕を愛していた。
それでいいじゃないか。
今なら照れずに何度でも言える。
「君の為なら僕は、死ねる」
薄れゆく意識の中、僕はこの言葉を繰り返していた。
矢口さんは狂気といえるほどの笑顔を浮かべて僕を見つめていた。〜完〜
220 :
名無し娘。 : 2001/04/08(日) 04:57 ID:5CBslqmM
age
221 :
名無し娘。 : 2001/04/08(日) 23:41 ID:RCjYAZMI
まさか…いやいやいや。
222 :
名無し読者 : 2001/04/09(月) 07:19 ID:q0Um7Lqk
娘。小説総合スレッドの方であげさせていただきます。
「…それはそれは、物凄い人の波じゃった。溢れかえる人、光り、そして音楽。
それらを体いっぱいに受けて、あたしらは歌い、踊った…」
つい先ほどまで春の陽射しの中で眠っていたはずの老婆の口から、呟きが
漏れ始める。
いつもの、そして永遠に続くかのような呟き。
「幸せじゃった。あたしの人生で一番輝いていた。正に至福の時間と言うべきか
のう。傍らにはいつも仲間がおった。なっち、圭ちゃん、のの…。みんなから
愛されていた。あたしもメンバーを愛していた。そして…」
歌うような呟きは、いつもここで一旦途切れる。
「市井ちゃん…。市井ちゃんが居なくなって、何回目の春になるのかのう…」
「58回目ですよ、後藤さん」
僕は老婆にそっと耳打ちする。
「58回目…58回目…」
老婆は噛み締めるように繰り返す。
可哀相な人だ。毎日毎日、この老婆は同じことを繰り返す。
夢うつつと現実の境目で、想い出の海を漂うのだ。きっと、死ぬまで。
そして、彼女が夢の中に埋没していけるよう見守るのが、僕の仕事なのだ。
たとえそれが嘘の記憶であっても。
そう、この老婆は自分がかつてモーニング娘。の一員であったと思いこんで
いるに過ぎない。哀しい人なのだ。
いや、そうではないのかも知れない。例え嘘の記憶であっても、それはそれで
幸せなのかも知れない。想い出とは、得てしてそういうものなのだ。
僕だって、いずれ、この目の前の老婆のように、想い出の中で生きる時が
来るのだろう。
いずれ…。いずれ…。あれ?
思い出せない。どういうことなんだ?
僕は必死に自分の記憶を辿ろうとしたが、まるで思い出せないのだ。
僕は一体いつからこの老婆を看ているのだろう?
「どうして?僕は…誰だ?」
唯一思い出せるのは、モーニング娘。を追いかけていた日々…。
ASAYANでの試練の日々。ラブマの大ヒット。メンバーの脱退と追加。
武道館公演…。彼女達の想い出だけが、僕の頭の中を支配する。
「ごっちん、なっち…」
目の前の白い壁がぐるぐる回る。
病室の老人は、さっきから独り言を呟き続けている。器用にも老婆と青年の
声色を交互に操りながら…。
その様子を、モニター越しに見ている白衣の男が二人。一人は30代後半、
もう一人は20歳そこそこの青年であろうか。
「この患者、いつも同じことを繰り返してますね」
「うむ。最近の痴呆症の典型的なパターンだな。決まってモーニング娘。という
アイドルの記憶の中に溺れておる。この老人の世代に最もよく見られる症例
と言えよう」
「ある意味この老人は幸せなのかも知れませんね」
西暦2058年の春の陽射しが、部屋の中を柔らかく照らす。
「モーニング娘。かあ…。どんなアイドルだったんだろう…」
青年はちょっと羨ましそうに呟いた。
終り
227 :
名無し娘。 : 2001/04/10(火) 00:44 ID:yYL8hG1A
>>君の為なら僕は、死ねる
矢口さんの狂気の笑顔が想像できるよ・・・。
>>想い出は美しすぎて
美しい、美しいよ・・・。
228 :
名無し読者 : 2001/04/10(火) 07:15 ID:tQGaVGZE
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
229 :
名無し娘。 : 2001/04/10(火) 11:58 ID:qnPoMiHc
やっぱり「スポットライト」みたいな系統の小説がいい。
230 :
名無し娘。 : 2001/04/10(火) 23:40 ID:vSMVB.PM
>>229 他のダークなネタがあるから
スポットライトみたいなのがいきるんじゃないかな?
まあ、俺はどれも好きだけど。
231 :
名無し娘。 : 2001/04/10(火) 23:50 ID:7kOTQh0A
>>230 かもね。
でもやっぱり読み終わった後に鬱にはなりたくない・・・。
232 :
名無し娘。 : 2001/04/11(水) 00:08 ID:XsQOd3G6
>>230-231
wノノハw
(。^〜^。) <ベーグル、たべる?
っ◎
まあ、べーグルでも食べて話そうじゃないか?
233 :
230 : 2001/04/11(水) 00:26 ID:fAcSt.Cs
( ● ´ ー ` ● )<小説スレなんで雑談はやめるべさ。
234 :
名無し娘。 : 2001/04/11(水) 15:53 ID:oYXP4Z42
>>233 感想とかならいいんじゃない??
次の小説の参考にならんか??
>>234 いやいや、そういう意味じゃなくって
>>232の
>まあ、べーグルでも食べて話そうじゃないか?
に対するレスですよ。
「感想は書くけど、雑談はしないよ」って意味ですわ。
ちなみに俺は結構感想書いてるっす。
236 :
名無し娘。 : 2001/04/12(木) 01:13 ID:UbdsvyT.
失礼
×230=234
○230=233
自分自身うざくなってきたんで、この辺でフェードアウト。
「私、もう恋なんか出来んわ。」
加護はポツリと呟いた。
その発端は、加護の特技でもある『ものまね』にある。
いつものような楽屋、その日も始まった辻とのものまね合戦。
お願いモーニングのゲスト、極楽とんぼのまねをする。
加護の発した「まじっすか」に、辻は目をまるくして、
「加護ちゃん、スゴイ!すごく似てる〜。」
辻の驚きには純粋なものに、『気持ち悪い』というものが入っていた。
それほどに似ている…と、言うより本人そのものの声。
加護はそのときから、ものまねの達人となった。
ついに加護は、その言葉を聞くこととなる。
「もう、ものまね止めなよ。」
後藤は勇気を持って言った。
最初は、加護もメンバーの皆も、
その達人ぶりに驚きそして、楽しんだ。
しかし、次第に皆の加護のものまねに対する反応が、
『笑い』から『苦笑い』に変化していく。
これは調子に乗って加護が、しつこくものまねを見せるのが原因ではなく、
ものまねが似すぎていて、気色悪くなってしまったからだ。
これと同時期、加護はある体の変化に気付いたのだ。
「なんでかなぁ…おかしいなぁ…あ〜あ〜♪」
ものまねを意識していないのに、声が後藤になってしまっていた。
頭のなかにある、「もう、ものまね止めなよ。」が、加護の声を変えた。
そう、人の事を考えるとその人の声になってしまう。
そういう体になってしまったのだ。
最近、加護の声は同級生の安住くんの声になる。
「私、もう恋なんか出来んわ。」
安住の声で、加護はポツリと呟いた。
単なる恋の悩みで、あるなら誰かにでも相談くらいできるだろう。
しかし、この体質がそれを困難なものにさせる。
「失恋したら忘れるやろ。」
とりあえず告白することにした。
それは、加護が今、考えられる最高の結論だった。
「こんな体だから…絶対、振られるけどな…。」
『振られることを前提とした告白』、それを
『とりあえず安住の声は出したくない』という理由で行うことにした。
自分を勇気付け、そして自分が振られることを納得するために、
この体質を利用した。
いや、ただただ告白したいだけだったかも知れない。
「ごめんね、呼び出しちゃって。」
口にマスクをした加護は、喋り続ける。
「そ…それで、なっ、ん〜、す、好きです。
こんな…こんな変な声になちゃう私ですけど…
つ…きあってください!」
「う………ん。こちらこそ、お願いします。」
きょとんとする加護。
「いいの?こんな変な体なんだけど………」
「いいよ。僕の声になるってことは、それだけ好きなんでしょ?」
それから加護が別の男の声になるまでには、数ヶ月かからなかった。
〜了〜
241 :
名無し娘。 : 2001/04/13(金) 03:16 ID:gqK4lq86
なんか最近スレ初期の雰囲気が薄れてきたな
公開オナニーだらけになってしまったmseek小説板みたいになりませんように・・・
まあなったらなったで見なきゃいいんだがな(w
242 :
名無し読者 : 2001/04/13(金) 07:00 ID:/uoDjF0A
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
243 :
名無し娘。 : 2001/04/13(金) 22:24 ID:OgTXgge2
244 :
名無し娘。 : 2001/04/13(金) 23:30 ID:7PczLkwg
245 :
名無し娘。 : 2001/04/16(月) 14:36 ID:n/y21xws
にゃんにゃん
246 :
河 : 2001/04/17(火) 23:57 ID:oKmoP7C2
「お疲れ」
「じゃあねよっすぃー、あ、結局今日も来なかったね。
3日も連絡がつかないらしいし・・・」
「そうだね・・・・何処いったんだろうね」
そう言うと私は足早に今まで居た楽屋を後にする。
いつもは皆と一緒に帰宅するんだけど、最近は違う。
急いで通る橋の下の川は、白い泡を上げている。
家にはあの人が待ってるんだ・・・いや、待たせてるんだ。
焦る事はない。
だって彼女はそこから逃げられないのだから。
これからも、永遠に私の物。
247 :
河 : 2001/04/17(火) 23:58 ID:oKmoP7C2
ある日、電気屋へ冷凍庫を買いにいった。
街頭のテレビではあの人の失踪が騒がれていたけれど、そんな事は私にはどうでもいい。
だって、これで永遠に離れる事はないのだもの。
今日は家族が誰もいない。その隙を狙ったのだから当たり前だ。
電気屋に運ばせた冷凍庫を私の部屋まで運んでもらった。
女の子の部屋に冷凍庫なんか運び込むのだから、
不思議そうな顔をしていたが、わざわざ客に用途を質問する訳もない。
私は、電気屋が帰ったことを確認すると、押し入れを開けた。
彼女はとても綺麗でまだ生きているかのようだ。
いつまでもこうして見ていたい。
しかし、このままでは腐ってしまう。
私は、小柄な彼女を押入れから抱き、ベッドに寝かせた。
空いたスペースに冷凍庫を入れ、プラグを刺した。
鈍い動作音がし始め、庫内を冷やし始める。これでも一番音の小さい物を買った。
完全に冷えるまで私は、彼女の準備を始めた。
こんな寒い中に薄着で閉じ込めたら、可哀想だ・・・・。
彼女は深い眠りについているので、私が着させてあげなければいけない。
オーバーやマフラー、毛糸の帽子などとにかく着込ませる。
やっぱり、彼女は可愛い。とても18歳には見えない。
まあ、年齢なんか深い眠りにつけば何の関係も無いんだから・・・・・。
248 :
河 : 2001/04/17(火) 23:59 ID:oKmoP7C2
「そろそろ冷えたかな」
何故そんな事を言ったのかは解らない。
とにかく、私は冷凍庫のドアを開ける・・・中はとても冷えていた。
私は、彼女を抱えるとその中へ優しく、優しく座らせた。
「ふぅ・・・・・・・・・・」
疲れがどっと押し寄せてきた。とにかく、これで私のやるべき事は終わった。
冷凍庫の戸を閉めようとしたとき、私は思い出した。
「あ、一人じゃ寂しいだろうな・・・・・」
部屋にあったプーさんの縫いぐるみを、彼女に抱えさせてあげた。
「元々、あなたの物なんですからね」
249 :
河 : 2001/04/18(水) 00:02 ID:dQkoEHyk
それから3年ほどたった。
メンバーは変われど、未だにモーニング娘。は存在していた。
「お疲れ、今日はいつもと違って帰るの早いんだね」
「あ、ちょっと用事が有るんだよ。じゃあね梨華ちゃん」
今日は、なぜかあの人の顔が無性に見たくなってきた。
毎日、見ているはずなのに、何故なんだろう。
私は歩く足を早めた。相変わらず、汚い川は泡を吐きつづけている。
部屋に入るとすぐ、荷物をベッドに投げて押入れのふすまを開く。
中には、青い冷凍庫。その扉を開く。
「ただいま。今帰ってきたんですよ」
氷の精。
触ると、脆く崩れそう・・・。
でも、目を閉じている顔はとてもやさしくて、私を包んでくれそう。
「いつ見ても綺麗ですね・・・・・矢口さん」
250 :
名無し娘。 : 2001/04/18(水) 01:14 ID:66tqLE2s
>>249 久々に更新されてて、どんなのが書かれてんのかな
と思ったらこれが・・・こぇぇ〜!!全然いいけど。
251 :
名無し読者 : 2001/04/18(水) 07:11 ID:eB2XNq8E
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
252 :
名無し娘。 : 2001/04/18(水) 20:46 ID:RF56leF6
>>249 心が温かくなるような話が読みたいな〜。
これはこれでいいけど。
253 :
名無し娘。 : 2001/04/19(木) 16:42 ID:8z871r.g
>>249 死体系最高
俺も書こうかな
変態死体系ゲログロ小説
ダメ?(w
254 :
名無し娘。:2001/04/21(土) 03:45 ID:d4tOHtXs
hozen
あるよく晴れた日、お母さんが家を出て行った
あるよく晴れた日、お母さんが交通事故で死んだ
あるよく晴れた日、お姉ちゃんが付き合ってた男の人に殺された
あるよく晴れた日、ペットのハムスターが病気で死んだ
・・・みんな自分勝手すぎるよ。
私は今日も一人ぼっち。
私はいつも悲しかった。
もっと頭を撫でて欲しかった。
もっと一緒に色んな話をしたかった。
もっと一緒に寝たかった。
もっと、もっと。
ううん。でももういいの。私は自由になるの。全てのことから・・・・
希美は廃ビルの屋上に上り転落防止用の鉄柵を越えた。
わずかばかりの足場を確認し下を見る。
眼下に広がる眠らない街東京。きれい。心からそう思った。
怖くなんか無い。大丈夫。サヨウナラ私・・・
踏み出した足は地面に着地することなく希美の体は重力に従い東京の街に吸い込まれていった。
了
256 :
名無し娘。:2001/04/22(日) 23:03 ID:sQu3ldeA
>>255 これだけ短いのに、めちゃめちゃ泣きそうになっちゃいました。
>>256さん
ありがとう。すごく嬉しいです。また思いついたら書きます。
スレ汚しごめんなさい。
258 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 01:31 ID:h4Q02p.M
ひょっとして一行目、家を出て行ったのはお父さんではないのか?
いや、お母さんでよいならそれでいいんだけど。
気に障ったらスマソ <作者
259 :
For…:2001/04/23(月) 01:35 ID:qz.KmKPE
ごっつあんがモーニング娘。に入ってから私はセンターを失った。
新聞では「安倍、センター奪われる」とか「後藤の時代到来」だの書かれた。
悔しかった。でも、どう頑張ってごっつあんにはかなわなかった。
そんな虚しさを私は食べる事で晴らしていた。
ここは、センターを取られて以来よく来る町の食堂、「まんぷく堂」。
私はいつもここで食べていた。
豚のしょうが焼き定食、漬物とお味噌汁つきで460円ってお買い得。
私はこの食堂が大好き。
でも一番好きなのは、この食堂を1人で支えているおばあちゃん。
私が悔しくて泣いていた時にいつも話を聞いてくれたおばあちゃん。
最近では私の悩みも聞いてくれる。
モーニング娘。としてではなく1人の女性として接してくれる。
「おばあちゃん!おかわり!」
ここの定食は本当においしくて、いっつもご飯をおかわりしてしまう。
そのお陰で太っちゃったけどね…。
「はい、なつみちゃん。おいしいかい?
私はなつみちゃんのおいしそうに食べる顔が大好きなんだよ」
そうやっていつもおばあちゃんは私を癒してくれる。
「そうそう、ここの近くになんか占いやさんが出来たみたいだよ。
一回行ってみたらどうだい?」
そうおばあちゃんが勧めてくれたので、私は詳しい場所を聞いて食堂を出た。
260 :
For…:2001/04/23(月) 01:35 ID:qz.KmKPE
「人生相談所」。あれがそうね。
暇そうな老人がいる…。大丈夫かな?
そう思いながらも私は相談してみた。
「あの私、クビになりそうなんです。どうしたら良いですか?」
OLっぽく聞いてみた。モーニング娘。なんて言えないもんね。
でも、その老人は驚くような事を言った。
「体格を変えれば良くなります」
失礼な話。私は怒って家に帰った。
今日は新曲のレコーディング。
ソロは2箇所。ごっつあんは6箇所だけど…。
でも今朝は体重が1キロ減っていたからちょっと気分が良い。
うきうきしながらスタジオへ行った。
私は驚いた。ソロが1箇所増えている。
その時、機能の老人の言葉を思い出した。
まさか…冗談でしょ?
試しに休み時間、お菓子をたくさん食べて体重を何とか1キロ増やしてみた。
そうしたら…ソロが1箇所減ったいたわ。
その日から私はダイエットを始めた。
「まんぷく堂」に行ってもおかわりはしなく、残しがちになった。
私はこの不思議な出来事をおばあちゃんに話した。
おばあちゃんは嬉しそうに聞いててくれた。
261 :
For…:2001/04/23(月) 01:36 ID:qz.KmKPE
―1ヵ月後
私は5キロのダイエットに成功した。もちろんソロもそれに比例して増える。
でも…新聞は許してはくれなかった。
「安倍、復習劇始まる」とか「過食症から拒食症!?」とか。
うんざりしながら今日も体重計に乗った。
7キロへった…。さすがにやせ過ぎて、今度の新曲ほとんど私になってしまう。
そう思った私は久々に「まんぷく堂」でちょっと多めに食べた。
するとおばあちゃんがいつもよりも嬉しそうに私を見ていた。
どうしたのかと聞いてみた。
「私はね、なつみちゃんのおいしそうに食べる顔が好きなんだよ。
最近あまり食べないから心配しちゃったんだよ」
私は泣きそうになった。
世間や新聞は私を認めてくれないけど、おばあちゃんは味方なんだ…。
私は誰のために痩せているのかわからなくなった。
誰が喜んでくれるんだろう…。
私はその答えを、あの「人生相談所」に聞いてみた。
この前と同じ場所にあった「人生相談所」にこう言った。
「私を待ってる人が誰だか分からないの!私は誰のために…」
そう私が言いかけたその時、
「体格を変えれば良くなります」
全ては私次第って事ね…。
262 :
For…:2001/04/23(月) 01:37 ID:qz.KmKPE
―次の日
私は仕事の帰りに「まんぷく堂」に行った。
ドアを開けるとおばあちゃんが新聞を破いていた。
あれは…私の記事?
おばあちゃんは私に気付き席に座らせた。
そして豚のしょうが焼き定食が運ばれてきた。
おいしい…。私…この味、忘れそうだった…。
そうしたら私、自然にこう言っていた。
「おばあちゃん!おかわり!」
おばあちゃん、すっごく嬉しそうだった。
Fin
263 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 03:19 ID:GL7MI43A
> For …
いいねぇー
最近怖いの多かったから、ほんわかしたよ。
264 :
名無し読者:2001/04/23(月) 07:21 ID:xdUNonKU
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
265 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 17:21 ID:IryjbHqc
>For
いいね・・・心があったまる
たまには怖いのキボン
266 :
小説人:2001/04/23(月) 23:38 ID:qz.KmKPE
感想ありがとう.
スレ汚しすいません。
267 :
名無し娘。:2001/04/25(水) 04:35 ID:CNHzOErU
hozen
268 :
名無し娘。:2001/04/26(木) 15:04 ID:q4sajrFo
保全
安倍さんが、部屋に来て1ヶ月が経とうとしている。
それは、ある日曜日の出来事だった。
僕は、公園に捨てられていた豚のヌイグルミを拾ってきたのだ。
この時ほど自分の拾い癖に、感謝したことは無かっただろう。
次の日、起きてたらそのヌイグルミが女性に変わっていたのだ。
「拾ってくれて、ありがとうございます。」
僕も最初はバカらしくて、その女性の話など信じなかった。
しかし話をしている彼女の真剣な眼差し、その姿に僕は、
このバカらしい話を信じようと思った。
いいや、これは照れ隠しの言い訳になってしまう。
正直僕は、彼女に惚れてしまったのだろう。
恥ずかしながら23歳の初恋だった…と、思う。
彼女の名前は「安倍」さん。彼女がそう言った。
「行く所、無いんです。
私をペットだと思って下さい、だから…ここにおいてもらえませんか?」
その日から、僕と安倍さんの二人の生活が始まった。
最初の一週間、安倍さんは僕の帰りを手料理で出迎えてくれた。
次の週、僕は安倍さんに悪いと思って、会社を早めに帰り、
僕が料理を作った。
多分僕は、恋の仕方を分からずに空回りをしていたのだろう。
しかし僕は、日に日にわがままな態度になっていく安倍さんに、
まるで、奴隷のように従っていくのだった。
恋をしたことの無い僕は、当然のように安倍さんを逃すまいと、
従順な奴隷となったのだ。
安倍さんと暮らして、今日で一ヶ月。
目を覚ますと僕は………安倍さんの手の中に居た………。
「じゃあね、ボロ熊。」
熊のヌイグルミとなってしまった僕は、安倍さんの手により
川へと放たれた。
僕は結局、安倍さんのペットにさえなれなかった。
それだけの価値も無い男…もとい、生き物だったのだ。
決して安倍さんは悪くない………決して悪くない。
ヌイグルミになった理由?
考えたくも無い。
なぜなら、安倍さんは悪くないからだ。
安倍さんもこんな過程を経てヌイグルミになったのなら、
人に戻りたいが為に、安倍さんは計画的に僕を騙した事になる。
そんなこと…考えたくも無い。
二ヶ月後ボロのヌイグルミは、拾ってくれた矢口という女性に、
助けてくれた感謝を込めて、こう言ったそうです。
「お礼になんでもします。ペットだと思ってこき使って下さい。」
〜了〜
妄想大爆発。小説自体がスレ汚しだ。と思うようでしたら、
御指摘下さい。自粛いたします。では、失礼。〜了〜
274 :
名無し読者:2001/04/27(金) 06:01 ID:FhZ42Pgw
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
275 :
名無し娘。:2001/04/27(金) 21:14 ID:2Lb6W7l6
>>273 全然いいですぞ。妄想大爆発しちゃって下さい。(藁
276 :
名無し娘。:2001/04/29(日) 15:03 ID:fdEl65to
277 :
名無し娘。:2001/04/29(日) 15:05 ID:fdEl65to
278 :
名無し娘。:2001/04/29(日) 15:06 ID:fdEl65to
1.室蘭のシド&ナンシー
2.スポットライト
3.東京エレベーターガール
4.想い出は美しすぎて
5.ある意味、失恋
次点.For...、飯田法規
280 :
名無し娘。:2001/04/30(月) 00:42 ID:cCE2hqIg
>>276-278
すっごくみやすい!ありがとう!
これだけたくさんの小説があるとは!すごい!
Finとか〜了〜とか終わり方が同じなのは書いている人が同じってことですか?
――バカなことをしたな――うるさい!
――うまくいくはず無いですよ――そんなこと分かるか!
――どうなっても知らないぞ――もうおそいんだ…
さっきから俺の頭の中で、誰かの声が響いている。
誰の言葉か。カメラマン?ディレクター?それとも俺自身…?
どっちにしても、もう手遅れ。夜の森で、俺はたった一人だ。
箱から一本、タバコを抜こうとした時、俺は、
自分がいい年をして、ガタガタと震えていることに気が付いた。
―――
モーニング娘を辞めた後、自給自足の生活をすると言って、
姿を消した飯田圭織が、飛騨山系の、ある山の奥深くに家を建て、
そこで暮らしていることを知った俺は、早速、取材に向かった。
カメラマンとDと俺の三人で、日頃運動不足の体に鞭を打って、
日本の屋根と称される険しい山を登り、彼女に会いに行った。
―――
彼女は取材を断った。もうほっといてほしい、と言った。
けど、俺達は諦めなかった。当然のことだ。
行方不明になっていた、人気グループの元リーダー。
独占取材となれば、でっかい数字を叩き出すに決まってる。
だから俺達は粘り強く交渉を続けた。多少強引に―――
わざとじゃない、あれは事故だった。
夕陽が眩しい庭先で、頑なに断りつづける彼女を捕まえた時、
俺はそれほど強く掴んだワケじゃない。
それなのに彼女はよろめいて―――真後ろに倒れ―――
その先には―――鎌が―――倒れた先には鎌があって―――
白い服は真っ赤に染まって―――
俺達は逃げた。
飯田圭織は見つからなかった。情報は間違いだった。
絶対にバレない。絶対に気付かれない。時が経てばみんな忘れる。
俺はそう言い、他の二人は頷き、俺達は山を下りた。
夜間は危険なので、途中、俺達は野宿をすることにした。
―――
最初に消えたのは、カメラマンだった。
トイレに行く、と言ったきり、彼は戻ってこなかった。
俺は、そのうち戻ってくると言い、彼を見捨てた。
次にディレクターが消えた。いや、消された。
深夜、俺は凄まじい悲鳴でたたき起こされた。
心臓がバクバクといっている。真っ暗闇。焚き火はとっくに消えている。
バックから懐中電灯を取り出すと、スイッチを入れた。
隣を見ると、彼がいない。カメラマンと同じだ。彼も消えた。
俺は彼を探し始めた。
ディレクターは少し離れてた藪の中にいた。
彼は首から鎌を生やして、血の海に沈んでいた。
俺は荷物も持たずに、走り出した。走って、走って、走った。
どれほど走ったのか。俺は息が切れて立ち止まり、
やっと、自分の置かれた状況に気付いた。
ここはどこだ?暗い森の中で、俺は完全に道を失った。
ガサガサッ―――
何かいる!?
ガサガサッ―――
こっちか!?
俺は振り向き、眼前の闇に懐中電灯を向ける。
懐中電灯が闇から切り抜いた空間には、血まみれの飯田圭織が立っていた。
――真っ黒な長い髪
――血がべったりの白いワンピース
大きくて無表情な目で、真っ直ぐこっちを見ていた。
「うわあああぁぁぁ!!」
あらん限りの声で叫ぶと、俺は勢い良く反転して走り出した。
しかし、慌てていた俺は足を踏み外し、斜面を転げ落ちてしまった。
足に走る激痛。どうやら足が折れたらしい。懐中電灯も落とした。
これまで…か。
俺は、暗闇の中で、大きな木の根元まで、体を引きずって行くと、
木にもたれたまま、ポケットから煙草の箱とライターを取り出した。
一本、くわえて火を点けようとする。が、ライターが点かない。
ガサガサッ―――
顔を上げると、「彼女」が立っていた。
夜の闇の向こうに、どんな夜の闇よりも黒い髪と、
闇の中で黒く輝く大きな瞳が、ぼんやりと浮き上がっている。
黒い髪と、大きな瞳はゆっくり、近づいてくる。
どうしてだかわからないが、俺はもう一度、ライターを擦った。
しかしライターは乾いた音を立てるだけで、火は点かない。
もう一度。もう一度。何度も。何度も何度も―――
ライターを擦る。
点いた!
すぐ目の前に、ライターの火で照らされた、無表情な顔があった。
その顔は、とても恐ろしくて、とても美しくて…
顔はにっこり笑うと、ふっ、とライターの火を吹き消した。
暗転。。。
おしまい
285 :
名無し娘。:2001/05/01(火) 23:18 ID:JbdWv6B.
オモロー!
286 :
名無し娘。:2001/05/02(水) 01:11 ID:lhRo4a9Q
久々にこえぇーっ!おもしろいっ!
287 :
名無し読者:2001/05/02(水) 03:51 ID:BdFnFcGY
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
288 :
名無し娘。 :2001/05/04(金) 12:11 ID:ZWthGZNA
保全
289 :
名無し娘。:2001/05/06(日) 00:15 ID:0fr3im5c
保全。。。
290 :
名無し娘。:2001/05/07(月) 16:40 ID:8NLVaWXo
保全
291 :
名無し娘。:2001/05/07(月) 23:26 ID:M0O7jVCk
ねぇ圭ちゃんちょっと聞いてよこの間ジャスコに行ったら春物のバーゲンやっててさ
いっぱい買い込んじゃったよそれでね圭ちゃんにも何か買おうと思ったんだけど
自分の分だけで手一杯でさお金足りなかったんだよねゴメンね圭ちゃんそれでね
買ったヤツがコレ似合う似合うでしょなっち向けだとは思わないこの服はねなっちを
ずーっと待ってたに違いないようんだから今朝から非常にご機嫌な訳わかるでしょ
この気持ち春の陽気っていうかさ相乗効果じゃんこういうの超ハッピーって感じで
まぁ単純な事だけど幸せを感じるんだよね切々とさぁねぇ圭ちゃん聞いてる?
・・・ウルサイ・・・。
292 :
変身:2001/05/08(火) 00:38 ID:56nKRI9Q
朝目覚めると保田圭は自分がソファーベッドになっているのに気が付いた。
「困ったな」と保田は思った。よりによってソファーベッドとは。
その時後藤真希がやってきてこう云った。
「あれ?圭ちゃん、これは隠し芸の練習?」
「いや、そんなつもりはないんだけど、起きたらこうなってた」
「そうなんだ」
後藤は余り気に留めることもなく、どっかと保田の上に腰を下ろした。
「重いわよ」
「最近太ったかもねぇ」
そう云うと向かいにあるテーブルの上のテレビのリモコンを手に取り
テレビの電源を入れた。
「・・・面白い番組ないねぇ」
そう云うと後藤はゴロンと横になった。
293 :
変身:2001/05/08(火) 00:39 ID:56nKRI9Q
暫くして吉澤ひとみがやってきた。
「保田さん、区役所に変身届け出した?」
部屋に入るなり保田に向かってこう云った。
「何それ?」
「変身届け出さないと、税金余計にとられますよ」
「良く知ってるわね」
「あたしも1年は栓抜きとして過ごしましたから。しかしソファーとは
余り良くないですね、控除率が低いですよ」
「・・・どうでもいいから、戻り方教えてよ」
保田は珍しく懇願するような声で云った。
「大好きな人とキスするんです」
「え?」
「ブチュウ〜と」
保田は困った。大好きにも色々な定義があるが、今この状況でその元の姿に戻れる
行為を可能なのは私の上で寝入ってる女と、薄ら笑いを浮かべてながら
突っ立っている女ダケだ。
「ごっちん、起きてよ」
「ぐぅぐぅ」
後藤はコントの様にいびきで返事をした。
「ショック〜」
吉澤は後藤とのやりとりを聞いて急に大きな声を上げた。
294 :
変身:2001/05/08(火) 00:39 ID:56nKRI9Q
目にはうっすら涙も浮かんでいる。
「やっぱり、あたしよりごっちんを選ぶんだ」
「いや、偶々後藤があたしの上にいたでしょ、ほら近いし」
保田は何故か焦って言い訳をした。
「ワハハ!」
さっきまで沈んでいた吉澤が笑いだす。
「キスで魔法が解けるなんて、おとぎ話ですよ」
「騙したのね」
「ゴメンナサイ」
保田は吉澤の冗談を真に受けた自分が、情けないやら恥ずかしいやらで
怒る気力も失ってしまった。
「・・・もういいよ、当分このままでいい」
「諦めが肝心です、ポジティブ思考でいきましょう」
「・・・それがポジティブといえるのかねぇ」
保田はもう物事を深く考えることすら、億劫になってしまった。
「あたしも眠くなってきちゃった」
吉澤はそういうと寝ている後藤を押しのけ、狭いソファーの上に
無理矢理身体をねじ込んだ。
保田は何故かソファーベッドもそれ程悪くないと感じていた。
295 :
鬱憤晴らし:2001/05/08(火) 00:53 ID:56nKRI9Q
「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、これからは何でも言うことをききます」
後藤はそう言って、涙ながらに謝った。
「数々の無礼、申し訳御座いませんでした、これからはちゃんと言いつけを守ります」
吉澤はそう言って、深々と頭を下げた。
「いいんだ、二人とも。これからは3人より発展するために頑張っていこうよ」
「はい」
「わかりました」
その日はとても気持ちの良い日だった。爽やかな五月の風が私たち3人を包んだ。
日記だけとはいえ、こんなことが出来てあたしは幸せです。
296 :
大発明:2001/05/08(火) 01:26 ID:56nKRI9Q
「あのですね、遂にののと世紀の発明したんですよ」
加護が得意げに話す。
「瞬間便意転移装置っていうんれす」
あんた達は下ネタしかないのか。
「このスイッチを押すとですねぇ」
「押してみましょう」
「ポチッとな」
釦を押す定番の台詞を云うと、急にオレの腹がグルグルと変な音を立てた。
「大成功れす」
「大○だけに、大成功や」
「アハハハハハハハハハハ」
強烈な便意がオレを襲う。最早立っては居られない。オレの膝は
内側に折れ込み、不甲斐なくその場に倒れ込んだ。屈辱だ。
頼む、その機械を止めてくれ。
「イヤれす」
辻は笑いながら云った。
「これさえあれば、世界征服も可能やな」
加護は不敵な笑みを浮かべていた。
今ならこの「瞬間便意転移装置が」69800円!!分割手数料も無料。
お申し込みは今すぐフリーダイヤル・・・・
インタラクティブの時代は恐ろしいものである。
297 :
名無し読者:2001/05/08(火) 01:41 ID:04YYVxu.
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
298 :
コンクール:2001/05/09(水) 00:40 ID:Nf.YNrt6
第二十二回 全国便器コンクール
受賞 該当作品なし
選評 加護 亜依(モーニング娘。)
別件で仕事が入り2ヶ月に及ぶホテル暮らしの為、候補作に目を通さずに
選考会に出席することとなった。残念ながら直ぐに見るべきモノは無いと
判断せざるを得なかった。情熱溢れる現役便器職人達の心意気が全く作品から
伝わって来なかったからだ。私とてこの道13年。吉村由美と大貫亜美の
見分けぐらいつける事ができるのである。
別件の仕事で欧州各地を旅してきたのであるが、欧州では便器の社会的地位の
高さに改めて感銘を受けた。伝統と格式。それだけではない、欧州では
便器は本当に民に愛され、大切にされているのだ。この選考会に於いて
ルネッサンスだの芸術革命だの盛り上がっていたらしいが、敢えて私は
苦言を呈したい、二階建ての便器とか金隠しが異常に盛り上がった便器なぞ
果たして誰が愛せようか。懐古主義者ではないが、かつての入賞作品を
玄関に並べ朋友辻希美と共に夜通し語り合ったあの頃を懐かしんでしまう。
便器には便器の本分があるのだ、若い諸君には是非これを肝に銘じて頂きたい。
そして私が思わず頬ずりしたくなるような作品を心待ちにしている。
299 :
お面:2001/05/09(水) 00:45 ID:21seJNc6
私は、矢口さんの素顔を見たことがありませんよ。
ツアーの時に同じ部屋になっても、
いつも矢口さんは、私よりも早く起きてメイクばっちりで私を起こしてくれるんです。
他のメンバーも、矢口さんの素顔を見たことが無いらしいんです。
辻は、ある雑誌インタビューでこの事を漏らした。
何故、矢口は素顔を見せないのか?
その理由は矢口しか知らない。
300 :
お面:2001/05/09(水) 00:46 ID:21seJNc6
彼女はいつも化粧をしている。
付き合って半年、決して彼女はガードの固い方ではない。
彼女と俺、二人とも時間が空いた時はいつも会っている。
しかしながら俺は、彼女の素顔というものを見たことがない。
今、俺は彼女の部屋の前に居る。
彼女が部屋に居るのは解っている。
今日の目的は「会いたい。」の一つだけではなく、
「彼女の素顔を見てみたい。」という、ふとした好奇心を満たすためだ。
まるで、悪戯好きな女のようだが、今日は連絡無しで此処に来た。
チャイムを鳴らす。
彼女がドアを開けた。
301 :
お面:2001/05/09(水) 00:47 ID:21seJNc6
「やっちゃったよ…」
後悔が私を襲った。
入浴直後だという事を忘れて、私はノーメイクでドアを開けた。
いままで細心の注意を払ってきたけど………私はやっちゃったのだ。
「これで4人目か……」
動かなくなった彼を、今までと同じ様に袋に詰めた。
次の日、矢口はうっすら涙を浮かべて袋を海に投げた。
「ごめんね…ホントゴメン。」
矢口は恨んだ、人を死に至らしめる自分の素顔を。
そして、鏡を見てもその人の後を追えない自分の素顔。
他の方法で後追いをしようとも思わない、
鉄仮面を付けているかのような自分の恋愛観を…
「さーて、仕事いきますかっ!」
〜了〜
302 :
名無し読者:2001/05/09(水) 05:42 ID:pSqXfFrU
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
ふと気がつくと、海岸に倒れていた。
何故私はここにいるんだろう・・・?公園で遊んでいたはず・・・
不思議に思いながらも、周りを見てみた。
・・・人が何百人と倒れている。
服を赤色に染めて・・・服さえも焼け焦げている人もいる。
―――1945年8月6日、広島。日光が照りつける熱い夏
だが、太陽よりも熱いのは原爆に焼けた少女の体温
時は戦争の真っ只中だった――――
何もわからなかった。
何故私がここにいるのか、何故みんなが倒れているのか、何故私の肌が焼けただれているのか・・・
たった一つわかっている事は、私はもうすぐ死ぬ。
ショックで痛みもわからないけど・・・私はあと数分で13年の生涯を終えるんだ・・・
私はなんとなく、仰向けになって空を見つめた。
午前8時の空は吸い込まれそうに青くて綺麗で・・・
あぁ、でもさっき公園で見た空の方が綺麗だったな。
だって、太陽が2つもあったんだよ?
2つの太陽が生み出した光はとても美しかったよ・・・
きっと、私が最後に見た綺麗な物だったんだね・・・
神様がくれた宝物だよ・・・・・
亜依は微笑みながら死んだ。その宝物が、自分を死に追いやった原爆とは知らずに・・・
終わり
305 :
書いた人:2001/05/09(水) 20:28 ID:JwtG8I6U
すいません、上の書いたものですけど、あんまり奇妙じゃありませんね。
でも、ここに書くの憧れだったんで・・・スレ汚しすいません。
306 :
名無し娘。:2001/05/09(水) 22:45 ID:jK4QnyWo
307 :
お気に入り:2001/05/10(木) 00:22 ID:Gs.0pFP.
最近私のお気に入りは、裏の斧振りおじいさんだ。
ぱかーん、ぱかーんと一定のリズムを刻みながら
毎日金色の斧を使って薪を割っているのだ。
ついこの間は一本のケヤキの丸太から2万本近くの
薪を切り出したんだよと、鼻高々に話してくれた。
おじいさんの自慢はそれだけでは無い。彼の持っている
金色の斧は、池の中から出てきた美しい女性に貰ったものらしい。
「じゃぁ昔は普通の斧を使っていたの?」
「その前は銀の斧だったなァ、確か」
「銀の斧の前は?」
「その前の前は銅の斧だったなァ、確か」
「銅の斧の前は?」
「その前の前の前は金の斧だったなァ、確か」
・・・・・
最後に決まっておじいさんはこう云う。
「真希ちゃんよォ、オレに惚れるんじゃねェぞ」
おじいさんは何時もこう云って、顔をくしゃくしゃにして笑う。
私はおじいさんの顔に幾重にも深く彫り込まれた皺が好きだ。
だから私は何度も同じ科白を繰り返すのだ。
308 :
名無し読者:2001/05/10(木) 07:16 ID:HUiddP9o
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
309 :
し:2001/05/11(金) 01:58 ID:Qu7/WqMk
310 :
し:2001/05/11(金) 02:04 ID:Q.EEF/Aw
311 :
赤い日記帳:2001/05/11(金) 13:10 ID:RNTg4wY.
私は仕事の帰り道、おばあさんが路上で何かを売っている前を通った。
そこには「不思議な日記帳」と自筆で紙に書いた物が置いてあった。
「不思議な日記帳・・・?」
「いらっしゃい。この日記帳は書いた願いが叶う、不思議な日記です。1冊いかが?」
おばあさんがしゃがれた声で言う。分厚い表紙のカギつき日記帳。色は赤だ。
「赤い日記帳か・・・。いくらなの?」
「千円です。お買い得ですよ」
「うーん」
ちょっと悩む。願いが叶うなんてそんなバカな事・・・。でも“赤い日記帳”にちょっと引かれた私は決心する。
「ま、いいか。じゃあ1冊下さい」
「毎度あり」
お金を渡し、カバンにしまう。家に向かって歩き出す。そして何気なく後を振り向いた。
「・・・?いない?」
その夜、私はさっそく赤い日記帳を開く。
「願いが叶う・・・か。何を書こう?」
私は昨日お姉ちゃんに借りたキャンディキャンディを思い出した。
「そうだ!」
私は書いた。
『〇月〇日 私にも王子様が迎えに来ますように・・・』
次の日の朝、マネージャーから電話で「今日、新しい奴がそっち行くからよろしく」
新しい人・・・。もしかしてそれが私の王子様!?
「真希―!お迎え来たわよー!」
「はーい!はいはい」
ウキウキして玄関にいくと、その人が言った。
「始めまして。王子です」
差し出された名刺には「王子 様(You Ouji)」と書いてあったのだった。
おしまい。
赤い日記帳、意外なラストでビクーリした
てっきりゴマキの血で濡れた日記帳に
なるかと思った・・・うーん、気持ち良い
期待の裏切り方、、マンセー
313 :
家出:2001/05/12(土) 15:30 ID:v.0GKvko
私はいつか家出しようと思っていた。
そして今日、ついに決行した。
まずごっちんの所にお世話になることにした。
なのに、ごっちんに「やだー!!」と言われ、ショックだった。
私はごっちんの元を後にした。
次に矢口の所へ行った。
なのに、矢口に「あんたなんかいらないっ!」と言われ落ち込んだ。
私は矢口の元を後にした。
次に石川の所へ行った。
なのに、石川に「とても・・・困ります」と言われ追い出された。
私は石川の元を後にした。
次にカオリの所へ行った。
なのに、カオリに「今さら・・・」と言われ悲しくなった。
私はカオリの元を後にした。
次になっちの所へ行った。
なのに、なっちに「なっちには必要ないべ」と言われシッシッとされた。
私はなっちの元を後にした。
314 :
家出:2001/05/12(土) 15:31 ID:v.0GKvko
次に加護の所へ行った。
なのに、加護に「何やこれー!」と言われ「ののに言おう」と辻にチクられた。
辻に「ピンポーン、ピンポーン」と言われ遊ばれ私は激しく傷ついた。
私は加護の元を後にした。
最後の砦、よっすぃーの所に行った。たくさんの仲間がいて居心地がよかった。
なのに、よっすぃーに「これ以上、面倒はみれない」ときっぱり言われてしまった。
私は家に戻ることにした。
圭ちゃんに「どこ行ってたんだよー」と泣かれた。
心配していた圭ちゃんの顔を見て、私の場所はやはりここなんだなと改めて思った。
ゴメンね、圭ちゃん。
私は圭ちゃんのあごにピタッと張り付いた。
やっぱりここが1番落ち着くね。
おしまい。
315 :
リサイクル:2001/05/12(土) 22:28 ID:Bx6U3jT.
矢口真里は、タクシーの後部座席に座り、
窓の向こうを通りすぎて行く、汚いネオンサインの群を眺めながら、
自分の神経が、不安と焦りでジリジリしていくのを感じていた。
頭の中では、無意味な自問自答が繰り返されている。
まさか……そんな筈は……でも、もしかして……いや、ちがう…でも…
―――
きっかけは、矢口のラジカセが突然壊れたことだった。
新しいラジカセの購入を、矢口はメンバーに相談した。
それが始まりだった。
矢口も他のメンバーも、新しいラジカセに思いを馳せていたが、
一人だけ、矢口の壊れたラジカセに執着する者がいた。
「ラジカセ捨てちゃうんですか?もったいないですよ!」
石川梨華である。彼女はもったいないを繰り返し、
水をさされて不機嫌になっていた矢口に、無理矢理頼み込んで、
壊れたラジカセを譲ってもらうことを承諾させた。
壊れたラジカセなんかどうするのか聞いてみると、
「リサイクルですよ。矢口さん、知らないんですか?」
と、意味不明な事を言った。
何度聞いても、石川の答は曖昧なものだった。
「フフフ…。壊れてたってイロイロ使い道あるんですよー。
ね?クダサイよー。いいじゃないですかー?」
そして、その翌日には、石川は矢口の部屋に、ラジカセを受け取りに来た。
嬉々としてラジカセを担ぐ石川に、どこか不吉なものを感じた矢口だが、
それもしばらくすると、忘れてしまった。そう、さっきまでは…。
316 :
リサイクル:2001/05/12(土) 22:29 ID:Bx6U3jT.
―――
今から数時間前、矢口は久しぶりにメンバー同士で飲んでいた。
その席で、ふとラジカセの事を思い出した矢口は、
隣に座っていた安倍にそのことを話した。安倍はびっくりした顔をして、
「うちの冷蔵庫が壊れたときも、欲しいって言って、持ってったよ。」
と言った。安倍も同じ目に会ったことがあるらしい。
あの不吉な感じがふっと思い出され、それ忘れるために矢口は、
いつも以上に飲んだ。よせばいいのに、安倍にも飲ませた。
「あ〜あ。昔はよかったな〜。」
一緒に、調子に乗って飲んだ結果、酒乱の安倍は、
案の定泥酔して、ちょうど側にいた石川にからみだした。
「石川ぁ〜。今の娘。になっちはいらない、って思ってるっしょ?
どうせなっちは『お古』さ。言ってみ〜?ホントのこと。」
「もう。大丈夫ですかー?安倍さん。そんなこと思ってないですってー。」
石川が防波堤になっているので、被害は矢口まで及んでいない。
矢口は、安倍を石川に任して、他のメンバーと話すことにした。
楽しい時間が、あっという間に過ぎていった。
―――
「じゃあ。なっちのことたのんだよ?」
「はい。ちゃんと送りますから。」
結局、安倍は酔いつぶれてしまい、介抱していた石川が、
自ら言い出して、送って行くことになった。
「じゃあ失礼します。運転手さん、出してください。」
バタン、と音を立てて、タクシーのドアが閉まる。
「大丈夫だよね、なっち…」
遠ざかるタクシーを見ながら、矢口の胸にまたあの不吉な感覚が蘇ってきた。
聞き間違いだったのかもしれない。
タクシーのドアが閉じる瞬間に聞こえてきた、石川の呟き。
「大丈夫ですよ、安倍さん。私がちゃんとリサイクルしてあげますからね。」
317 :
リサイクル:2001/05/12(土) 22:30 ID:Bx6U3jT.
―――
タクシーは石川のマンションの前に止まり、矢口は金を払った。
あれから矢口は、どうにも二人の事が気になってしまって、
気が付いたら、タクシーに乗っていたのだった。
今、矢口は、石川の部屋のドアの前に立っている。
チャイムを押しているが、反応は無かった。いないのだろうか。
ドアノブを捻ってみると、鍵はかかってなかった。
「ごめんくださーい。矢口ですけどー。あがりますよー。」
ドアを開け、明かりの消えた部屋に向かって声をかける。
一瞬、誰もいないのかと思ったが、玄関には見覚えのある靴が2足。
やはり二人ともここにいるようだ。矢口は意を決して中に入る。
暗闇の中、手探りでスイッチを探し、スイッチオン。
「!?――」
明かりに照らされた石川の部屋は、壊れた家電製品で溢れていた。
決して広くない部屋のあちこちに、家電製品が散乱している。
おそらく石川が『リサイクル』と称して、集めてきた物だろう。
すぐ側にあった冷蔵庫を、おそるおそる開けてみる。
中には、ハンガーにかけられた洋服が、ずらりと並んでいた。
「なにこれ…」
矢口は混乱のあまり、軽い目眩を覚え、ベットに腰を下ろした。
「きゃっ!」
ベットのおかしな感触に、矢口は驚いて飛び上がった。
そっと敷布団をめくってみると、そこにはテレビが整然と並んでいた。
テレビを並べてベットをつくり、冷蔵庫の中には洋服を掛ける。
「これがリサイクル?違うよ梨華ちゃん…思いっきり違うって…」
矢口は頭が痛くなった。酒のせいだけではないだろう。
318 :
リサイクル:2001/05/12(土) 22:31 ID:Bx6U3jT.
呆然としていた矢口だったが、ふと安倍の事を思い出した。
「なっち〜。いる〜?いない〜?」
不安のあまり消え入りそうな声が、部屋に響く。
家電製品でいっぱいの部屋の奥には、隣の部屋へと続くドアがあった。
矢口はドアに近づき、慎重にノブを捻り、ゆっくりとドアを開けた。
部屋は真っ暗で、開いたドアから漏れ入る光が奥を照らす。
「なっち!!」
薄闇の中に、安倍が倒れていた。矢口は駆け寄ると、安倍の肩を揺すった。
「う〜ん…むにゃ…」
安倍はどうやら寝ているようだ。矢口は安堵のため息をついた。
「あれー。矢口さんじゃないですかー」
背後からの声に驚いて振り向くと、ドアのところに石川が立っていた。
逆光なので表情まではわからないが、楽しそうな声だった。
その右手には、大きな出刃包丁が冷たく光を放っている。
「ちょっと!なんで包丁なんか持ってんの!」
「なんで、ってリサイクルですよ矢口さん。
いっしょにどうですかー?…あ!そうだ。」
そこまで言って、石川の声が一層楽しそうになる。
「矢口さんも、そろそろ『お古』ですよねー。
一緒にリサイクルしちゃいますか?」
石川は後ろ手にドアノブを掴むと、暗い部屋の中に入ってきた。
「リサイクル♪リサイクル♪」
閉まっていくドアを、矢口は信じられない思いで見つめていた。
――違うよ梨華ちゃん…。ぜんぜん違うって、それ…。
ドアはぴたりと閉じられた。
暗転。。。
おしまい
名スレsage
hozen!
321 :
名無し娘。:2001/05/15(火) 01:46 ID:qaTK6ivU
hozen?
322 :
名無し読者:2001/05/15(火) 06:29 ID:n1R4M7YU
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
323 :
名無し娘。:2001/05/16(水) 09:22 ID:LO42P70U
傑作揃いだな
sage ておくのがもったいない
324 :
名無し娘。 :2001/05/17(木) 23:10 ID:t.lvaJbA
hozen
hozen
326 :
名無し娘。 :2001/05/20(日) 11:10 ID:QkdEEQiQ
hozen.
327 :
名無し娘。:2001/05/20(日) 13:54 ID:KLpqN/5c
328 :
名無し娘。:2001/05/20(日) 16:41 ID:AjziRtrU
329 :
願いはかなう:2001/05/20(日) 20:13 ID:l54o9Agw
○月●日
新曲の発表があった。
「願いはかなう・・・」
そんな節で始まるこの新曲。今度のメインは誰なんだろう・・・
もうそんなことすら考えなくなっていた。
確かに私はなっちや後藤のように、テレビ栄えしたりしない。
でも歌うことにかけては誰にも負けてるつもりはない。
メイン、歌ってみたいな・・・
○月×日
今日つんくさんから発表があった。やっぱりメインはなっちと後藤。
みんなもそれぞれソロパートを歌うことになった。
私はここで頑張ればいいんだ。そう自分に言い聞かせた。
○月△日
なっちが倒れた。急性咽頭血種という病気で、しばらくは歌を歌えない状況らしい。
なっちのパートは圭織が引き継いだ。
なっち、頑張って病気を治してね・・・
○月◇日
後藤が交通事故に遭って足を骨折した。新聞沙汰にもなった。
「モー娘。今度の新曲は祟られてる?」なんて。
後藤のパートは矢口が引き継いだ。
後藤も早く戻ってくるといいな・・・
○月◆日
久しぶりのオフ。なっちと後藤の御見舞いに行った。
二人とも結構元気そうで何より。
メンバーで御見舞いにきてくれたのは私だけだったらしい。
二人とも喜んでくれたから私も嬉しかった。
○月■日
練習の帰りに奇妙ないでたちの露天商がいた。
声をかけられたのでしばらく品物を見ていると、
「あなたはとても心が綺麗なようですね・・・これを差し上げましょう」
といって、小さなイヤリングをくれた。
お金を払おうとしたら、ただでいいといってくれたので、
御礼を言って帰途についた。
○月□日
新曲の音合わせ。私のパートはそんなに難しくはかった。
自分のパートが増えたことで圭織と矢口はちょっと嬉しそうだった。
私は正直不謹慎だなと思ってた。
夜につんくさんから電話。私のパートが増えるらしい。
圭織と矢口がタンポポの新曲のために控えさせられるらしい。
良い曲にするためにも私が頑張らなくっちゃ!
〃月〃日
これってほとんどメインだよね・・・そう自分に問う。
願ってもないチャンスだ。
これを逃したらもう自分にこんなチャンスは回って来ないかも。
嬉しい反面なっちと後藤がいないのが気にかかる。
やっぱりモーニング娘。の曲はみんなで歌いたいね・・・
〃月〆日
私はどうもしっくりいってなかった。
新曲に関してはみんなも誉めてくれたし、自分でも満足している。
やっぱりみんなそろって歌いたいっていうことかな・・・
夜、なっちと後藤の所にいった。
二人とも頑張れっていってくれたけど、
なんか寂しそうだったな・・・
家に着くまでずっとなっちと後藤のことを考えてた。
やっぱりあの二人がいなきゃ・・・!
私の耳で何かがはじけた。
昨日もらったイヤリングが2つとも壊れてしまった。
〃月+日
奇跡が起きた。なっちと後藤が早めに退院できたのだ。
明日から練習できるらしい。
ほんとに良かったね、二人とも。
これで私のメインはないかな・・・。
でも二人が帰ってきて本当に良かった!心からそう思った。
そして今日。
つんくさんに言われた。
「お前が練習してきたのをあいつらにも分けてやれ。
今度の曲はおまえがメイン。安倍と後藤はサブをやってもらう。」
私は驚いたとともに涙が止まらなかった。
つんくさんはちゃんと私の努力を認めてくれたんだ。
そして、またみんなでちゃんと歌えることがなにより嬉しかった。
夜、あの露天商に再び出会った。
「どうですか、あのイヤリングは?」
「壊れちゃったんです。ごめんなさい、せっかくただで頂いたのに・・・」
「いやいや、いいんです。あれは本当に純粋な心の持ち主が純粋な思いを抱いたとき、
その願いをかなえてくれる物なのですから。」
(じゃあ、やっぱりあの時壊れたのは・・・)
「それともう一つ。その願いがかなえられたとき、あなたの願いもかなったはずです。
しかしイヤリングはそのきっかけを与えてくれるにしか過ぎません。
あなたの願いがかなったのは、あなたが本当に努力した結果なのですから。」
334 :
名無し娘。:2001/05/20(日) 20:20 ID:gNqjnFHo
>>329-333
いい話だ。。。ダーヤスマンセー!
>>332 の”昨日もらったイヤリングが2つとも壊れてしまった。”
昨日ではなく数日前の間違い。
すんません。
>>334 おお!気づいてくれましたか。
三人称で書いたんですが、解りづらいかなと・・・
337 :
名無し娘。:2001/05/20(日) 20:43 ID:8XbCxyyY
普通わかるって(w
でもよかった。ちょっと泣きそうになったよ
338 :
名無し娘。:2001/05/20(日) 21:16 ID:qqLgQG.o
こういう話はやっぱり保田だね。
でも正直、他の話の存在から、もしや途中から
バッドエンディングになるのではとヒヤヒヤしてました。(w
でもホントいい話でした。
>>338 そう言ってくれるととてもありがたいです。
また書こうって言う意識が出てきます。
本当は”イヤリング”とかの道具は使いたくなかったんですけど、
自分の文章力のなさにちょっと悲しくなりました。
340 :
名無し娘。:2001/05/21(月) 00:20 ID:fridGE7Y
いやいや、文章力があろうがなかろうが良い物は良い
と思います。あと、ここって他のスレの小説みたく、
長い話もOKなんでしょうかね?
341 :
名無し娘。:2001/05/21(月) 00:42 ID:COMYTBuI
久しぶりにいい話だった。作者の人ありがとう。
>>338の言うとおり、これは保田じゃなきゃ話にならんが
石川がこんな風に考えてたらけっこう笑えるな。
342 :
願いはかなうの作者だけど:2001/05/21(月) 16:56 ID:s.CeQ3OY
つぎね。
こうなったら娘。全員分書いちゃうよ(w
343 :
鏡:2001/05/21(月) 16:57 ID:s.CeQ3OY
「また背伸びたのかな―・・・」
今までぴったりだったジーンズの丈が合わなくなっていた。
二日程早い昨日、誕生日プレゼントに矢口からもらった
全身が映る鏡の前で独り言。
鏡面が表と裏の両方についているやつだ。
矢口から貰ったときは片面に落書きがしてあったので、
私はその反対側を使っていた。
「今日はせっかくのデートなのに着ていく服がこれじゃ・・・」
とりあえず大きめのロングのスカートを履いていくことで、
身長を隠すことにした。
「ま、ついでに新しいのでも買ってもらうかな」
344 :
鏡:2001/05/21(月) 16:58 ID:s.CeQ3OY
ある喫茶店で待ち合わせ。
そこへ彼がやってきた。
自分よりも背の高い、目元のやさしい人。
30分以上他愛もない会話を交わし、店を出ることにした。
そのとき私は驚いたことに彼と目線の高さが一緒であることに気づいた。
ちょっと厚めのサンダルを履いているとはいえ、
彼との身長差は以前は軽く見積もっても5cm以上はあったはずだ。
なんでこんなに伸びたのかな?
「今日は随分と分厚いサンダル履いてるんだな。
そんなにでかいと目立つだろ。」
軽くショック。私だって好きで大きくなったんじゃないのに。
「う、うん。履いて来るのがこれぐらいしかなくて、
それでね、今日は買い物に付き合って欲しいの。」
必死に取り繕ってみた。
彼は何も疑うことをせず、
「いいよ」
とだけ言ってくれた。
麻布、下北と巡り、たいていの物はそろえてもらった。
豪華なレストランで食事を済ませ、その後彼に
ホテルに誘われたが、はっきり言ってそんな気分じゃない。
私はごめんって謝って、そそくさと帰途についた。
「せっかくだったのにな・・・」
345 :
鏡:2001/05/21(月) 16:58 ID:s.CeQ3OY
今日は私の誕生日。
翌日。今日はCMの打ち合わせ。
準備を済ませ、昨日買ってきた服に腕を通す。
・・・あれ?
おかしい。
昨日試着したときは普通だったのに、
また服のサイズが合ってないような気がする。
鏡の前に立ってみる。
「・・・なによ。これ・・・?」
そこにはどう見ても180を超えた大女が立っていた。
これが私・・・?なんで・・・
呆然としていると、突然鏡が光った。
眩しくて目が開けられない。
光が収まると共に、鏡面に文字が浮かんできた。
「なーにー?!これ!」
346 :
鏡:2001/05/21(月) 16:59 ID:s.CeQ3OY
「御誕生日おめでとうございます。この度は本製品を使ってい
ただき誠にありがとうございました。
本製品は身長を180センチまで伸ばして差し上げる
”伸ばして君”、及び徐々に小さくしていく”縮めて君”
の両方を内蔵した、一粒で二度おいしい製品となっております。
尚、本製品は誰に気づかれること無く、あなたの御誕生日まで
一年間に渡り徐々に身長を変えていくので他社の製品には無い
サービス内容になっております。」
そこまで読んだとき私は悟った。
なんだか知らないけど、これのせいで背が伸びたって事ね・・・
そのとき忘れていたあることに気づいた。
鏡の裏面、矢口の落書きを見てみた。
やっぱり・・・。
そこには小さい字で、
”185cm→145cm”
と書かれていた。
〜終了〜
347 :
鏡:2001/05/21(月) 17:01 ID:s.CeQ3OY
主人公=圭織です。
「お願い!盗らないで!」
私は真希に呼び出された路地裏で叫んだ。
「ねえ、真希。私にいじわるしてるの?」
「違うよ」
「じゃあ、返してよ。私のひとみを!!」
「やだ。だって可愛いし、綺麗だし、好きなんだもん」
そう言って真希はさっさと消えていった。
「おねがああああああい!かえしてよぉぉぉぉぉ!
私のぉ、私のものなのよおおおおおおおおおおお!」
泣き叫ぶ私。でも涙は出ない。
眼球をくり抜かれた顔には黒い穴だけが2ヶ所開いていた。
おしまい。
349 :
名無し読者:2001/05/22(火) 07:09 ID:Vgk1jed2
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
350 :
『怪談』?:2001/05/23(水) 00:26 ID:7L3/yLFI
―――
15年もタクシーの運転手をやってますとね、
いろいろ、おかしな目に遭う事もあるんですよ。
あれは、たしか五月――だったかな。
深夜だったんですけどね。
まだ五月なのに蒸し暑くて、窓全開で走ってたんですよ。
風も生温くって、じめじめして、何か変な夜でしたね。
私、駅に戻る途中で、渋谷の近くを走ってたんですけど、
そこで女の子、拾ったんですよ。中学生ぐらいの。
不思議に思いましたよ、時間が時間ですし。
それでね。彼女、行き先を言わないんですよ。聞いても、
「だしてくらさい……」
としか、言わないんですよ。おかしいでしょ。
俯き加減で顔も良く見えないし。
怪しかったんですけど、まあこっちも商売ですし。
強盗にも見えないしね。
とりあえず車、出したんですよ。
何か、おかしな子でしてね。
途中、何度か話しかけたんだけど、俯いたままじっと黙ってるんですよ。
真っ青な顔で、何だか震えてるんですよ、寒くも無いのに。
ちょっと、おかしいなって思いましたよ。
351 :
『怪談』?:2001/05/23(水) 00:27 ID:7L3/yLFI
彼女、黙ってるんですけど、交差点のところに来ると、
「つぎ、みぎいってくらさい」
とか
「ひだりに、まがってくらさい」
とか、指示するんですよ。まるで、何かを探してるみたいでしたね。
全然喋ってくれないんで、私もいつの間にか黙っちゃってね。
早く降りてくれないかな、とか思ったりしてたんですよ。
そしたらその子が唐突に、
「あの…… ここでいいれす、とめてくらさい」
って言うんですよ。
言われた通り、すぐ車を止めたんですけど、
辺りを見ると、これが青山墓地の真中なんですよ。
急に怖くなっちゃって。あるじゃないですか、こういう話。
さっさと清算してもらおうと思って、後部座席を振り向いたんですよ。
そしたら、ドアが開いていて、そこにいるはずの女の子の姿がないんですよ。
おまけに、雨なんか降っていないのに、
シートがぐっしょり濡れてるんですよ。
『ののたんおもらししちゃった〜』
ちゃんちゃん
―――
352 :
『怪談』?:2001/05/23(水) 00:28 ID:7L3/yLFI
翌日、ぼくは再びこのスレを訪れることにしました。
感想を見たいと思ったからです。
きっとみんな大笑いしているだろうな。
どれどれ…………
352 名前:名無し娘。 投稿日:2001/05/23(水) 01:08
ツマラン
353 名前:名無し娘。 投稿日:2001/05/23(水) 01:10
ののスレ逝け
354 名前:名無し娘。 投稿日:2001/05/23(水) 01:21
ハァハァ……
355 名前:名無し娘。 投稿日:2001/05/23(水) 01:24
ツジオタウゼェ!
356 名前:名無し娘。 投稿日:2001/05/23(水) 01:40
せっかくの良スレがコイツのせいで……
……………………
睡眠薬をかってきました。さきほど一壜すべて一息にあけました。
ベットの上で横になっています。なんだかとてもやすらかな気分です。
ああだんだん眠くなってきました。
さようならみなさん。
暗転。。。
おしまい
353 :
名無し娘。:2001/05/23(水) 02:55 ID:LyvpaJQc
倉庫逝く前に保全age
354 :
名無し娘。:2001/05/23(水) 14:56 ID:GGz9TJ42
「暗転。。。おしまい」さん
壊れた?
それとも何か怒っているの?
レス356が自分以外の人に言ってるようで・・・。気ニナル。
355 :
『怪談』?:2001/05/24(木) 00:44 ID:l6mDro22
>>354 あまり気にしないでください、只の私小説なんで
深い意味は無いし、もちろん怒ってるわけでも無いです。
壊れたってのは、たぶん正解。
ちょっと悪ノリぎみかも。反省します。
356 :
名無し読者:2001/05/24(木) 06:58 ID:g63zxV3E
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
357 :
カオリの彼:2001/05/24(木) 12:47 ID:OGE8N6KU
カオリは今日も彼を迎えに行く。
パパに買ってもらった青いスポーツカーで風を切って走る。
長い髪をなびかせながら飛ばす。
早く彼に会いたいから。
カオリは彼を愛している。
彼もカオリを愛している。
それは揺るぎない事実。
彼にご飯を作ってあげて、彼に洗濯をしてあげて、
彼の服にアイロンをあてて、彼に布団を引いてあげて・・・。
これがカオリの日課。
なのに、昨日は迎えに行ったのに彼は出てこなかった。
5時間も待っていたのに。
358 :
カオリの彼:2001/05/24(木) 12:48 ID:OGE8N6KU
心配になって彼の家に行った・・・カギがかかっている。
♪ピンポンピンポンピンポンピンポン♪ベルを200回鳴らす。
・・・出ない。
力任せにドアを開ける。
・・・ガチャガチャガチャ・・・ガン!!ガン!!ガン!!バーン!!!
ドアが開いた。カギが壊れたみたいだ。
彼は笑っていた。
涙を流して。
「泣くほどカオリに会いたかったんだー!」
そう言って、カオリは彼の小さな台所に立つ。
鼻歌まじりにタラのムニエルを作る。
「もう・・・やめてくれ・・・やめてくれよぅ・・・」
彼は私に気を使って早く帰れと言ってくれる。いつも。
彼はとてもやさしい。そして遠慮がちで謙虚な人なんだ。
だからカオリも彼に尽くしたくなるんだ。
359 :
名無し娘。:2001/05/24(木) 14:31 ID:Hzrp3ONw
「カオリの彼」・・・キョワイヨウ!・・・プルプル。
360 :
名無し娘。:2001/05/24(木) 23:57 ID:AJYOHDtA
布団は引くものではなく敷くものです
>>359 そう? カワイイじゃん
361 :
名無し読者:2001/05/25(金) 07:10 ID:eIuRzvQg
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
362 :
名無し娘。:2001/05/26(土) 05:18 ID:EMb2xjDg
モーニング娘。板名作集とか
小説総合スレってどこにあんの?
363 :
名無し読者:2001/05/26(土) 07:02 ID:ewAkvCEw
364 :
名無し娘。:2001/05/26(土) 07:22 ID:EMb2xjDg
↑サンクス
自分の書いたのがいろんな所で見てもらえるってなんかいいね。
365 :
名無し娘。 :2001/05/27(日) 22:32 ID:4QRO2ogk
保全するけどね
366 :
名無し娘。 :2001/05/28(月) 22:46 ID:g1lkn1mU
???
367 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 23:30 ID:DFb7gpdo
もうそろそろ私も書かないと・・・・・
368 :
わかってないじゃない:2001/05/29(火) 00:20 ID:Ddg1OzhA
ここは、とある海沿いの道。
現在、午前2時。一台の車が急カーブを通り過ぎて行く。
不自然な車が…。
369 :
わかってないじゃない:2001/05/29(火) 00:20 ID:Ddg1OzhA
わかってないじゃない、
わかってないじゃない。
海が見たいんじゃない。
彼はいつも私を此処へ連れてくる。
もう飽きたのよ、海を見るのは。
心が通じ合わなくなってきちゃった私達は、
もう終わりなのかも。
(ずっと彼と一緒)………
でも、嬉しいけど…。
370 :
わかってないじゃない:2001/05/29(火) 00:21 ID:Ddg1OzhA
わかってないんだな、
わかってないんだな。
まだ、僕の言葉聞かないフリだ。
君は一人で此処に身を投げたんだ。
だから僕達は、此処でしか会えないんだよ。
この海でしか…。
僕が運転していると、いつの間にか君は助手席に居る。
僕も解っててこの海に度々来る。
いつもビックリするけど………君に会えた時にホッとする。
371 :
わかってないじゃない:2001/05/29(火) 00:22 ID:Ddg1OzhA
わかってないじゃない、
わかってないじゃない。
まだ、アナタは解らないのね。
私達、二人はこのカーブを曲がり切れなかったんじゃない。
だから二人はもう自由。
何処にだって好きな所に行けるんじゃないの。
だから………今度こそ、私の好きな場所へ連れてってよ。
372 :
わかってないじゃない:2001/05/29(火) 00:23 ID:Ddg1OzhA
ここは、古びれた病院。
だだっ広いこの病院は、
もう治らないであろう症状を抱えた人々が、
最後に来るとも噂のある、まるで自由すぎる収容所。
ここは、3012号病室。
ここには、交通事故で植物状態になってしまった女性が一人。
みんな、気付いていない。
毎月23日に、この部屋が空になることを…
みんな、わかっていない。
本人達も、わかっていない。
〜了〜
373 :
名無し娘。:2001/05/29(火) 00:53 ID:.T9xOgeY
おおっ!久々ですな。しかもタンポポからとは。
幻想的でしたぞ。
374 :
名無し読者:2001/05/29(火) 07:18 ID:g23dLOuw
>>364 どういたしまして。
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
「帰りたいな・・・家に・・・」
好きでこの世界に入ったけど、なんだかんだ言って結構つかれる。
生活は不規則だし、睡眠時間もまともに取れない。
ご飯すら自分の好きなときに食べられない。
「ハイ、本番入りまーす!」
こんなことじゃいけないと頭では解ってても、
もう体がついてこない。
妹達は元気だろうか。
最近家族のことばっかり考える。
「ちょっとなっち最近どうしたの?」
みんなが心配してくれる。
でも大丈夫。ただ疲れてるだけ・・・
ふぅ。もっと時間が欲しい。
自由に遊んで、たくさん寝て、好きなときにご飯が食べたい。
「御疲れ様でーす。」
笑顔だけは忘れない。
いつでも笑ってる。どんなときでも。
いつからこうなったんだろう。
ほんとは笑いたくなんかないのに。
「明日はオフかー。なにしようかな・・・」
そう。明日は久しぶりのオフ。
休みの日だけは自分が好きに使っていい時間。
お昼まで寝て家でごろごろしようかな。
あ、そうだ。買い物にも行こう。
「12800円か、よし。買うか!」
前から欲しかった服を買った。
街に出るときはいつもひやひやする。
いつばれるか判らないから、変装は欠かせない。
このまま自分じゃない人になれればいいのにな・・・
「おい、あそこのどこかで見たことない?」
街行く人達が一斉にこっちを向いた。
いつもの癖で下を向く。
たくさん人が押し寄せてきた。
ばれた!と思ったとき・・・
「やめてください!人違いです!」
私の後ろの方から私の声?
そっちに目をやると私がいた!
もう一人の私?
「・・・なんで?」
そう一人の私の方にはどんどん人が集まってくる。
今の内にここから離れよう。
そこから離れて一息ついたとき、ふとショーウィンドウの
ガラスに映った自分を見た。
「・・・私・・・だよね・・・」
そこにいたのは紛れもない、今までと同じ自分だった。
なんでみんなはあっちに行ったんだろう?
私にそっくりな人だったんだろうか。
そう考えながら私は帰り道を急いだ。
「三番線に急行列車が入ります。危険ですので・・・・」
いつも通りのアナウンス。
白線の内側に下がって電車を待つ。
いつもと色の違う急行列車が入ってくるのが見える。
「・・・私が代わってあげるよ・・・」
後ろを振り返るとそこには私がいた!
もう一人の私はクスッと笑うと、
一番前にいた私の背中をトンと軽く突き押した。
私の目の前にはいつもと違う色の急行列車が・・・
・・・どこかで聞いたことがある。
もう一人の自分を見た人間はすぐに死ぬ運命らしい。
有名なドッペルゲンガーのお話・・・
〜終了〜
381 :
作者より:2001/05/29(火) 08:53 ID:45NSlpr.
久々に書いた三発目。
一発目「願いはかなう」、二発目「鏡」ともどもよろしく。
382 :
名無し娘。:2001/05/29(火) 09:24 ID:t9/GiXhg
作者達がしゃしゃり出るようになってスレのムードが一変しちゃったね。
初期のクールな感じが無くなってしまった。
383 :
名無し娘。:2001/05/29(火) 21:20 ID:.T9xOgeY
>>382 ( ´D`)<しゃしゃりでるなんていうもんじゃないのれす。
中澤裕子が卒業してモーニング娘。は9人になった。
しかし「恋愛レボリューション21」が発売され半年近く経つがいまだに9人のモーニング娘。としての新曲は発売されていない。
そのため中澤卒業後の娘。レギュラー番組でも「恋愛レボリューション21」を歌うことになった。
それは中澤が卒業する前と変わりは無いはずだった、現メンバーが9人であることを除けば。
「ハーイ、じゃあカメリハ行きます。」
いつもの様に歌番組のカメラリハーサルが始まる。
特におかしな所は無い、いつもと同じだ。
カメラリハーサルが終わり一度楽屋に戻った。
「ねえ、中澤の衣装知らない?カメリハの時無かったんだけど・・・。」
楽屋でマネージャーが尋ねてきた。
「さあ?もう処分したんじゃないんですか?」
新リーダーになった飯田さんがマネージャーに言った。
「いや、カメリハの前まであったからそれは無いと思うんだけどね。
まあ別に必要な物じゃないからいいんだけど。」
そう言ってマネージャーは楽屋を出て行った。
「そういえば今日は何か多い気がしない?」
矢口さんが言った。
「そんな訳ないじゃん。疲れてるんじゃないの?矢口。」
「そうかなぁ?」
そう言って矢口さんは自分から時計周りに人数を数え出した。
「1.2.3.4...」
「5.6.7.8.9...10」
最後の方は飯田さんも一緒に数えていた。
「10人、やっぱり私の気のせいか。最近疲れてるのかな?」
矢口さんはそう言いながら隣に居た保田さんの方を見た。
「違うよ、矢口。裕ちゃんが卒業したから今は9人のはずだよ。」
保田さんが青ざめた顔で矢口さんに言った。
「えっ・・・」
矢口さんは慌てて数を数えなおした。
「10・・・人・・・」
メンバーの顔から血の気が失せた。
「そんなこと・・・」
それぞれメンバーの数を数えてみた。
しかし何度数えても10人だった。
「何で・・・」
居るべきはずではないメンバーが居るのは分かる、しかし何故かそれが誰なのかは分からなかった。
その日はみんな静かなまま歌番組の収録を終え、家路についた。
次の日、梨華ちゃんが休んだ。家に電話しても連絡がつかないらしい。
行方不明かもしれないとマネージャーは血相を変えていた。
矢口さんがもう一度人数を数えた。梨華ちゃんが居ないので8人になるはずだった。
「9人・・・。」
そこには確かに9人のメンバーが居た。
「誰?9人目のメンバー体誰なの!?」
矢口さんはヒステリックに叫び、床に座り込んでしまった。
私もメンバーの人数を確認してみた。
飯田さん、保田さん、矢口さん、安倍さん、ごっちん、よっすぃ〜、辻ちゃん、加護ちゃん・・・。
あ、そうか。
梨華ちゃんを殺して9人目のメンバーになったのは私だった。
− Z −
387 :
名無し読者:2001/05/30(水) 07:07 ID:PiFzbw56
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
388 :
ハンドル:2001/05/30(水) 23:14 ID:rqZ4jzLw
夜の街。流れるイルミネーション。
空気に充満するタバコの香り。
ハンドルから伝わる心地よい振動。
それらに包まれながら、完全な孤独の中で、
安倍なつみはアクセルをさらに強く踏み込んだ。
車はぐんとスピードを上げ、前を走っていた車を追い越した。
2台の車は危なくぶつかりそうになったが、
そんなことは関係無かった。
ただアクセルを踏む、それだけだった。
モーニング娘。を脱退してから、すでに2年が過ぎようとしていた。
事実上の解雇だった。
会社は心配はするなと言ったが、1年も経たないうちに、
仕事はぱったり来なくなった。
噂は口汚く語られ、局内を歩くたびに好奇の視線が投げつけられた。
メンバーにすら同情される始末で、くだらないプライドは、
安倍に勢いで引退宣言をさせてしまった。
389 :
ハンドル:2001/05/30(水) 23:14 ID:rqZ4jzLw
後悔していた。
学も無いし、芸も身についてない自分が、
たった一人で放り出された世間の風はあまりにも冷かった。
日に日に貯金は目減りして、その変わりに増えるものと言えば、
やり場の無い不安だけだ。
テレビで活躍しているメンバーたちを目にするたびに、
安倍は焦りと苛立ちでハンドルを握った。
また一台車を追い越した。
こんな車に抜かれるのがよっぽど嫌なのか、
必死でブロックしてきたけれど、2、3回左右に振り、
隙を見て一気にスピードを上げると、あっさり前に出ることができた。
ぶつける度胸も無いくせに、と心の中で毒づいた。
クビになった理由ははっきりしていた。
安倍の太り過ぎだ。
以前は噂やギャグの域を出なかったが、
ミュージカルも終わり、仕事の量が落ち着いてくると、
安倍は目に見えて太り出した。今度はもう止まらなかった。
事務所の再三の注意指導もむなしく、安倍の肥大化は続き、
体重は、最悪といわれたあの当時を、あっさりと超えてしまった。
結局、事務所はあっさりと安倍のクビを切った。
まるで元々そんな話が出ていたかのようだった。
表向きは健康上の理由、だった。
「畜生っ!」
安倍はハンドルを強く叩いた。怒りと苛立ちが巨大な渦を巻いていた。
アクセルを一層強く踏み込むと、ベストのラインでコーナーを抜けた。
快調に飛ばす車とは裏腹に、安倍の心の中は一向に晴れなかった。
390 :
ハンドル:2001/05/30(水) 23:15 ID:rqZ4jzLw
「畜生っ!」
もう一度同じ言葉を吐いた。
気が付いたら横に置いてあった、菓子の袋に手が伸びていた。
まったく自然に。意識せずに。まるで病気だ。
「ちくしょう、ちくしょう・・・・・・」
何度も呟き、何度もハンドルを叩いた。
「!?」
目障りな菓子の袋をつかんで、放り投げたその時、
大きな音ともに、車が大きく横に振れた。
後ろから、さっきの車がスゴイ勢いでぶつかってきた。
「なっ・・・・・・!」
鋭い音を立てて後輪が滑り出した。慌ててハンドルを切る。
足がアクセルとブレーキの間をすばやく、何度も往復する。
「ちょっ・・・・・・!」
必死で立てなおそうとするが、道路の側壁が眼前に迫る。
「・・・・・・っ!」
一段と強い衝撃がハンドルから伝わってくる。
車はぐるりと回転して真後ろを向くと、ようやく停止した。
後続の車がこっちに向かってくる。
道路の真中で停まっている安倍の車を、避けられるはずが無かった。
次々とぶつかってくる車。次々と襲う衝撃。
安倍はただ呆然とそれを見ていた。
端っこで何かが赤く点滅していた。
391 :
ハンドル:2001/05/30(水) 23:16 ID:rqZ4jzLw
―――GAME OVER―――
「もうっ!」
画面に大写しされた文字を、憎しみのこもった目で睨みながら、
机の上のハンドル型のコントローラーを思いきり放り投げた。
コントローラーは大きな音を立て、薄暗い部屋に転がった。
ショックで画面がブツンと消えた。
安倍は灰色の画面を見ながら、しばらく自失していたが、
ふと立ちあがると、さっき投げ捨てた菓子の袋を探し始めた。
菓子の袋は部屋の隅で、中身をぶちまけていた。
その汚らしさはまるで今の自分みたいで、ひどく惨めな気分になった。
安倍は菓子の袋では無く、転がっていたコントローラーを拾うと、
それを無言でつなぎ直し、再び電源を入れた。
何も移ってないテレビをじっと見つめ、タイトルが出るのを待った。
灰色の画面はまだ何も始まってない世界。自分とは正反対だ。
「ちくしょう・・・・・・」
力無く呟くその声は、薄暗い部屋の乾いた空気に
悲しく拡散するだけだった。
安倍なつみ21才。今日でヒッキー1周年。
やっぱりプレステはやめれません―――
おしまい
392 :
名無し読者:2001/05/31(木) 06:57 ID:oYalVd2.
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
393 :
名無し娘。 :2001/06/01(金) 23:02 ID:NkspzjSQ
ほzn
394 :
名無し娘。 :2001/06/03(日) 06:16 ID:UsUCCQdU
hozen
395 :
名無し娘。 :2001/06/04(月) 18:40 ID:jXp5Hfh2
保全。。。
396 :
名無し娘。 :2001/06/06(水) 18:53 ID:.e2P.EjY
保全
397 :
名無し娘。:2001/06/09(土) 12:35 ID:si2X2GnI
age
398 :
名無し某:2001/06/09(土) 22:51 ID:DwN2zdDQ
sage
ライブツアー中の娘。達。ライブが終わり皆はホテルで眠りについていた。
ただ、一人、保田圭を除いて。保田はその日のライブの出来に満足が
行かなかったらしく、部屋の中で歌とダンスを再確認していたのだ。
「・・・ちょっとお腹が減ったな・・・」
保田はホテルの近くのコンビニへ向かった。そして、
彼女が戻ってきた時だった。保田は自分の部屋の鍵を空けよう
と思ったその瞬間、叫び声と煙が保田のもとにまで来た。
火災だ。しかも、炎はメンバーの部屋のある通路の一番奥から来ていた。
保田がそれを確認した時には、すでに炎は中澤の部屋
を飲み込み、矢口の部屋を焼き尽くしている最中だった。
その時、火災に対する恐怖、メンバーの中澤は、
矢口は大丈夫なのかという不安、そして、何故かそれらとは
まったく逆の思いが保田の頭の中を巡っていた。
(どれだけ歌っても、どれだけ踊っても、どれだけ
トークを弾ませようと、美味しい所は全て他の誰かが持って行く。
私は?私は何?あ、なっちの部屋が燃えてる。あ、カオリが出てきた。
あはは、燃えてる。倒れちゃった。)保田はその場にへたり込んでしまった。
彼女の思考は完全に途切れてしまったのだ。いつもするどく真剣な
その目は、今ではまったく焦点を失っており、表情に至っては
薄ら笑いを浮かべるほどだった。
(あはっ、後藤だよ。ものすごい声だね。あ、辻と加護だ。
こんな時も一緒なんだ。死ぬ時は一緒だってか?さすがだね。
あれ?石川と吉澤じゃん。なんだ、石川、吉澤の部屋で寝てたんだ。
可哀想に、自分の部屋で寝てればもう少し長く生きられたのにね。
矢口、体燃えてるよ?うわ、ヒドイ顔。全身真っ赤で誰か分かんないよ。
ふふふ、ふふふふふふ。そうだ、この歌声なんだ。みんなのこの声。
私が求めてたのは。こう、まさに心から捻り出す様な声。)
今の保田にとって、メンバー達の断末魔の叫び声は
ハレルヤコーラスにすら聞こえた。決して彼女は他のメンバーが
嫌いだった訳ではない。ただ、疲れすぎたのだ。その立場に。その仕事に。
保田は他の客や巡業員達がフロア内を駆け回っている中で気絶してしまった。
そして、翌日、朝刊にはこう載っていた。
『人気グループ、「モーニング娘。」のメンバーが昨日未明、
宿泊先のホテルで起きた火災により焼死。原因は未だ不明。
恐らくは宿泊客のタバコが原因ではないかと思われる。
他一般客5人を巻き込む大参事となった。ただ一人、メンバーの中での
生存者、保田圭(20)のこれからの予定については、
事務所側は一切ノーコメント』
その事件で世間が騒いでいる間、保田は病院のベッドで横たわっていた。
「ねぇ、つんくさん。私、みんなと一緒に死ぬべきだったのかな?」
「な!?何言うてんねん!何でお前まで・・・」
「前にも言ったでしょ?あの時、私、助けようとも逃げようともせず、
こっちに向かってくるメンバーの焼け死ぬ姿を黙って、笑って見てたんだよ!?
私、やっぱり死ぬべきなんだよ!」
「もうええやないか!医者も言うとったやろ!?あれはあまりのショックで
一時的に惑乱状態になったんやって!もう自分を責めるなや!」
「・・・これからどうしましょう・・・?」
保田はつんくの言葉を聞いたのか聞いてないのか、突然冷めた表情で言った。
「これからて・・・お前は、どうなんや?俺は正直お前をこれ以上芸能界に
いさせるのは無理やと思うてる。」
「・・・そうですよね・・・」
数週間後、保田圭は芸能界を去った。当然だろう。『あんな事』が
あって尚芸能活動を続けようとはさすがに思わなかった。
そしてその事件の、モーニング娘。についてのマスコミに対する情報は、
事務所側が一切シャットアウトした。何故なら最もあっては
ならない噂(デマ)、『全て保田が仕掛けた事ではないのか!?』 という
噂が拡がり始めたからだった。もちろん、実際にはあの事件はタバコの火が
原因だったようで、保田には全く疑いがかかる余地はなかった。
結果、そうした事務所側の懸命な働きかけによって、保田は一般人として、
なんとか生活する事が出来たのだ。
10年後。未だにファンの間ではあの事件は
一種のトラウマとなっている。
そして、保田は結婚し、一児をもうけている。
夫もあの事件の事は知っている。それを承知で保田を受け入れたのだ。
ある日の夕食。その日は『あの事件があった日』だった。
保田はいつもと変わらぬ顔で家族の為に夕食を作っている。
そこに、娘が来て言った。
「ねぇ、母さん。」「何?どうしたの?」
「なんでいちねんにいっかい、おかあさんのうしろにおんなのこが
いっぱいいるの?」
保田は知っていた。必ず、『あの日』になると、『彼女達』が現れるのを。
『ねぇ、圭ちゃん。何で助けてくれなかったの?カオリ熱かったんだよ?』
『圭ちゃん・・・矢口、圭ちゃんなら助けてくれると
思ったんだけどな・・・』
『ねぇ圭ちゃん。なっちの事、嫌いだったの?・・・』
『なぁ、圭ちゃん・・・』『保田さん・・・』『圭ちゃん・・・!?』
『やすださん・・・』・・・・・・・・・・
違う!あれは、私じゃない・・・私じゃ、ない・・・・・・
劇終
406 :
名無し読者:2001/06/12(火) 07:20 ID:eFwehxFM
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
飯田さんは不思議なひと。
「星がね、たくさん降るの。たいへん」
飯田さんが呟いたある日。
私が道を歩いてたら、突然頭上のビルの窓が割れた。
小さなガラスの破片がいっぱい降ってきて、
きらきらきらきら輝いて、
見とれた私は血だらけに。
入院して退屈していた私。
そこに飯田さんはフルーツをたくさん持ってきて、
「気をつけてって言ったじゃない」
もっと分かり易く言ってくれればね。
飯田さんは不思議なひと。
「真っ赤なトマト。それもペースト。たいへん」
飯田さんが呟いたある日。
風邪をひいた私が咳をしたら、
どろどろした血のかたまりが。
肺結核で隔離されて退屈してた私。
そこに飯田さんは手紙をよこして、
「私の言うこと、どう思う石川?」
当たっているとも言い難い。
飯田さんは不思議なひと。
「なにも起きないわ。なんにも。たいへん」
飯田さんが呟いたある日。
私は誰にも相手にされなくなった。
なんだかみんな避けてるみたい。
本当になんにもない、ひとりぼっちの私。
一人で部屋にこもって退屈してた私。
そこに飯田さんは笑顔でやってきて、
「石川と一緒に遊びたかったの。誰にも邪魔されずに」
飯田さんの言ったことがはずれた、のかな。
飯田さんは不思議なひと。
「お腹が空いたら揚げパン食べよう。たいへん」
飯田さんが呟いたある日。
家の冷蔵庫から食材がなくなった。
おまけに財布も消えちゃった。
お腹を空かせて部屋で困っている私。
そこに飯田さんはパンの耳をたくさん持ってきて、
「油はねるかも。気をつけな」
油もないことは、言った方がいいのかな。
飯田さんは不思議なひと。
「青春の活火山。たいへん」
飯田さんがつぶやいたある日。
顔にニキビがいっぱいできた。
ひどすぎて部屋から出れない。
部屋から出れずに退屈してた私。
そこに飯田さんがクレアラシルを持ってやってきて、
「ひとつ、カオリに潰させて」
いたい、いたいよ飯田さん。
飯田さんは不思議なひと。
「ステレオタイプのヒーロー登場。たいへん」
飯田さんが呟いたある日。
家に殺し屋がやってきた。
銃を突き付けられてほんとに怖い。
後ろ手に縛られて身動きがとれない私。
そこに飯田さんが血を流しながらやってきて、
「私にかまわず逃げて、って言ってよ」
口もガムテープで塞がってるのに。
413 :
飯田さんは不思議なひと:2001/06/15(金) 01:38 ID:GKjMo9ow
そんなこんなで、いつも不思議な飯田さん。
「私に言わせりゃ、あんただって不思議」
じゃあ私に言わせりゃ、
飯田さんはもっと不思議。
414 :
名無し娘。:2001/06/15(金) 01:40 ID:GKjMo9ow
あげちまった
415 :
名無し娘。:2001/06/15(金) 01:50 ID:zVXWBU0c
>>405 なんかこう、胸が締め付けられますな。
震災とかで家族が死んで一人生き残った者の心情ってこんなんだろう。
416 :
名無し読者:2001/06/16(土) 06:58 ID:uWwpF8Sc
モーニング娘。板名作集の方であげさせていただきます。
417 :
名無し娘。:
保全