1 :
名無し娘。 :
モーニング娘。のメンバーがストリートファイト
したらだれが勝ちのこるだろうか。
2 :
名無し娘。 : 2001/01/16(火) 13:20 ID:JrPL.7YA
バトロワとちがって肉弾戦とする。
3 :
名無し娘。 : 2001/01/16(火) 13:25 ID:18wljLu2
石川は暗器使い
4 :
名無し娘。 : 2001/01/16(火) 13:34 ID:b6y57quA
飯田「とっくの昔に義眼じゃよ」
5 :
名無し娘。 : 2001/01/16(火) 13:38 ID:okdZzZak
中澤「貴様らのいるところは、10年前に通過している」
6 :
名無し娘。 : 2001/01/16(火) 13:40 ID:okdZzZak
保田「完成したんだよ、保田流がぁ」
7 :
すぎお : 2001/01/16(火) 13:42 ID:DdDPUowg
後藤「こっちはなー男が何人もいるんだよ!!」
8 :
名無し娘。 : 2001/01/16(火) 13:43 ID:18wljLu2
9 :
名無し娘。 : 2001/01/16(火) 14:07 ID:6XVbgweY
なっち「ふぉふぉふぉ。私に拳法は通じませんよ。」
10 :
名無し娘。 : 2001/01/16(火) 14:19 ID:6XVbgweY
ていうか、バキネタでいいのかしら?
11 :
名無し娘。 : 2001/01/16(火) 14:20 ID:6XVbgweY
だったら、後藤はキングギドラのもんもんしょってなくっちゃ。
12 :
アルティメット娘。 : 2001/01/17(水) 00:15 ID:AQ5NEAI6
〜よっすぃーvs後藤〜
ついにこの日が来た。吉澤”ザ・べ−グル”ひとみvs後藤”スノボデート”真希の、エースの座をかけた闘い。
二人のコンディションの差は明白であった。この日のために、モーニング娘。に入ってから増えた3?Lを落とし、万全の体調の吉澤に対して、スキャンダル
に悩まされ、試合前の計量もぎりぎりでパスした後藤。お世辞にもベスト・コンディションとはいいがたい。
吉澤サイドの控え室には、石川、加護、辻の新メンバー3人。
「よっしー、あの鷲っ鼻へしおってやってね」吉澤をあおるのは第一試合で平家みちよを秒殺した、
石川”チャ−ミ−”梨華だ。
「びっくりして心臓飛び出しても、すぐ飲み込めば大丈夫や」冗談まじりに励ます加護亜依。
辻希美はただてへてへと笑っている。時期尚早といわれた前回の後藤との対決で、再起不能と報道されるほど追い込まれた
のだから、ここまで回復しただけでも奇跡であろう。憐憫の目を辻に向ける吉澤。
「のの...かたきは私がとってくるからね.....!」そんな吉澤の言葉も、もはや辻には届かない。
13 :
アルティメット娘。 : 2001/01/17(水) 00:48 ID:etXwvZ5I
後藤の控え室。こちらには保田のみ。中澤、矢口の2人は今回はどちらのセコンドにもつかないことを公言していた。
いまだエースの座を狙う安部は当然どちらにもつかない。飯田”ザ・マシーン”圭織は、自分の試合を終えると、すぐ
さま会場を後にした。
「大丈夫。かたくならないで、いつもどうりにね」マッサージをしながら、後藤に言葉をかける保田。
(てめぇにいわれなくてもわかってんだよ....)後藤は保田の言葉を無視した。今の自分が負けるわけがない。スキャ
ンダル?そんなものに惑わされるわたしじゃない。パパは死んだ。お姉ちゃんはヘルス嬢だ。どう?
おもしろいネタがわたしのまわりにはバンバンころがってる。みんなわたしのこと、もっと知りたいんでしょう?
たかだかデートのことぐらい、たいしたこと、ない。
場内から聞こえる歓声が、部屋の静寂を一瞬消し去った。
、
14 :
名無し娘。 : 2001/01/23(火) 13:30 ID:/TBdFUBs
続き書けばかもの
15 :
名無し娘。 : 2001/01/24(水) 22:56 ID:E9zCmkKI
途中放棄か?
16 :
名無し娘。 : 2001/01/25(木) 03:42 ID:babOVV0s
ageage
17 :
アルティメット娘。 : 2001/01/26(金) 02:02 ID:9YeVkAl2
セミ・ファイナルを終えると、会場内はすでに興奮の渦と化していた。
オクタゴンの金網の中には、まだ若手のシェキドルの二人がセミの試合で飛び散った血を
拭き取っている。
入場ゲート裏。吉澤と石川、加護が控えている。加護は吉澤の足から肩にかけてを
かるくマッサージしている。純白の空手着。額には黄色の鉢巻きが巻かれている。
「やっぱ、この衣装やばかったかな....?」石川にかるく微笑みながら言う吉澤。
石川の緊張でこわばった顔からも、笑みがこぼれる。
「そんな余裕あるなら、大丈夫やな」加護が吉澤の両肩を、ばん!とたたく。
加護の頭をくしゃ、と吉澤がなでる。
「よっしー...」
「ん?」
「あんたなら勝てる。試合前にこんなこといいたないけど、やっぱりいうわ。のののかたき...
あんたにまかしたで」言葉ははっきりとしていたものの、吉澤と目をあわせることはない。
自分の親友を奪われた13才の少女の悲しみが、痛いほど2人に伝わってくる。
「勝つよ、絶対」
そう言い放った吉澤の眼は、不思議なほどに澄んでいた。
18 :
アルティメット娘。 : 2001/01/26(金) 02:26 ID:ySYWUMX6
清掃を終えたオクタゴンの中に、一人の男がたった。リング・アナウンサーの、
ジョン・フジイ・マッカーシーである。
「レディエンドジェントルマーン....これより、本日のメインイベントをおこないます!!!!」
大歓声につつまれる場内。
「インザブルーコーナー....ヒトミィー....”ザ・べ−グゥ−”...ヨシザワーー!!!」
テーマ曲がなりひびくなか、ゲートから吉澤が姿を現す。タラップをかけおり、そしてゆっくりと
歩を進める。その後ろから、石川、加護のふたり。
....負けられない。のののため、セコンドの二人のため、そして、自分のため。
闘い以外のことを考えられるのも、あと数歩分の時間だけ。
吉澤がオクタゴンの入り口にたったとき、場内の歓声はピークとなった。
両頬をぱしん、とたたき気合いをいれ、鉢巻きを客席に投げ捨てる。
帯を解き、道衣を脱ぎ捨て、上下赤のスパッツになり、オクタゴンのなか入っていく。
ガシャン、と金網の入り口に鍵がかかった。
19 :
アルティメット娘。 : 2001/01/26(金) 02:30 ID:ySYWUMX6
だーれもよんでないと思って、書くのやめてました。
一人でもよんでくれてたようなので、とりあえずかきました。
駄作でも、あんまりわるぐちかかないでね....ってそんなこと
いってしかたないか。
20 :
名無し娘。 : 2001/01/26(金) 02:32 ID:bpQBQyV.
>>19 いや、すっごい面白いと思うよ。楽しみにしてるから続き書いて。
けっこう読者いると思う。
21 :
名無し娘。 : 2001/01/26(金) 02:38 ID:9gMXgWVw
俺も読んでるよ〜ヽ( ´ー` )ノ
22 :
名無し募集中。。。 : 2001/01/26(金) 02:38 ID:bQVDV6Ic
23 :
アルティメット娘。 : 2001/01/26(金) 12:59 ID:QBelCzf2
>>20−22
ありがとうございます。
今日でテストも一段落したから
また書きます
24 :
アルティメット娘。 : 2001/01/26(金) 13:05 ID:QBelCzf2
ちなみにリングアナはブルース・バッファですよね
ジョンマッカーシーはレフェリーです。
訂正します
25 :
アルティメット娘。 : 2001/01/26(金) 13:43 ID:WaC2zxSQ
「インザレッドコーナー...モーニング娘。エーース....マキィーーーーゴトォーーーー!!!」
入場テーマはほとんど聞こえない。それを上回るほどの歓声につつまれているからだ。
Tシャツを一枚羽織っただけのラフな格好だが、腰にはしっかりと金色のベルトが巻かれている。
まだ入場ゲートから動かない。満面の笑みを浮かべ、大きく客席に手をふる。
まるでこの会場それ自体が叫んでいるような「ゴトウ」コール。
吉澤にくらべるとやや足早に、オクタゴンに向かう。後ろからは保田。
オクタゴンの入り口でTシャツを脱ぎ捨てる。オレンジのスパッツに身をつつまれた後藤は、
間違い無くエースの風格をもっていた。まだ吉澤とは眼をあわさない。ベルトを腰からはずし、
場内にアピール。フジイのもとへ、チャンピオンベルトを返還。そのままセコンドの保田のもとへ戻った。
「いつもどうりにね、後藤」
「うん、わかってる」
「恐いのは打撃だけ。しかもスタンディングでのね。グラウンドにもっていけば、なんてこと
ない相手だからね」
そう言った保田に返事はせず、くるりと相手を見据えた。
吉澤。最初にあった時は絶対なかよくなるなんて思わなかった。育ちのよさが鼻についた。吉澤は特別裕福な家
で育ったわけではないが、人並みの家で、人並みの暮らしをしてきた人間は、後藤からみれば
どれも十分お坊っちゃん、お嬢ちゃんだ。
しかし彼女はすこし、違った。
26 :
名無し娘。 : 2001/01/26(金) 14:22 ID:KvUTseMM
新メンバーの4人が加入した、あの日。
写真撮影が終わり、足早に控え室に戻ろうとした時、
「まきちゃん、同い年だよね。吉澤ひとみです。よろしくね」
「あ、うん、よろしく」
正直、面とむかってこうゆう事をいわれるのは照れくさく、後藤からおもわずめったにメンバー
には見せない笑顔がこぼれた。だが、特別興味もなかった。
しばらくして、ある日の収録の前。吉澤がメンバーみんなにべ−グルをもってきた。
皆、なんだかんだとコメントしながらその差し入れを食べている。
後藤もいちおうその輪の中に入る。
「はい、ごっちん」吉澤がべ−グルを差し出してきた。
「サンキュー」それを受け取り、鏡の前に向かった。
みんなはまだがやがやとやっている。後藤は鏡に向かった椅子にこしかけた。
「どう?おいしくない?」吉澤が歩み寄る。後藤は一口食べ、適当にあしらうつもりだった。
が、食べてみると意外においしい。
「...うん、うまいよ、そーとーいけてる」
「でしょ?あたし大好物なんだ、これ」屈託のない笑顔。自分のそれとは、
ずいぶんちがう気がした。
.....なんでこんなことおもいだすの?こんな...。
はじめてだった。試合前に相手との思いでなんかが頭にうかぶ。集中できない。
「後藤!なにしてんの!」後ろから保田が叫ぶ。レフェリ−が中央にくるよう促している。
はっとして前に進む。目の前には、今日の対戦相手。
....くだらない。ただの防衛戦の相手のことを考えるなんてね。
さっきまでの感情は一瞬で消えた。自ら消した。
「オーライ...ヒィアウィーゴォーレディース...アーユーレェイディ?
アーユーレェイディー?」
レフェリーがふたりの方を交互に見る。
「レッツゲラォン!!!!」
試合は始まった。
27 :
アルティメット娘。 : 2001/01/26(金) 14:25 ID:KvUTseMM
ん?うえのはどこが省略されたんだろ。されて無い気が...。
28 :
名無し募集中。。。 : 2001/01/26(金) 22:30 ID:.fcFQDqs
続き期待age!
29 :
アルティメット娘。 : 2001/01/27(土) 00:50 ID:WtaNtiIw
試合開始の合図とともに、吉澤は距離をつめる。
自分の得意とする打撃の間合いに持っていくためだ。
左のジャブ。パリングでいなされる。後退する後藤。場内の大歓声とは反対に、二人の間
の空気ははりつめている。
後藤がやや前に進み、左のローキック。これを吉澤は受けずに後ろにステップバックして
かわす。瞬間、後藤が一気に間合いをつめ、両足タックルにくる。腰を落とし、相手の首と右手に両手をからませながらうけとめる。
そのまま足を後ろにとばし、相手の上体をさげていく。「タックルを切る」というムーブである。
後藤が頭をあげようとする動きにあわせ、そのまま吉澤は距離をとった。
すぐさま後藤は吉澤に向かい体をむけるが、もうタックルの距離ではない。
その刹那、吉澤はステップインするとともにワン・ツー。ガードした後藤は組み付きにいこうとするが、
前蹴りで再び距離をとられた。
30 :
アルティメット娘。 : 2001/01/27(土) 01:24 ID:FCvIRI6E
「作戦どうりやな」加護がつぶやいた。
「うん..でもごっちん、なんで打撃ださないんだろ?ののちゃんとやったときは
最初立ち技で勝負つけようとしてきたのに...」
「それだけよっしーの打撃がこわいゆうことや。いけるで、この試合」
前回の試合で、体格にまさる飯田をKOした吉澤の打撃は、驚異を与えるに十分なものであった。
「タックル切って、組み付かれんで、しびれきらしてあっちが打撃できたときがチャンス
やで」このラウンドの残りタイムは、あと3分。
「我慢やで、よっしー...」
オクタゴンのなかではまだ二人の攻防に、わずかな変化があった。
それまでパンチで牽制しつづけていた吉澤が、ローをおりまぜていきだしていた。
そのたびに後藤は組みにいこうとするが、吉澤はけっして組ませない。
...このままじゃやばいな。
あせりを感じ出した後藤に、保田がさけぶ。
「あと一分!」...あと一分...やってみるか。
吉澤が左ジャブ、右のローのコンビネーションを放ち、間合いをとった瞬間、
後藤は超低空の片足タックルにいった。
...ねらい過ぎだよ、ごっちん....!地面をはうような後藤のタックルを、上からおしつぶす吉澤。
そのままサイドにまわり、バックマウントをとるため、ベースをつくりポジションキープ
しようとしたその時、後藤の左手が吉澤の左足首をとらえ、体を反転させる。
体勢をくずした吉澤はうしろにたおれ、その両足の間には既に起き上がった後藤。
ガードポジション。戦況は後藤の得意とするグラウンドにもちこまれた。
31 :
アルティメット娘。 : 2001/01/27(土) 02:19 ID:taFANf.Y
>>28
おくれましたが、ありがとうございます。
なんか読んでくれてる人がいるとわかると、とてもうれしいです。
32 :
アルティメット娘。 : 2001/01/28(日) 12:19 ID:bmwNDi1M
「やばいで...!なんで気付かなかったんや....!」
それは吉澤に対してではなく的確なアドバイスをおくれなかった自分への苛立ち
であった。
「後藤のやつ、最初からスウィ−プねらいやったんや...!」
無理な片足タックルは、それに対応する吉澤の動きを予想した「餌」であったのだ。
「でも、失敗したら自分が危ないんじゃないの?今の」
「さっき圭ちゃんが残り時間さけんだやろ?ラスト一分なら下になっても防ぎき
れると踏んだんやろ。それにしても、いくら寝技に自信があるとはいえ、たいし
たくそ度胸やわ」腹立たし気にまくしたてる加護。
「よっしー....!」金網を、きゅっ、とにぎる石川。
その間にも、後藤の攻撃は続いていた。
落ち着き払って、腹、頭とパンチを性格に振り分けていく。
吉澤が相手の打撃を殺すため、抱きつこうとしても、後藤はそれをゆるさない。
ばしん、ばしん、とまるで機械もように、一定のリズムでパンチを打ち込んでくる。
徐徐に吉澤の脇腹が赤みを帯びてきた。
....どうしたらいいの...!
セコンドの加護と石川に視線をむける。「練習どうりやるんや!うごけ!」加護が叫んでいる。
吉澤もそこまで冷静さを欠いているわけではない。組み付こうともしているし、
距離をとり立ち上がろうともしている。打撃で反撃も試みている。しかし、それら
はすべて、自分の両足の間にいる後藤に、制せられてしまっていた。
後藤が大きく振りかぶって右のパンチを撃とうとしてくる。左の脇腹は先程
から撃たれ続けていた。
...痛い...ふせがなきゃ....焦りと恐怖で、吉澤の判断力は低下していた。
ボディブローを左手で受け止めにいく。左の顔面ががらあきになる。
ガツン!とそこに後藤の拳がクリーンヒットした。
33 :
アルティメット娘。 : 2001/01/28(日) 15:10 ID:rXaSdPy2
左頬がじんじんする。だがそれだけですんだ。あのパンチの直後、ラウンド
終了の合図が鳴り響いた。今は石川がアイスパックで後頭部を冷やしてくれている。
加護が先程からアドバイスを送り続けている。
「落ち着いて。今度は絶対誘いにのったらあかんで」
「でも、ああいう場合は...」反論する。あんな状況だれだっていくはずだ。
「あんたに後藤と同じだけのグラウンドテクがあるんなら、いくべきやな」
なにも言い返せない。あきらかに自分の実力のいたらなさであった。
「この試合にそなえて、何練習したんや?」
「でも、あれはやっぱり...」できることなら使いたくない。ごっちんを、再起不能
にしてしまうような、あんな技は。
「なに甘いこといってんねや!じゃあののは?のののかたきはどーすんのや!
あんた、とってくれるんやなかったんか?!!」
「あいぼん、おちついてよ!」石川が制する。
「今試合中だよ?プレッシャーあたえてどうするの。ね?」
「......ごめん。」そういったのは吉澤だった。
「でもね、ひとつだけ言わせて。ののちゃんのことは忘れたことない。一瞬だってね。
そのことでごっちんを許すことはないよ。でも、それでも、やっぱりさ、ごっちん
は、...友だち...だったんだ。大事な、ね」ゆっくりと話す吉澤。加護がその言葉
に食い付こうとするが、石川が「ちゃんと聞こう」とたしなめる。
「だからこそ、あたしの意志で倒したいんだ。誰かのためじゃなく。誰かのせいにして
ごっちん殴るなんてできない。」うなずく二人。同時に第2ラウンドのクラクションが
鳴る。吉澤の表情が引き締まる。
「ごっちんはあたしの意志で倒すよ」中央に向かって歩き出す吉澤。そして、
「使ってみるよ」と特殊な握り方の拳を、加護に示す。
第2ラウンドがはじまる。
34 :
アルティメット娘。 : 2001/01/29(月) 01:42 ID:1EbojChc
いま読み返してみたら、矛盾だらけだな...ぼろがでてきた
>>34 気にせず続けてくださいな
とりあえず最後まで読みたいんで
36 :
名無し娘。 : 2001/01/31(水) 02:25 ID:fHA7WkKs
保全。
37 :
アルティメット娘。 : 2001/01/31(水) 23:28 ID:njNM.cm.
...なんなの?これ...
後藤はわずかに動揺していた。吉澤のパンチの『質』が、数発に一度先程のものと
変化していた。刺さるような痛み。およそ後藤が今まで受けた打撃とは異なるものであった。
...効いてる...!
吉澤にうまれる確信。この日のために練習してきた中高一本拳。中指をたてるように拳
を握る。しかし、この拳を連発するだけの握力を身につけるには、時間が足りなすぎた。
それでも、通常の打撃に織りまぜるだけでも揺さぶりにはなる。
後藤がタックルにくる。それを切り、打撃。そのくり返し。クリーンヒットこそ
ないが、後藤にわずかづつダメージは与えている。
「もうすこしや」加護がつぶやく。ここのままいけば、そのうち打撃でくるはず。
それが吉澤サイドの作戦であった。
「うん...」たしかに戦況は吉澤有利で進んでいる。しかし石川には、あちらのセコンド
の保田の余裕が気になっていた。
38 :
アルティメット娘。 : 2001/02/01(木) 00:01 ID:CdUC4LGs
続く吉澤の猛攻。ワンツー、ロー。ジャブ、右ミドル。少しづつ、当たりはじめている。
バックスピンキック。歓声が沸き起こる。ガードを固めたままの後藤。
プレッシャーをかけつつ、金網まで追い詰める。落ち着いて一本拳を織りまぜながら
打撃を放っていく。数発は間違いなくダメージを与えた。なんとか金網から逃れようと
組み付く後藤。吉澤はそれを振り払う。それにより、瞬間的に後藤がよろめいた。
....いけるっ!
フルスイングの右フック。弾け飛ぶ後藤。
「いまや!」加護も勝利を確信する。
吉澤の渾身のひざ蹴り。がつん、という鈍い音。
....終わった...。
吉澤のスタミナも限界は近かった。ぎりぎりの勝利、かに思えた。
倒れない。後藤の目は死んではいなかった。しっかりと吉澤を見据えたその視線。
....無傷で勝とうなんて、そこまであんたをなめてないよ。
打撃でくる吉澤のスタミナ切れを狙う。すべては後藤サイドの思惑どうりであった。
39 :
アルティメット娘。 : 2001/02/01(木) 00:45 ID:HkSAd0e2
いつからだろう。常に後藤を襲う、圧倒的な虚無感。
幼くして直面した、父の死。あの人の一生って、なんだったの?
父の葬儀。皆、悲しんでくれた。だけど、すぐに忘れるに決まってる。
死んだ人のことなんて。記憶なんて、どんどん薄れていって、いつかは消える。
人は必ず死ぬ。そうすれば、みんな忘れる。じゃあ何して生きても
意味ないの?わからない。混乱する思考。そして襲ってくる、虚無感。
忘れられないために、アイドルになった。拡大する自分の存在。わずかな満足感。
しかし、それもすぐに消えた。昔のアイドルをテレビで見た。その映像は、
フィルムが劣化し随分古臭い。醜い。そう感じた。自分も、10年後の人間がみれば
こう思うのかまた、すべてが嫌になった。作り笑顔もする気がしなくなった。
今まで考えたことすべてがくだらなく思えた。
吉澤。そんな自分にとってのわずかな安らぎだった。
後藤にとって、彼女は『光』だった。強烈な自意識からうまれた自分を取り巻く
暗闇。それが後藤からみた世界。そこに明かりを灯してくれたのは、彼女だった。
いつまでも、一緒にいたいな...。
そう思った相手は、いま自分の眼下にいた。そして、後藤は彼女を
殴りつづけていた。
40 :
アルティメット娘。 : 2001/02/01(木) 00:51 ID:2uYc8qBU
訂正です。
こう思うのかまた、→こう思うのか。また、
41 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 00:59 ID:V.8EZw4g
うわあ、めちゃめちゃ面白え。
早く続き書いてーん。
42 :
アルティメット娘。 : 2001/02/01(木) 14:51 ID:UeMiEt.g
>>41
ありがとう。そういう言葉がとてもうれしいよ....。
43 :
アルティメット娘。 : 2001/02/01(木) 15:34 ID:hMX2TV0M
「やばいで!くっついて!」
「おちついて!よっしー!!」
マウントをとられ、パンチを受けつづけている吉澤に、必死でアドバイスを
送る2人。
一瞬の出来事だった。吉澤の膝蹴りをくらい、のけぞった後藤。しかし、そこで
ぴたり、と上体はとまり、一気に胴タックル。そのまま金網に激突させ、反り投げ
のようにしてテイクダウン。温存していた力を一気に爆発させた、すさまじいパワー
であった。
「計算どうりとはいえ、恐ろしいパワーね....」
セコンドの保田にすら戦慄がはしるほどの光景。しかしそれ以上に驚嘆すべきは
彼女の精神力であろう。吉澤の打撃に対してガード一辺倒でいること、それにからめて
くる謎の刺さるような攻撃、そして最後の膝げりも間に合わないとみて額でいなした。
あの音から察するにダメージはないわけではない。しかし、彼女は痛みへの反応より勝利への
チャンスに対する反応のほうを優先した。一見無謀とも思える保田の作戦だが、後藤の能力を
もってすればそれは実行可能なものとなる。
必死の形相で組み付こうとする吉澤。そのたびにベースをつくられ、戻される。
既に口の中は切れ、血の味がする。
....あと、あと何分?!...
はやくこの恐怖から抜け出したい。もう、なんでもいいから、たすけて...。
後藤の表情。まったく感情を感じさせない。ただ淡々と、吉澤の『破壊』に向けて、
拳を振るう。
....ごっちん...もうやだよぉ....おねがい...やめて...
もはやファイターの思考ではない。このままではレフェリーのストップが入り、彼女は負ける。
がつん。がつん。
痛みが薄れていく。
がつん。がつん。がつん....。
意識が遠のいていく....。
44 :
アルティメット娘。 : 2001/02/01(木) 16:04 ID:x7o/0zb2
...もうだめかな...。
ごっちん、なんでこんなふうになっちゃったんだろうね、わたしたち。
たのしかったよね。買い物いったり、いろんな話したり。前に、別々
に服買いにいったら、かぶっちゃったことあったよね。おんなじブランド
の服すきだったから。
エースをめざそう、ってきめたのはなんでだったんだろう。思い出せないよ。
ごっちんを羨ましく思ったわけじゃない。それはほんと。むしろがんばれって、思ってた。
じゃあなんで...?
「なにしとるんや!!!!あんたの意志でたおすんやなかったの?!!
こんなもんか!!あんたの意志って、こんなもんか!!!」
加護の声。わたしの意志....?わたしの意志って....。
吉澤の脳裏にうかぶ、防衛戦後の後藤の表情。
かなしそう。さびしそう。
ごっちん、ほんとはもう闘いたくないんだよね。ごっちんを支配してるのは、
『明日への恐怖』なんじゃないの?
誰にも先のことなんかわかるわけない。だったら、それが軽薄だっていわれても、
今を一生懸命楽しむしかないんじゃない?
常にチャレンジャーの恐怖におびえて、その試合のことをイメージして生きてる。
そんなのつらいよね。現実感が希薄になる。そんなとき、ひとって考え過ぎちゃう
んだよ、きっと。
そうだ、だからわたしは、ごっちんのすべてをリセットしにきたんだ。
このオクタゴンで。悲しいけど、わたしにはごっちんを倒すことでしかそうして
やれない。
あなたの『虚構の明日』は、わたしが消してあげから。
吉澤が眼を見開く。
残り時間、1分。
45 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 16:05 ID:ZEHiIp3g
視点が頻繁に変わるのが漫画的だね
46 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 16:10 ID:NpCGabMQ
俺ここのが2chで読んだ小説の中で本当に一番好きだよ。
ミミミ /川川川\ミミミ
ミミ〇川||/ ヽ|||||〇ミミ
|川メ 卅川 ζζ
(|| ¬ ,¬ ||)ν
ゝ " Д〒= プハァー
/| |  ̄| | │ __________
,. ヘ l><l l><┌ /
⊂c .l人人人l <勝利の後の一服なのれす。ふ〜〜〜
.|_∧_.| ヽ__________
| | │ |
| ̄.| | ̄ |
.(__) ヽ_)
48 :
アルティメット娘。 : 2001/02/01(木) 16:39 ID:5sPhIUho
>>45
漫画的。たしかにそのとうりかも。最近あんまり小説読まないんで...。
力量不足ということで勘弁して。
49 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 16:41 ID:ZEHiIp3g
>>48 あ、ごめん。
批判するつもりで言ったんじゃないんだよ。
楽しみにしてます。
50 :
アルティメット娘。 : 2001/02/01(木) 16:41 ID:5sPhIUho
それと、>>46さん、ありがとう。うれしいっす。
がんばりまっす。
51 :
アルティメット娘。 : 2001/02/01(木) 16:44 ID:5sPhIUho
>>49
いえ、こちらこそごめんなさい。変な書き方してしまいました。
ありがとうございます。
52 :
名無し : 2001/02/02(金) 01:45 ID:p1JLF8zY
バトルものってあまり好きじゃなかったんだけど、
ちょっと見方かわったかも。
続き待ってます。
53 :
名無し娘。 : 2001/02/02(金) 05:50 ID:bPcPmRCU
たしかに漫画というか劇画的だけど、きちんと整理して書き分けられてる
から混乱はしないし、文章力がそれを保証してる。オモロイよ。
矛盾だらけとか言ってたけと全然気にならない。気にせずガンガン書いてくれ。
54 :
アルティメット娘。 : 2001/02/02(金) 17:47 ID:ehq4Ch/U
>>52ー53
ありがとうございます。もうすぐラストなので、開き直って細かいことは気にせず
書いちゃいたいとおもいます。
55 :
アルティメット娘。 : 2001/02/02(金) 18:35 ID:y69c4st.
チャンスは必ずあるはず。
吉澤の知るかぎり、マウントポジションを返す手段は3つ。
相手にしがみつき、ブリッジで返す。柔道でいう鉄砲返し。ヴァ−リ・トゥード
でのマウント返しの基本である。
そのため後藤の警戒も強く、先程から試みているがすべて失敗している。
足を押し、これも柔道でいう「エビ」の動きを使い脱出する。
しかしこれは打撃のある試合ではあまり有効とはいえない。
のこる選択肢は、ひとつ。
依然として後藤の攻撃は続く。冷静に腹、頭と打ちわけ、隙あらば
関節を取りにくる。だが、先程までとの違いは、吉澤が極めて適格に、
最小限のダメージでそれらをガードしていることであった。
しかし、残り時間は40秒。次の第3ラウンドにもつれ込めば、スタミナ
で勝る後藤が勝つ。仮に凌ぎきったとしても、そのあとに待つ判定では
間違いなく王者の防衛という審判が下るであろう。
もはや吉澤を突き動かすのは気力のみ。しかしその意志の力が、彼女
の野性的な本能を鋭敏にした。闘いの記憶。自分の膝蹴りを耐え、組み付きにきた
後藤。これしかない。彼女の本能がそう確信する。
吉澤がしたからパンチを打つ。軽くいなす後藤。そして即座にパンチを
落としていった。
フィニッシュのつもりはない、ただのつなぎのパンチ。
吉澤の左前腕部に当たり、ガードされる。
当然、無意識にそう思っていた。
しかし、後藤の拳が当たるはずだったその左のガードが消えた。
そのまま吉澤の顔面をとらえる後藤の拳。クリーンヒット。
だが、拳の当たる位置の目算が微妙に狂う。わずかに、ほんのわずかに重心が前に移動した。
56 :
アルティメット娘。 : 2001/02/02(金) 23:52 ID:F7nP8yxg
後藤の腿を通じて、吉澤の腹部にその体重のわずかな移動が伝わった。
ベースはわずかに崩れた。両脇は、空いている。
...いける...!
吉澤の両足が跳ね上がり、後藤の両脇を後方から差す。
第3の選択肢、TKシザーズ。
この技に自信はなかった。特別練習したわけではない。だが彼女の本能はこの
技を選択した。
そのまま足を自らの頭側に伸ばす。後藤が前方へ倒れかかる。
まさにその瞬間、後藤の股から頭を抜き、体を切り返し、ついに立ち上がる吉澤。
吉澤の視界には、ゆっくりと立ち上がる後藤の姿が映る。周囲の目にはまさしく
瞬間の攻防である。しかし、彼女にはまるでスローモーションのように見えた。
残り時間20秒。
後藤は立ち上がり振り向く瞬間、反射的に顔をガードで被った。ボディはがら空きになる。
吉澤のすべての関節が、極めて機能的に回転する。足首、膝、腰、肩、首へと
その動作は伝わっていき、そしてその回転は彼女の右腕に収斂された。
胴への右の一本拳。
それは確実に後藤のみぞおちをとらえた。
水月。
鍛えようのない、人体急所の一つである。
57 :
アルティメット娘。 : 2001/02/03(土) 00:37 ID:IxpPgu2E
『音』が遠ざかる。
吉澤にはもうなにも聞こえない。
たがその視覚は確認した。
前のめりに倒れ込み完全にのびている後藤、そして両手を振るい試合の終了を告げるレフェリーの姿を。
最後に覚えているのは、音のないその光景であった。
ロッカールーム。そこで吉澤は目を覚ました。
....まぶしいよ...
医師が自分の瞳孔の収縮を確認していた。思わず手でその光を覆おうとする。
「よっしー!気がついたの....」
石川の声。頭ががんがんする。聞き取れない。
しゃべり終わったことを確認すると、吉澤はわずかに微笑み、彼女の涙を
をぬぐった。
後藤のロッカールーム。記者会見を終え、保田と二人きりである。
「....負けちゃった..」
後藤がつぶやく。
「そうね」
荷物をバッグに詰めながら淡々と保田が答える。
「どうしよう」
問いかける後藤。
「さあね」
荷物を詰め終わったバッグを肩にかけた保田は、ドアの前へと進みつぶやいた。
「ひとつだけ、いえることがある。あんたは、パーフェクトだったよ、
最後の瞬間をのぞいてね」
そういいながらドアノブに手をかける。
「.あ..ねぇ、最後って...何?!」
引き止めるように声をかける後藤。
「フィニッシュの前、どうして立ち上がったの?あそこは仰向けで時間の
経過を待つだけでよかった。次のラウンドにもちこせば、吉澤を倒すのは
簡単なことだったよね」
極めて冷淡に話す保田。彼女に、もう後藤のセコンドを続ける意志は
見られない。
「...うん..」
うつむく後藤。
「どうして?!なぜ勝ちを捨てたの?!」
なにも言い返す言葉はなかった。彼女自身、なぜあそこでたちあがったのか
わからない。
「それはうちがこたえたるわ」
ドアのわずかな隙間から聞こえた声。加護のものだった。
58 :
アルティメット娘。 : 2001/02/03(土) 00:39 ID:IxpPgu2E
ありゃ、ながすぎた。
59 :
名無し娘。 : 2001/02/03(土) 12:49 ID:5.ZBbriU
期待age
60 :
アルティメット娘。 : 2001/02/04(日) 00:18 ID:s3Rcnd/c
「なんや、そんな恐い顔せんでもええやないか。もう終わったわけやし」
控え室のなかにはいってきた加護の前に、保田が立ちはだかる。
「でていって」
ドアを開け、加護の退室を促す。
「まあおちついて。あんたの疑問に答えたるっていうたやないの」
まったく臆する様子もなく、ずんずんと部屋の中に入っていく加護。
「後藤さんがなんであの時立ち上がったのか」
椅子に腰掛け、挑発的に言った。加護のほうを振り向く後藤。にこり、と加護が微笑む。
「あんたにそれが分かるって言うの」
保田の声に、加護が答えた。
「というかあんたの目は節穴か。いままで後藤のなにを見てきたんや。もうやめたい、
逃げ出したいっていう気持ち、なんもわからんかったのか」
静かに、そして厳しい口調で加護が言う。なにもいいかえせない保田。
「そんなこと...」
後藤が否定しようとする。
「もう、嘘はいらん。よっしーんとこ、会いにいったらええやん」
61 :
名無し娘。 : 2001/02/04(日) 00:18 ID:s3Rcnd/c
「...あいつとはついさっきまでお互い殺す気で闘ってたんだよ、いけるわけない」
そういった瞬間、加護が後藤の目の前まで踏み出し、フックを放つ。
その拳は一本拳に握られ後藤のこめかみの寸前でとめられていた。
「これがよっしーが狙ってた技や。あんたのガードの速度はこれに追い付くか?」
まったく反応できなかった後藤。背筋が凍る思いがした。
「これでこめかみつかれたら、あんた、もう普通には生活できんかったで」
拳をもどす加護。
「けどあいつはあえてボディーを打った。最後の瞬間でもよっしーはあんたを殺す気なんか微塵
もなかったんや」
後藤の目には、涙が浮かんでいた。
「あんたはもうわかったやろ」
はっきりとわかった。なぜあそこで勝ちを捨てたのか。吉澤に、自分を倒してほしかったのだ。
不安が産む妄想が造り出した自分を、破壊してほしかった。助けてほしかった。
「まあ、うちはあんたのことは一生許さんけどな」
そう言い捨てると、ドアに向かい歩きだした。そして入り口のまえに立つ保田の肩に
手をおき、つぶやいた。
「まだわからんかったら後藤に聞いたらええ。それがあんたの最後の仕事や」
加護がドアを開く。
「ちょっと待って。あの打撃はなんなの?あのスピード、破壊力....」
加護が振り向き、後藤の前方の床を指差した。
「ヒントは残したったよ。あとは自分で考えや」
その指差した場所は、加護の足の形に陥没していた。
「な....」
驚きをかくせない保田。加護の体重で床が陥没するなど、ありえないはず。
最先端の格闘技術にふれてきた彼女には、まったく理解できないことだった。
「ま、世の中まだまだ知らんことだらけっちゅーことやな」
そう言うと加護は後藤の控え室を後にした。
62 :
アルティメット娘。 : 2001/02/04(日) 01:07 ID:jF7hrvdQ
数日後。
吉澤はなんとか体調も回復し、病院から実家に戻り療養していた。
後藤はその後、行方をくらました。保田は、また新しい選手のトレーナーとなったと聞く。
その他のメンバーは、通常の仕事に戻っている。
吉澤自身にも、変化があった。
エースの座を勝ち取ったにも関わらず、モーニング娘。を辞めたのだ。
結局自分には、向いていなかった。あの試合のあと、強くそう感じた。
自分に光を当てるために誰かをおしのけ、作り笑いを続けることには、もう興味はない。
....ごっちん、どうしてるかなぁ...
一人のときに頭に浮かぶのはそのことだけだった。
ドアをノックする音。母だった。
「ひとみ、手紙とどいてたよ」
「うん、ありがと」
手紙。後藤からのものであることを期待する。
しかし、うけとったその封筒の差し出し人は見知らぬ名前だった。
...だれだろ?
封筒を開け、便箋を取り出すと、そこには良く知っている、くせのある文字で
こう書かれていた。
元気ですか。後藤真希です。今は、封筒にかいてあった名前で生活してます。
けがとか、なおりましたか。って、私がやったんだよね。ごめんなさい。
モーニング娘、辞めたんだね。テレビでみたよ。
一応、春からは高校生になるよ。通信だけどね。やっぱりまだばれるとさわがれるからさ。
昼間は働くんだ。
よっしーはどうしてますか。
高校にはいきますか。どうして娘をやめたんですか。
聞きたいこと、すっごいたくさんあるよ。
もし、よかったら手紙ください。でも、無理に書かなくていいです。
もし、書いてくれた、すごくうれしいです。
じゃあね。
とてもうまいとはいえない、稚拙な文章。
それを封筒に戻すと、彼女は出かける準備をした。
お母さんにいっておこう。今日は、たぶん帰りがおそくなるって。
おそらく彼女の行き先は、封筒に書いてある住所まで。
ひさしぶりにあう、親友の家まで。
完
63 :
アルティメット娘。 : 2001/02/04(日) 01:10 ID:jF7hrvdQ
最後の最後で省略されちゃった。
もしよかったら、読んでみてください。
読んでくれたみなさん、ありがとうごさいました。
64 :
アルティメット娘。 : 2001/02/04(日) 01:19 ID:RqZvsoG6
しかも最後にミス....
もし、書いてくれた、すごく..→もし、書いてくれたら、
でした。ほかにも読み返してみるとミス、誤字だらけでした。
65 :
名無し娘。 : 2001/02/04(日) 01:26 ID:7WBYAn7g
オモロかった
66 :
名無し娘。 : 2001/02/04(日) 02:38 ID:T7ND.l8M
うん、俺もすげえ面白かった。
また続編でも別のテーマでもいいから書いて欲しいな。
67 :
アルティメット娘。 : 2001/02/04(日) 02:48 ID:EGMagRSc
>66
ありがとう。また機会があったら書いてみたいです。
ところで、ここでは自分でスレッド立てて小説かいてもいいの?
68 :
名無し娘。 : 2001/02/04(日) 03:02 ID:T7ND.l8M
いいんじゃないかい?
ただ管理が大変かもしれないけど。
69 :
名無し娘。 : 2001/02/04(日) 03:12 ID:LT5bxEQY
>>67 OKでしょう。ていうか小説スレの大半は自分で立ててるんじゃない?
まあ廃スレ利用してsageでひっそりやってるとこもあるみたいだけど。
後藤の手紙のミスは、「稚拙な文章」の表現かと思ったよ。手紙はなかなか
感じが出ててよかった。二人を辞めさせたのも、納得できる終わり方でした。
面白かったし、俺もまた他のも読んでみたいと思ったので、いずれにせよ決
まったら、ここで告知してくれると嬉しいな。
70 :
アルティメット娘。 : 2001/02/04(日) 03:26 ID:EGMagRSc
>>69
ありがとう。いつになるかわかんないけど、
かきはじめたら告知させていただきますね。
今度は、格闘ものじゃないのでかいてみたいです。
今、読み終わりました。
最後まで書いてくれてありがとう。
おもしろかったです。
次の小説を楽しみに待ってます。
72 :
名無し娘。 : 2001/02/06(火) 00:10 ID:M1o505CI
名作あげ
73 :
アルティメット娘。 : 2001/02/06(火) 14:46 ID:3QCiMZp.
74 :
名無し娘。 :
辻ヲタ kAHWz3Y.
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