1 :
もういくつ寝ると名無しさん :
伝説のスレッド復活!
2 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:38 ID:WWnIzY62
今でも鮮明に憶えてる。あれは、中学3年の体育祭の日の出来事だった。(あー、かったりーな、、フケて帰っかな〜…)僕はそんなふうに思いながら、ぼーっと女子の借り物競争の様子を眺めていた。心地よい十月の陽気が、僕を眠りへと導く。(ああ、、やべ、睡魔が襲ってきた、、、)半分眠りかかったその時だった。
「ちょっお願い!一緒に来て!」
あ・・・?同じクラスの保田だ。息を切らしてる。
「な、なんだよ」
(…あ、そっか、今こいつの番なんだな。僕が借り物の該当者なのか。)
保田とは幼馴染みでもあったけど、中学に上がってからは 滅多に口をきくことも無くなっていた。(突然なんだよ、、皆見てるじゃんか)立ち上がるのをしぶっていると、彼女は
「いいから、早く!」
と僕の手を掴んで、走り出した。半ば保田に引っ張られる形ではあったけど、とりあえず僕も走った。 (昔から目立たない奴と思ってたけど、こいつって案外強引なんだなぁ…)気が付くと、僕達は一等のゴールテープを切っていた。
3 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:40 ID:WWnIzY62
「はぁーーっ・・・・てめ、起きぬけにこんな走らせやがって!」
僕はふざけて拳を振り上げた。憎まれ口を叩きながらも、気分は結構痛快だった。
(女子と走るのは恥ずかしかったけど、一等っていいもんだな。 それに、保田も一生懸命で何か可
愛いとこあんじゃん)
「ごめんごめん!私も悪いと思ったんだけどさ。・・・これ。」
保田は一枚の紙きれを差し出してきた。
「…?あぁ、借り物の…」
僕は小さく畳んであるその紙切れを開いてみた。
「該当するの、あんたしかいなかったんだもん」
『初恋の人』紙きれにはそう走り書きしてあった。実は、好きな人、とかそんなのを僕も少しは予想し
てた。でも・・・初恋?まじかよ?あいつ、そんな素振り全然・・・
「おい、これって」
そう声をかけた時、保田はもう友達の方に駆け出していた。呆然とその後ろ姿を見送っていたら、
ふと彼女が振り向いたのが見えた。
「それ、ほんとなんだからねー!!」
信じられない大声でそう叫びながら。 遠目でも、真っ赤な顔してるのがわかる。
(やべー・・・こいつ、すげー、可愛い)
「・・・待てよ!」
僕は周りの目も気にせずに、無意識のうちに、彼女の足取りを追い掛けていた。
4 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:40 ID:WWnIzY62
「ねぇ」
「なんだよ?」
「3組のサヤカ知ってる?」
「……あぁ、剣道部のヤツだろ?聞いた事はある」
「わたし幼稚園の時からの友達だったの」
「ふーん。…で?」
「これ」
「…なに、これ?」
「読んでくださいって」
「……何の手紙?」
「知らないわよっ!はい、確かに渡したからね」
「なに怒ってんだよ…」
保田のヤツ、なんか涙目になってた。なんでだろう、ちょっと胸が痛いな。
5 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:40 ID:WWnIzY62
「ねぇ」
「…なんだよ?」
「…前、手紙渡したでしょ?3組のサヤカ…」
「…あぁ。人のこと呼び出しといて、結局来なかったヤツな」
「…サヤカね、今度、引っ越す事になったんだ」
「…へぇ…そっか」
「遠いところなんだって」
「ふーん…」
「これ…」
「…なんだよ、これ?」
「サヤカんちの住所。明日出発するって言ってたからさ…」
「なんだよ?」
「…行ってあげて」
「なんで俺が行かなきゃ…」
「…お願い…行ってあげて」
今まで見たことないような強い視線で、保田は俺を見つめたまま、小さなメモを俺に握らせた。
でも、その表情は、どこか寂しげにも見えた。
6 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:41 ID:WWnIzY62
二学期の席替えでクラス1の美女なつみの隣になれず、よりにもよって保田が隣に。最初はふてく
され、ろくに話もしなかったが、消しゴムを借りたのをきっかけによく話すようになる。ふと気付くと、
それが毎日の楽しみになっていた。しかし、あっという間に学期が変わり、席替えが行われることに
なった。クラスの他の男子は誰がクなつみの隣の席になるかで盛り上がる。その輪の中になんとなく
加わる僕であったが、本当は保田と離れるのが悲しかった。そして、心の中でまた保田の隣になれ
るようにと願った。でも、そんなに都合良く行くはずもなく、僕は前から2番目、保田は一番後ろ。
「先生!わたし目が悪いんで、前の人と代わってもらっていいですか?」
保田が隣に来た。
(お前・・・・・・目、悪かったっけ?)
(いいじゃん、ばれなきゃ。ね?)
悪戯っぽい笑顔を僕に向ける保田。
「なぁ」
「…何?」
「保田ってさぁ、ケイってゆー名前なんだよな?」
「……そうだけど?」
「俺のさ、妹もケイっていうんだよね」
「ふーん」
「俺たち、結婚したらさ、困っちゃうな。同じ名前になっちゃうし」
「………」
保田の真っ赤になった顔、ホントかわいいんだよな
7 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:41 ID:WWnIzY62
「なぁ」
「何?」
「さっきの授業のノート、ちょっと見せてくんない?」
「えっ…」
「途中ちょっと寝ちゃってさ。頼むよ」
「ヤだ」
「なんでだよー、イイじゃんかよー」
「だってほら…字とか汚いしさ、それに…」
「いいから、貸せって、ほら」
「…あっ…」
《わたしの気持ちに気づいてくれない でも気づいてくれない方がいい》
《この関係 この時間 今がとっても楽しい でも でも》
罫線の欄外。片隅に書かれた文字。誰の事かはあえて聞かない。だって、聞かなくても、保田の真
っ赤な顔見れば解るから。
8 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:41 ID:WWnIzY62
放課後の教室。忘れ物を取りに戻ったら、保田がまだいた。電気もつけずに、窓際の自分の席に
座ってる。
「何やってん…」
いつものように近づいた俺は、固まった。真っ赤な目と鼻、手にはハンカチ。
「泣いてんのか…」
俺は、何を言っていいのか解らなくなって、黙って立ってた。
「…なんでアンタいるのよ…」
しゃくりあげるように、保田は言葉を搾り出した。
「いや…その…」
「…」
「…」
窓の外の夕日はどんどん山の向こうに沈んで行って、夕焼けがやがて夕闇に変わろうとしてる。長
い長い、沈黙。
「なんか、あったのか?…」
「……なんでもない…」
「…ゴメンな」
「……なんでアンタが謝んのよ…バカ…」
「……ゴメン」
「………ワタシ、本当はこんな泣き虫じゃないんだからね」
「…解ってるよ」
「でも…」
「…」
目の前の保田は、じっと俺の目を見たまま動かない。なんだ?すっげー胸が苦しくて、息がつまり
そうだ。
「おれ、保田の事…好きだよ。」
自分でも、自分の言った言葉に驚いた。相変わらず保田は黙ったままだ。チキショー何か言えよ。
「…ワタシ…」
「な、なんだよ」
「本当に…ワタシなんかで……イイ…の?」
「何言ってんだよ」
「だって、ワタシなんて全然カワイくないし……見た目も地味だし… 性格も暗いし……」
「保田!」
「…なんでワタシなんだよぅっ!」
保田の叫びも夕暮れの教室に溶け込んでいってしまった。再び訪れる沈黙。
「…俺、もうオマエじゃないとダメなんだ…」
「……」
「………大事にしてくれる?」
答える代わりに、俺は保田を抱きしめた。「もう離さない」って想いながら、強く強く、抱きしめた。
9 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:43 ID:WWnIzY62
答える代わりに、俺は保田を抱きしめた。「もう離さない」って想いながら、強く強く、抱きしめた。
俺の告白に保田が頷いてから、一ヶ月経った。それなりにデートもしたし、キスもした。楽しげに時
間は過ぎていたはずだった。保田も俺も、今は幸せなはずだった。でも、保田が、笑顔の合間に時
折見せる、なんとも言えない「ブルー」な表情を、いつの頃からか、俺は気にかけてるようになって
いた。「コイツなんでこんな寂しい表情をするんだろう」って。
その日も、保田はいつもと変わりなく、俺にジャレついてきた。普段の教室では 絶対に見せない
甘えた表情で、俺の腕にしなだれかかる。俺も保田の腕を引き寄せて、保田の事をいとおしく抱き
しめる。いつもの「儀式」。でも保田はいつもの保田じゃなかった。俺の腕の中で、保田は泣いてい
た。
「どうしたんだよ?」
しばしの沈黙。そして、なんとも切ない瞳を俺に向けて、保田は言葉を搾り出した。
「…もうすぐ…お別れなんだよ…」
俺は何の事か解らず、とりあえず保田の顔を見つめる事くらいしかできなかった。
「なんだよ?お別れって…」
俺が問い掛けると、保田は俺の腕から身体を放し、そして俺の三歩ほど前で立ち止まった。背中越
しに、保田のすすり泣きが聞こえた。
「…ワタシ、学校やめることにしたの」
「何…何言ってんだよ」
俺には、保田が何を言ってるのかが解らなかった。
でも、保田のいつ夕陽が地平線の向こうに静かに沈んでいく。
10 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:43 ID:WWnIzY62
二人の周りを支配する長い長い沈黙。どれくらい時間が経っただろうか。不意に保田がこちらを向
いた。泣き腫らした真っ赤な瞳で、俺をまっすぐに見つめている。こんな保田の表情見るのは、初
めての事だった。
「学校やめるって、お前…」
「…そうだよね。ビックリだよね…」
辺りから明るさが消え、肌寒い夜の風が少し距離をおいた二人にまとわりつく。
「歌手になりたいの…」
「はぁ?」
「…夢、だったんだ。歌手になりたいって、ずっと思ってたの」
「か、歌手って…それと学校やめんのと、何の関係があるんだよ」
「…所詮、夢は夢のまんまだって、自分でそう思ってたんだ。でも、2年生になってから、だんだん
ね、その夢本気で叶えたいって思うようになったの。そしたら、何か中途半端な気持ちで学校とか
行くのヤになっちゃって…それに、本格的なレッスン受けようと思ったら、とても学校との両立は無
理だろうし…」
俺はどんな顔して聞いてイイのか解らず、黙ってうつむいたままだった。そんな俺の態度を見てか、
保田はまた黙り込んでしまった。いつにないシビアな表情を見て、保田の言葉がウソではない事を
悟った。
11 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:45 ID:WWnIzY62
「…って事は、俺がコクる前から学校辞めようって考えてたって事だろ?」
「…ゴメン…」
「じゃあなんでOKって返事したんだよ」
「……ゴメンなさい」
「なんかさ、俺ホントに…バカみたいじゃん…」
「……ゴメン。そんなつもりじゃ…」
「じゃあどんなつもりだったんだよっ!」
自分でも驚く程の大声で、俺は保田を責めた。そんな事しても、どうにもならないって解ってるの
に。
「……うれしかったんだよ、ワタシの事好きになってくれて…」
「………」
「ホントに…ホントに嬉しかったんだよ…」
「……」
保田の悲しそうな表情と声に、俺は何も言えず、ただ立ち尽くすだけだった。
「許してもらおうなんて、思ってないよ。怒られてもしょうがない事やっちゃった んだし…ただ…」
保田は搾り出すように呟いた。俺は、いまだに気持ちの整理がつかず、遠くに見える街灯りに目を
凝らしていた。
「…ただ、ワタシが本気だっていう事を、アナタだけには解って欲しかったから…」
その言葉を聞いて、俺の頭の中はジーンと疼いた。保田が悩みに悩んだ末に出した尊い結論を、
俺は頭ごなしに否定し、悪意と取った。そうだ。本当は俺が一番解ってやらなくちゃいけなかったん
だ。保田はそんなヤツじゃないっていう事を。世界中の誰が保田を否定したって、俺だけは味方で
いてやらなくちゃいけなかったんだ。
12 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:45 ID:WWnIzY62
「保田…」
「ゴメン…本当にゴメ…」
「もういいよ…もう謝るなよ」
「…だって…だって…」
気がつくと、俺も保田も泣いていた。泣くなんて、俺のキャラじゃないんだけど、保田の事、すごくい
とおしく思えてきて、そんな保田が俺のところから離れて行ってしまうのがすごく寂しくなって、俺は
泣いた。どのくらい抱き合ってただろう。二人が身体を離した時には、お互い涙は乾いていた。
「なぁ、保田」
「なに?」
「オマエさ、絶対ビッグになれよ」
「え?」
「いつかさ、テレビとかバシバシ出るような、超有名人になっちゃえよな」
「…うん。まぁがんばってみるわ」
「まぁ、じゃねーよ。絶対に、がんばるんだよ」
「…わかった…」
保田がちょっと笑った。俺もちょっと笑った。星のきれいな夜だった。しばらくして、教室の俺の隣の
席は空席となった。保田との約束で、夢が叶うまでは、いっさい連絡は取り合わない事になってい
たので、本来ならば保田と一緒に過ごしていくはずだった残りの高校生活を、新しく友人たちと始
めたバンド活動で消化していく事にした。時折、保田の事を無性に思い出し、何度も電話したい衝
動にかられたが、保田の未来のために、俺はガマンをした。絶対にビッグになって、いつか俺のとこ
ろに帰ってきてくれると、頑なに信じて。
13 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:46 ID:WWnIzY62
「え…マジですか?」
担当マネージャーから、ソロデビューの話を聞かされた保田は一瞬、絶句した後、そう呟いた。
「安倍に関しては、ソロ活動はしていても、今のところシングルを切るつもりはないんだ。あくまでも、
モーニングの活動の一環というか…中澤にしても、演歌については撤退の方向で話は進んでるし。
だから、事実上、モーニング娘。からの本格ソロデビュー第1号と考えてくれていいと思う」
マネージャーの説明はほとんど耳に入る事はなく、保田の頭の中は真っ白だった。歌手になりたい
という夢。それが実現しようとしている瞬間。保田は目の前の現実を未だ理解できずにいた。
「当然、つんくのプロデュースにはなるし、楽曲ももうできてる。あとは、歌入れをして、初夏のリリー
スを目指したいんだ」
「…初夏ですか?」
「あぁ、6月末か7月頭までにはなんとかしたいと思ってる」
「…その頃には、夏コンのリハも始まってますね。また忙しくなるなぁ…」
ようやく頭がシッャキリとしてきた保田は、ソファーにもたれかかって溜息をついた。
14 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:46 ID:WWnIzY62
「……いや…実はその事なんだけど…」
不意にマネージャーの表情が曇る。
「…さっきも言ったけど、これはシングルを切るという意味で、本当のソロデビューと考えて欲しいん
だ。つまり、安倍の立場とは違うと…」
「どういう事ですか?」
「…つまり、今回のデビューは、その…モーニングの活動の一環とはまるきり違う、本当の意味での
ソロデビューだという事だ」
「…え?…じゃあ…」
「…そうだ。このデビューの話を受けるという事は、もうモーニングとしては活動をしなくなる、という
事だ…」
「そんな…」
「ただ…これは保田にとって、ものすごく重要な決断だと思うし、会社としても最善の方法を取りたい
と思ってる。だから、少し時間かけて、よく考えてみてくれないか。それで、来週に返事を聞かせて
欲しい」
夢の実現と引き換えに課せられた、苦しい試練。保田は、ただ黙り込むしかなかった。とりあえず、
その日の仕事は何とかこなし、疲れきって帰宅した保田は、着替えもせずベッドに突っ伏した。決
定事項ではないものの、ソロを取るかモーニング娘。を取るかという、地獄のような選択を迫られて
いる自分。あと1週間しか残されていない時間。そして、何も知らず、普段どおり接してくれるメンバ
ーたち。保田の心は激しく揺れ動いていた。
15 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:47 ID:WWnIzY62
「……ワタシはどうすればいいの?…」
せわしなく動かした左手の先に、何かが当たった。さっきマネージャーから渡された、ソロ曲のデモ
テープだった。保田は枕元にあるカセットデッキにテープを入れた。しばらくの無音の後、つんくの
仮歌が保田の耳に流れてくる。『保田 ソロ 仮歌』とテープのケースには書いてある。今までのつ
んくの作品にはないタイプの曲。その事からも、つんくがこのデビューについて、どれくらいの本気
度なのか、保田にもよく解った。私のデビューのために、多くの人間が動き出している。それだけに、
生半可な返事はできない。容赦なく襲いかかるプレッシャーに、保田は押しつぶされそうになって
いた。
「…誰か…助けて…」
保田は、不意に携帯電話に手をかけた、、、、
16 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:47 ID:WWnIzY62
「あ…もしもし…」
「…けい、圭、圭なの?」
「………………うん」
電話の向こうから聞こえてきたその声は、間違い無く保田だった。あれから長い長い月日が立って
いた、高校生だった僕はなんとか現役で合格。今は、のんべんだらりと、普通の学生生活を送って
いた。サークルにも入ってみたり、人並みにコンパに顔を出して、、、、その間、保田は夢に向かっ
て走りつづけていた。モーニング娘。としてデビューした彼女、モーニング娘。はあれよあれよという
まに、日本を代表するアイドルになっていた。そして、保田からの連絡はあの日以来無い。四六時
中生活が注目される存在になった保田。もう、保田は戻ってこない、もはや、僕には手の届かない
存在になったと思っていた。律義に本当に連絡を取らなかったことを少し後悔したりもした。でも、
そんな状況にも慣れ、保田への恋愛感情は少しづつ薄れていった。いや、薄れさせようとしていた。
保田への思いを断ちきり、新しい恋愛へ動こうとしていた。ただ、それでも、あいつから連絡が来る
のをずっと心のどこかで待ちつづけていた。その保田が、今電話の向こうにいる。
「……ワタシ…ヤバイかも…ひさしぶりに会ってくれませんか?今、駅にいるから、、」
「今から…か?」
「…無理…ですよね、やっぱり。」
あまりにも唐突な出来事に、俺の頭は混乱していた。敬語で喋る保田の言葉づかいが二人の間の
壁を象徴していた。
17 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:48 ID:WWnIzY62
「…じゃあ、今から迎えに行くわ」
口を突いて出たのは、自分でも予期せぬ言葉だった。俺は、とるものもとりあえず、家を飛び出し、
駅へ向かった。ものすごく不思議な気分だった。隣りに保田がいる。久しぶりに会う昔の彼女を迎
えに行き、そして自宅に連れて行こうとしている。ただそれだけのことかもしれない、でも、世間的に
見れば、オレの隣にいるのはモーニング娘。の保田圭であり、そんな保田の隣りにいる俺は…
「……久しぶり」
保田の声で、俺は我に帰った。そうだ。俺と保田は、久しぶりに会う昔の恋人同士。それでいいん
だ。
「すいません…ワガママ言っちゃって」
「いいよ、別に。どーせ家に一人でいたって、ロクな事ないんだし」
信号待ちの時、チラリと見たその表情は、あのころよりも、数段キレイで、かわいくて、垢抜けてて、
そして、あの頃よりもずっとずっと疲れていた。
「仕事、忙しいのか?」
「うん…でもヒマなのはもっとイヤだから、、、」
「そっか…芸能人っていうのも大変なんだな」
「でも、望んで入った世界だから…」
18 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:48 ID:WWnIzY62
こうして保田と話してると、数年前に戻ったような感じだ。でも、保田はもう俺たちとは違う世界に住
んでる。そして、その世界で敢えて望んで生きようとしている。それは紛れもない事実だった。
やがて、俺のアパートに着いた。
「ちょっと座って待っててな。コーヒー入れるから」
オレは、なんか、ドラマか何かの役を演じているような気分だった。夢を見てるみたい。そんな形容
詞がまさにピッタリという感じだった。
「…わぁ、ちゃんとCD聞いてくれてるんですね」
保田はCDラックを指でなぞりながら、うれしそうに言った。俺にとって、いつだって誇りだった。自分
が愛していた女性が、夢を叶えて大スターになる。それが自分の中での誇りでなくてなんだろう。だ
から、保田の出したCDは全部買って聴いたし、友達にも薦めた。それくらいの事、当然だと思って
た。
「…当たり前だろ。プッチモニは、振りつきで唄えるしね」
「……マジっすか?」
市井さやかの真似をしながら保田が笑った。数年ぶりに保田の笑顔を見た。でも、すぐに表情をこ
わばらせて、俯いてしまった。その表情は、ひどく辛そうだった。
「ま、コーヒーでも飲んで、な」
オレはデッキのスイッチを入れ、苦いコーヒーを一口すすった。
19 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:49 ID:WWnIzY62
「ごめんね、ずっと連絡しないで、、」
不意に保田が口を開いた。
「あれから、ずっと一人でやってきて、いろんな悩みとか、辛い事とか、相談できるような友達がいな
くて、、。メンバーには迷惑とかかけたくないし。親には仕事の相談、あんまりしたくないし。だから、
あなたが迎えにきてくれた時、すごく嬉しかった… また、あの時みたいに、いろんな相談乗っても
らえるって思ったら、嬉しかった…」
保田は真剣に悩んでいる。その悩みを、俺にだけ打ち明けてくれようとしている。俺を信頼しきって
くれている。あのころと変わらないその事実、それだけで嬉しかった。
「俺…俺、そんな偉そうな事言えた立場じゃないけど…保田が悩みを打ち明けて、少しでも楽にな
るんなら…その役目が俺でも良かったら…話してみろよ」
時計の針は深夜3時を指していた。保田は、時折瞳を潤ませながら、淡々と悩みを打ち明けていっ
た。俺は芸能界のことはよく解らないけど、歌手になりたいっていう夢が実現しそうな事、でもその為
には、今のモーニング娘。から外れなきゃいけないという事、そして、それは、保田にとって、死ぬよ
りも辛い選択だっていう事。それだけは理解できた。一通り話し終わって、少しは落ち着いたのか、
保田はすっかり冷めてしまったコーヒーを口に運んだ。
20 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:49 ID:WWnIzY62
「ワタシ、何かアドバイスをもらおうなんて、そんな厚かましい事思ってないから」
「保田…」
「これは、ワタシがワタシの中で決めなくちゃいけない問題だから…でも…誰かに伝えたかった。ワ
タシが本気で悩んでるんだって事を、誰かに…」
俺はもう、保田にかける言葉が見つからなかった。コイツはこんなに強い女だったのか。そして、こ
んなケナゲな女だったのか。俺は、コイツの夢を実現させるためなら何をしてもいい。そう思った。
「保田…」
「…」
「ゴメン…俺、やっぱり、何言ってイイのか解んないや」
「ごめんなさい…迷惑でしたよね、やっぱり…ワタシ…」
窓の外の漆黒が、少しずつ青みがかってくる。静かに時が流れている証明。
「なぁ、保田、今の保田にとって、大切なモノって、なんだ?」
「…」
「自分が置かれてる状況の中で、今、この時、自分にとって最も大切なモノを選ぶ。それがベストだ
と、俺は思うな」
「今の…自分…」
「そう。もちろん、それは保田にしか解らないし、日によって変わっちゃうかも知れないけど、答えを
出す時点で、一番大事にしたいモノを選んだらいいと思うな」
「大事にしたい物…」
「後悔しないなんて選択なんてない。だから、できるだけ後悔の少ない答えを見つけ出すんだ」
「……うん」
「……なーんてな、また偉そうな事言っちったよ」
俺は照れ笑いを浮かべて、時計に目をやる。
「うへぇ、もう5時かよぅ!どうする保田?泊まってく?」
本当は保田ともう二度と離れたく無い思いを隠すために、俺は少しおどけてみせた。
「…そうしちゃおっかな…」
「バ、バーカ。冗談だよ。しっかり送ってくから」
俺は一瞬動揺した。それを悟られまいと冷静を装ったが、保田の悪戯っぽい笑いは、すべてを見
透かされている何よりの証だった。長い長い夜が、ゆっくりと明けていった。
21 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:49 ID:WWnIzY62
「アカンっ!どうなってんねん!保田、お前プロやろ。プロやったらな、もうちょっとマシな歌唄え。
プロっちゅうのはな、そんな甘いもんとちゃうんやぞ。モーニング辞めてまでやるんやったらな、モ
ーニングのメンバーには絶対に唄えんような歌を唄てみい」
つんくさん、怒ってる…ワタシ、精一杯やってるのに…まだ何か足りないのかなぁ…
「そんな事ないよ」
あ、後藤…ダメだよ、ブースの中入ってきちゃ…
「圭ちゃん、がんばってるよぅ。市井ちゃんも言ってたもん。圭ちゃんのがんばりにはどうやったって
勝てないよって」
でも、がんばったってどうにもなんない事だってあるよ…後藤、ワタシやっぱりダメだわ…
「圭ちゃんソロで出たらさ、もう、プッチモニは終わりだね。だって一人でプッチモニなんてヘンだも
ん」
後藤…そんな悲しい事言わないで…
「さよなら、圭ちゃん…元気でね」
後藤ぉ…ちょっと待って…そんなのヤだよ…
「やっぱりアカンなぁ、時期尚早やろ、保田のソロは。悪いけど、こんな状態やったら、ナンボ俺でも
ちょっと無理や。まぁ、そういう事やから…」
なんで…なんで…後藤の上につんくさんにまで見捨てられたら、ワタシ……もう…
22 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:50 ID:WWnIzY62
―――――――――「圭…ちょっと…圭ちゃん…」
母の声が、ゆっくりとフェード・インしてくる。保田は、その声に導かれるように、ゆっくりと目をあけた。
頬の辺りに感じる湿り気は、枕元を濡らした涙のせいだ。
「圭、どうしたのよ?」
不安げな母の表情。反射的に目をやった目覚し時計の針は、昼12時前を指していた。
「夜中に出て行ったと思ったら、朝早く戻ってきて、戻って来たなって思ったら、今度は泣きながら
寝てるし…」
「ゴメン…ちょっと、ヤな夢見ちゃって」
「何かあったの?」
「……ううん……別に」
「アンタ、もう19なんだから、別に何をしたってお母さん止めないけど、あんまり変な行動しないでち
ょうだいよ」
「…うん…」
「今日はラジオの収録でしょ?早く起きて支度しなさい。ご飯できてるから。早く降りてくんのよ」
部屋を出て行く母の後姿を見ながら、保田は頭を2度3度横に振った。
「ホント、ヤな夢…」
涙が乾いて、パサパサになった顔を両手で多い、保田は大きな溜息をついた。
23 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:50 ID:WWnIzY62
市井が抜けた「プッチモニダイバー」の録音は、全く楽しくなくなってしまった。以前は、3人の爆
笑トークが止まらず、25分の番組で1時間近くテープを回していたなんて事もあったが、市井がい
なくなった今では、保田も後藤も、お仕事モードのトークで淡々と番組をこなすのみ。
「市井ちゃん、今ごろなにしてるのかな…」
録音終了後のスタジオ。ヘッドホンを外した後藤が、いつにない神妙な面持ちで呟いた。
「…8時か。夕ごはん食べ終わって、テレビでも見てるんじゃないか?」
保田は、精一杯冗談めかして言った。市井が仕事場にこなくなって以来、すっかり元気のない後藤
が心配でしょうがない保田は、せめて自分が明るく振舞う事で、後藤が元気づけばといつも考えて
いた。しかし、そんな保田の思いは届かず、後藤はため息ばかりの日々だった。
「…圭ちゃんは、急にヤメたりしないよね…」
「ごっちん…」
普段は絶対にこんなトーンで話さない後藤の心中を思うと、保田はたまらない気持ちになった。
「これで圭ちゃんがヤメちゃったりしたら、ワタシ、もう立ち直れないかもね」
「…バカ。ワタシは急にヤメちゃったりしないって」
「圭ちゃん…」 !
「もしも、辞めちゃう時が来たら…その時は…」
後藤は乞うような瞳で保田の事を見ている。
「その時はぁ、まずごっちんに話すから。ごっちんを泣かすような事したら、紗耶香に怒られちゃう
よ」
「圭ちゃん…」
泣きそうになっている後藤から、保田は思わず視線を外してしまった。
≪ごっちんゴメン…ワタシ…うそつきになっちゃうかも知れないよ…≫
24 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:50 ID:WWnIzY62
ラジオ録音終了後に予定されていた雑誌取材がキャンセルとなった保田は、久しぶりに早い時間
に家に戻れる事になった。普通ならば、どこかに寄って帰ろうか、友達呼び出して遊びに行こうか、
なんて考えるところだが、今日の保田は、どうしようもなく一人になりたい気分だった。自宅近くで移
動車を降り、とぼとぼと一人家路を歩く。少しうつむき加減で歩く保田の脳裏には、さっきの後藤の
泣きそうな表情と声が蘇っては消えていく。そして、止まらないため息。やがて、見慣れた我が家の
灯りが近づいてきた。
「ただいま…」
「あら、早いじゃないの」
声を聞いて、キッチンから出てきた母が目を丸くする。
「うん、ちょっとね…」
「ごはんは?」
「うーん…今いらないかな…なんかちょっと疲れてて」
「朝まで出歩いたりするからよ。少し横になりなさい」
「うん」
母の言葉に送られ、部屋に戻り、ベッドに横になった保田だったが、とうてい寝つく事などできそう
になかった。目の前に迫った決断の時、なのに今後のビジョンの整理が全くつかない状態。モヤモ
ヤばかりが募って、保田の心は張り裂けそうだった。のた打ち回るように、せわしなく何度も寝返りを
うつ保田。
「…どうすりゃいいんだよぅ…」
保田がそう呟いた時、静かだった部屋に携帯の着信音が鳴り響いた。
25 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:51 ID:WWnIzY62
「もしもし…」
「あ、圭坊?中澤ですけど」
「あ、裕ちゃん…」
「今、いい?」
「あ…うん。どうしたの?」
「あの…メールなんやけど」
「メール?」
「メールな、ほら、今練習してるってゆうてたやんか」
「あぁ…」
「それで、今、圭坊のトコに送ってみたの。ちゃんと届いてるかなぁって思って…」
「ちょっと待って」
保田は、机の上にあるパソコンの電源を入れた。
「…っていうかさ、裕ちゃん」
「何よ?」
「メール届いた?って電話してくんのもヘンじゃない?」
「まぁ、そう言われたら…」
保田は苦笑しながら、メールソフトを開く。
「…………あ、来てるよ裕ちゃん」
「ホンマに?」
「…えー、なになに?…保田の『や』の字は野菜炒めの『や』…って何よ、コレぇ!」
「思いつきよ、思いつき」
「ワケわかんないんですけど…」
「ハハハ…まぁ、ちゃんと届いてるんならオッケーです。ゴメンね、協力してもらって」
「頼むよー、リーダー」
「んじゃ、また明日」
「あ…」
「うん?どうしたん?」
「……ううん、なんでもない。おやすみなさい」
「そっか。んじゃね」
また静かになってしまった部屋の中。保田は、猛烈な孤独感に襲われるのだった。
26 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:51 ID:WWnIzY62
保田に会ってからの俺は、何も手につかない状態で、皆勤賞だったバイトも休んでしまうほどだ
った。ベッドの上にうずくまって、ひざを抱えて、俺はただ空虚な時間を過ごしていた。そして、保田
の事をずっと考えていた。一度は薄れかけた保田への想い……おそらく、手を伸ばせば、再びそ
の想いをかなえられる。そして、それを望んでいる自分がいる。しかし、保田の夢を実現するために
は、俺の所になんか戻ってきてはいけない、保田は俺なんかにはずっと手の届かない存在でいな
くちゃいけない…保田の夢をかなえてやりたい…俺は髪を掻き毟り、ベッドの上をのた打ち回った。
脳裏に浮かぶのは保田のいろんな表情。体育祭の時、俺を呼びに来てくれた保田。みんなで行っ
たカラオケで、難しいバラードを歌いこなしていたカッコイイ保田。俺の知ってた保田の表情に、テ
レビで派手な衣装を身にまとって歌い踊る保田。街の本屋の店先で、にこやかに雑誌の表紙を飾
っているモーニング娘。の保田が重なって行く。俺が望んでいる保田はどっちの保田なんだ、、、
「…保田…」
悶々とした気持ちのまま、また夜が明けた。曇天がずっとたちこめたような気持ちを晴らすために、
俺はまだ薄暗い町へ、早めの朝食をとりにでかけた。駅へつながる商店街、その駅の一番近い所
にあるファーストフードで朝食をとるのが日課になっている。いつものように店に入ろうとした時、
「…おはよう。」
振り返ると保田がいた。
27 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:52 ID:WWnIzY62
「なんでいるんだ、、、」
「ごめん、私、伝えたいことがあって、、、私、、引退することにした。」
「…」
「この前会って、大事な物って何だろうって考えたの、歌手になることは私の夢で、モーニング娘。と
して活動してきていろんなことを経験して、本当に楽しかった。でも、本当に夢が実現しそうになると、
いろんなものを捨てなきゃいけなくって…」
保田は思いの丈を吐き出すように、一気に捲し立てる。
「歌手になるためにあなたと別れて、今度はメンバーと別れなくちゃいけない、、私にとって大事な
ことってこんなことだったのかなって…」
「…」
「もう、モーニング娘。として楽しすぎるほどの時間を過ごしたから、、わたし、もうこれ以上、、、」
「バカヤロウ!」
俺は、自分でもビックリするくらいの声で保田を怒鳴りつけていた。無我夢中だった。
「お前、そんなんであきらめるような中途半端な夢のために俺と別れたのか?」
「…」
「お前の夢ってその程度の物だったのかよ」
自分でも何を言ってるのか分からなかった。ただ、無我夢中で保田を叱っている。本当は保田が戻
って来て嬉しくて仕方が無いはずなのに、、、。
ふと気付くと、早朝の町ににつかわぬ怒鳴り声にビックリしたのか、通行人達がこちらを注目してい
る。端から見れば他愛の無い揉め事に映っているのかもしれない。しかし、相手は今をときめくモー
ニング娘。だ。
「、、、とにかく、こっちに来い」
俺は保田を連れて近くの公園まで急ぎ足で歩いた。
28 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:52 ID:WWnIzY62
「で、どういうことなんだよ?」
「…」
相変わらず怒ったままの自分が不思議だった。保田が戻ってきて嬉しいはず、しかし、それ以上に
夢をあきらめようとしている保田の不甲斐なさへの怒りが込み上げている。
「いいか、どんなことだって、犠牲が無くて成り立つ物なんて世の中に無い。学校をやめてまで、そ
して俺と別れてまで歌手になりたかったんだろ、夢が叶うまで連絡さえ取り合わないって決めたじゃ
ないか、あの日以来、お前がいなくて寂しかった。でも、お前の歌手になるっていう夢のために我
慢してきた。お前の夢は俺の夢でもあるんだ。」
そう言い切って、俺は自分の言葉によって、初めて自分の気持ちが分かった。俺は保田の夢を自
分の夢と同化してきた、保田への怒りは自分自身への怒りでもあった。
29 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:53 ID:WWnIzY62
しばらく、長い沈黙のあと保田はぽつり、ぽつりと今にも消え入りそうな声で話し始めた。
「このまえ、相談に乗ってもらえてすごい嬉しかった、久しぶりに会って、つきあっていたころのよう
な気持ちがして、、、」
「俺も、そう思っていたよ、ずっとこのまま昔のように付き合いたいと思った。でも、夢が実現しそうな
お前を見て、絶対にそれはやってはいけないって、、、お前はもう、モーニング娘。で俺だけの圭じ
ゃない。ファンがもっとビッグになる保田を待っているはずだから、、、、」
気がついたら、俺はただ泣いていた。最初に別れを決意したあの日のように、気がついたら泣いて
いた。そして、お互いずっとずっと抱きしめていた。しかし、あの時と違うのは、ビッグになればなる
ほど戻ってこれないという事実をお互いに知ってしまったこと。あの時の別れは再会を誓った別れ
だったけど、今日の別れは本当に、本当に最後の別れを意味するってお互いに分かっていた。
「歌手になることは私の夢だったわ、でも、でも・・・もう一つ、私には夢があったの」
最後のキスを交わした後の圭の瞳には涙がにじんでいた・・・
「さよなら、私のもう一つの夢・・・」
そう言い残して去っていった、圭・・・オレだけのモーニング娘。
30 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/01(月) 11:53 ID:WWnIzY62
===============終了=================
31 :
名無しさん : 2001/01/01(月) 11:56 ID:fH3ps1Bo
まさに伝説…、そして出発点…。
32 :
名無しさんの声 : 2001/01/04(木) 00:24 ID:TRv0mRJs
名(迷?)職人あげ
33 :
名無し娘。 : 2001/01/04(木) 00:36 ID:OfJ00o06
全快を祈りつつ、あげ
34 :
名無し娘。 : 2001/01/04(木) 00:39 ID:xEjapHBo
あ〜、、懐かしい
35 :
回復祈願 : 2001/01/04(木) 00:46 ID:6E6BfVf.
麻呂も。
36 :
名無し娘。 : 2001/01/04(木) 01:26 ID:owyVAMPo
おべどこ 保田版
37 :
うんこ : 2001/01/04(木) 01:53 ID:z6tJArHM
「モーニング娘。」保田圭が緊急入院
モーニング娘。の保田圭(20)が急性咽頭(いんとう)炎でダウンし、2日に東京・中野サンプラザで行われた「ハロープロジェクト2001 すごいぞ!21世紀」を欠席した。同イベントはモー娘、ココナッツ娘。らつんく(32)ファミリーが総出演するジョイントコンサートツアーの初日で、保田抜きで公演が行われた。
関係者によると、保田は1日に発熱を訴えた。2日午前、都内の病院で診察を受け、大事を取ってそのまま入院した。ツアーは6日まで計10公演が行われる予定。症状は重くなく、早ければ5日の公演から復帰する予定。公演ではモー娘の飯田圭織(19)が「圭ちゃん(保田)の分まで頑張ります」と満員の2000人のファンに訴えていた。
38 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 12:50 ID:zMx.lD4I
ageageageageage
39 :
名無し募集中。。。 : 2001/01/08(月) 13:08 ID:PTeMIMck
週刊女性のケイちゃん、美人です。必見
40 :
名無し娘。 : 2001/01/08(月) 19:32 ID:LMybV7sQ
ストーリーの再開求ム!
これ単行本化しろ!
買ってやる!
41 :
名無し娘。 : 2001/01/08(月) 19:35 ID:8Oi4uGJ2
懐かしい!
>>39 さすがに立ち読みできん、upきぼう
42 :
名無し娘。 : 2001/01/08(月) 20:05 ID:NgsVFjOI
43 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 23:26 ID:ISUD230A
あの日以来、僕は何も出来ずにいた。かつての恋人、保田は押しも押されぬトップスターとして、連日ブラウン管で見かけない日はないほどだ。あの日以来、テレビで見かける保田の表情はとても活き活きとしている。今まで引っ込みがちだった、歌番組やバラエティーのトークでも、前面に出てきて仕切ることさえ多くなった。新ユニットの黄色5では安倍と供にメインをはるまでになっている。まるで、何かに吹っ切れたかのように唄に、ダンスに、トークに充実した活動を見せる保田。
俺は、自分の言葉が保田の後押しになっていると実感していた。しかし、あの日、保田に向かって偉そうに説教を垂れていた俺は、なんとなく進学した大学で、なんとなく授業に出たりサボったり。かといって、バイトに精を出すわけでもなく、まさにだらだらと日々の生活を過ごしていた。
夢に向かって一生懸命になっている保田、その一方で「夢」なんて見つけるわけも無く、ただ無為に時間を過ごしているだけの自分。保田は、俺なんか比較にならないくらい自分を持っていて、そしてそれを実現するために努力をしている。それに比べて俺は、、、、。
44 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 23:27 ID:ISUD230A
俺は、自分を恥じていた。なにか「夢」を見つけたい。そんな、俺の目の前に飛び込んできたのは、大学に入った頃もらったサークル勧誘のビラだった。バンドやテニス、旅行、スキー、数あるサークル、しかし、どれも今の俺には大差無く見えた。自分を変えて見たい。自分も保田のように大きくなりたい。保田のようにファンに夢を与えられるようになりたい。そんな要求に応えられそうなものを見つけるなんて、モラトリアムを謳歌するだけの今の日本の大学では無理なのかもしれない、そんな風にさえ思っていた。
そこで、ふと目に止まったのが、学園祭の実行委員の募集チラシだった。ファンに夢を与えつづける保田への憧れを振り切れないでいる俺は、ここなら、保田のように多くの人に夢を与えることに熱中できるかもしれない。そう思い、翌日、部室のドアを叩いた。
45 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 23:27 ID:ISUD230A
「あの〜すいません。」
「あ、こんにちは〜、どのような御用件ですか?」
部室の奥から、女の子が一人出てきた。どこかで見覚えのある顔だ、そう、それは入試、そして、入学式の時だった。
46 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 23:27 ID:ISUD230A
雪の降る入試の日、入試会場に着くまでの電車が大幅に乱れ、試験開始に間に合うかどうかの瀬戸際だった。学校の最寄り駅に着いて、横断歩道に引っかかる。横断歩道を渡り銀杏並木を抜ければ試験会場だ。気は焦る、雪の路面、そして他の多くのイライラした受験生達。横断歩道が青になった瞬間、僕は雑踏の中転倒した。よろよろとやっとのことで立ち上がると、横断歩道は既に赤に変わろうとしており、あわてて渡りきった。
すると、学校の腕章をつけた女性が駆け寄ってきた。おとなしめのスーツを着ているが、顔からすると、どうもこの大学の学生のようだ。
47 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 23:28 ID:ISUD230A
「大丈夫ですか?試験時間は雪のため1時間遅れているので、焦らなくていいので、滑りやすいですし気をつけて下さいね。」
と声をかけてきた。
「あ、ありがとう」
「怪我はないですか?医務室まで付き添いましょうか?」
「いや、いいですよ、たいした怪我じゃないし。」
気の焦りと恥ずかしさのあまり、彼女の行為を無にするように振りほどくと会場まで足早にかけていった。時間にすれば1分もないだろう。しかし、僕は彼女の顔をはっきり覚えている。それは、かつての恋人、保田圭に瓜二つだったからだ。
48 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 23:28 ID:ISUD230A
そして、合格後、入学式が終わってから、学生証の発行や、強化のガイダンスと言った行事を淡々とこなして行く一方で、彼女の姿をなんとなく探していた。道を三歩歩けば何かのサークルに勧誘される。10分も歩けば、両手はサークルのビラでいっぱいになる。入学式が終わって3日目、まだまだ新年度の活気が学校中にあふれていた。
そんなキャンパスの中通りがかった教室。古びたかび臭い校舎の中、まだ改装した手の真新しい教室が、まるで僕らと同じ新入生のように浮いている。その教室から見覚えのある顔が出てくる。そう、忘れもしない入試の時のあの人だ。
「あ、あの、すいませんお名前は?」
「政治学科2年の保田といいます。サークルの勧誘?ごめんね、私2年生なの。」
屈託の無い笑顔、まさに保田が目の前にいた。
「いえ、僕も1年生ですから?」
「あれ?1年生が何の用なの?」
すると、彼女の携帯がけたたましくなった。着信音はサマーナイトタウン。
「あっ、友達が呼んでる、ごめんね、私行かなくちゃ、1年生だよね?よかったら今度、説明会やるから来てみてくれる?」
そういわれてビラを手渡された。ビラには「学園祭実行委員会」と書いてある。
僕は、そのビラを手に、気恥ずかしさのあまりダッシュした。気がつくと目の前には大隈重信の銅像。心なしか、いつもより輝いて見えた。新生活への期待があふれる、そんな春の日だった。
49 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 23:29 ID:ISUD230A
今目の前にいるのは、その彼女だ。僕が部室を訪ねる切っ掛けになったあのビラも、彼女からあの時渡されたものだ。
「それで、御用件は?」
「あ、あの、、実行委員会に入りたいんですけど」
「あら、そうなの?ちょっと待ってね。」
そう言うと彼女は、どこかに電話を掛けてだした。
「あ、もしもし、委員長ですか?あ、保田ですけど、委員になりたいって子が来ていて、、、はい、分かりました。」、、、ガチャ
そういうと、再び僕の方に向かい
「ごめんね、お待たせ、じゃ、ここすわって、簡単に委員の説明するね。」
そういうと、
「委員っていっても80人くらいいて、いろんな仕事があってね、私は、コンサートとか担当してるんだけど、、、」
そうやって説明する彼女の顔を見れば見るほど、保田のことを思い出す。
「先輩、保田圭に似てるって言われません?」
思わず口を衝いて出てしまった。
「え〜、似てないよ〜〜〜、名前まで似てるのに困っちゃう。」
そうやって、ちょっと意地悪な顔をした。あの頃の保田にそっくりだ。
50 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 23:29 ID:ISUD230A
委員になって数ヶ月、準備も佳境に差し掛かり、今までに無かった充実した活動に熱中していた。
トンカントンカン、、、金槌の音が鳴り響く。毎日夜遅くまで、飾り付けのためのベニヤを切っている。作業に集中している時、代え難い充実感を感じている。今日は大量の荷物の運搬だ。委員総出でトラックから荷を下ろす。女子は荷台に上り、男子が部室まで運ぶと言う段取り。
「はい、おつかれ〜〜、あとちょっとだね、もてる?」
そうやって、荷台から僕に荷物を渡す先輩。下から見上げると、額に爽やかな汗をかく素の顔は、まるでステージ後の圭のようだ。
荷物の搬入も終わり、椅子に腰掛けて休んでると、不意にほっぺたに冷たいものが当たる、
「はいっ、おつかれ〜〜〜」
顔を上げると、先輩がいた。
「これ、飲んでね、今日は仕事終わったら1年生はみんな飲みに行くの?」
「ええ、今日は行く予定です。」
「そっか、わたしもいっちゃおうかな〜〜」
そうやって、屈託の無い笑顔を見せる保田先輩の顔。
51 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 23:29 ID:ISUD230A
飲み会はいつものように荒れていた。このサークルはとにかく飲む。今日も2,3人が潰れていた。着いてきた保田先輩も、だいぶ強かに酔っているようだ。保田先輩は今日は最初から僕のとなり、そう言えば、店に入る前から僕の前後にいつもいたような気がする。
「ごめん、眠くなってきちゃった、、、」
そういって、保田先輩は僕の膝に顔を乗せてきた。
「ねえねえ、いつも一生懸命仕事してるよね。木を切ってるとことかさ、本当の大工さんみたいでカッコイイよ。これからも頑張って学園祭成功させようね。」
そうやって僕を見つめる保田先輩の顔に、あの頃の保田の顔が重なる。
52 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 23:30 ID:ISUD230A
今日は、僕が一人だけ遅くまで作業をしていた。普通の学生は既に帰っており、暗くなったキャンパスで一人だけで黙々と作業をこなしていると、少し寂しさも込み上げてくる。
「あれ、まだ作業してたの、お疲れ。」
その声の主は保田先輩だった。
「どうしたんですか?こんな時間まで」
「ちょっとね、忘れ物しちゃってさ、そうだ、コーヒー要らない?買ってくるね」
「あ、ありがとうございます」
そういって財布を出そうとすると、保田先輩がそれを制す
「いいよいいよ、私が出すから、いつも頑張ってるんだもん、ね。」
保田先輩と、ベンチに座りコーヒーをすする。考えてみればもう秋風が身に染みる季節だ。ほっとコーヒーの温かさが、まるで保田先輩素の物に思えてきた。
「ねえねえ、彼女いるの?」
先輩が唐突に尋ねた。
「いえ、いませんけど。」
「そーなんだー、絶対いると思ってた。」
先輩はそういうと、どこか嬉しそうに空を見上げた。
「ところでさ、聞いた?今年コンサート中止なんだって、、」
「やっぱり、そうだったんですね」
「残念だなぁ、みんな楽しみにしてたのに、、、、悔しいなあ、、」
先輩はそういうと黙りこくってしまった。心なしか目に涙を浮かべているようだ。保田先輩も、保田圭と同じ様に、みんなを楽しませたい、そう思っている。なのにそれが出来ない悔しさ、先輩のことを思うといてもたっても要られなかった。
「先輩、来年は絶対大物呼びましょうね、モーニング娘とか。」
僕はそういうと、思わず保田先輩の肩に手を掛けた。
「うん、絶対にね。」
保田先輩の顔が、いつもの笑顔に戻った。
53 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/08(月) 23:31 ID:ISUD230A
それから1年、僕の横にはいつも保田先輩がいた。今では委員全員が認める公認の仲だ。4年生の保田先輩はコンサートの責任者として、様々なアーティストと交渉を行なっている。しかし、今時学園祭なんてはやらず、交渉は難航している。
今日も部室で仕事をしていると、電話のベルがなった。
「あ、あの〜、私、アップフロントエージェンシーというプロダクションをやっております、寺田というものなんですけど、コンサートを担当されている方はいらっしゃいませんか?」
保田先輩が電話に出る。電話を聞く保田先輩の顔色が、みるみる緊張感あふれるものになっていく。電話が終わると開口一番
「ねえねえ、モーニング娘。が、うちの大学でコンサートやりたいんだって、なんか特にうちの大学でやりたいって言う希望があるメンバーがいるんだって。」
「まじっすか?」
僕は驚きのあまり、それっきり言葉が出なかった。そして直感した。そのメンバーとはかつての恋人、保田圭であることを。
「つんくさん、わたし学園祭ってやってみたいんです。」
「どうした?保田、唐突に。」
「だって、最初からいた中澤さんとかは営業で回ってますけど、私たちは行ったこと無いんですもん、いつもちゃんとした会場ばっかりで。」
「せやけど、今時、学園祭なんかビジネスとして成り立たへんで、お前も芸歴が着いてきたんやから、そのくらい分かるやろ」
「でも〜、だって、私たちのコンサートは私たちのファンしかこないじゃないですか、でも、学園祭なら、私たちのファンじゃなくても、その大学に通っている人ならきちゃうんだから、そういう人も感動させてこそ、モーニング娘。だと思うんですよ。」
「まあ、確かになあ、特に加護達なんか、売れているモーニング娘。しか知らへんからなあ、考え様によっちゃあ新メンバーにはええかもな。よし、考えておくわ、でもさすがに学園祭でツアーはあかんで、1校だけやな。」
「え〜っ1校だけですか?じゃあ、行きたい所があるんですけど、、、、」
(、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、待っててね、もうすぐ、夢が実現してる私を、あなたの目の前で見せるから)
54 :
名無しさん : 2001/01/08(月) 23:55 ID:bhSuBHW2
あかん、もう泣きそうや・・・
55 :
名無し。 : 2001/01/09(火) 05:40 ID:eFd7rXUQ
待ってました!ついに来たか〜
次の展開に期待
56 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/09(火) 21:51 ID:PdSjMaM.
age
57 :
名無し娘。 : 2001/01/10(水) 01:57 ID:bV2I5m0A
___ :; ∵
/ _/_ | | \ / \((从⌒从*)) /
|/ / ――― / * #(( :: ) ( ⌒ ζ * / ・
/ / / | / \曝ク ∵ ━(( : ∂ )) /
( )) \ (( § ) ⌒; lll ;从 *(・)/
(( ⌒ ))__∧_∧___// * 煤@; ) (( ‡ * ζ ∵―
(( (≡三(_( ´∀`)__( 三三三三三三三三(( 从 ( ・∀・; : ) ¢) )―
(( ⌒ )) ( ニつノ \` : *煤i( 从 (( )) *ヽ\ ヽ・
(( ) @`‐(_  ̄l : / / ・(( ; : )) ( ζ\*
し―(__) / (__)W(__)_)W\ ・
/|
 ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
成人おめでとうクラッカー!!!!!
_____________
58 :
57 : 2001/01/10(水) 01:59 ID:bV2I5m0A
すんません、スレ間違えました。
雰囲気壊してごめん。
59 :
ナカザー : 2001/01/10(水) 04:35 ID:vcwePIEc
60 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/10(水) 11:09 ID:hoX7I7aw
age
61 :
名無し娘。 : 2001/01/11(木) 01:23 ID:fxvZoV1.
62 :
名無し娘。 : 2001/01/11(木) 23:29 ID:NKPt7o32
続きはーーー!
63 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/12(金) 22:47 ID:7SOhKdEY
a
64 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/13(土) 21:30 ID:Xoei9gHc
あげ
65 :
名無し娘。 : 2001/01/13(土) 21:53 ID:wrdP8kA2
成人式にクラッカーを持ち込む
あいつらはカワイイ!
66 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/13(土) 22:54 ID:VIbkzB.M
age
67 :
名無し娘。 : 2001/01/14(日) 00:39 ID:B6BuEUKA
>54
すみません、涙で画面がよく見えないですケド。
68 :
名無し娘。 : 2001/01/15(月) 17:35 ID:Jbx92fXo
age
69 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/15(月) 20:19 ID:hIspi62Y
ageage
70 :
>作者様 : 2001/01/16(火) 20:12 ID:LE7FjOOE
できたら“保田”じゃなくて、“圭”って
名前で書いて欲しいな・・・。
すみません、感動してる一人なのに。
今後の展開、期待しております。
71 :
名無し娘。 : 2001/01/17(水) 15:51 ID:zvDzhsWk
age
72 :
名無し娘。 : 2001/01/17(水) 15:56 ID:jpR6GOkQ
昔のみたいんだけど
73 :
名無し娘。 : 2001/01/18(木) 14:09 ID:IByYY5DM
74 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/20(土) 01:12 ID:8sfU.Reg
age
75 :
名無し娘。 : 2001/01/20(土) 02:40 ID:GWdgUujg
マジで感動したよ
76 :
名無し娘。 : 2001/01/23(火) 15:04 ID:/TBdFUBs
ぐるぐる回るな
77 :
名無し娘。 : 2001/01/25(木) 16:39 ID:bbXaX89A
あげ
78 :
名無し娘。 : 2001/01/28(日) 21:24 ID:WCdzsZqw
ほぜむ・・・
79 :
名無し娘。 : 2001/01/30(火) 02:23 ID:J1f4Gznc
良いです ほんとに
80 :
名無し娘。 : 2001/01/30(火) 14:47 ID:tV95Ceko
age
81 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/31(水) 19:12 ID:hRfwcM8o
作者です。このあとの展開悩み中。
>>73 ぺったんこさんが作った奴をベースに
自分が書きやすい方向に途中から話を変えてます。
ぺったんこさんに敬意を表して、あちらが本編、こちらが外伝と言うことで。
82 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 00:35 ID:wHrTHC1k
>作者
なにげに、ぺったんこ級の面白さがあるな。
期待してます。
83 :
名無し娘。 : 2001/02/03(土) 23:45 ID:72K.1y6U
まだかなまだかな。
84 :
名無し娘。 : 2001/02/06(火) 06:39 ID:i2uei6Pg
続き読みてー
85 :
名無し娘。 : 2001/02/06(火) 14:41 ID:BbUezSO.
逝ってよし!
86 :
名無し娘。 : 2001/02/06(火) 14:45 ID:GHl72Pow
逝かなくてよし!
87 :
名無し娘。 : 2001/02/08(木) 01:01 ID:x.ydAREE
まだー?
88 :
作者 : 2001/02/08(木) 01:59 ID:IKoh4iF6
大学のテスト週間でした。
今度の土日で仕上げます。お楽しみに
89 :
名無し娘。 : 2001/02/11(日) 00:02 ID:e7oOpd7o
期待sage
90 :
作者 : 2001/02/11(日) 00:12 ID:7YyCbHGc
現在執筆中、筆が思うように進まない。
製作期間にブランクあるとしんどいなあ、
まあ、何とか書き上げますので、もうチョイお待ちを
91 :
名無し娘。 : 2001/02/12(月) 10:24 ID:YyIhRSZk
気ながに頑張ってください。
うちらも、マタ―リ待ってますんで。
92 :
名無し娘。 : 2001/02/12(月) 11:36 ID:s665bvko
やったー!待ってるよー!!
93 :
タイガー好き : 2001/02/12(月) 13:52 ID:J9jCwPeA
僕も書いていい???
ほのぼの小説になるけど、いいかな??
94 :
名無し娘。 : 2001/02/13(火) 00:38 ID:mfuNXLcE
>93
では別にスレッド立てて下され
95 :
ゴビンダ28号 : 2001/02/13(火) 01:34 ID:ipkIO5cg
期待しておりますです。
96 :
名無し娘。 : 2001/02/13(火) 02:54 ID:jYXSIc8w
超期待。
>>57-58 笑いすぎて腹痛くなった。
97 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 01:41 ID:9au35982
またーりまたーり
98 :
名無し娘。 : 2001/02/16(金) 04:21 ID:o5rUPnRs
またーりまたーり
99 :
名無し娘。 : 2001/02/18(日) 20:18 ID:cypXw5YE
辻ヲタ kAHWz3Y.
k
100 :
名無し娘。 : 2001/02/19(月) 06:44 ID:O2nkzTwo
↑おーい、加護ヲター
なんで俺が昔立てた超絶不人気スレには書いてくれてないんだ?(w
101 :
名無し娘。 : 2001/02/21(水) 23:11 ID:d4tOHtXs
またーりまたーり
102 :
名無し娘。 : 2001/02/26(月) 00:56 ID:ow2jE4vs
続きはいつ頃になるんだろう?
103 :
ぺったんこ : 2001/02/26(月) 16:24 ID:7mycUYzE
自分の書いたものを下敷きに別の作品が出来上がっていくっていうのは、
とっても不思議な感覚。それと同時に、よくもまぁこんな妄想ができてた
もんだと自分に感心(苦笑)
作者さん、大変だろうけれど頑張ってください。
104 :
名無し娘。 : 2001/02/27(火) 07:26 ID:CTxhS.6Y
>>103 本家読んでました。この場を借りてお礼申し上げまする。
105 :
名無し娘。 : 2001/03/06(火) 01:46 ID:6SF.AHhk
またーり待ちます。
106 :
名無し娘。 : 2001/03/10(土) 19:19 ID:o03fC6Gw
かなり下がってきちゃったんで、再開の期待を込めてageさせてもらいます。
107 :
名無し娘。 : 2001/03/10(土) 21:48 ID:OXUMGUEo
今までの読みました。熱い液体が、頬をぬらします。次回作が早く読みたいです。
108 :
名無し娘。 : 2001/03/10(土) 22:03 ID:n.ZuvM0E
顔シャ?
109 :
名無し娘。 : 2001/03/13(火) 01:40 ID:7PczLkwg
またーり保全。
110 :
名無し娘。 : 2001/03/18(日) 00:37 ID:RZGHvpC.
保全sage
111 :
名無し娘。 : 2001/03/23(金) 02:02 ID:WpTJWnbE
つづききぼんぬ。
112 :
名無し娘。x : 2001/03/23(金) 02:51 ID:ROLWFONw
「こういうのはね、通り道に仕掛けるのが鉄則なのよ。」
そう云って保田さんは、ネズミホイホイを屋根裏の梁の隅に置いた。
「一匹でも多く捕まえないとね。」
保田さんはボクの方をみて弾けんばかりの笑顔で云った。
その瞬間、背筋に悪寒が走り、腋から気持ちの悪い汗が流れるのに気づいた。
113 :
名無し娘。 : 2001/03/23(金) 09:20 ID:EuLduPE6
ちゃんとした続ききぼんぬ。
114 :
名無し娘。x : 2001/03/24(土) 03:20 ID:2EbNPnLg
「ご一緒にシェイクは如何ですか?」
”やすだ”と書かれた名札を付けている店員さんはニコニコしながら云った。
「結構です!」
と、ボクが云うと
「・・・そうですか・・・」
と、何故か寂しそうに呟いた。
115 :
名無し娘。x :
自動販売機の前でなにやら考え事をしている同じクラスの保田さん。
暫く機械の下の方を気にしていた様であるが、諦めてしまったのか
その場を立ち去ってしまった。
数分後、ほうきを手にした保田さんが再び自販機の前に立ちはだかった。
キョロキョロと数回周りを見回した後、意を決したかの様な表情で機械の下を
持ってきたほうきでゴソゴソとなにやら探し始めた。
直ぐに保田さんの手が止まり、情けない表情を浮かべる。どうやら目的のものが
引っかからない様だ。今度は自販機を強引に移動させようとする。
しかし女性一人の力ではどうしようもなく、何度か押してはみるものの
びくともしない。無駄に汗をかいてしまったらしく、本当に疲弊した表情を
浮かべた彼女は力無くほうきを手にし、トボトボと去っていこうとした。
その時突然パッと彼女は明るい表情を浮かべ、小走りに元の場所に戻っていった。
なんと彼女はほうきをテコとして、自販機を動かし始めた。
先程まで一ミリたりとも動かなかった機械がイヤな音を立てながら移動を始める。
保田さんは更に力を込めて動かす、ボクは何度もガンバレ、ガンバレと
心の中で応援した。数分にも及ぶ格闘の後、なんとか手が入る隙間が出来た。
保田さんは早速その隙間に手を突っ込み何度か探りを入れた後、
とても満足そうな表情を浮かべた。
その瞬間ボクが目にしたものは、保田さんの手の中で眩いばかりに光り輝く10円玉だった。