1 :
名無し娘。 :
小説のようなものです。
2 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 19:36 ID:UccnZHl2
とあるテレビの収録。
「裕ちゃんは私にだけキスしてくれないんですよ」
「いやー・・・大人の顔だから」
大人の顔?
嘘なのは分かってるんだけど。
理由は別なんでしょ?
今日もストレスがつのる。
3 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 19:41 ID:UccnZHl2
収録も終わり、楽屋に入ろうとドアノブに手をかける。
ドアノブをまわそうとすると、楽屋の中の声が微かに聞こえた。
ドアに耳を押し当てて聞いてみる。
楽屋の中では、外からはっきりと会話の内容が分かるくらい、大きな声で話していた。
「裕ちゃん、圭ちゃんとキスしたら?」
「いややー。なっちがしたらエエねん」
「やめてよ!気色悪い」
ドアノブを握った手に力が入る。
4 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 19:46 ID:UccnZHl2
ドアから耳を離す。ドアノブから手を離す。
ゲラゲラという笑い声がドアから離れていても聞こえる。
いつも・・・そう。
今までもこれからもずっと。
私は、この二人にバカにされつづけてきた。
裕ちゃんとなっち。
5 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 19:53 ID:UccnZHl2
追加メンバーだから、虐められてきたと思ってた。
でも、そうじゃ無かった。
私が何をしたというのだろう?
ただ、居るだけで、虐められてきた。
私が暗いから?可愛くないから?
楽屋に入るのが嫌になった。
6 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 20:00 ID:UccnZHl2
「圭ちゃん、どうしたの?」
後ろから突然声がした。振り向くと、そこには矢口が立っていた。
「早く着替えて帰ろうよ」
矢口は何も躊躇せずドアを開けた。
ドアが開いて楽屋の中が見えた。
中にいた二人は、私の姿を見て目をそらし、何もなかったかのように片付けをはじめた。
矢口は楽屋に入っていった。
私には・・・そこには見えない壁があるように思えた。
7 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 20:28 ID:UccnZHl2
私が楽屋の入り口に立っているとぞくぞくとメンバーが私の横を抜けていった。
楽屋の中は一気に賑やかになった。
相変わらず騒がしい。
でも、その方が私には好都合だった。
ゆっくりと楽屋に入っていき、ドアを閉めた。
8 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 20:37 ID:1EPFmfhw
「気色悪いってどういう意味ぃぃ〜?えぇ?なっちぃぃ〜♪」
「いやぁん♪言わせないでよ裕ちゃん、わかってるくせに。」
「やっぱ.キショい?」
「まっあ.ね♪」
怒りよりも激しい孤独が全身を覆っていく。
メンバーになった時から、いやずっと前から自分で分かってる。
他の娘。のメンバーより、学校の周りの女子より、
自分の...と心の中でつぶやいたところで、その次の
言葉が見つからない。甘すぎず、辛すぎず適度な
自虐の言葉。
..........そう自分の容姿が劣っている事を。
だから自分から裏方に徹してきた。他を引き立てることで
せめてメンバーには私の事を認めて欲しかった
それなのに、こんな言葉を聞く事になるなんて。
開けるかどうか一瞬躊躇した手を思い切って放す。
ここで怒りのままに踏み込んでも少なくとも私の微妙な立場が
好転する事は無さそうだ。それならば退くべきだよね
私は大人なんだから。私はいつでも冷静だから
良かった〜誰も見てなかったみたい。
私はあたりを見回してからその場何事も無かった様に立ち去る
私は大人なんだから。
9 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 21:11 ID:reRuVRO6
=====================================
10 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 21:16 ID:reRuVRO6
家に帰り、一人で色々考えた。
ここの所毎日。
なんとかこの状況から脱出したかった。
でもどうしたら?
どうしたら私は変われるんだろう?
いや・・・周りを変えられるんだろう?
11 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 21:22 ID:reRuVRO6
裕ちゃんとなっちに目にモノ見せてやりたい。
私はいつしかそう思うようになった。
いや・・・二人を、追い出したい。
私は、あの二人に勝ちたい。
このままじゃ、いつまでも同じ事。
12 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 22:24 ID:yDstKh6Q
じっとテレビを見つめながら考えた。
裕ちゃんというリーダーを追い出す。
クーデター?
でも、どうやって?
それに、一人じゃ何も出来ない。
誰か、協力者を探さないといけない。
13 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 22:30 ID:yDstKh6Q
テレビを消した。部屋の中には何も音が無くなった。
そのまま床に寝転がって天井を見つめた。
協力者。
しかし、誰が裕ちゃんとなっちを追い出す事に賛同してくれるんだろう?
そんな人いるんだろうか?
メンバー一人一人の顔を思い浮かべた。
14 :
名無し娘。 : 2000/12/18(月) 22:45 ID:yDstKh6Q
私を信じてついて来てくれそうなヤツ。
私は一人の顔を思い浮かべて突然起きあがった。
居た。
後藤。
後藤は・・・裕ちゃんともなっちともあまり仲が良くない。
なっちには嫌味を言われて、よく愚痴をこぼしてたっけ。
裕ちゃんにはキツク叱られた事を怒ってたっけ。
後藤なら付いて来てくれそうだ。
15 :
名無し娘。 : 2000/12/19(火) 19:52 ID:tqUSlmPU
明日、後藤にハナシしてみよう。
そう決めると、何か心が落ち着いてきた。
きっと、協力してくれる。
後藤が協力してくれれば、吉澤も協力してくれるだろう。
きっと大丈夫。
16 :
名無し娘。 : 2000/12/20(水) 03:18 ID:x5mF0qmw
次の日、スタジオに着くとまだ後藤は来てなかった。
多分寝坊だろう。いつものことだ。
部屋ではみんな楽しそうに騒いでいる。
矢口と裕ちゃんはいつものようにいちゃつきあってる。
加護と辻も相変わらず幼稚園児みたい。
他のメンバーも楽しそうだ。
そう、これがいつもの風景。
なんとなく私だけが浮いている感じ。
でも、いつも間にかこの状態に慣れてしまってた。
TVでは仲良しなモーニング娘。だけど
実際は違う。
カメラがなければみんな、私がいることすら気づかない。
いや、気づかないフリをしてるんだ・・・。
17 :
名無し娘。 : 2000/12/20(水) 03:39 ID:x5mF0qmw
一人でMDを聞いていると、やっと後藤が来た。
「ぉはよーざいまーす」
すかさず祐ちゃんが怒鳴る。
「後藤!30分遅刻やんか!遅くなってすみませんの
一言もいえんの?いくら才能があっても
ルックスが良くても時間にルーズな人間は世間では
認められへんで!」
後藤はちょっとムッとした顔になったが「すみませーん」
と謝った。
そしてすぐに吉澤や石川のところへ行き、おしゃべりを
始めた。
どうしよう。どうやって後藤を呼び出して話を切り出そうか・・・?
18 :
名無し募集中。。。 : 2000/12/20(水) 22:17 ID:TZdo7cDw
ふーむ・・・はてさて、後藤は味方になってくれるのだろうか?
19 :
名無し娘。 : 2000/12/20(水) 23:17 ID:Y5/4.ZCA
冷静になって賑やかかスタジオ内を眺めてみる。
いつもいつも同じメンバーで固まっている事に気づく。
裕ちゃんを中心とする、なっちと矢口グループ。
後藤を中心とする、吉澤、石川グループ。
加護と辻、二人を面倒見るカオリ。
いつも同じ。
20 :
名無し娘。 : 2000/12/20(水) 23:24 ID:Y5/4.ZCA
後藤はメインなんだし、味方に付ければ頼りになるだろう。
でも、この力関係を見ていると、やはりそれだけでは物足りなそうだ。
吉澤は後藤ほど影響力がない。
石川は八方美人な所があるからイマイチ信用がおけない。
そんな事を考えているうちに時間が来てしまった。
21 :
名無し娘。 : 2000/12/20(水) 23:32 ID:Y5/4.ZCA
ワイワイガヤガヤと賑やかなまま、メンバーは移動を始める。
そっと後藤にハナシをして見ようかと思った。
それとなく後藤に近づく。
が、しかし、吉澤と石川が離れない。
今の段階で怪しまれるのはマズいか。
そう思ってそのまま何も無かったかのように移動した。
22 :
名無し娘。 : 2000/12/22(金) 15:58 ID:zGdUGIEw
tsuji
24 :
すぎお : 2000/12/22(金) 18:02 ID:fglBPVzk
番組終了。
後藤に近ずき話しかける。
「後藤、ちょっといい??」
そういって後藤を呼び出した。
しかし吉澤が「何の話ししてるんですか?」と言ってこっちにきた。
どうしよう。
25 :
名無し娘。 : 2000/12/23(土) 03:20 ID:P9fbAjRo
いいや。
吉澤も後藤とは仲いいし。
二人まとめて味方につけよう。
そう思って「あ、吉澤もきてくれる?話があるから」
と二人を呼び出した。
26 :
みむ : 2000/12/23(土) 23:43 ID:uNQ5GlJ.
それにしても腑に落ちないのは…
私が可愛くないなら、加護だって子供だからいいもの、
あれ大人だったら美人じゃないわ。私が幼くなればどう
なんだろう?
27 :
名無し娘。 : 2000/12/27(水) 15:24 ID:PY3E8jxg
圭ちゃん、吉沢と後藤にどんな話しをしたのさ?
気になるのであげ。
28 :
名無し娘。 : 2000/12/27(水) 19:33 ID:xhOsKJok
「圭ちゃん、移動まで時間がないよ。一体何?」
歩きながら後藤は後ろから話しかけてきた。
その声には苛立ちが感じ取れた。
私は、突然立ち止まり、後ろを振り向いた。
後藤と吉澤は立ち止まった私に驚いた顔をした。
だいぶ楽屋からは離れた。
ここは廊下だが、むしろここで話した方が怪しまれないだろう。
29 :
名無し娘。 : 2000/12/27(水) 19:35 ID:xhOsKJok
色々な人が訝しげな顔をして私達を見て歩き去る。
私は廊下の端に寄った。
後藤と吉澤も同じように端に寄った。
「で、なんなの?」
後藤は話しを急かすように言った。
「あのさ、後藤、裕ちゃんの事どう思う?」
私の質問に後藤は眉をひそめた。
30 :
名無し娘。 : 2000/12/27(水) 19:40 ID:xhOsKJok
「どう思うって?」
後藤は逆に聞き返してきた。
「正直にさ。好き?嫌い?」
後藤は私の質問にさらに表情を厳しくした。
そして、一瞬吉澤の顔を見て、黙った。
「私はね、裕ちゃんムカつくんだけど」
31 :
名無し娘。 : 2000/12/27(水) 19:44 ID:xhOsKJok
私の言葉に驚いた顔をする吉澤。
後藤は表情を変えなかった。
そして、ようやく後藤が答えた。
「…後藤も同じだよ」
「っていうか何様?って感じ」
後藤は突然壊れたダムから水が溢れ出すかのように、話しが止まらなくなった。
32 :
名無し娘。 : 2000/12/28(木) 21:10 ID:nh2dVyuA
後藤は、しだいに興奮しはじめ、声がどんどん大きくなっていった。
「裕ちゃんなんて早く辞めればいいのに!」
後藤の大声で通りすがりの人々がこちらを見る。
「後藤、落ちついて」
私は後藤がここまで興奮するとは思ってなかった。
いや、しかし、むしろ好都合になったと思った。
33 :
名無し娘。 : 2000/12/28(木) 21:15 ID:nh2dVyuA
もう、後藤を説得するまでもない。
私は内心ホッとした。後藤は確実に味方。
しかし、隣に居て後藤の様子をじっと見ていた吉澤はあまり優れない顔をしていた。
というより、その表情には不快感が感じられた。
「吉澤?」
私はそっと話しかけてみた。
吉澤は私を見たあと、後藤の方を向いていった。
「言いすぎだよ…」
34 :
名無し娘。 : 2000/12/28(木) 21:18 ID:nh2dVyuA
「何が?」
後藤も表情を厳しくして吉澤に問う。
「いや…いくらなんでも、リーダーなんだし」
後藤は顔を真っ赤にして吉澤に詰め寄った。
「リーダー?ただ単に一番年上ってだけじゃん」
私は二人が決裂するのはマズいと思い、仲裁に入ろうとした。
しかし、二人の目には私は映っていないようだった。
35 :
名無し娘。 : 2000/12/28(木) 21:21 ID:nh2dVyuA
「いくらごっちんでも、ちょっと言い過ぎだよ!」
吉澤は語気を荒げた。
後藤と吉澤は今にもつかみ合いになりそうな雰囲気だった。
「じゃ、何?よっすぃーは裕ちゃんの味方するワケ?」
「味方とかじゃなくて!」
「味方してるじゃん!!」
私は興奮する二人の肩を力いっぱい掴んだ。
36 :
名無し娘。 : 2000/12/28(木) 21:26 ID:nh2dVyuA
「やめろ!」
私は怒鳴った。
二人は私の方を向いて黙った。
「もう時間だし、行こう。このハナシはまた…」
私はそう言って二人を歩かせようとした。
後藤と吉澤の二人は目も合わせない。
「いくらごっちんでも、付いていけないよ」
吉澤は吐き捨てるように言った。
私は二人の肩を掴んだまま、廊下をまたもとの方向へ歩き出した。
37 :
名無し娘。 : 2000/12/29(金) 02:08 ID:kA2VDo3M
気になるわ〜ん
38 :
名無し娘。 : 2001/01/01(月) 03:51 ID:VjdEXc5g
新年!!
39 :
名無し娘。 : 2001/01/04(木) 19:46 ID:nm9bfDYc
あげとく
40 :
名無し娘。 : 2001/01/05(金) 13:35 ID:WwUsmX7o
41 :
名無し娘。 : 2001/01/06(土) 03:35 ID:RbJdu60k
おもしろっ!
是非、続きを・・・・。
42 :
名無し娘。 : 2001/01/07(日) 00:50 ID:BCFStEdY
43 :
名無し娘。 : 2001/01/07(日) 01:06 ID:BCFStEdY
楽屋に戻る。
私と後藤、吉澤が出ていった事に誰も気づいていないようだった。
いつもの事…だが、今回は気づかれなくてむしろ助かった。
後藤と吉澤はそれぞれバラバラに別れて荷物をまとめ始めた。
誰もこの二人の様子がおかしい事に気がつかない。
いつも仲良く一緒なのに。
なぜ気づかないのだろう?
44 :
名無し娘。 : 2001/01/07(日) 01:09 ID:BCFStEdY
それはずっと分かっていた事。
みんな、自分が一番可愛いから。
他人の事なんて気にしてないから。
仲間なのに。チームなのに。
そう考えたら悲しくなってきた。
私は、楽屋の隅で一人荷物を片付け始めた。
45 :
名無し娘。 : 2001/01/07(日) 01:13 ID:BCFStEdY
移動の声がかかり、それぞれ荷物を持って楽屋を後にする。
裕ちゃん、なっち、矢口…。
辻に加護にカオリ。
石川。
吉澤。
後藤。
石川はやっと異変に気づいたようだった。
46 :
名無し娘。 : 2001/01/07(日) 01:22 ID:BCFStEdY
憮然とした表情で一人楽屋を後にする吉澤。
まだそこにいる後藤。
石川は何も会話を交わさない二人に戸惑い、オドオドとした表情で楽屋を一人後にしていった。
私は楽屋に残った後藤のところへ行った。
「さ、行くよ」
後藤の手を引き、楽屋の出口へ引っ張る。
後藤はゆっくりと歩き出した。
47 :
名無し娘。 : 2001/01/07(日) 01:35 ID:BCFStEdY
下を向いたままの後藤。
そっと後藤の顔を覗くと、後藤は唇をかみ締め、目にはうっすらと涙を浮かべていた。
私は何も言えず、ただ後藤の手を引いて移動を待つ車まで歩いていった。
信じていた友達に裏切られた?
後藤は…そんな気持ちなんだろうか?
今までの後藤と吉澤の仲の良さを見てきただけに、裏切られたと思う後藤のツラさもよく分かるような気がした。
私達を乗せた車はゆっくりと移動しはじめた。
誰も後藤の様子に気づかない。
私は…窓の外を眺めていた。
48 :
名無し娘。 : 2001/01/07(日) 14:02 ID:RIwKMMIA
面白いっす、作者さん頑張れ。
49 :
名無し娘。 : 2001/01/08(月) 19:36 ID:vACAh4JA
=====================================
50 :
名無し娘。 : 2001/01/08(月) 19:41 ID:vACAh4JA
次の日、私がスタジオ入りすると、珍しく後藤が先に居た。
ぽつんと一人、楽屋の隅に隠れるように。
「おはよう」私が挨拶すると後藤は無言で立ち上がり、私に近寄ってきた。
そしてすぐそばまでやって来て、小声で呟くように言った。
「加護ちゃんに話してもイイ?」
私は小さく頷いた。
51 :
名無し娘。 : 2001/01/08(月) 19:50 ID:vACAh4JA
私は荷物をいつもの自分の場所に置いて、すぐそばにあった椅子に腰掛けた。
後藤はその様子をじっと見ていた。私は後藤を手招きして、椅子に座らせた。
私は後藤の顔をじっと見ながら、一つ深呼吸をしてから話し始めた。
「なんで…加護なの?」
後藤は下を向いたまま、小さな声で答えた。
「もっと協力者が必要でしょ?」
「加護ちゃんは一応、後藤の弟子だし」
「小うるさい裕ちゃんとかカオリの事嫌ってるし」
「事務所からも期待されてるし、強力な助っ人になると思う…」
52 :
名無し娘。 : 2001/01/08(月) 19:58 ID:vACAh4JA
「なるほどね」
私はそう言って椅子に深く腰掛け、腕組みをした。
後藤と加護。「I WISH」の時のメイン二人。
確かに仲間に引き入れれば力強いかもしれない。
でも…あの加護がそう簡単に納得してくれるだろうか?
「大丈夫だよ。まかせて」
後藤は私の表情から察したのか、そう言った。
53 :
名無し娘。 : 2001/01/08(月) 20:03 ID:vACAh4JA
「自信あるの?」
私がそう聞くと、後藤は首を横に振った。
「無いの?」
私は少し呆れたような声を出した。
すると、後藤は突然厳しい表情で私を見た。
「このままじゃ引き下がれないし」
小さな声ながら、その言葉には強い意志が感じられた。
私は、その言葉の後ろに吉澤の姿が見えたような気がした。
54 :
名無し娘。 : 2001/01/08(月) 20:15 ID:vACAh4JA
「よっすぃーはどうするの?」
私は何度と無くその言葉を言おうとしたが、そのまま言えなかった。
後藤と吉澤がケンカしたままなのは良くないと思った。
が、しかし、後藤がこれだけやる気になっているのも吉澤との事があるからだろう。
さらに後藤に火をつけるべきか?
それとも…やっぱり吉澤との仲を仲裁すべきか?
「圭ちゃん、後藤は行くね」
後藤の声に我に帰った。
気がつくと、楽屋にはすでに他のメンバーも居た。
後藤は楽屋を一人出ていった。
55 :
名無し娘。 : 2001/01/09(火) 14:03 ID:Sy/3RXIU
続きが気になる・・・・・・。
ギャンバレ後藤。
56 :
名無し娘。 : 2001/01/13(土) 01:01 ID:7PczLkwg
mada?
57 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/13(土) 23:19 ID:VIbkzB.M
eee
58 :
名無し娘。 : 2001/01/14(日) 17:22 ID:wEZpGkKU
収録は何事も無く終わった。
いつものように楽屋に戻る。
メンバーがいつものように騒がしくしている。
私は…何も言わずそっと楽屋に入り、自分の荷物がある場所まで行った。
誰ひとり、私の様子に気がつかない。
いや…ひとりだけ。
吉澤が私の方を見てた。目が合った吉澤はすぐに目をそらした。
59 :
名無し娘。 : 2001/01/14(日) 17:34 ID:wEZpGkKU
吉澤が私を見てた事でやっと気づいた。
楽屋に後藤と加護、辻がいない。
吉澤は、気づいていたに違いない。
何を話すために後藤が加護を呼び出したかも。
私は迷った。後藤のところに行くべきか?
しかし…それではあからさまだろうか?
60 :
名無し娘。 : 2001/01/14(日) 17:56 ID:wEZpGkKU
結局、私はそのまま楽屋にひとり居た。
ちょこちょこ吉澤が私の方を見ていたが、気づかないフリをした。
ここで後藤の元へ行くと、ハッキリと吉澤に何を話しているのか教えるようなものだ。
無関心を装う方が得策だと判断した。
吉澤は…私にとって爆弾のような存在になってしまった。
61 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/15(月) 20:18 ID:hIspi62Y
ageage
62 :
名無し娘。 : 2001/01/17(水) 02:46 ID:YYH40vjs
続きを・・
63 :
名無し娘。 : 2001/01/17(水) 19:21 ID:Wg4Me75w
…
64 :
名無し娘。 : 2001/01/17(水) 19:30 ID:Wg4Me75w
今日はもう仕事は無い。
みんなそれぞれ仕度が出来ると楽屋を後にしていく。
吉澤も、石川と共に帰っていった。
帰り際に私を一瞥して。
私は吉澤の視線に気がついてはいたが、気づかぬフリをしていた。
楽屋には、私と、三人の荷物だけが残った。
65 :
名無し娘。 : 2001/01/17(水) 19:43 ID:Wg4Me75w
私は静かになった楽屋で一人、三人の荷物番をしていた。
後藤と加護と辻。この三人がいないにもかかわらず、さっさと帰ってしまうなんてなんてリーダーだろうか。
私はそう考えると腹立たしくなってきた。
私はそんなリーダー認めない。
認めたくない…
66 :
名無し娘。 : 2001/01/17(水) 19:51 ID:Wg4Me75w
じっと黙って目を瞑っていると、ドアの開く音が聞こえた。
私がドアの方を向くと、そこには辻が立っていた。
辻は私には目もくれずに自分の荷物の方へ歩いていった。
「辻?」
私が声をかけると、辻は私の方を睨み、荷物を持って足早に立ち去っていった。
何が起きたのか分からないままその場で呆然としていた。
67 :
名無し娘。 : 2001/01/17(水) 19:54 ID:Wg4Me75w
すると、次は加護がやってきた。
加護は明らかに怒っている表情だった。
加護はドタドタと走って部屋にやってきて、荷物を持ってまた、走り去った。
私はあまりの勢いに話しかける事も出来なかった。
一体何が起こったのだろう?
後藤は?
68 :
名無し娘。 : 2001/01/17(水) 20:00 ID:Wg4Me75w
私は立ち上がり、楽屋のドアを少し開けて、外を覗いてみた。
すると、後藤が肩を落とし、俯きながら歩いてきた。
私はドアを全部開け、外へ出た。
後藤は私に気がついて、顔を上げて立ち止まった。
その顔には、後悔とも悲しみともとれる表情が浮かんでいた。
「後藤…」
私は後藤を手招きし、楽屋に入れた。
69 :
名無し娘。 : 2001/01/19(金) 03:28 ID:OcXJMKOg
保田ガンバレ・・
70 :
名無し娘。 : 2001/01/21(日) 16:01 ID:j8ueHdcg
どうしたんだ辻、加護!
後藤は・・・・・・・。
つづき気になる。
71 :
名無し娘。 : 2001/01/21(日) 22:18 ID:c5Sw6z0Q
後藤を楽屋に入れると、私はそっとドアを閉めた。
私は後藤を椅子に座らせ、自分もその横に座った。
「後藤…いったい何があったの?」
私はそっと、優しく聞いてみた。
後藤は俯いたまま、ゆっくりと話し始めた。
頭の中で内容を整理しながら話しているようだった。
72 :
名無し娘。 : 2001/01/21(日) 22:30 ID:c5Sw6z0Q
「加護ちゃんと、辻ちゃんを呼び出して…例の話を」
私は黙って後藤の話を聞いていた。
「加護ちゃんは、後藤の味方してくれるって…」
「でも、辻ちゃんはそんなの自分勝手だって」
「辻ちゃんは反対だって」
「それで…ちょっと言い争いになって」
73 :
名無し娘。 : 2001/01/21(日) 22:34 ID:c5Sw6z0Q
「そしたら加護ちゃんがキレちゃって」
「ののちゃんは中澤さんに可愛がられてるから、とか言って」
「辻ちゃんもキレちゃって…」
「後藤、止めようとしたんだけど」
「もう、例の話どころじゃなくなっちゃって…」
「ごめん、圭ちゃん」
74 :
名無し娘。 : 2001/01/21(日) 22:44 ID:c5Sw6z0Q
私は黙っていた。
後藤は動揺しているのか、話しにまとまりが無かった。
しかし、大体何が起きたのかは分かった。
じっくりと時間をかけて作戦を練るつもりだった。
しかし…周りどんどん私の思わぬ方向へ走り始めてしまった。
後藤を責める事は出来ない。
すくなくとも…私に同調して、良かれと思ってやってくれた事だ。
75 :
名無し娘。 : 2001/01/21(日) 22:51 ID:c5Sw6z0Q
吉澤は知っていても黙っていてくれた。
しかし…加護と辻はどうだろう?
黙っていてくれるだろうか?
もし…メンバー内に知れ渡ったら、それこそ直接闘うしかないだろう。
私は急に不安になった。
しかし、それを後藤に知られるワケにはいかない。
私が不安になったら、私を信じている後藤にも迷わせてしまう事になる。
私はたちあがった。
76 :
名無し娘。 : 2001/01/21(日) 22:55 ID:c5Sw6z0Q
「もうイイから…今日は帰ろう」
私は後藤の肩に手をかけた。
後藤は、俯いたまま小さく頷いた。
私達は、そのまま無言で荷物を片付け、楽屋を後にした。
明日…吉と出るか凶と出るか。
覚悟だけはしておこうと思った。
77 :
名無し娘。 : 2001/01/23(火) 15:50 ID:/TBdFUBs
い
78 :
名無し娘。 : 2001/01/24(水) 22:41 ID:F/8M87Uc
決戦の日は近いのだろうか。
これかの展開がよめない。
79 :
名無し娘。 : 2001/01/27(土) 04:07 ID:mUr7dQRQ
更新まだかなぁ〜
80 :
名無し娘。 : 2001/01/27(土) 15:55 ID:itBMW9YA
小説カキ
81 :
名無し娘。 : 2001/01/29(月) 00:35 ID:.vwjlCIc
保全。
続きはいつくらいになるのかな?
82 :
名無し娘。 : 2001/01/29(月) 23:18 ID:NP3Ys.KQ
朝、いつものように家を出た。
そして、いつものようにスタジオに入った。
ドアを開けると、メンバーのほとんどが揃っていた。
私は、自分の荷物を自分の場所に置き、そっと全員を見廻してみた。
いつもと変わらない…。
私は少しほっとした。
83 :
名無し娘。 : 2001/01/29(月) 23:25 ID:NP3Ys.KQ
私がいつものように、MDを手に取り、椅子に深く腰掛けると辻がやってきた。
「保田さん…ちょっと」
「何?」
「あの…ここではちょっと」
辻は他には聞こえないよう、とても小さな声で言った。
私は手に取ったMDを机に置いて立ち上がった。
そしてドアを開け、楽屋を出た。
辻が、後ろをついてきた。
84 :
名無し娘。 : 2001/01/29(月) 23:31 ID:NP3Ys.KQ
少しばかり歩いたところで私は立ち止まり、振りかえった。
辻も、私に合わせて止まった。
辻は下を向いたまま、おどおどした様子だった。
「どうしたの?辻」
私は何も知らないフリをして、辻に話しかけた。
「その…あの…昨日、後藤さんに聞いたんですけど…」
辻は俯いたまま小さな声で話し始めた。
85 :
名無し娘。 : 2001/01/31(水) 13:52 ID:qJWiPLFY
ほぜむ。悪ののと悪あいぼむな展開をキボン
86 :
もういくつ寝ると名無しさん : 2001/01/31(水) 19:09 ID:hRfwcM8o
age
87 :
書いてる人 : 2001/01/31(水) 21:40 ID:AsPnF/RE
更新が遅い事、お許しください
88 :
名無し娘。 : 2001/01/31(水) 21:45 ID:AsPnF/RE
私は腕組みし、そのまま黙っていた。
「保田さんがリーダーを乗っ取る、つもりって本当なんですか?」
私は少しばかり驚いた。
確かに…裕ちゃんとなっちを追い出そうとは思った。
しかし、自分がリーダーになる、とは思っていなかった。
ただ…追い出したいだけだった。
89 :
名無し娘。 : 2001/01/31(水) 21:49 ID:AsPnF/RE
しかし、それでもそのまま黙っていた。
「それを聞いて昨日は動揺しちゃって…」
辻は相変わらず俯いたままだった。
「今日、スタジオに入ってからずっと亜依ちゃんに無視されてて」
「辻はどうしたらいいのか…」
「中澤さんは、やっぱり良くないですか?」
90 :
名無し娘。 : 2001/01/31(水) 21:52 ID:AsPnF/RE
私は一つ大きく息を吐いた。
「良いか良くないかは人それぞれかもしれないけど」
「でもね、実際嫌ってる人もいるの」
「それに・…差別とか、そういう事するリーダーってどう思う?」
私は逆に辻に聞いてみた。
辻は、少しばかり考えた後、小さな声で答えた。
「良くない、と思います…」
91 :
名無し娘。 : 2001/01/31(水) 21:56 ID:AsPnF/RE
辻はそのまま黙ってしまった。
沈黙の時間が流れた。
私はもう一つ、大きく息を吐いた。
「辻ちゃん達はね、まだ新しいから分からないだろうけど」
「私やさやか、矢口なんかは長い間虐められてたの」
「後藤はなっちに…」
92 :
名無し娘。 : 2001/01/31(水) 21:59 ID:AsPnF/RE
辻はようやく顔をおこした。
「でも、矢口さんは」
「矢口はね、ああいう性格だからね。虐められて、より前へ出ていくようになったの」
私は辻の言葉を遮って話を続けた。
「私とさやかはね…ずっと酷い目にあってきた」
「後藤もね」
93 :
名無し娘。 : 2001/01/31(水) 22:03 ID:AsPnF/RE
「プッチ結成が決まったときはそれは三人で喜んだよ」
「モーニング娘。…いや、裕ちゃんとなっちを見返してやろう、って」
「でも、それでますます事態は酷くなるしね」
私はそこまで言って、大きくため息をついた。
壁によりかかり、天井を見上げた。
白い天井が見えた。それと、蛍光灯の光。
辻は、黙っていた。
94 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 00:14 ID:N51qimJM
続きまってます。
95 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 00:14 ID:N51qimJM
続きまってます。
96 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 01:43 ID:nqQLzZ7w
作者様。人物描写がとてもリアルでたいへん気に入りました。ゆっくり続きをどうぞ。
97 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 02:34 ID:ZxjZGwXA
うーん、続きが気になって眠れん。
98 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 02:39 ID:pXf.0Sew
ぎゃんぶぁれ!圭ちゃん!!
99 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 02:59 ID:N2idiZP.
age
100 :
名無し娘。 : 2001/02/01(木) 03:19 ID:iHJ3ftBw
淡々と進んでいくストーリーが逆にリアルでおもしろい。
101 :
名無し娘。 : 2001/02/02(金) 04:45 ID:GZrMcZCk
おもしろいのでage
102 :
名無し娘。 : 2001/02/02(金) 20:02 ID:lkb6NEQc
しばらく沈黙が続いた。
誰もここを通らない。
機械の不気味な音と、遠くから聞こえる話し声だけが聞こえる。
私は天井から辻に視線を移した。
辻はじっと私の方を見ていた。
そして、目があうと驚いたように目を泳がせた。
103 :
名無し娘。 : 2001/02/02(金) 20:10 ID:lkb6NEQc
「分かってくれとは言わないけど…」
私はそう言って壁から背を離した。
そして、腕組みをやめ、そのまま歩き立ち去ろうとした。
「ま、待ってください」
辻は今までで1番大きな声で私を呼びとめた。
私はそのままそこで立ち止まった。
104 :
名無し娘。 : 2001/02/02(金) 20:27 ID:lkb6NEQc
私は黙って辻の言葉を待っていた。
しかし、いつまでたっても下を向いたまま話さない。
「何?」
私はしびれを切らして口を開いた。
「あの…その…」
辻は今にも泣き出しそうな声でようやく話しはじめた。
105 :
名無し娘。 : 2001/02/02(金) 20:33 ID:lkb6NEQc
「辻は…どうしたらいいんでしょう」
「どうしたらって…辻ちゃんはどうしたいの?」
そう言うと辻は黙って首を横に振った。
「分かりません…」
辻はがっくりと肩を落とした。
そして泣き始めた。
106 :
名無し娘。 : 2001/02/02(金) 20:46 ID:lkb6NEQc
「辻ちゃんは私と後藤の話をどう思うの?」
「分かりません…」
辻はそう言って泣くばかりだった。
私は少しばかり黙って考えた。
どう言ったら1番良いのだろう?
107 :
名無し娘。 : 2001/02/02(金) 21:04 ID:A0pifhYQ
どんなに更新が遅くなってもいいです
完結さえしてくれれば・・
この手の小説は完結する率が極端に低い気がするんだよね
108 :
名無し娘。 : 2001/02/03(土) 14:14 ID:lnI9Wqo6
今やってる小説の中で一番楽しみにしています。
遅くなってもいいので待ってます。
もしかして、この作者って作者不詳さんかな……?
109 :
名無し娘。 : 2001/02/03(土) 17:41 ID:nngHv/1c
確かに作者不詳っぽいよね。
110 :
名無し娘。 : 2001/02/04(日) 20:48 ID:KkzQwNR6
「あっ」
背中の後ろから声がした。
私が振り返るとそこには加護が立っていた。
「加護…」
加護は私、いや、辻の姿を見ると後ずさりしはじめた。
「ちょっと待って…」
泣いていた辻が、加護を呼びとめた。
111 :
名無し娘。 : 2001/02/04(日) 21:07 ID:KkzQwNR6
「亜依ちゃん…無視しないで」
辻はそう言ってますます泣きはじめた。
加護は辻の言葉が苦しそうに、唇をかみ締め俯いた。
私は二人の間に立った。
そして二人をそれぞれ一瞥した。
「お願い。二人とも私について来て欲しい」
112 :
名無し娘。 : 2001/02/04(日) 21:40 ID:KkzQwNR6
そう言うと、加護は小さく頷いた。
辻は…まだ悩んでいるようだった。
「辻ちゃん!」
加護が大きな声で辻を呼んだ。
辻は、その声ではっとした表情をしながら顔を上げた。
そして、ゆっくりと頷いた。
113 :
名無し娘。 : 2001/02/05(月) 02:12 ID:0lFz7OcA
作者さん、毎回期待してます。
作者がSAGEてんのでSAGE
114 :
名無し娘。 : 2001/02/05(月) 19:40 ID:7BGTu6Io
「辻ちゃん…分かってくれたん?」
加護が辻の元に歩み寄った。
私は、二人の間から身を逸らした。
辻は泣きながら、二回、三回と首を縦に振った。
「良かった!きっと分かってくれると思ってた」
加護はそのまま辻に抱きついた。
115 :
名無し娘。 : 2001/02/05(月) 19:47 ID:7BGTu6Io
そして、仕事もそのまま何も無く終わった。
加護と辻は今まで通り…いや、元に戻った。
私は少しほっとして、後片付けを済ませて帰ろうとした。
「お疲れ」
私は誰も聞いていない事は分かっていながらも、挨拶をして楽屋を出ようとした。
加護と辻のバカ騒ぎを背中で聞きながら。
116 :
名無し娘。 : 2001/02/05(月) 19:50 ID:7BGTu6Io
「梨華ちゃん!待ってよ」
楽屋を出ようとする私を追い越して吉澤が石川を追っていった。
そういえばここ最近、吉澤は石川とばかり居るような気がする。
私は…急に不安になった。
視線を感じて後ろを振り返った。
そこには、怒りと悲しみが入り混じった顔をした後藤がいた。
117 :
名無し娘。 : 2001/02/05(月) 20:39 ID:IBRFOLy2
「後藤…」
私は何か話しかけようとしたが、そのまま動けなかった。
後藤はそのまま振り向き、また楽屋の方へ戻っていった。
寂しそうな後ろ姿。
後藤は、親友を失ってしまったのだろうか。
吉澤は、本当に後藤に愛想尽かせてしまったのだろうか。
後藤にかける言葉も無く、私はまた振りかえってスタジオを後にした。
118 :
名無し娘。 : 2001/02/06(火) 01:42 ID:kFU5zOAw
どうなるんだ〜〜〜〜
SAGE
119 :
名無しさん : 2001/02/06(火) 05:26 ID:dkrISmls
いい感じれす。がんばってくだしゃい。てへてへ。
120 :
名無し娘。 : 2001/02/07(水) 19:29 ID:ORXTq1tw
家に帰っても、私は後藤の事が頭から離れなかった。
私が…余計な事を言ってしまったのかもしれない。
そのまま、私だけが我慢していれば何も起こらなかったのかもしれない。
私の事を信頼してくれているからこそ、後藤を傷つけたかもしれない、という事が私に重くのしかかった。
しかし、今更撤回出来るだろうか?
後藤や加護が、納得するだろうか。
逆に、それこそ裏切る事にならないだろうか。
121 :
名無し娘。 : 2001/02/07(水) 19:33 ID:ORXTq1tw
考えても考えても答えは出てこない。
私は、思い切って吉澤に電話してみる事にした。
携帯電話を持ち、メモリーを呼び出す。
発信ボタンを押す。
なんて言って切り出せばいいのだろう。
122 :
名無し娘。 : 2001/02/07(水) 19:36 ID:ORXTq1tw
呼び出し音が長く続いた。
私は、やっぱりやめておこうか迷った。
耳から携帯電話を離したりつけたり。
やっぱりやめよう。
私は電話を切ろうと「切り」のボタンを押そうとした。
その時、電話の画面が変わった。
「通話」と表示された。
私は慌てて電話を耳につけた。
123 :
名無し娘。 : 2001/02/07(水) 19:38 ID:ORXTq1tw
「もしもし?」
電話の向こうで吉澤の声がした。
「保田さん?どうしたんですか?」
心無しか殺伐とした感じで話す吉澤。
「あ…いや…」
私はどうやって切り出すのか困った。
124 :
名無し娘。 : 2001/02/07(水) 19:41 ID:ORXTq1tw
「…なんですか?」
吉澤の声はイライラしているように聞こえた。
私は意を決して話を切り出した。
「あのさ、後藤の事なんだけど」
電話の向こうの吉澤は無言になった。
マズかったか…。
私は少し後悔した。
125 :
名無し娘。 : 2001/02/08(木) 17:40 ID:9ImPQsyE
これからも良作品頑張って下さい
126 :
名無し娘。 : 2001/02/08(木) 18:43 ID:Rjjra6c6
後藤と吉澤仲直りしてほしい
127 :
名無し娘。 : 2001/02/09(金) 01:48 ID:9PICi7Xs
後藤の心配している保田はいいやつだ
128 :
名無し娘。 : 2001/02/10(土) 10:26 ID:kVCMgoQ2
ほぜむ。続き期待してます
129 :
名無し娘。 : 2001/02/11(日) 20:56 ID:tGkrtoVk
「よっすぃーさ、後藤の事…」
私がそこまで言うと、吉澤は私の言葉を遮った。
「ち、違うんです」
「違う?」
「私は…ごっちんに考え直してもらおうと」
「それなら、話し合ったほうが」
「そうですよね…」
130 :
名無し娘。 : 2001/02/11(日) 21:01 ID:tGkrtoVk
私には吉澤が一体何を考えているのか分からなかった。
「なら、なぜ後藤を避けて石川とばかり仲良くするの」
私は、はっきりと知りたかった事を聞いてみた。
「それは…梨華ちゃんと仲良くすれば、ごっちんも寂しくなって考え直してくれるかと」
私は吉澤の考えを聞いて驚いた。
そして、一言だけ答えた。
「間違ってるよ…それは」
131 :
名無し娘。 : 2001/02/11(日) 21:11 ID:tGkrtoVk
吉澤は私の言葉を聞いて無言になってしまった。
「それは…あてつけも入ってるんでしょ?」
私がそう聞いても答えない吉澤。
「私が言うのもなんだけどさ…火に油だよ」
吉澤は何も答えなかった。
「よっすぃー…」
132 :
名無し娘。 : 2001/02/11(日) 21:15 ID:tGkrtoVk
そして、突然電話は切れた。
いや、吉澤が切ったのだろう。
「ツー、ツー」という音が虚しく響いた。
私は電話を耳から離した。
そして電話を見つめながら考えた。
もう一度電話しなおすべきだろうか。
吉澤をちゃんと説得すべきだろうか。
133 :
名無し娘。 : 2001/02/11(日) 21:24 ID:tGkrtoVk
すると、突然電話の照明がついて、着信音が鳴った。
画面には、後藤の名前が表示された。
私は反射的に通話ボタンを押して電話を耳につけた。
「圭ちゃん?」
電話の向こうから後藤の声が聞こえた。
なのに、私は頭が混乱して、何も声が出なかった。
134 :
名無し娘。 : 2001/02/11(日) 23:34 ID:ucYvCDvs
矢口はどう使うんだろう。
135 :
名無し娘。 : 2001/02/12(月) 09:48 ID:7.Lb2feI
続き期待
136 :
名無し娘。 : 2001/02/12(月) 18:16 ID:ZZn7ikUM
「圭ちゃん?」
再度後藤は私に呼びかけてきた。
「え?あ、何?」
私はどう受け答えしていいか分からず、はっきりしない返事を返した。
「圭ちゃんどうしたの?」
「い、いや?何でも無いけど?」
何でも無いワケがない…吉澤の事が頭を回っていた。
137 :
名無し娘。 : 2001/02/12(月) 18:21 ID:ZZn7ikUM
「ま、いいや」
後藤は私の動揺を知ってか知らずか、そのまま話しをすすめていった。
「あのね…加護ちゃんと辻ちゃんと話したんだけど」
「明日…計画実行するから」
「まかせてね」
私は後藤の話しに驚いてその場に立ちあがった。
「計画?って?」
138 :
名無し娘。 : 2001/02/12(月) 18:26 ID:ZZn7ikUM
「大丈夫。まかせて」
後藤は私の質問には答えなかった。
「ちょ…何するつもりなの?」
私は胸騒ぎがした。
「後藤はね…絶対やるよ」
「よっすぃーにも分からせてやりたい…」
私はだんだん目の前が暗くなるような気がした。
139 :
名無し娘。 : 2001/02/12(月) 18:37 ID:ZZn7ikUM
やっぱり後藤は吉澤の事で逆上していた。
吉澤の考えは…裏目に出てしまった。
「ちょっと!後藤待ちなさい!」
「何?」
私は呼びとめたはいいが、その後なんて言っていいのか迷った。
頭の中で色々な言葉が浮かんでは消えた。
140 :
名無し娘。 : 2001/02/12(月) 18:42 ID:ZZn7ikUM
「圭ちゃん、もう切るね。これから加護ちゃんに電話しないと」
しばらくの沈黙のあと、後藤の声で私は我に帰った。
「あ…後藤」
私が喋るのと同時に電話は切れた。
また、虚しく「ツー・ツー」という音が流れた。
私は今度は急いでリダイアルしてみた。
話し中…。
何度かけなおしても話し中になったままだった。
141 :
名無し娘。 : 2001/02/12(月) 18:47 ID:ZZn7ikUM
時間をあけて電話をかけ直してみた。
「電源が入っていないか…」
私はそのメッセージを聞いて諦めた。
胸騒ぎがした。
後藤は何を考えているのだろう。
もう…私の手におえない事態になってしまったのだろうか?
142 :
名無し娘。 : 2001/02/13(火) 01:40 ID:sVQ35Pck
毎回、毎回いい所でお話しが切れる。
もう、このお話しに引き込まれまくってます。
づづき大期待です、がんばってください。
143 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 00:58 ID:9au35982
期待sage
144 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:07 ID:O.JP6OJI
…気がつくと朝になっていた。
色々考えたりしているうちに朝になってしまったようだ。
いつ眠ったのかもよく分からない。
とにかく…今日も、スタジオへ仕事に行かなければならない。
何が起こるのか。
私は不安を抱きつつ、出かける準備を始めた。
145 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:16 ID:O.JP6OJI
スタジオにつき、いつもと同じように楽屋に入る。
私は入ってすぐに後藤の姿を捜した。
…いた。
私は荷物を置いて後藤の元へ歩いて行った。
後藤に何を考えているか聞きたかった。
もし、何か考えているのなら…手遅れにならないうちに止めたかった。
146 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:19 ID:O.JP6OJI
「後藤?ちょっといい?」
私は後藤の手を掴んだ。
「あ、圭ちゃんおはよ」
後藤はいつもと何も変わらない様子だった。
「どうしたの?」
私の態度にむしろ不思議そうな顔をする後藤。
私が先走っているのだろうか。
何も、無いのだろうか。
147 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:26 ID:O.JP6OJI
「後藤!加護!ちょっと来い」
突然、裕ちゃんの怒号が響いた。
楽屋にいる全員が裕ちゃんの方を向く。
私は、後藤の表情を伺ってみた。
心なしか緊張しているような…。
やっぱり何かあったのだろうか。
148 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:32 ID:O.JP6OJI
後藤と加護の二人が裕ちゃんの元へ歩いていく。
いや、メンバー全員が1箇所に集まる。
裕ちゃんと、なっち。
後藤と加護。
それを残ったみんなが取り囲んだ。
空気が張り詰めた。
ただならぬ雰囲気…みんながそれを察したのか、それぞれ緊張の面持ちだった。
149 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:36 ID:O.JP6OJI
裕ちゃんは手に持っていたジュースのペットボトルを後藤に差し出した。
「後藤、飲んでみ」
後藤の表情はみるみる強張っていった。
後藤は、裕ちゃんの手からペットボトルを取った。震える手で。
そして、キャップを開けて口に運ぼうとした。
しかし…そのまま手を離してペットボトルを床に落とした。
ジュースが、床に飛び散った。
150 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:39 ID:O.JP6OJI
ころころと床を転がるペットボトル。
後藤はそれをじっと見ていた。
まるで凍ったように。
私は一体何がなんなのかさっぱり分からなかった。
「飲めへんのか?」
裕ちゃんは後藤を睨み、小声で言った。冷たい声で。
151 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:42 ID:O.JP6OJI
「なんで飲めへんのや!?」
今度は大声で怒鳴る裕ちゃん。
後藤は何も答えなかった。
「これは何?」
なっちがもう一つペットボトル…いや、プラスチックの容器を見せた。
白い半透明の容器。
私はその容器に書いてある文字をよく見てみた。
152 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:45 ID:O.JP6OJI
全員がざわざわと騒ぎだした。
私は信じられなかった。
容器には…「農薬」と書かれていた。
なんど見ても農薬だった。
「なんで…これが裕ちゃんのジュースの中に入ってるの?」
なっちは淡々とした口調で後藤に問い掛けた。
後藤は、何も答えなかった。
153 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:48 ID:O.JP6OJI
「後藤!何考えてるんや!」
バシッという凄い音がした。
裕ちゃんの手が、後藤の頬を叩いた音だった。
「こんな事して…殺人だよ?」
なっちは裕ちゃんとは対照的な静かな声で話した。不気味なほど。
「辻ちゃんが教えてくれなかったら…」
154 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:52 ID:O.JP6OJI
「う、裏切ったんか!」
それまで黙っていた加護が急に大声を出した。
「辻ちゃん!裏切ったん!?なんでや!」
加護は狂ったように騒ぎだした。
加護は今にも辻に飛びかかりそうな勢いだった。
加護のすぐそばに居た矢口が加護を羽交い締めにした。
155 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:55 ID:O.JP6OJI
「辻ちゃん!なんでや!」
辻は、俯いたままゆっくりと答えた。
「だって…こんな事したら…犯罪者だよ…」
「亜依ちゃんも後藤さんも犯罪者になっちゃうよ」
「そんなの嫌だよ…」
「ごめん亜依ちゃん」
そこまで言うと辻は急に泣き出した。
156 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 20:58 ID:O.JP6OJI
声をあげて泣く辻。
それを見た加護は急に黙ってしまった。
そして誰も何も言わなくなった。
沈黙。
ただ、辻の泣き声が楽屋に響いた。
157 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 21:01 ID:O.JP6OJI
「後藤…どうしてこんな事したんや」
裕ちゃんが静かに沈黙を破った。
後藤は下を向いたまま何も答えなかった。
「答えられんのか?」
「どうなんや!」
耳が裂けるかと思うほど大きな声で裕ちゃんは怒鳴った。
後藤は…黙っていた。
158 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 21:04 ID:O.JP6OJI
「ちょっと待ってください!」
突然裕ちゃん以外の声がした。
全員が声の主を見る。
「ごっちんは…そんな事する子じゃありません!」
声の主は吉澤だった。
「きっと何かの間違いです」
159 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 21:07 ID:O.JP6OJI
「じゃあこの農薬はなんや!」
「この農薬は間違いなんか!どうなんや!」
裕ちゃんの怒号に吉澤は何も言い返せなくなった。
「よっすぃー…」
後藤がようやく口を開いた。
目に涙を浮かべながら。
160 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 21:29 ID:O.JP6OJI
そしてまた、沈黙が訪れた。
後藤は…私を信じていてくれた。
だからこそ、私に賛同し、協力してくれた。
どこからか、歯車が狂いはじめたとしても、後藤が私の味方をしてくれていたのには違いない。
私が何も言わなければ後藤もこんな事にならなかっただろう。
私は…後藤に何をしてあげられるだろう?
何をすれば良いのだろう?
161 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 21:34 ID:O.JP6OJI
私は1歩前へ出た。
そう、丁度後藤と裕ちゃんの間に入るように。
「私が…すべて仕組んだ事なの」
「私が、後藤に無理やりやらせた」
私がそう言うと裕ちゃんは驚いた顔をした。
「なんでや?」
162 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 21:37 ID:O.JP6OJI
「私は裕ちゃんとなっちが憎いから。それだけ」
ずっと泣いていた辻が急に静かになった。
「ほんまか?」
裕ちゃんは辻に問い掛けた。
辻はおろおろして…何も答えられなかった。
「本当だよ!」
私は叫んだ。
163 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 21:43 ID:O.JP6OJI
「こんな事して…どうするつもりやねん」
裕ちゃんは私を睨みつけながらそう言った。
「もちろん、責任はとるよ。娘。を辞める」
「後藤には何の責任も無いからね…この子は私の言う通りにしただけ」
回りが騒がしくなる。
辞める、と言った事に反応したのだろう。
しかし…私はもう後戻り出来ないという事は分かっていた。
164 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 21:46 ID:O.JP6OJI
「いやぁ!」
突然後ろから大きな声がした。
そして、後藤が私を後ろから抱きしめてきた。
「いやぁ…圭ちゃん…そんなぁ」
見えなくても分かった。後藤が泣いている事に。
私は後藤の手をそっと握った。
「さようなら」
私は一言だけ、そう言った。
165 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 21:47 ID:O.JP6OJI
======================================
166 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 21:51 ID:O.JP6OJI
「いらっしゃいませー」
私はマクドナルドでバイトを始めた。
モーニング娘。の私は終わってしまったけれど、夢は終わっていない。
モーニング娘。で得たお金とバイト代を貯めて、私はアメリカへ行こうと思う。
夢を実現するために。
もう一度やり直すために。
167 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 21:55 ID:O.JP6OJI
結局あの事件はメンバー内だけで止まったようだった。
事務所にも事件の話は行かなかった。
裕ちゃんの計らいなのか…私には分からない。
後藤も加護も、そのまま残った。
私は、「体調不良」を理由にモーニング娘。を脱退した。
でも、後悔はしていない。
まだまだ、これからがあるから。
きっと、夢は実現するから。
必ず。
168 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 22:01 ID:O.JP6OJI
私がいつものようにカウンターに立っていると、帽子を深く被った怪しげな人物が入ってきた。
キョロキョロとあたりを見まわし、私の姿を見ると…まっすぐこっちへ歩いてきた。
「いらっしゃいませ」
私がそう言うと、その人物は顔が見えるように帽子を上げた。
「…後藤」
私は突然の訪問者に驚いて動けなくなった。
そんな私の姿を見て後藤はにっこりと笑った。目にはうっすらと涙を浮かべて。
169 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 22:06 ID:O.JP6OJI
「プッチモニバーガー下さい」
後藤は小さな声でそう言った。
私はにっこりと笑いながら答えた。
「そんな物無いわよ!」
終
170 :
書いた人 : 2001/02/15(木) 22:06 ID:O.JP6OJI
友人に捧ぐ
171 :
書いた人 : 2001/02/15(木) 22:07 ID:O.JP6OJI
駄文にお付き合い頂きましてありがとうございました。
172 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 23:14 ID:5d1dyxTM
>作者
おつかれ
強引な〆だったけど・・・
173 :
名無し娘。 : 2001/02/15(木) 23:36 ID:lQIP7ZSY
お疲れ様でした。
圭ちゃんは「前向きに」再出発したんすよね?
「まだまだこれからがあるから。きっと夢は実現するから。必ず。」
良い言葉っすね!うん。そうだ!しんみりと感慨深げっす。(w
174 :
名無し娘。 : 2001/02/17(土) 16:50 ID:L9VTFkrk
ちょっとした違和感があり、改めて最初から通して読んだ。
……やっぱり飯田の存在感がゼロだった(藁
175 :
名無し娘。 : 2001/02/17(土) 20:46 ID:lTiwZPI.
おもしろかったっす。
気が向いたら、また書いて欲しいっす。
176 :
名無し娘。 : 2001/02/19(月) 06:49 ID:qep/NP6w
ageagagagadagsdgdsaa
177 :
名無し娘。 : 2001/02/19(月) 10:07 ID:pnJLGvSM
終わりがなんか唐突だった気がする。
途中までは、女の「いやな部分」を美味く表現してて、好感が持てたんですが…。
でも、なかなか楽しめました。 気が向いたらまた書いてくださいね!
178 :
70点 : 2001/02/19(月) 23:31 ID:uIqzJwWc
ややトートツだったけど(〆)
涙あり、リアリティありふぇ、なかなか「読め」ました。
努力賞Aランクです。次回作で花を咲かせてください。
179 :
ゾルス旧友 : 2001/02/20(火) 08:08 ID:GBhauGHo
ん?
まだ完結したばかりだったのか?
次回作にも期待しています。
180 :
ゾルス旧友 : 2001/02/20(火) 08:09 ID:GBhauGHo
181 :
名無し娘。 : 2001/02/20(火) 16:11 ID:p7gBLLS6
もしかして作者不詳?
182 :
書いた人 : 2001/02/20(火) 17:51 ID:WyFVeYJs
みなさま、ありがとうございました。
183 :
名無し娘。 : 2001/02/20(火) 17:51 ID:WyFVeYJs
======================================
184 :
名無し娘。 : 2001/02/20(火) 18:01 ID:WyFVeYJs
「じゃ、みんな集まって」
私達がスタジオに入ると、マネージャーは全員を並ばせた。
私達は一列に並んで、マネージャーの次の言葉を待っていた。
今日、何があるのか。
それは事前に知っていた。
みんな緊張の面持ちだった。
あからさまに不機嫌そうな裕ちゃん。
ずっと騒いでる矢口っちゃん。
185 :
名無し娘。 : 2001/02/20(火) 18:05 ID:WyFVeYJs
全員がそろった事を確認すると、マネージャーは一人の女の子を紹介した。
「紹介します。新メンバーの後藤真希ちゃんです」
マネージャーの横に立っていた女の子は小さくお辞儀をした。
ざわざわとメンバーが騒ぎ出した。
私は…その子を見て一言言った。
「金髪だよ!」
186 :
名無し娘。 : 2001/02/20(火) 18:14 ID:WyFVeYJs
「はじめまして、後藤真希です。よろしくお願いします」
そういうと後藤真希ちゃんはにっこりと、いや、にへらと笑った。
「いくつ?」
誰かが後藤ちゃんに聞いた。
「14歳です」
「14歳!?」
みんなの騒ぎはそれを聞いて一段と大きくなった。
187 :
名無し娘。 : 2001/02/20(火) 18:20 ID:WyFVeYJs
「14歳だって!なっち」
矢口っちゃんが私に声をかけてきた。
「ねぇ〜びっくり。大人っぽいよね」
私はそう答えた。
新メンバーの追加。
聞かされていた事とはいえ、みんな驚きを隠せなかった。
そして、動揺していた。
188 :
名無し娘。 : 2001/02/20(火) 18:25 ID:WyFVeYJs
この日を境に、ゆっくりと歯車が動きだした。
誰も予想しなかっただろう。
いや、私自身何も予想できなかった。
後藤真希ちゃんはメンバーの仲間入りをした。
それだけだった。
それだけだと、思っていた。
189 :
名無し娘。 : 2001/02/20(火) 20:26 ID:58RF8efE
新しい話しが始まってる。
ブックマーク消さなくてよかったよ。
この話しはまさかタブーの組み合わせ「なちごま」なの?
190 :
名無し娘。 : 2001/02/21(水) 00:28 ID:PTWpmUp6
新話期待age
191 :
名無し娘。 : 2001/02/21(水) 18:24 ID:/pMZU6VA
しかし、それだけでは無かった。
後藤真希ちゃんは事務所から大きな期待を寄せられていた。
それは、あからさまな事務所の扱いの違いではっきりと分かった。
私はその扱いの違いが気に入らなかった。
ここまでがんばってきたのに。
なんで後藤真希ちゃんを持て囃すのだろう?
後藤ちゃんが嫌いなワケじゃないけど。
192 :
名無し娘。 : 2001/02/21(水) 18:35 ID:/pMZU6VA
矢口っちゃんも圭ちゃんもサヤカも面白くなさそうだった。
そうだろう…同じ追加メンバーなはずなのに、待遇はまるで違った。
面白くない気持ちはよく分かった。
私は三人に少し同情した。
しかし、それはどうしようも無い事だった。
私達は、後藤ちゃんを受け入れるしかなかった。
193 :
名無し娘。 : 2001/02/21(水) 18:41 ID:/pMZU6VA
そんなある日、次の新曲が発表された。
名前は「LOVEマシーン」だった。
メンバー内で動揺が走った。
今までと全然違う感じの曲。
何もかもが違っているような気がした。
私もみんなと同じく動揺した。
いや、私の動揺はみんなと同じじゃなかった。
メインと呼べるパートが無い…。
194 :
名無し娘。 : 2001/02/21(水) 18:53 ID:/pMZU6VA
私は少なからずメインをやってきた自信とプライドがあった。
なのに…なぜ?
私は疑問に思い、そして不安を感じた。
しかし、それを言い出す事は出来なかった。
後藤ちゃんが来てから急に何かが変わったようだった。
みんながそれを感じ取っていた。
195 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 00:16 ID:tMKkYlV2
そんな私の思いとは裏腹に「LOVEマシーン」は発売以来快進撃を続けた。
私は内心面白くなかった。
なぜ?
私の立場は?
後藤真希ちゃんの人気がみるみる上がって行くのを見て、私はますます不満を募らせた。
私はもう必要無いんだろうか…そんな不安が頭をよぎった。
196 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 00:28 ID:tMKkYlV2
後藤ちゃんはいつしかみんなの中に溶け込んでいた。
もう立派にメンバーの一人…いや、「顔」になりつつあった。
私も後藤ちゃんを認めざるをえなくなった。
でも、私の中のもやもやした気持ちはどうにも出来なかった。
不安で寝れない日々が続く。
私は自分の気持ちをどうにも出来なかった。
どうしたらいいのか分からなかった。
197 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 20:37 ID:VPKNJekA
「なっち顔色悪いよ?」
突然矢口っちゃんにそう言われた。
私は驚いてバッグの中から手鏡を取り出した。
鏡に写った私の顔は青白かった。
ここのところ全然眠れてなかった。
仕方無く…睡眠薬を飲んで無理やり寝ていた。
198 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 20:50 ID:Dth6Qjbs
そのウチ、「プッチモニ」が結成された。
タンポポに次ぐ新ユニットだった。
プッチモニは予想以上に売れた。
私はその成功を横目で見ているしかなかった。
いいんだ。
私はソロがあるから。
そう、自分に言い聞かせた。
199 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 20:59 ID:Dth6Qjbs
強がってはいても、実は寂しかった。
不安で不安で仕方無かった。
私は孤独なような気がして仕方無かった。
でも、誰にも相談出来なかった。
何か…負けを見とめるようでイヤだった。
私は、負けたくなかった。
200 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 21:06 ID:Dth6Qjbs
そのうち、更に新メンバーが入ってきた。
もちろん、私は面白くなかった。
いや…それよりも不安だった。
これ以上私の立場を脅かして欲しくない。
不安が更なる不安を呼んで、まるで嵐のように私の中で渦巻いていた。
私は苦しくて耐えられなくなった。
201 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 21:11 ID:Dth6Qjbs
やがて新メンバーの子達は辻ちゃんを除いてユニットに納まっていった。
そして…私のソロ活動もいつしか蔑ろになっていた。
裕ちゃんは新曲を出しているのに。
私の希望は見事に裏切られた。
なぜ?
どうして?
何が悪いって言うの?
202 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 21:16 ID:Dth6Qjbs
「I WISH」
とうとう私は「その他大勢」になってしまった。
私にとっては耐えがたい拷問のようなものだった。
ずっとメインであったプライドと、不安と孤独と怒りがぐちゃぐちゃに混ざり合っていた。
私はもう必要無いと言いたいの?
私の気持ちや努力はどうしてくれるの?
誰が私をこんなにしてしまったの?
203 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 21:20 ID:Dth6Qjbs
更に「ミニモニ」まで結成された。
遂に裕ちゃんと私を除いて全員ユニットに納まった。
いや、裕ちゃんにはソロがある。
私は?
私は何なの?
みんなが楽しそうに活動している姿を私は見ているしかなかった。
一人ぼっちで…。
204 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 21:24 ID:Dth6Qjbs
みんなが憎らしく見えた。
私だけを置いて行ってしまったような気がした。
私は一人取り残されてしまった。
どうにもならない。
どんなに悲しんでも怒ってもどうしようもない。
私は孤独になってしまった。
205 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 21:29 ID:Dth6Qjbs
誰一人私の味方なんていない。
私は孤独。
みんな嘘吐き。
裏切り者。
私はもう不要なの?
そこらへんに転がっているゴミと一緒な扱いなわけ?
誰も目を向けない。
ただ、一人で捨てられるのを待つだけ?
苦しい…
206 :
名無し娘。 : 2001/02/22(木) 23:35 ID:4XrG60ik
題名は何?
207 :
名無し娘。 : 2001/02/25(日) 22:42 ID:NsJ4AfV6
>>206 「御圭」にしてください。
考えていませんでした。
208 :
名無し娘。 : 2001/02/25(日) 22:48 ID:NsJ4AfV6
========================================
209 :
名無し娘。 : 2001/02/25(日) 22:54 ID:NsJ4AfV6
テレビ番組の収録の最中。
保田はじっとトークする安倍を見つめていた。
場の雰囲気を無視したような独り善がりなトーク。
保田にはそう見えた。
いつもテンションが高い。
こいつに悩みなんてあるのか…?
保田はそう思った。
210 :
名無し娘。 : 2001/02/25(日) 22:59 ID:NsJ4AfV6
保田にとって安倍は虫の好かない人間だった。
明るく可愛い、いつも主人公。
そりゃ、主人公になるだけの素材だとは思う。
しかし、保田には面白くなかった。
自分には無いものを持っているから?
そうかもしれない。
ただの、嫉妬かもしれない。
211 :
名無し娘。 : 2001/02/25(日) 23:05 ID:NsJ4AfV6
収録が終わると、メンバーは楽屋に戻り帰り支度を始めた。
保田はトイレに行きたくなり、急いでトイレに走った。
用を足して楽屋に戻ってくるとすでに誰もいなくなっていた。
「ちぇ…遅れた。早く帰ろう」
保田は楽屋の隅に置いてあった自分のバッグを手に取った。
そして急いで出ようとし、近くにあったパイプ椅子に足を引っ掛けた。
212 :
名無し娘。 : 2001/02/25(日) 23:09 ID:NsJ4AfV6
「痛っ」
保田は転びそうになった。
思わずバッグを床に落とし、パイプ椅子に手をかけた。
と、パイプ椅子の下に何か落ちているのを見つけた。
しゃがみ込んで、落ちているものを拾ってみた。
手帳だ。
213 :
名無し娘。 : 2001/02/25(日) 23:15 ID:NsJ4AfV6
誰の手帳だろうか?
保田は帰るのも忘れ、パラパラと手帳をめくってみた。
「なっちのか…」
保田はしめた、と思った。
安倍の秘密でも握ってやろう。
ワクワクしながら手帳をめくる。
214 :
名無し娘。 : 2001/02/25(日) 23:26 ID:NsJ4AfV6
しかし、手帳に書いてある事は保田の期待とは違った。
保田は手帳のページをめくるたびに気分が悪くなっていった。
片手でパイプ椅子を引きずって、座った。
すっかり帰る事など忘れて手帳に見入る保田。
手帳には、予定の他に安倍の胸の内が書いてあった。
それも延々と何ページにもわたって。
215 :
名無し娘。 : 2001/02/26(月) 08:18 ID:I9aTjhac
あ
216 :
ゾルス旧友 : 2001/02/26(月) 11:34 ID:lczlNcIA
面白い。他の作品はある?
217 :
書いた人 : 2001/02/26(月) 19:41 ID:kikfOKk2
218 :
名無し娘。 : 2001/02/26(月) 19:46 ID:kikfOKk2
「嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐き…」
「裏切り者みんな裏切り者…」
「嫌い嫌い一人は嫌い一人はイヤ…」
何ページにもわたってこんな言葉が繰り返し書かれていた。
保田は見ていて寒気がしてきた。
一体どうしたと言うのだろう?
居た堪れなくなった保田は手帳を閉じた。
219 :
名無し娘。 : 2001/02/26(月) 19:49 ID:kikfOKk2
ガチャッという音が保田の背後からした。
振り向いてみるとドアを開けて安倍がそこにいた。
厳しい表情の安倍。
保田には見たことのない…いや、みんなの前で見せたことのない表情だった。
保田はとっさに自分の手の中にある手帳を思い出した。
「あ…なっち」
220 :
名無し娘。 : 2001/02/26(月) 19:53 ID:kikfOKk2
安倍は何も言わずに凄い勢いで歩いてきた。
そして保田の元までやってきて…何も言わずに手帳を奪い取った。
「な、なっち」
保田の言葉に何の反応も示さず、安倍はそのまままた出ていってしまった。
開けっぱなしになったドア。
保田は安倍の去った方を呆然と見つめていた。
221 :
名無し娘。 : 2001/02/26(月) 19:57 ID:kikfOKk2
家に帰っても、保田の頭には延々と同じ言葉が書かれた手帳の内容が離れなかった。
マズいものを見てしまった。
保田は手帳を勝手に見たことを後悔した。
明日なんて安倍に言おう?
見てないフリをすべきだろうか?
それとも…あの手帳の内容について何か話すべきだろうか。
保田は悩んだ。
222 :
名無し娘。 : 2001/02/26(月) 20:04 ID:kikfOKk2
「嘘吐き嘘吐き…」
目を瞑ると殴り書きされたあの文字が浮かんでくる。
保田にとって安倍は面白くない人間だ。
でも…しかし、このまま放っておいていいのだろうか。
「一人は嫌い…」
安倍を救ってあげるべきなのか。
保田は思い悩んだあげく決心した。
明日、安倍に手帳の内容について話ししてみよう。
223 :
名無し娘。144 : 2001/02/27(火) 01:14 ID:ri7QSUEA
保田は優しい子だねぇ。保田は「なっち」の事「「なっつあん」て呼ぶよね。
224 :
名無し娘。 : 2001/03/02(金) 23:52 ID:XaPOKU56
225 :
名無し娘。 : 2001/03/02(金) 23:57 ID:XaPOKU56
次ぎの日、保田はスタジオ入りするとすぐに安倍の姿を捜した。
そして安倍を見つけるとそっと近づいて行った。
しかし…なんて声をかけたら良いのだろう。
安倍のすぐそばまで来ておきながら保田は迷った。
と、安倍が保田の存在に気づいた。
一瞬顔を曇らせる安倍。
「お、おはよう」
保田はとっさに挨拶した。
226 :
名無し娘。 : 2001/03/03(土) 00:03 ID:RGXDkZQk
「…おはよう」
暗い声ながらも挨拶を返してきた安倍。
保田はほっとした。
しかし、後が続かない。
保田はしばらく沈黙し悩んだあげく、変な聞き方をしてしまった。
「なっつぁん、元気??」
安倍は訝しげな顔をした。
「元気だよ」
227 :
名無し娘。 : 2001/03/03(土) 00:10 ID:RGXDkZQk
「そっかー…ならイイんだけどさ」
ハッキリしない言い方しか出来ない。
保田の決心は早くもグラついてきた。
放って置く方が良いのかもしれない。
「ま、なんか悩み事があったらなんでも相談してよ」
保田はそれだけ言ってとりあえず今回は立ち去ろうとした。
228 :
名無し娘。 : 2001/03/03(土) 00:16 ID:RGXDkZQk
「手帳見たの?」
安倍は冷たく小さな声で呟いた。
一旦立ち去ろうとした保田はその声を聞いて動きが止まってしまった。
小さい声だが…保田にはハッキリと聞こえた。
「見たんだね?」
保田は安倍の顔を見れなかった。
見なくてもどんな表情をしているか大体分かった。
昨日の…あの顔だ。
229 :
名無し娘。 : 2001/03/03(土) 00:20 ID:RGXDkZQk
「いや…ごめん。そんなつもりじゃ」
しどろもどろになりながら保田は答えた。
「なっちの秘密でも探ろうと思った?」
保田は動揺した。
その通りだ。しかし、まさか「そう」とは言えない。
「ち、違うよ…誰の手帳かな、と思ってさ」
230 :
名無し娘。 : 2001/03/03(土) 00:25 ID:RGXDkZQk
「嘘吐き」
安倍は冷たく言い放って歩いて行ってしまった。
保田は弁解する事も出来なかった。
その場に一人残った保田。
ますます事態を悪くしてしまったのだろうか。
やっぱり関わらない方が良かったのだろうか。
231 :
名無し娘。 : 2001/03/03(土) 00:36 ID:RGXDkZQk
今日も収録の間、異様な程にテンションの高い安倍。
それをじっと見ていた保田の目には以前とは違う安倍に見えた。
それは影の部分を見てしまったから?
ハシャギまくる安倍の姿も酷く可哀想に見えた。
「一人は嫌…」
やっぱり何かしてあげるべきではないのだろうか。
しかし、一人ではどうにも出来ない。
232 :
名無し娘。 : 2001/03/03(土) 08:22 ID:adTBC/u2
age
233 :
名無し娘。 : 2001/03/03(土) 10:19 ID:diSOyDwE
何のアニメぱくってるの?
234 :
名無し娘。 : 2001/03/04(日) 08:07 ID:2cN9p2Tw
後藤の出番だ!
235 :
名無し娘。144 : 2001/03/06(火) 01:15 ID:WgmytSOk
地味だけど続きが気になりますな。安倍、保田ときたら矢口、中澤あたりがでてほしいな。旧メンだけでGo。
236 :
名無し娘。 : 2001/03/11(日) 03:56 ID:KC3CIzLc
保全sage。作者さん、頑張ってください。
237 :
名無し娘。 : 2001/03/11(日) 23:23 ID:fnu3VsUs
みなさんすみませんでした。
>>233 アニメは見ないのでアニメのパクリではありません。
238 :
名無し娘。 : 2001/03/11(日) 23:32 ID:fnu3VsUs
次の日、自分だけの力ではどうにもならないと感じた保田は一緒に安倍の事を考えてくれる人に声をかけた。
そっとその人に近づいて声をかける。
「あのさ…ちょっと相談事があるんだけど、イイ?」
そう言うと矢口は勢い良く振り向いた。
「どうしたの?」
「あのさ…ちょっと場所変えよう」
保田は矢口を連れて人気の無い場所まで歩いていった。
239 :
名無し娘。 : 2001/03/11(日) 23:36 ID:fnu3VsUs
保田は当たりを慎重に見まわして、誰もいない事を確認した。
「一体どうしたの?まさか告るとか?」
矢口はそう言ってケラケラと笑った。
しかし、すぐに保田の真剣な表情に気づいて笑うのを止めた。
「なんか…大事な相談なの?」
保田は小さく頷いた。
「そう…なっつぁんの事なんだけどさ」
「まだ誰にも言わないでね」
矢口は今度は真剣な表情で小さく頷いた。
240 :
名無し娘。 : 2001/03/11(日) 23:46 ID:fnu3VsUs
保田は出来る限り小さな声で、安倍の手帳の内容について話した。
そして、安倍のあの厳しい表情や、「嘘吐き」という発言についても。
矢口の顔は話が進むにつれて見る見る表情が強張っていった。
そしてため息交じりに呟いた。
「なっち…そんなにみんなが信じられなくなっちゃったの?」
保田はその言葉には何も答えられなかった。
「で、相談って言うのはさ」
「分かったよ。なっちを助けてあげたいよ」
矢口の声には強い決意と、どこかしら悲壮感も漂っていた。
241 :
名無し娘。 : 2001/03/12(月) 20:05 ID:uuLuq7zs
バタバタと誰かが走る足音が聞こえた。
保田と矢口は音のする方向を同時に見た。
音は遠ざかっていくような近づいているような。
と、飯田が廊下の角から顔を出した。
「何やってるの?もう始まるよ!」
保田と矢口は顔を見合わせ、飯田について廊下を走ってスタジオに戻っていった。
242 :
名無し娘。 : 2001/03/12(月) 20:09 ID:uuLuq7zs
保田は本番中、また安倍の事を観察していた。
保田はいつもより安倍のテンションが低い事に気づいた。
話を振られない限りずっと俯いたままの安倍。
矢口が話しかけるも反応が鈍い。
ますます状態は悪くなっているのだろうか。
保田はどうするのが1番イイ方法なのか思案を巡らせていた。
243 :
名無し娘。 : 2001/03/12(月) 20:14 ID:uuLuq7zs
仕事が終わり、全員が楽屋に戻っていった。
保田は楽屋で帰り支度を整えた後、トイレに向かった。
そして帰ってくると楽屋にはすでに誰もいなかった。
ふと、パイプ椅子の下に目をやった。
手帳が落ちていた。
イヤな予感が保田の脳裏をよぎった。
同じ状況。
保田は手帳を手に取らず、楽屋入り口のドアを振り向いた。
244 :
名無し娘。 : 2001/03/12(月) 20:17 ID:uuLuq7zs
保田の想像した通り、楽屋のドアはゆっくりと開いた。
そしてそこには想像通りの人物が立っていた。
ただ…違ったのは手に包丁を持っていた事だった。
「なっつぁん…」
保田はゆっくりと後ずさりし始めた。
安倍もそれに歩調を合わせるかのように保田に近づいていった。
245 :
名無し娘。 : 2001/03/12(月) 20:20 ID:uuLuq7zs
「な、なっつぁんどうしたの?」
保田は震える声で安倍に話しかけた。
視線は、安倍の手にある包丁だけを見ていた。
少しずつ間を詰めながら安倍は呟いた。
「なっちをバカにして…」
保田は恐ろしくなり、全身から冷や汗が出てきた。
「何言ってるの?いつバカにしたの!?勘違いだよ」
246 :
名無し娘。 : 2001/03/12(月) 20:30 ID:uuLuq7zs
「矢口っちゃんとなっちを陥れる相談してたくせに!」
安倍の声は急に激しくなった。
それとは対照的に保田の声は弱弱しくなっていった。
「違う…違うってば。誤解だよ」
後ずさりしていた保田はテーブルにぶつかった。もう後ろに下がれない。
「なっつぁん…それは思い込みだってば」
保田はテーブルにそって横に逃げ始めた。
247 :
名無し娘。 : 2001/03/12(月) 20:40 ID:uuLuq7zs
「なっつぁん…聞いて。矢口とは、その…なっつぁんを助ける相談をしてたんだよ」
保田はテーブルの縁に手をかけ、ゆっくりと移動していた。
安倍はどんどんと近づいてきた。
そして、手に持っていた包丁を胸の高さあたりまで上げた。
「助けるって何を?なっちが異常だとでも?」
「そんな事言ってないよ!」
「じゃあ何さ!」
安倍の声は怒鳴り声になった。
248 :
名無し娘。 : 2001/03/12(月) 20:50 ID:uuLuq7zs
保田はどう説明しても安倍の怒りを買う事に気づいていた。
「なっつぁん…お願いだから」
保田は恐怖で涙声になっていた。
「なっちの手帳を勝手に読んで、それを矢口っちゃんに言ったわけ?」
「なっちの心の中を勝手に覗いて、それで弄んで、引き裂くわけ?」
「そ、そんなつもりは…」
テーブル沿いに移動していた保田はパイプ椅子に引っかかって止まった。
保田はじっと安倍を見つめていた。
249 :
名無し娘。 : 2001/03/12(月) 20:54 ID:uuLuq7zs
「なっちがどんなに苦しいか知らないくせに!」
安倍はそう叫んで飛びかかってきた。
保田は必死に安倍の手を…包丁を持つ手を掴んだ。
「なっつぁん止めて!」
保田も必死に叫んだ。
二人は掴み合ったまま転がり、パイプ椅子が激しい音を立てて倒れた。
「誰か!誰か来て!」
保田は絶叫した。
250 :
名無し娘。 : 2001/03/15(木) 01:19 ID:aZixSwVU
ほじぇん
251 :
名無し娘。 : 2001/03/18(日) 00:27 ID:RZGHvpC.
ほぜむ
252 :
名無し娘。 : 2001/03/18(日) 14:07 ID:YWxqfjAQ
「ちょっと!!何やってるの!」
激しい怒鳴り声が聞こえた。
そして安倍の後ろから誰かが安倍をはがいじめにした。
そしてもう一人の手が安倍の手から包丁を無理やり取り上げた。
「なっち!!何やってるの!」
安倍は飯田にはがいじめにされ、保田から離れた。
「なんで…なんで」
手に持った包丁を見つめて矢口は悲しそうに呟いた。
253 :
名無し娘。 : 2001/03/18(日) 14:09 ID:YWxqfjAQ
保田は呆然とそのまま床に寝転がったまま、安倍を見上げていた。
安倍は…肩で息をしながら保田を恐ろしい眼差しで見つめていた。
「なっち…一体何があったの?」
矢口が沈んだ声で安倍に問い掛けた。
しかし…安倍は何も答えなかった。
ただ、じっと保田を睨みつけていた。
254 :
名無し娘。 : 2001/03/18(日) 14:15 ID:YWxqfjAQ
「今までケンカもあったけど…こんなの始めてだよ。一体どうしたの」
矢口はますます悲しそうに言った。
安倍は何も答えず、後ろにいる飯田に体を任せるように体の力を抜いてぐったりと項垂れた。
はがいじめにしていた飯田は力を緩め、安倍の力の無い体を両手で支えた。
「圭ちゃんも…何があったの?」
矢口は今度は保田に問い掛けてきた。
保田はゆっくりと床に手をつき、体を起こした。
255 :
名無し娘。 : 2001/03/18(日) 14:20 ID:YWxqfjAQ
しかし、保田も何も答えられなかった。
この事をどう説明したらいいのだろうか?
安倍をますます逆上させる事にならないだろうか?
保田は何も言えないまま…床に座りこみ、俯いたまま黙った。
沈黙が流れた。
256 :
名無し娘。 : 2001/03/18(日) 14:23 ID:YWxqfjAQ
「なっち!」
突然飯田の大声が聞こえた。
保田は驚いて顔を上げてみた。
安倍は、飯田の手を振り切り、楽屋を走って出ていこうとしていた。
「なっつぁん!!」
保田は立ちあがり、呆然とする飯田と矢口を置いて安倍を追って走り始めた。
楽屋を出て、廊下を走る。
安倍の後ろ姿を追いかけて走った。
257 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 18:52 ID:QOlloJY.
.
258 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 20:34 ID:cBrgXfvc
「なっつぁん!!」
保田は走りながら力いっぱい大声で安倍に呼びかけた。
しかし、安倍はまったく振りかえらない。
廊下、そしてスタジオの出口を通り外へ出た。
安倍の後姿はどんなに精一杯走ってもすこしも大きくならなかった。
息が苦しい。
保田は半ば諦めかけていた。
259 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 20:37 ID:cBrgXfvc
「なっつぁん…」
保田はとうとう声を出すのも大変になってきた。
それでもなんとか走り続ける。
安倍の姿はだんだん小さくなっていった。
安倍はビルの角を曲がる。一瞬安倍の姿が見えなくなった。
保田も角を曲がった。
保田の目に映ったものは、小さな安倍の後ろ姿と大きな交差点と赤信号だった。
「なっつぁん!!」
保田は出来る限りの大声で叫んだ。
260 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 20:42 ID:cBrgXfvc
何もかもがゆっくりに見えた。
安倍は赤信号の交差点に躊躇せず入っていった。
大きな音がして、安倍は宙に浮いた。
そして車のボンネットに打ちつけられ、転がって地面に落ちた。
悲鳴も聞こえた。
安倍が地面に倒れ込むと、何も聞こえなくなったような気がした。
261 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 20:45 ID:cBrgXfvc
「…」
保田は何も声が出なかった。
ようやく安倍の元に辿りつき、地面にヒザをついて安倍を抱きかかえた。
自分でも何を叫んでいるのかよく分からなかった。
保田の手の中で安倍はぐったりとしたまま動かなかった。
262 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 20:46 ID:cBrgXfvc
========================================
263 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 20:50 ID:cBrgXfvc
どうやってここまで来たのかも分からず、ただ呆然と保田は椅子に座っていた。
何も聞こえない静かな場所。
頭の中はぐちゃぐちゃになっていて何をどうしたらいいのか分からない。
目を瞑ると宙に浮く安倍が映る。
保田は恐ろしくて怖くて…寒くて震えた。
小さくなって震えていた。
264 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 20:56 ID:cBrgXfvc
「圭ちゃん!」
突然声が聞こえた。
そして誰かが震える保田の肩を抱いた。
顔を上げるとそこには矢口がいた。後ろには飯田も。
「圭ちゃん大丈夫?」
矢口はそう言って保田の肩を揺さぶった。
保田は何も答えられずに、ただ涙を流した。
265 :
名無し娘。 : 2001/03/22(木) 21:02 ID:cBrgXfvc
「圭ちゃんしっかりしてよ!」
「なっちなら大丈夫だって!」
矢口の言葉の意味が理解出来ない保田。
不思議そうな顔をしていると後ろから飯田が落ちついた声で話し始めた。
「なっちは脳震盪起こしただけで、命に別状は無いってさ」
保田はその言葉を聞いて一気に力が抜けた。
力が抜けて…保田はそのまま気を失った。
266 :
名無し娘。 : 2001/03/23(金) 21:54 ID:fcJq2jmI
作者さんはM?話を煮詰まりやすい方向にワザともって行ってるの?
その方が展開が読めなくて面白いけど。
267 :
名無し娘。 : 2001/03/23(金) 23:57 ID:Bs.SN0ng
>>266 すみませんM?話って何でしょうか…(マジレス
268 :
名無し娘。 : 2001/03/23(金) 23:58 ID:Bs.SN0ng
269 :
名無し娘。 : 2001/03/24(土) 00:12 ID:CeAl7N4A
>>266 私は頭が弱いのでなんとも言えませんが、最初から予定した通りに書いてるので…。
>>267 >>268のレスでかなり無能ぶりをご披露してしまいましたし。
270 :
名無し娘。 : 2001/03/26(月) 19:09 ID:OgQmH5.k
ggggggg
271 :
名無し娘。 : 2001/03/26(月) 22:07 ID:KjrERFEk
「…ちゃん?圭ちゃん?」
朦朧とする意識の中で誰かの声が聞こえてきた。
ゆっくりと目を開けてみると、目の前に矢口と飯田の顔があった。
目にいっぱいに映った矢口の顔は安堵の表情を浮かべた。
「良かった…気がついた」
矢口はそう言って保田の手をひっぱった。
保田は矢口に手を引かれてゆっくりと身を起こした。
272 :
名無し娘。 : 2001/03/26(月) 22:13 ID:KjrERFEk
キョロキョロと当たりを見まわす保田。
ここは病室だった。そして、保田はベッドに寝かされていた。
「急に倒れたから…」
飯田はため息をつきながら言った。
「な、なっつぁんは?」
保田はベッドから降りようと床に足をついた。
矢口が保田の手を握って立つのを助けてくれた。
「なっちなら、もう起きてるよ」
273 :
名無し娘。 : 2001/03/26(月) 22:19 ID:KjrERFEk
矢口と飯田に連れられて保田は自分の寝ていた部屋を出て、廊下を歩き、とある病室に入った。
矢口がドアを開けて入る。飯田と保田もそれに続いた。
部屋の中には…メンバー全員が揃っていた。
そしてメンバーの取り囲むベッドの上には安倍が座っていた。
その表情は、凍ったように固まっていた。
壁の一点だけを見つめて…保田の存在もまったく気づいていないようだった。
274 :
名無し娘。 : 2001/03/26(月) 22:22 ID:KjrERFEk
「圭坊」
聞き覚えのある声が聞こえた。
保田が声のする方を向くと、そこには腕を組んで険しい顔をして立つ中澤がいた。
「裕ちゃん…」
中澤はゆっくりと保田に近寄っていった。
「一体何があったんや?」
中澤はトーンの低い声で保田に事の説明を求めた。
275 :
名無し娘。 : 2001/03/26(月) 22:29 ID:KjrERFEk
保田はふと、安倍の顔を見てみた。
安倍は保田と中澤の方を見ていた。目があった保田は一瞬ゾッとした。
しかし、安倍の目には「あの時」のような恐ろしい感じは微塵も感じられなかった。
いや、むしろ、悲しみに満ちたような目をしていた。
「何があったんや!」
急に大きな声で中澤が問い詰めた。
保田は安倍から目をそらし、中澤を見ながらゆっくりとすべてを話し始めた。
もはや…隠しても仕方無い。安倍の事故という事実がすべてを明るみに出してしまった。
276 :
名無し娘。 : 2001/03/28(水) 20:58 ID:iHkpOLc6
保田は一から、何があったのかを事細やかに説明した。
保田は説明している間、安倍の顔を見ることが出来なかった。
安倍の視線を感じた。
しかし、どうしても…安倍の顔を見ることが出来なかった。
277 :
名無し娘。 : 2001/03/28(水) 21:03 ID:iHkpOLc6
すべてを説明し終わった。
保田が説明を終えると、部屋には重い沈黙が流れた。
誰も、安倍の顔を見ることが出来なかった。
と、中澤がゆっくりと安倍のそばに寄っていった。
そして…力いっぱい安倍の頬を平手で殴った。
「バシッ」という凄い音が静かな部屋に響き渡る。
そこに居た全員が思わず安倍と中澤を見た。
278 :
名無し娘。 : 2001/03/28(水) 21:10 ID:iHkpOLc6
「あほぉ!」
続いて中澤の大声が響いた。
「なんで誰にも相談せんかったんや!なんで一人で悩んでたんや」
「孤独ってあんた…自分で殻を閉じてしまったんやないか」
「みんななっちの事心配してても、なっちが心を閉ざしてしまったら誰も協力したくても出来へんやろ」
「よく見てみろや…みんななっちが心配やから仕事キャンセルしてでもここに集まったんやろ?」
「なっちを一人にしようなんて誰も思ってへんのや…」
279 :
名無し娘。 : 2001/04/02(月) 22:21 ID:Ef3WP6j2
n
保全書き込みを行います
9876543210
281 :
名無し娘。 : 2001/04/08(日) 03:10 ID:p926mS5.
保全sage
282 :
名無し娘。 : 2001/04/09(月) 04:32 ID:TfuYMXqs
続編期待さげ
283 :
名無し娘。 : 2001/04/09(月) 04:49 ID:b3Ix1XbA
age
284 :
名無し娘。 : 2001/04/09(月) 14:11 ID:FWO/0b..
まだか?
285 :
書いた人 : 2001/04/10(火) 18:12 ID:gY1Lo9jo
みなさま、どうも申し訳ありません。
思うように時間が取れなくてなかなか更新出来ません。
必ず完結はさせますので…。
286 :
名無し娘。 : 2001/04/12(木) 02:06 ID:4Zc.rPBU
287 :
名無し娘。 : 2001/04/13(金) 19:44 ID:hf.ITixk
中澤の大声が終わると、とたんに部屋には静けさが戻ってきた。
安倍は、殴られた頬を手で押さえ、俯いていた。
「なっち…」
中澤の横から、矢口が安倍の元へ歩み寄った。そして、目に涙を溜めながら安倍に抱きついた。
「なっち…ごめんね。寂しい思いさせて」
「ごめんね」
矢口は涙声になりながら安倍にただ謝っていた。
288 :
名無し娘。 : 2001/04/13(金) 19:49 ID:hf.ITixk
矢口の涙に触れて、凍ったようだった安倍の顔からもうっすらと涙が流れてきた。
中澤はその場にしゃがみ、安倍の顔を覗きこんだ。
「なっち、みんなの気持ちが分かったやろ?」
「みんななっちの事、大切やと思ってるんや」
俯いたままの安倍の口から、小さな嗚咽が漏れた。
289 :
名無し娘。 : 2001/04/13(金) 19:58 ID:hf.ITixk
じっと立ったままその様子を見ていた保田も、ゆっくりと安倍の横へと行き、ベッドの横へしゃがんだ。
泣いている安倍と矢口を見て、保田は何て発言したら良いのか迷い、しばらくじっと二人を見ていた。
それに中澤が気づき、立ちあがって矢口の肩を揺すり、安倍から矢口を離した。
そして、中澤は保田の肩をポンと一つ叩いた。
保田は…中澤に諭されて、静かに安倍に話しかけた。
「なっつぁん…私、なっつぁんの気持ちも考えずに勝手な事して…本当にごめん」
「でも、なっつぁんを救いたい、って思ったのは本当だよ」
「だってさ、なっつぁんは大切な仲間じゃん」
290 :
名無し娘。 : 2001/04/13(金) 20:04 ID:hf.ITixk
保田は手を伸ばして、そっと安倍の手を握った。
保田の目からも、ずっと堪えていた涙が溢れ出してきた。
頭の中はしだいに真っ白になって行き、安倍に何を話しかけていいのか分からなくなった。
「なっつぁん…ごめんね」
ただ、それだけの言葉しか出てこなかった。
291 :
名無し娘。 : 2001/04/16(月) 17:17 ID:wYURtDA.
hhhhhhhhhhhhhhhhg
292 :
名無し娘。 : 2001/04/19(木) 00:27 ID:.aBZm6RI
hozeeeeen
293 :
名無し娘。:2001/04/20(金) 23:54 ID:UMNr3EOA
続編期待!
294 :
名無し娘。:2001/04/22(日) 05:39 ID:TVqnQpV2
sage
295 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 08:11 ID:a.kPD4uA
ggggggggggggggggggggggggg
296 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 22:31 ID:mFziFDbo
保田の握った安倍の手は、力無く、握り返してはこなかった。
安倍の手を握った保田の手の甲に、暖かい涙が一つぶ落ちてきた。
「…なっちは…」
よく耳を澄まさないと聞こえないような小さな声で、安倍がようやく話し始めた。
保田はその声に気づき、顔を上げて安倍の目を見つめた。
安倍の目は、涙にあふれ、そしてとても悲しそうだった。
297 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 22:38 ID:mFziFDbo
じっと一点を見つめたまま、安倍は唇をほんの少しだけ開けた。
「なっちは、一人だった」
「…分かってたんだ。自分がいけないって事も。でも、誰にも言えなかった」
「自分でもどうにも出来ない気持ちを…誰かにぶつけたかった」
「でも…なっちはどうして欲しかったんだろう?」
「…分かんないよ…」
そこまで言うと安倍は急に声を上げて激しく泣き出した。
298 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 22:43 ID:mFziFDbo
保田は何も答えられず、ただ、手をじっと握っていた。
どうしたらいいのかも、保田にはまったく分からなかった。
苦しみに喘ぐ安倍に何も出来ない自分がとても小さく感じた。
保田は下唇をきつく噛んで耐えた。
自分の無力さに、何も出来ない悔しさに耐えた。
299 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 22:58 ID:mFziFDbo
「なっちは、モーニングに必要なのかな?」
「なっちには、まだ居場所があるのかな?」
震える声で安倍は問い掛けてきた。
「そ…そんな」
保田はとっさに身を乗り出して安倍に答えようとした。
「なっちってさ」
と、突然背後から声がした。
保田が声のした方を振りかえると、高い背丈から見下ろすように、飯田が立っていた。
300 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 23:13 ID:mFziFDbo
「なっちってさ、ずっとメインだったよね」
飯田は普段と変わらない表情で話しを続けた。
「で、カオリはその他大勢みたいだった」
「カオリもね、自分が必要なのかどうか凄く不安だったよ」
「でも…誰かが必要無い、って言わない限り、不必要って決まったワケじゃないじゃん」
「誰かが、なっちは不要だって言ったの?」
301 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 23:19 ID:mFziFDbo
安倍は、ゆっくりと首を横に振った。
飯田は続けた。
「でしょ?誰もなっちが不要だなんて思ってないよ。自分でそう思い込んでるだけ」
「自分の居場所とか…は自分で作るべきだと思うよ」
「自分の存在も、自分で作るもんだよ」
鋭い眼差しで安倍を見下ろす飯田の横から、中澤が近寄ってきた。
そして、保田の横にしゃがみ、安倍を見上げた。
302 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 23:28 ID:mFziFDbo
「カオリの言う通りや、なっち」
「誰もなっちの事不要だなんて思ってへん」
中澤は手を伸ばし、安倍の頭を優しく撫でた。
「なっちには、なっちにしか出来ない事もあるやろ?」
「なっちには、なっちの魅力があるやろ?」
「だからこそ、なっちはモーニングに必要なんやないのか?」
「なっちの代わりは、なっちしかおらんのや」
303 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 23:34 ID:mFziFDbo
「分かってくれたか?」
中澤の問いかけに、安倍はただ泣き続けるだけで、何も答えなかった。
保田はただただ、安倍を見つめる事しか出来なかった。
「…そろそろ時間が」
部屋の一番隅の方からマネージャーの声が聞こえた。
保田は安倍から離れる事が不安だった。
安倍は分かってくれたのだろうか?
304 :
名無し娘。:2001/04/23(月) 23:40 ID:mFziFDbo
帰る事を躊躇する保田を見て、中澤がそっと安倍の手を握る保田の手を引き離した。
中澤は何も言わず、目で保田に訴えた。「帰れ」と。
保田は仕方なく、その場を立ちあがった。他のメンバーは、一人、また一人と部屋を後にしていった。
何度も安倍の方を振りかえりながら出口へ歩く保田。
安倍はずっと俯いたまま泣いていた。
中澤が手をヒラヒラさせ、「行け」と合図をしていた。
後ろ髪を引かれながら、保田は部屋を出ていった。
305 :
名無し娘。:2001/04/25(水) 04:04 ID:zs9yol3k
保全。
306 :
名無し娘。:2001/04/26(木) 01:56 ID:xB4J4Kl2
age
307 :
江田島平八:2001/04/26(木) 01:57 ID:w/g80kPk
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ヽl  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ //
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\____/
308 :
名無し娘。:2001/04/28(土) 03:13 ID:eQfN5MIo
保全っす。
309 :
名無し娘。:2001/04/28(土) 20:52 ID:5M8bQU2I
安倍の事で極度の疲労に達した保田は、家に帰るや否や倒れるようにして眠りこんだ。
気がつくと帰宅したままの格好でソファーに横になっていた。
時計を見るともう午前9時をさしていた。
スタジオ入りする時間まで少ししかない。
しかし、昨日のままではさすがに気持ち悪い。
せめてシャワーを浴びていこう…。
保田は遅刻覚悟で風呂場に入った。
310 :
名無し娘。:2001/04/28(土) 20:58 ID:5M8bQU2I
せっかくシャワーを浴びたのに汗だくでスタジオへ走る保田。
スタジオへつき、楽屋へ行くともうすでにメンバーが集まっていて、打ち合わせが始まっていた。
「圭ちゃん遅刻だよ!」
誰かが楽屋じゅうに響くような大声で言った。
「ご…ごめん」
保田は入っていきなりの事だったので反射的に謝ってしまった。
そして、すごすごと背を丸めながら荷物を置きにいった。
311 :
名無し娘。:2001/04/28(土) 21:02 ID:5M8bQU2I
荷物を置いて、みんなの集まっているテーブルの方を向いた。
保田はそこでまるでゾンビでも見たかのような顔をした。
テーブルの片隅には…安倍が座っていた。
「圭ちゃん何やってるのさ」
安倍は以前のような甲高く、部屋中に響くような声だった。
その表情も、以前のような輝きが戻っていた。
312 :
名無し娘。:2001/04/28(土) 21:06 ID:5M8bQU2I
「な、なっつぁん??」
あまりの驚きに目を白黒させる保田。
「まー細かい事はあとで。早く座ってよ」
安倍は何も無かったかのようだった。
今までの事は夢だったのか…?保田は自分がよく分からなくなった。
「遅刻したから事情が分からないんだよ」
テーブルの前の椅子を引く保田を横目で見ながら飯田が呟いた。
「ご、ごめん」
313 :
名無し娘。:2001/04/28(土) 21:15 ID:5M8bQU2I
保田が加わって全員になったメンバーは、今日の収録の打ち合わせに入った。
しかし、保田はその内容を全く聞いていなかった。
保田の意識は、すべて目の前にいる安倍に注がれていた。
真剣な表情でマネージャーの説明に聞き入る安倍。
何も…何も変わっていない。
でも…どう安倍に接したらいいのだろうか?
保田は自分が変に緊張しているのがわかった。
314 :
名無し娘。:2001/04/30(月) 14:25 ID:iQapdso.
( ^▽^)< age
315 :
名無し娘。:2001/05/02(水) 16:34 ID:NoV7vHI6
( ^▽^)<sage
316 :
名無し娘。:2001/05/04(金) 02:12 ID:cfdzEh/o
保全します。
317 :
名無し娘。:2001/05/04(金) 21:23 ID:/rsGqPG2
.
318 :
名無し娘。:2001/05/06(日) 23:38 ID:dXatZQYE
期待してます。保全します。
319 :
名無し娘。:2001/05/08(火) 11:00 ID:LLEsPmjs
保全っす。
320 :
名無し娘。:2001/05/10(木) 00:27 ID:GcTuikDs
保全
321 :
し:2001/05/11(金) 01:31 ID:uNFaOCao
322 :
し:2001/05/11(金) 01:53 ID:sYSlwGmk
323 :
名無し娘。:2001/05/12(土) 02:02 ID:7OMoC2Ag
sage
324 :
名無し娘。:2001/05/14(月) 11:11 ID:sU0v2dkA
保全sage
325 :
名無し娘。:2001/05/15(火) 22:08 ID:6sqMASl.
打ち合わせも終わり、メンバー全員が仕事の仕度を始めた。
保田は、そっと安倍に近づいた。しかし、どう声をかけていいか分からない。
安倍の前でしばらくもぞもぞしていると、安倍が保田に気づいた。
安倍は保田の目を見て、にっこりと笑った。
「もう大丈夫…色々ありがとね」
そう言う安倍の目には何の曇りも無かった。
326 :
名無し娘。:2001/05/15(火) 22:11 ID:6sqMASl.
その言葉を聞いて、保田はほっとした。
と、同時に、どうしても信じていいものだろうか?という疑問が浮き上がった。
いや…裕ちゃんがきっと説得してくれたのだろう。
疑ってもキリが無い。
保田は自分にそう言い聞かせた。
そして、保田も安倍に笑顔をかえした。
327 :
名無し娘。:2001/05/15(火) 22:15 ID:6sqMASl.
ようやく、すべての歯車が順調に回りだした。
モーニング娘。としての新曲のレコーディングも控えていた。
やっぱり…なんだかんだ言っても安倍の存在は必要なもの、そう保田は感じていた。
前はあんなに嫌ってたのに。
しかし、安倍を受け入れる事の出来るようになった自分が嬉しくも思えた。
色々あったけど、結果的には良かったのかもしれない。
328 :
名無し娘。:2001/05/15(火) 22:19 ID:6sqMASl.
安倍を入れた番組の収録が始まった。
以前と同じように、保田はハシャギまくる安倍を眺めていた。
しかし、今度は好意的な目で。
安倍はまったく以前と同じようだった。
329 :
名無し娘。:2001/05/15(火) 22:21 ID:6sqMASl.
と、突然安倍が静かになった。
隣りに座っていた矢口が安倍の顔を覗き込んで引きつった顔をした。
後ろに座っていた保田は何が起きたのか分からなかった。
身を乗り出して安倍の肩に手をかける。
「どうしたの?」
安倍は何も答えなかった。
330 :
名無し娘。:2001/05/15(火) 22:24 ID:6sqMASl.
「なっち!」
矢口が大声で叫んだ。
保田が手をかけた肩は少しずつ保田から離れていった。
安倍は、そのまま前のめりに倒れていった。
倒れて…ようやく保田から安倍の顔が見えた。
安倍の顔は血の気が失せて真っ青になっていた。
331 :
名無し娘。:2001/05/15(火) 22:27 ID:6sqMASl.
「なっち!?」
矢口がすかさず床にしゃがんで、安倍を抱きかかえた。
「救急車!早く!」
スタジオは騒然となった。
保田は、安倍の肩がすり抜けてしまったまま、手を前に突き出し、呆然としたまま止まっていた。
332 :
名無し娘。:2001/05/16(水) 04:12 ID:Q4T6z2nY
久しぶりの更新楽しみにしてました。頑張って続けてください。
333 :
名無し娘。:2001/05/17(木) 21:59 ID:zlVrpouY
程なくして、救急車が到着した。ぐったりとしたままの安倍は、救急隊員の抱えられ、ストレッチャーに乗せられてスタジオを出ていった。
それからしばらくの間、スタジオ内の騒然とした雰囲気は収まらなかった。
保田はただ、呆然と安倍の出ていったスタジオの出口を見つめていた。
「圭ちゃん…どうして?どうしよう?」
そんな声が聞こえて顔を向けると、矢口が真っ青な顔をしていた。
「どうしようって…」
保田は何も答える事が出来なかった。
334 :
名無し娘。:2001/05/17(木) 22:04 ID:zlVrpouY
収録はそのまま続けられた。スケジュールの詰まっているモーニング娘。にとって時間は無駄に出来なかった。
その場にいる全員が青い顔をしたままでの収録。笑顔の一つもない。
安倍の所へ一刻も早く行きたかった保田だが、仕事を放棄するわけには行かなかった。
収録が終わると、矢口は保田の所に真っ先にやってきて、安倍のところへ行こうと提案した。
保田は当然、それに同意した。
更に飯田も交えて、三人でマネージャーにお願いして、安倍の搬送先まで連れていってもらった。
335 :
名無し娘。:2001/05/17(木) 22:07 ID:zlVrpouY
病院に着くと、事務所の人がロビーに一人座っていた。
四人がやってきたのに気づき、立ちあがって近づいてきた。
保田は、その表情から安倍の容態を読み取ろうとじっと顔を見つめた。
その顔は、特に緊張もせず、ごくごく普通であった。
「なっちはどうなんですか?」
矢口が真っ先に口を開いた。
336 :
名無し娘。:2001/05/17(木) 22:13 ID:zlVrpouY
「特に異常は見当たらないそうで…まだ完調ではないのでは、と」
事務所の人はそう静かに話した。
四人はそれぞれ顔を見合わせた。少しだけほっとした表情がこぼれた。
「ただ…静養が必要だと」
その言葉を聞いて保田と飯田が顔を見合わせた。
「静養…」
337 :
名無し娘。:2001/05/17(木) 22:16 ID:zlVrpouY
飯田は更にマネージャーの顔を見た。マネージャーは飯田に答えた。
「静養…仕方無いね」
そういうとマネージャーはため息を一つついた。
「そうだよね。しっかり直して早く元気になってもらわないと」
飯田はそう言って。保田と矢口の顔をみた。
二人とも、同意の意味を込めて頷いた。
338 :
名無し娘。:2001/05/17(木) 22:24 ID:zlVrpouY
「さ、次の仕事があるから」
マネージャーにそう言われて、仕方なく三人は病院を後にする事になった。
「ま、大事じゃないみたいだし、良かったね」
矢口の顔からようやく笑顔が出てきた。
しかし…保田は不安で仕方なかった。
なっつぁんが…また一人で悩んでしまったらどうしよう?
裕ちゃんに連絡しておくべきだろうか?
車に乗って遠く離れていく病院を見ながら、保田は急激に心細くなっていった。
339 :
名無し娘。:2001/05/17(木) 22:38 ID:Pb4x2T1o
このまま巧くつなげば『もんじゃ中澤』の序章になるな
340 :
1:2001/05/19(土) 05:00 ID:4d7TrZdU
gg
341 :
名無し娘。:2001/05/22(火) 21:12 ID:hVrv4oKQ
hozen
342 :
名無し娘。:2001/05/25(金) 04:00 ID:rDrAH3zw
保全します。
343 :
名無し娘。:2001/05/26(土) 05:11 ID:JoXx8w/A
保全
344 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 05:09 ID:u7C32C9Y
保全します。
345 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 18:49 ID:uHYMJD76
安倍が倒れてから、モーニング娘。は仕方無く安倍抜きで活動を続けた。
メンバー全員が安倍が心配ではあったが、スケジュール一杯の状態では、見舞いに行くことすら叶わなかった。
安倍の様子については事務所の人から逐一聞いていた。
それによると、安倍は静かに…毎日回復に向けてがんばっていると。
保田は心配で何度も事務所の人に問い合わせていた。
しかし、安倍は大丈夫、という返答しか返ってこなかった。
346 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 18:53 ID:uHYMJD76
心配しすぎなのか?
保田はむしろ自分の方が変なように思えた。
そう…きっと心配しすぎてるんだ。
なっつぁんは分かってくれたんじゃん。
そう思うと、保田は自分が可笑しく見えた。
347 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 18:57 ID:uHYMJD76
=============================================
348 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 19:02 ID:uHYMJD76
「おつかれさまでしたー」
今日も1日、ようやく仕事が終わった。
保田は事務所の車に乗り、家路を急いでいた。
「あ…すいません、家の近くのコンビニで降ろしてもらえます?」
保田を乗せた車はコンビニに止まり、保田を置いて行ってしまった。
保田は車が消え去るのをみると、被っていた帽子を手でひっぱり、顔が見えないように深く被った。
そして、コンビニでしばらく立ち読みした後、少しばかりの買い物をすませた。
349 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 19:07 ID:uHYMJD76
「ありがとうございました」
店員の声を背中に、自動トビラを通ってコンビニの外へ出た。
コンビニの袋を片手に、もう片方にはバッグを担いで家に向かって歩き始めた。
電燈の明かりで真っ暗ではないが、夜遅くて暗い事には変わりない。
保田は下を向いたまま早足で家に急いだ。
350 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 19:12 ID:uHYMJD76
ふと、人の気配を感じた。
保田は少しだけ顔を上げて、前を見た。
そして、人影を見つけると、その影を避けるようにして更に早足で通りすぎようとした。
しかし、その人影は明らかに保田を意識していた。
保田はそれに気づき、怖くなって走り出そうとした。
351 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 19:16 ID:uHYMJD76
「なんで!」
急に叫び出す人影。
保田はその声に驚いて足を止めた。
「どうして?」
甲高い声で叫ぶ。
保田はそっと顔を上げて、人影をよく見てみた。
352 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 19:20 ID:uHYMJD76
「なっつぁん?」
保田は一言そう言うと、一歩人影の方へ歩み寄った。
「なっつぁん、もう大丈夫なの?」
人影は保田に歩調を合わせるように、一歩後ろへ下がった。
「…なっつぁん?」
保田は何も返事をしない人影…いや、安倍に話しかけた。
「どうしたの?もう、復帰出きるの?」
353 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 19:23 ID:uHYMJD76
「なっつ…」
「嘘吐き!」
保田の言葉を遮るように、安倍はまた大声で叫んだ。
保田はまた一歩、安倍に歩み寄った。
安倍もまた、それに合わせてまた一歩、後ずさりした。
「裏切り者!!」
静かな住宅街に、安倍の声がこだました。
354 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 19:28 ID:uHYMJD76
「なっつぁん…」
保田は自分の不安が的中してしまった事に目の前が真っ暗になった。
「なっちは必要だって言ったくせに!」
「なっちがいなくたってモーニングはそのまま仕事してるじゃん!」
「なっちだけ置き去りにして!」
保田は安倍の方に一気に歩み寄った。
「違うって!なっつぁん!」
355 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 19:30 ID:uHYMJD76
「近づかないで!」
安倍はもはや興奮していて、何を言っても無駄そうだった。
保田は歩みを止めた。
「なっつぁん…お願い聞いて。モーニングはスケジュールがいっぱいでどうにもならないんだよ」
「それはなっつぁんも分かってるでしょ?」
「みんな…なっつぁんが戻ってくるの信じて待ってるんだよ」
356 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 19:33 ID:uHYMJD76
「嘘吐き嘘吐き嘘吐き…」
安倍は今度は静かな声で、まるで呪いの言葉のように「嘘吐き」という言葉を繰り返した。
「なっつぁん止めて!嘘なんかじゃないよ!」
今度は保田が声を荒げた。
「なっつぁん分かってくれたんじゃなかったの!?」
保田は涙声になりながら叫んだ。
357 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 19:38 ID:uHYMJD76
「私はなっつぁんの事信じてたのに!なっつぁんこそ裏切るの!?」
保田の叫び声を聞いて、安倍は少しずつ後ずさりした。
そして…くるりと後ろを向き、突然走り始めた。
「なっつぁん!」
保田は手に持っていたコンビニ袋もバッグも投げ捨てて、安倍の後を追って走った。
今度こそ、安倍を逃がしたくない。
保田は死ぬ気で追いかけた。
358 :
名無し娘。:2001/05/29(火) 00:32 ID:RUMmv1Ec
hozen
359 :
名無し娘。:2001/06/02(土) 15:45 ID:ZR75SBdE
保全。
360 :
名無し娘。:2001/06/03(日) 05:03 ID:5lsog1gU
期待
361 :
金日成:2001/06/05(火) 05:09 ID:6ZEnhmRk
保全
362 :
名無し娘:2001/06/07(木) 12:30 ID:npPZ4s4I
保全寺横丁
363 :
金日成:2001/06/10(日) 06:25 ID:f/EOT98E
保全
364 :
名無し娘。:2001/06/12(火) 05:02 ID:v0Zz/FvA
まだかなー
365 :
金日成 :2001/06/14(木) 20:28 ID:buw4oBIw
保全するニダ
366 :
名無し娘。:2001/06/15(金) 23:28 ID:IwFhgoI2
保田
367 :
金日成:2001/06/16(土) 21:26 ID:HFGvFFMM
作者頑張るニダ。
368 :
金日成:2001/06/19(火) 19:57 ID:2.ehmt/g
作者頑張るニダ。
369 :
名無し娘。:2001/06/20(水) 03:07 ID:700CpoR.
hozen
370 :
名無し娘。:2001/06/20(水) 22:05 ID:998JzphE
いつまでもまってるぜ
保全
371 :
書いた人:2001/06/21(木) 16:58 ID:ytM9Y1Rg
本当に申し訳ありませんでした。
再開します
372 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 17:10 ID:5im6cJtQ
「今度こそ…」
保田はそう呟きながら安倍の背中を追いかけた。
ここでまた安倍を逃がしたら、また安倍を一人にしてしまうような気がした。
必死に追いかける保田。
その差はどんどん縮まってきた。
病み上がりの安倍の足はどんどんと遅くなってきた。
373 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 17:18 ID:5im6cJtQ
陸橋の上に差し掛かったとき、安倍は突然立ち止まった。
そして、橋の欄干に攀じ登り始めた。
「なっつぁん!」
陸橋の下には高速道路が走っていた。
保田は安倍が何をしようとしているのかすぐに分かった。
安倍の足が丁度欄干の上に昇ったとき、保田の手が安倍の足を掴んだ。
「止めて!!」
374 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 17:30 ID:5im6cJtQ
「離してぇ!」
断末魔のような安倍の叫び声が聞こえた。
保田は自分の全体重をかけて安倍の足を引っ張った。
安倍はバランスを崩し、保田の方へと倒れるように落ちてきた。
今度は安倍の全体重が保田に圧し掛かってきた。
保田と安倍はそのまま倒れ込み、保田は勢い余って頭を酷く地面に打ちつけた。
一瞬何がなんだか判らなくなった。
375 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 17:39 ID:5im6cJtQ
「圭ちゃん!?」
安倍の声が聞こえて、保田は我に帰った。
安倍は逃げずに…必死の形相で保田に話しかけていた。
保田は気がつくと同時に安倍の腕を力いっぱい掴んだ。
「なっつぁん!もう逃がさないよ」
しかし、安倍はもう逃げようとはしていなかった。
376 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 17:48 ID:5im6cJtQ
「なっつぁん…お願いだから…」
保田はそう、安倍に向かって呟いた。
安倍は何も言わず、ただ保田を見つめていた。
「なっつぁん…今度こそ逃がさなかったよ」
「一人にはさせないよ」
保田はそこまで言うと急に意識が遠のいていった。
目の前が真っ暗になった。
377 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 17:54 ID:5im6cJtQ
================================================
378 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 17:58 ID:5im6cJtQ
保田が気がつくと、そこは真っ暗なところだった。
なぜ真っ暗なのだろう?
保田は不思議に思った。
しかし、保田がその理由に気づくのにそれほど時間がかからなかった。
起き上がろうとするが起きあがれない。
手も足も動かない。
声も出ないし、口も動かない…。
真っ暗なのは、目が開かないからだった。
379 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 18:01 ID:5im6cJtQ
それなのに意識はハッキリしているし、音だけはよく聞こえた。
どうやら病院にいるようで、医者の会話もハッキリ聞き取れた。
まさか、私はこのまま動けないまま?
保田はそう思うと恐怖を感じた。
しかし、どうにも出来なかった。
一生懸命何か伝えようと思うのだか、何も出来なかった。
380 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 18:07 ID:5im6cJtQ
「圭ちゃん」
あれから何日たったのか昼なのか夜なのかも分からないある日、聞き覚えのある声が聞こえた。
「圭ちゃん…ごめんね」
「なっちは…ようやく分かったような気がする」
「なっちはね、ワガママかもしれないけど、みんなに、いや、誰かに大切に思って欲しかった」
「誰か…なっちを必死に思ってくれる人が欲しかった」
「なっちは…自分で孤独を演じて、誰かにかまって欲しかっただけなのかもしれない」
「誰かが必死に追いかけて来てくれるのを期待してたんだと思う」
381 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 18:16 ID:5im6cJtQ
安倍の声は更に続いた。
「なっちは…いつもモーニングの中でチヤホヤされてた」
「だから、そうならなくなって、自分だけが疎外されてるように感じるようになった」
「裕ちゃんにも言われたけど…みんなの事考えないで自分だけが被害者だと思ってた」
「みんなが、なっちを見捨てたと思った」
「なっちを大切に思ってくれる人なんて誰もいない、と思った」
382 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 18:21 ID:5im6cJtQ
安倍の声は涙声になった。
「圭ちゃんがなっちの手帳を見たのを知って、圭ちゃんになっちの気持ちを分かって欲しかったのかも」
「圭ちゃんに…必死に追いかけて欲しかったのかも」
「…ごめんね」
「…」
「圭ちゃんがこうなったのもなっちのせいだよね」
「自分でもどうしてあんなに強情だったのか分からないよ…」
383 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 18:25 ID:5im6cJtQ
「だけど、圭ちゃんが追いかけて来てくれたおかげで…なっちも救われたと思う」
「圭ちゃんがなっちを離さなかったから、なっちは孤独から逃げられたんだと、思う」
今度は急に笑い声が聞こえた。
「ごめんね。何言ってるんだろね」
「…圭ちゃんが元気になってから、ちゃんと話さなきゃダメなのに」
「それまでなんとかがんばるよ」
「…ありがとう」
384 :
名無し娘。:2001/06/21(木) 18:27 ID:5im6cJtQ
保田はどうにかして安倍に返事を返したかった。
しかし、何も出来ない。
「じゃね」
安倍の声が聞こえると、部屋のドアを開け閉めする音が聞こえた。
そして、保田の周りは静かになった。
頼むから殺すなよ
386 :
名無し娘。:2001/06/22(金) 01:14 ID:1yfFedVY
>>385 云ってることには烈しく同意するが、その名前には同意しかねる。
387 :
名無し娘。:2001/06/23(土) 07:56 ID:Rnge44XE
ほぜん
388 :
名無し娘。:2001/06/23(土) 09:22 ID:AlKn6UUI
スクール水着でやるのだ!
390 :
名無し娘。:2001/06/23(土) 17:27 ID:myFYoMGI
スクール水着保田萌え
391 :
名無し娘。:2001/06/23(土) 23:23 ID:iPmXsGSg
スクール水着保田萎え
392 :
名無し娘。:2001/06/24(日) 11:26 ID:EpF0wz1o
それから…安倍は何度も定期的にやってきては、その日あった事や、色々な事を一方的に話しかけてきた。
保田は、徐々にではあるが安倍の気持ちが前向きになっていったのを嬉しく思った。
しかし、自分はそんな安倍に何も出来ない。
悔しいし悲しかったが、いつしかそれも仕方無い、と諦めるようになった。
しかし、希望を捨てるつもりは無かった。
必ず、復活すると自分に強く言い聞かせていた。
393 :
名無し娘。:2001/06/24(日) 11:30 ID:EpF0wz1o
いつも通り安倍がやってきた。
しかし、声は沈んで、今にも泣き出しそうな様子だった。
そして一言呟いた。
「なっちは…必要なのかな?」
それを聞いた保田は頭に血が上った。
そして全神経を集中して叫んでみた。
394 :
名無し娘。:2001/06/24(日) 11:34 ID:EpF0wz1o
「いい加減にしてよなっつぁん!!」
保田の声はその部屋中に響き渡った。自分の耳でもしっかりと確認出来た。
その声をしっかりと聞いた安倍は、何も言わずに保田に抱きついてきた。
安倍の涙が保田の頬に一滴、落ちた。
そして耳のそばで静かに囁いた。
「おかえり…圭ちゃん」
おしまい。
395 :
書いた人:2001/06/24(日) 11:36 ID:EpF0wz1o
長らくご面倒をおかけしました。
これにて終了します。
ずっと保全していただいた方々、本当にありがとうございました。
ご期待に添えない駄作で本当に申し訳ありません。
396 :
名無し娘。:2001/06/24(日) 12:58 ID:lJe4i8RE
いい!良かったよ!
次回作があったら農薬とかナイフとかがいきなり出てこないものを読みたいな
あ。
死ななくてよかったよ
399 :
名無し娘。:2001/06/25(月) 03:56 ID:bTIQq3uQ
とても良かった!感動した!
それにしてもマリリン・マンソンと石川ってどんなコンビなんだろう・・・
400 :
名無し娘。:2001/06/26(火) 01:57 ID:nJhJG/NQ
良かったです。
次回作にも期待です。
401 :
名無し娘。:2001/06/29(金) 02:43 ID:m2vVzrzg
402 :
名無し娘。:2001/06/30(土) 13:15 ID:DxgDaSV.
圭茶、御圭に続く作品の予定はあるのでせうか?
403 :
書いた人:2001/06/30(土) 15:42 ID:BYVbN9Kc
みなさま、ありがとうございました。
>>402 特にありませんが、某所で書きかけて止めた(飽きた)ものならございます。
貼り付けしましょうか?
404 :
名無し娘。:2001/06/30(土) 16:35 ID:LH20cgI.
「ちょっとイイ?」
突然後ろから囁くような声がした。
安倍は声に気づいて後ろを振り向いてみた。
「何?矢口っちゃん」
後ろから声をかけてきたのは矢口だった。
別に声をかけられるのは珍しくはないが、どうも様子がおかしかった。
なにもこんなにコソコソ話しかける事ないのに。
全国ツアーもそろそろ佳境に入り、残すところあと少しになった。
ようやく先が見えてきて、全員に安堵感も漂いはじめていた。
コンサート会場を引き上げ、ホテルへと直行する。
今日は…ホテル泊まり。それもあって尚更皆、緊張感が抜けていた。
どこだかもよく分からない地方のコンサート。
ホテルから出る事もままならない。
でも、それでもホテルに泊まれるだけマシかもしれない。
矢口は安倍の服の袖を掴み、人のいないところまで無理やり引っ張っていった。
「な…何何!?」
安倍は一体何が起きたのか分からず、ただ矢口についていった。
ようやく手を離してくれた矢口は、離したその手をそのままポケットに突っ込んだ。
安倍はその様子をきょとんとした表情で見ていた。
何やらもそもそとポケットの中をまさぐった矢口は、サッと一枚のカードのようなものを取り出した。
そして、そのカードを安倍の目の前に出した。
「あー!」
安倍は突然大声を出した。その声に驚いた矢口は、指を口にあて、「しーっ」というポーズをした。
安倍は矢口のポーズに気づき、急に姿勢を低くして小声で話し始めた。
「いつ?いつ取ったの?」
安倍の焦るような口調に対し、矢口は少しばかり自慢げに落ちついた口調で答えた。
「ツアーの始まる前にね…こっそりと」
「えーいいな…」
安倍は矢口の手からそのカードを取ってまじまじと見てみた。
「運転免許証」と書いてあり、「普通」のところにマークがついていた。
「マズくない?バレたら」
「マズいかも…でもまだバレてないし」
矢口はにやりと悪戯っぽく笑った。
「でね、今日さ…ちょっとドライブ行ってみない?」
矢口の言葉に安倍は驚いて矢口の顔を目を丸くして見た。
「ド、ドライブって…でもさ、車は?」
安倍は動揺を隠せず、ほんの少しだけ声が震えていた。
「車はスタッフの人に上手く言ってレンタカー貸してもらえばいいし」
「ちょっとだけ、こっそり行こうよ」
驚いて何も答えられない安倍に、一方的に矢口は話してきた。
「決まり!」
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安倍は、矢口に一方的に指定された時間に指定された場所へとやってきた。
誰もいない暗い駐車場への出入り口。
安倍はあまりの暗さと静けさで不安で仕方なかった。
「もう帰っちゃおうかな…」
来たばかりだというのに帰ろうと考える安倍。
矢口はなかなかやってこなかった。
「なっつぁん?」
真っ暗闇の中、突然後ろから声が聞こえた。
安倍は驚いてとっさにしゃがみ込み、両手で耳を塞いだ。
「…なっつぁん?」
安倍はよく考えてみた。聞いた事のある声…。
後ろを振り返ってみると、そこにはうっすらと保田の顔が。
「ぎゃっ」
安倍は思わず鶏の首をしめた時のような声を出した。
「ぎゃって…ひっどーい!」
保田はムッとした顔をした。
「あ…ごめんごめん。ちょっと驚いたから」
安倍はなんとかフォローしようと中途半端な笑顔を浮かべながら言った。
「何してるの?こんな所で」
「あ…いや…その…散歩?かな?」
安倍は自分でも無理のある答えだと思った。
「散歩ぉ?」
訝しげな顔をしながら保田は言った。
「あーいやーそのー」
安倍はますますしどろもどろになっていった。
と、バタバタと賑やかに走る音が聞こえた。
安倍は「助かった」と密かに思った。
足音はこちらに近づいてきた。二人は、足音のする方の暗闇をじっと見ていた。
「なっちお待た…うわ!」
暗闇の中から現れたのは矢口だった。
矢口は、安倍と一緒にいる保田にびっくりしていた。
「うわ!って…アンタ達」
保田はますます不機嫌そうな顔になった。
「け、圭ちゃんどうしたの?」
「どうしたのって…アンタ達こそ一体何考えてるの?」
安倍と矢口は目を見合わせたまま黙ってしまった。
417 :
書いた人:2001/06/30(土) 17:33 ID:NMhB1YYs
以上です
418 :
名無し娘。:2001/06/30(土) 23:17 ID:LH20cgI.
続きは無いんですか?これから良いところという感じなんですが……
419 :
くそったれ娘、:2001/07/01(日) 01:00 ID:S3LrEHDA
( ´D`)y-~~<晒しage
∋oノハヽo∈
( ´D`)y-~~<ののの運転でドライブするのれす
421 :
名無し娘。:2001/07/05(木) 00:53 ID:FIfSqvOw
続きが読みたいんですが、その予定はありますか?
>>421 申し訳ありません。小説からは足を洗います。
理由は特にありません(ワラ
423 :
名無し娘。:
そうですか、残念です。お疲れ様でした。
気が向いたら、また書いてください。