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S本:
突然ですが、「SWOT分析」をご存知でしょうか?
これは、「経営戦略論」の入り口で必ずといっていいほど出てくる有名な
考え方で、おそらく聞いたことのある方も多いでしょう。
が、念のため。“SWOT”とは、それぞれ、「強み」:“Strengths”、「弱み」:
“Weaknesses”、「機会」:“Opportunities”、「脅威」:“Threats”を意味し、
それらを客観的に分析することによって、自社のポジショニングと成長の
方向性を明確にしていこうという考え方です。
往々にして、「経営戦略論」というのは、「机上の空論」・「後付けの論理」
という性格が強いのですが、この「SWOT分析」だけは本当に重要だな、
ということが、この銀行では思い知らされます。
つまり、「強み」が、ずっと「強み」のままであるはずはなく、ひょっとしたら、
いつの間にか「弱み」に変わっているかも知れない。また、「機会」も、
知らない間に「脅威」になってしまうことがあり得る、ということです。
当行について言えば、いつまでも、従来型の営業手法・審査手法が
通用することはありません。従業員の数は、開業時の人数の10倍にまで
増えました。当然ながら、いろいろな人がいます。また、外部環境も、
日々変わっています。まして、我々は、この「ミドル・リスクマーケット」という
激変の真っ只中にいるのです。
簡単に言ってしまえば、「今日正しかったことが、明日正しいとは限らない」、
ということです。
外部環境の変化を見極め、自社の「強み」を最大限活かし、「弱み」も
克服する。これは、なにも会社経営に限ったことではなく、自然界の
生態系にも共通する、「生き残り」のための基本中の基本です。
残念ながら、そんなことすら理解しようとせずに、従来型の営業手法・
審査手法に固執し、しかも数の論理を使ってそれを押し通そうとし、
結局、何のことはない、自らの権益のみを守ろうとした人たちがいました。
が、もう去った人たちのことを振り返ることは、時間の無駄ですし、何ら
意味をなしません。