東証、売買手口情報の個人向け公表断念 大手証券反発
東京証券取引所が、証券会社だけに提供している株式の売買手口情報を
個人投資家に公表しようとしたところ、大手証券などの猛反発にあって
断念していたことが2日明らかになった。東証側の公開案に対して、
大手証券は「国際的にみても非公開となっており、公開すべきではない」と
逆に証券会社への情報提供も打ち切るべきだと反論、中小証券も現状維持を
求めたため、見送りになった。
売買手口情報は、どの証券会社がどの銘柄をどれだけ売買したかを示すもので
、東証と証券会社を結ぶ端末画面にリアルタイムで表示される。上場株式の
全銘柄が対象で、証券会社以外には提供されていない。
東証は、個人投資家から「証券会社に限定するのは不公平だ」と批判されて
いることや、インターネット上に根拠のない情報が書き込まれ、不公正取引が
横行することを防ぐ効果も期待できることから、公表を決めて先月10日、
証券会社側に提案した。
ところが、大手証券は情報が証券会社から外部に漏れ、相場のかく乱要因に
なっている現状や、ニューヨークはじめ海外の主要証券取引所のほとんどが
この種の情報を公開していないことを挙げ「この際、完全に非公開にすべきだ」と
真っ向から対立した。
一方、手口情報をもとに、顧客に売買を勧めている中小証券は、東証の考え方と、
大手証券が求める「完全非公開」にはいずれも反対。結局、東証案に賛成したのは
「投資判断の支えになる情報は多いほどいい」とするネット取引に力を入れる少数の
証券会社だけだった。
昨年11月に株式会社としてスタートを切った東証は、公平で透明な証券市場
づくりのため、個人投資家の声をできる限り市場の運営に生かそうとしているが、
株主である証券業界の思惑の違いに、足元をすくわれた格好だ。市場関係者の間では
「これでは、健全な証券市場の発展は望めない」との不満がくすぶっている。
(22:44)
http://www.asahi.com/business/update/0202/010.html これはどうなんでしょうか?