イヒヒヒヒヒ

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155( ´∀`)さん
 
>>132のリメイク、小さなロボットさんではないですよ。
 
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156( ´∀`)さん:2009/10/12(月) 21:40:39 ID:yI/53FJR0
 
 私の名前は“G−18749”。軍のために働き続ける、軍事用ロボット。
今は軍の命令により街ひとつ破壊したところ。
ビルをひとつ、ふたつ、踏み潰し。片っ端から殺戮を繰り返した。
 街を見回すと、逃げたか息絶えたか、生きている物はひとつも見当たらない。
かすかに動いている物といったら、ボディが破壊され、それでも動き続けるロボット達。
任務は完了したと判断して、軍に戻ることにする。

 破壊され停止した街を踏みながらの帰り、私は奇妙な物を見つける。
小さな建物の屋上、そこで小さな何かが蠢いている。
人間の生き残りかと思い確認する。生命反応無し、体温無し。
もっと近くによってみるとそれはとてもとても小さなロボット。
それだけならほっといても良い。だが、こいつは右手に物騒な物を構えている。
――機関銃だ。
 私から攻撃を仕掛ける間もなく、そいつはこちらに銃口を向け、ぶっ放す。
一瞬の出来事。硝子の瞳を砕き、銃弾は私のコンピュータへ一直線に向かい、
何かのリミッターをはずした。

――すべて思い出した。
自分の名前は“大きなロボット”。今はビルを軽く超えるほどの大きさだが、元は自動車くらいの控えめさだ。
157( ´∀`)さん:2009/10/12(月) 21:41:38 ID:yI/53FJR0
  
 自分は大きな屋敷の清掃係として作られたお掃除ロボットだった。
主人に仕え、日々仕事を一生懸命こなしていた。
だがある日、自分は捨てられたのだ。
巨大な体が家具に引っかかり、壊すミスをよくしていたからでもあったが、
最大の原因は自分の人工頭脳のせいであった。
 自分は高性能すぎたのだ、人間と同じ思考を持ち、人間と同じような行動を起こすことが出来る。
くしゃみやあくびまでできる出来栄えだ。
それを屋敷の人間は恐れた。人間的すぎないか、いつか暴動を起こさないか、あんな巨体で暴れられては大変だ、
人々は口々に言い合った。
 そして燃料注入のため停止してた自分を、屋敷から遥か遠くの落ちこぼれが集う学校に捨てたのだった。

 自分は悲しかったがそれと同時に怒りも湧いた。誰が<コレ>を作ったと一人静かに怒った。
それから自分はやさぐれ、ある考えが浮かんだ。
実はこの学校、表は落ちこぼれを集め仕事が出来るように養う施設だが。
裏は偵察や殺戮を勤めることの出来る軍事用ロボットを仕立てあげる場所だった。
自分は物をよく壊す掃除が出来ない落ちこぼれだが、逆にその駄目なところを応用できると思った。

 軍事用ロボットに選ばれるのには三つの条件がある。
 ひとつ、とても優秀なロボットであること。
命令に逆らわない、命令を完璧に行える、そんなロボットが必要だった。
また自分のような、命令がなくとも軍に有利なことが実行できるとなおいいだろう。
だが意思があるロボットにはある欠点がある。
 ふたつ、冷酷な心が必要だ。自分にはそれが無かったので、とにかく“つっけんどん”な態度を演じた。
意思があるロボットが自分の態度を不快に思い、絡んでくるが、それをも無視した。
もちろん友達はいない。
 みっつ、頑丈で強い体が必要だ。ちょっと撃たれたぐらいでぼこぼこ穴があいてては使い物にならない。
自分はあまり戦うのは得意ではないが、見た目の凶悪さで相手を竦ませる事くらいは出来るだろう。
158( ´∀`)さん:2009/10/12(月) 21:42:24 ID:yI/53FJR0
 とにかく自分は学校の頂点に立とうと躍起になった。だが思ってもみない問題があった。
自分は教室の後ろから2番目の所の席であったが、その後ろにあの小さなロボットがいた。
彼は自分と同じお掃除ロボットで、よく一人細々と教室の清掃をしていた。
 小さな体と自分の巨体。前が見えないのは明らかで、ときどき視線の端にちらちらと小さな腕が見えた。
席を替えるよう教師に言おうかと思ったが、競争相手は一体でもつぶした方がいいとも考えた。
だが自分の良心に反する。
自分はこの頃、気まずくなると相手のことを嫌いになる謎の現象が起きていた。
自分は何か話しかけるいいきっかけでもないかと日々苦悶していた。

 そんなある日のこと、自分のことが気に入らないと荒っぽいロボット二体組に絡まれていた時だった。
自分はいつも通り無視を続けていたが、相手は自分の創造者についての悪口を言い始めた。
自分がこんな目にあってるのは創造者のせいなのだが、やはり他機に生みの親の悪口を言われるのは腹立たしい。
いままでの努力が無駄になってしまうかもしれないが、少し脅してやろうかと思ったときだった。
 あの小さなロボットが猛スピードで、目の前のロボットに激突したのだ。
教室の床はとても滑りやすかった、どうやら転んだ拍子に滑走しそのまま激突したらしい。
後から分かったことだが、滑りやすかったのは小さなロボットが過激な清掃をし、床が磨り減っていたからだ。

 小さなロボットはそこで止まったが、今度はぶつけられたロボットが足をとられ、もう一体のロボットにぶつかった。
そしてそのまま二体仲良く滑走し、勢いよく壁に衝突した。自分に絡んでいたロボット達は停止し動かなくなった。
自分はその様子をポカーン(゚Д゚ )と見ていたが、状況を把握すると次第におかしくなり盛大に笑った。
小さなロボットはかなり焦っている様子で、自分は小さく黙っておいてやるよと言い、彼を教室から出した。
このことは後に事故として収まった。
159( ´∀`)さん:2009/10/12(月) 21:43:26 ID:yI/53FJR0
 
 
 次の日、自分は小さなロボットに声をかけた。
 「こんにちは小さなロボットさん」
 「コンニチハ大きなロボットさん」
大きな返事だ、席のことは気にしていないらしい。安心した。
その日、自分は小さなロボットと席を交換してもらった。
どうやら小さなロボットは視界が広がった事に落ち着かないらしい、あたりをきょろきょろ見回していた。
それから小さなロボットはよく後ろを向き、分からないところを聞いていた。
隣に聞けばいいのにと思ったが、頼られるのは嬉しい。
自分は次第に彼と親しくなった。

 小さなロボットはよく、高い所のほこりが取れないとつぶやいていた。
自分は体のパーツを大きくしたらどうだと答えた、パーツを換えるのにはかなりの金額が必要だったがひとつの提案として言ってみた。
彼は体はこのままがいいと答えた。
 「体が小サいトと狭い隙間にも手が届くんデス。腰を曲げなクテモイイデスシ」
 腰を曲げなくてもいいというのはジョークのつもりだろうか。
自分はふと自らの巨体を見た。お掃除ロボットのくせに妙に出っ張った腕で花瓶を割ってしまった事があった。
自分のパーツを換えた方がよかったなと一人反省していると、小さなロボットは突然、
 「巨大なロボットカッコイイ! ガンダム、ガンダム、ウワァ〜オ!」
と意味不明な言葉を発し出した。
たぶん励ましてくれているのだろう。自分は小さく笑った。
160( ´∀`)さん:2009/10/12(月) 21:45:43 ID:yI/53FJR0
 
 
 自分はもう、その頃には軍のことに興味は無くなっていた。ただ小さなロボットと一緒に、清掃の仕事に就きたいと思っていた。
だが皮肉にも軍は自分を選んだ。
 「大きなロボットさん!大きなロボットさん!」
軍への就任が決まった早朝、小さなロボットは真っ先に自分のところへ向かった。
 「“グン”への就任オメデトウゴザイマス!」
 「ありがとう」
 正直全然嬉しくなかった。運命を恨んだが、恨んだところで何も変わりやしない。
しばらく彼を見つめて黙っていると、彼は疑問を投げかけてきた、
 「質問デスガ、“グン”とはなんデスカ?」
 「誰かのために戦う場所だよ」
 「誰かとはダレデスカ?」
 「誰だろうねぇ・・・」
国のためにと言えばよかったのだろうか、だが国民は願いもしない戦争を起こされて、ありがたいと思うだろうか。
曖昧な答えを出し、そこで質問は終わるかと思われた、だが彼は思っても見ないことを口にした、
 「ボクも“グン”というトコロで働けますカ?」

――半反射的に、自分は彼の頭をはたいた。鈍い音がした。
「働けない」
いや、彼は働ける。条件もこれから変わっていけば問題ない。
だが軍は人を殺す、軍とは何か正直に言えば良かっただろうか。
駄目だ、自分は怖かったのだ、もしも「ソレデモイイ」と言われたら……
 「ナゼ叩くのですカ?」
もうやめてくれ。
子どものような純真さ、それが子どものような残酷さに変わるのが自分の恐怖であった。
小さなロボットの大きな瞳、つややかな蒼の硝子、その奥に広がる闇。自分はそれを眺めて、広大無辺な宇宙を連想した。
自分は宇宙を見たことがない、もし見ることが出来ても、それはほんの一部分のことであろう。
まだこの目にしたこともない世界の果て、それをも超える小さくて巨大な存在、自分ははぐらかすことしか出来なかった。
 「君には、立派なお掃除ロボットになってほしい」
 「分かりましタ」
一寸の迷いもない素直な返事だ、今度はなでてみた。大きな笑顔が返ってきた。
軍は選択を誤ったなと一人ほくそ笑んだ。
161( ´∀`)さん:2009/10/12(月) 21:47:34 ID:yI/53FJR0
 
 
 しばらくして、軍の関係者が来た。
 「G−18749、時間だ」
自分のナンバーだ。一度顔を上げ、ハイと返事をした。
そしてまた顔を下げ、小さなロボットに念を押すかのように
「お掃除がんばってね」
と言った。
 「ハイ」
力のある返事、しかし間を置いて。
 「サヨウナラ」
少々力ないコトバだった。一般のロボットに感情はないが、彼なりに寂しさを感じたのかもしれない。
 「サヨウナラ」 「サヨウナラ」
掛け合いはお互いの姿が見えなくなるまで続いた。
なんどきふり返っても、小さな手を一心に振る彼の姿が見えた。その顔に子どもの姿は無かった。
――そこで記憶は途切れている。
 
 
 リミッターがはずされ、だんだんと意識が鮮明になってきた。
が、昔の記憶と自分の犯した罪のデータがコンピュータを駆け巡り、自分は激しくうろたえるしか出来ない。
そして、小さなロボットの抱える機関銃が、また自分を苦悩させた。
 「小さ…ナ、ロボット…サン」
スピーカーは壊れていて、思ったように声が出ない。だが、聞こえていたはずだ。
聞こえていたはずなのに……弾雨は止まなかった。そして――
162( ´∀`)さん:2009/10/12(月) 21:48:17 ID:yI/53FJR0
 
 
――大きなロボットは停止しました。
赤い硝子の眼球から、街へ垂れ流される燃料は。
大粒の涙のようで、ビルの周辺にはいくつもの大きな水溜りが出来ておりました。
 大きなロボットの活動が停止されたのを確認すると、小さなロボットは機関銃を自らの機内にしまい込みました。
この銃は気まぐれな男が残したものだったのでした。
なぜ残したのかは分かりませんがやはり<気まぐれ>といったところでしょう。

 小さなロボットは気づきました。大きなロボットが前方に傾いて来ているのを。
大きなロボットは巨大な体でもバランスがとれるように設計されておりましたが。
停止した今、その体を支える足は頼りにならず、今にも倒れようとしておりました。
 ですが小さなロボットは動きません。大きなロボットを見上げ、じっと壊れた目を見つめ返しているだけでした。
それは、まるで昔の親友を、その小さな体で受けとめようとしているかのように見えて――
小さなロボットはつぶやくのです。
 「大きなロボットさん、サヨウナラ サヨウナラ」

――今日の街は静かだ。
 
『小さなロボットさん大きなロボットさん』おわり。
163( ´∀`)さん:2009/12/06(日) 18:56:07 ID:K8KSwFkM0
消えていくAA書きの気持ちが分かってきたらやばいよ
164 ◆DESKYUUjlM :2010/01/01(金) 08:23:58 ID:JEvE6bZV0
          γ::⌒⌒ヽ
          ノ::::((''))ソ)〉
       ( (:::::,ゝ- -ノ ペコリ < あけましておめでとうございます。
\ ̄ ̄ ̄ ̄((⌒UU          きえちゃいやーん(^^)
 ||\     ヽ_j_j  \ 
 ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
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    .||              ||
165( ´∀`)さん:2010/01/31(日) 14:53:00 ID:ajxO+w1H0
>>164
一ヶ月遅れですがあけましておめでとうございます。
2ちゃんねるを見る事も少なくなって危機感いっぱいです。
 
今年はAA描けるかなぁ・・・
 
 
 
                〈 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉
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166( ´∀`)さん
ちょっとテスト