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ほのぼの強襲元隊長 ◆HoNoAAbRBQ :
2006/01/08(日) 01:19:28 ID:xKj/B+cc0 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|年末年始を彩り そしてとうとう48時限目
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おせちに飽きたらコロッケもね
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iii■∧ /
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| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;)
| |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
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|この勢いで俺達にも単位くれないモンかねェ
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|イヤ ソレは無理だろ・・・・
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テンプレ、過去ログは
>>2-10 を参照。
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★★★ギコ 教授★★★ ┌───────┐ 東京ギコ大学の教授にして、このスレッドの主人公。 | ,__ | ギコ種とは思えないその暴走ぶりに、学生達はいつも振り回される。 | iii■Λ | その非常識なまでに高い耐久力と再生力には | (,, ゚Д゚) .| 学生や職場の仲間も呆れ気味。 | ():*;.とヽ | | / , ノ | 【好きな食べ物】コロッケ 【趣味・特技】コロッケの研究 | し´∪\ | 【嫌いなもの】モララー(モナ研のモララー教授は除く) └───────┘ 【補足】『しぃ先生』スレッドの『ちびしぃ』の父親らしい。 ┌──────┐ ★★★しぃ 助教授★★★ | ,__ .| 東京ギコ大学の助教授。教授の座を狙っている…らしい。 | iii■Λ | 高い戦闘能力を持ち、1トン程度のハンマーなら軽々と持ち上げる。 | (*゚ー゚) | ギコ教授とは、揚げ物1をネタに良くケンカをする仲。 | (| `つ | | | ヽl| .| 【好きなもの】日本ハムの小笠原選手、ロースカツ | 〜| , Jl| .| 【趣味・特技】日本の野球球団・日本ハムの試合観戦 | し´ .[ ̄] | 【補足】山奥のしぃ先生の姉らしい。 |  ̄ | └──────┘
┌──────────────────┐ | ,___ | | iii■Λ | | ,___ ミ゚Д゚,,彡' | | iii■Λ (_) O ・――⊂ とミ | | ミ*゚ー゚ミ ミ ミノ | | ミ ミ ミ ミつ | | 〜OUU⊃ し'´ | └──────────────────┘ フサギコ 教授 (上図・右) ギコ教授の良きライバルであり、常にギコ教授とコロッケとメンチカツの関係について言い争っている。 本人は学生のギコ達に対してまじめに講義をしているつもりだが、メンチカツに 夢中な所を見ると、ギコ教授とあまり大差は無いようだ。 が、奥様のクリームコロッケ(月数回だが)を許すことから、ギコ教授よりは融通の利く性格か? 【好きな物】メンチカツ 【趣味・特技】講義(特にメンチカツの) 【補足】なにげにPart1から登場? フサしぃ 助教授 (上図・左) 出産のため一時期産休を取っていたらしいが、2002年に東京ギコ大学に復帰。 フサギコ教授の奥様であり、良き理解者であり、新婚を過ぎても夫にベタ惚れ。強き一児の母でもある。 【好きな物】クリームコロッケ 【趣味・特技】AA学講義 【備考】後ギコ(岸田)が、フサしぃ助教授に憧れ(惚れ)ている。
┌─────────────┐ | ,__ | | iii□Λ | | (,, ゚Д゚) ミ | | / [ n ]つ―― ,__ | | / /l~/ iii□Λ .| | ノ_ノ !ノ (゚ー゚*) | | U U ⊂,;;....:.⊃ | └─────────────┘ オカギコ 教授 (左) 一切合切が謎。というか、そもそも存在自体が不可解な教授。 偏った講義内容と理不尽な実習で、やはり学生は振り回されている。 自分の研究のためなら人体実験も平気なマッドサイエンティスト。 【好きな事】(人体)実験・学生相手のオカルト話 【趣味・特技】妖しげな研究及び装置開発 【補足】Part6で唐突に出現。 オカしぃ 助教授 (右) オカギコ教授マンセーな助教授。 名前の通りアンデッドなので相当無茶できる。 【好きな事】オカルト話 【趣味・特技】他の教授らの補足や蛇足な講義 【補足】Part7で屍鬼娘として出現。 助教授としての登場はPart8より。
┌―――――――┐ つー助 教授(ツースケ キョウジュ) | ,__ .| | iii■∧ | 名前のせいでよく助教授に間違えられてしまう不幸な教授。 | (*゚∀゚) | 主に近代玩具・ゲーム関係の講義を担当。 | ( つ=l二フ | | | | | 【好きなもの】味噌カツ・ビデオゲーム | 〜| | | 【趣味・特技】ゲーム・ハッキング | ∪∪ | 【補足】11時限目の68で出現 └―――――――┘ ┌―――――――┐ ぃょぅ 専任講師 | ,__ ぃょぅ | | iii■∧ | 法律や国際情勢など社会関係の講義を担当する専任講師。 | (=゚ω゚∩ | 食堂の全メニューを制覇したこともある、とぃぅ程の大食漢。 | ハ ノ | 助教授の席が中々廻ってこなぃのがちょっとした悩み。 | [U] | | | | | | 【好きなもの】食べ物なら何でも | ∪∪ | 【趣味・特技】大食ぃ └―――――――┘ 【補足】11時限目の26で出現
┌──────────────┐ ★★★学生ギコ1・2★★★ | ━━━━━━━━━━━━ | | | ギコ教授達によって振り回される運命にある学生達。 | | まともな講義を受けられることをいつも願っている。 | ━━ ΛΛ━━━━ ΛΛ━ | 名前は、ギコ1と2、前ギコ・後ろギコ、 | (,,゚Д゚) (゚Д゚,,) .| 生徒君、浅野と岸田等と呼ばれたりする。 | /⊂ ヽ /⊂ ヽ | 2人ともハムカツが好き。 | √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 .| | || ━┳┛ || ━┳┛ | | ============ | └──────────────┘ ┌──────────┐ ★★★学食のバイト君★★★ | Λ,,Λ | | ミ,,゚Д゚彡 / | 東京ギコ大学の学食で働くバイト学生。 | ミ へつ⊂⊃ .| やはりギコ教授達に振り回されるが、 | (/ゝ,,,,_つ / | コロッケを使って回避するという業を持っている。 | ______/ /│ 出番は多くないものの、数少ないギコ大の学生ということで | 学食 | /. .│ その存在感は、ギコ教授や学生ギコ2人に劣ることはないであろう。 | ______|/ | あまり認知されてはいないが、実はイカフライが好きらしい。
┌―――――――――┐ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | ,__ ギコ犬 ├――――――――┐ | 東京ギコ大学 .| | iii■_/) | タカラ 助教授 | | その他の登場人物 | | < ゚ _・゚> | __, | \____ ___/ |/) / | | Λ■iii | ,__ )ノ |\(_,,,_,,,) ├┐ . (Д^,,) | iii■_Λ └┬――――――――┘|*━━と つ . | ┝・∀・┥ | ,__ でぃ 助手 . | | | ├┐ 〈 ~<V> ~〉 | iii■Λ ├―――――――┘| |_,:__| | (#゚;;-゚) / | ニダー 専任講師 |. (_(__) | |;; ;; ;つ | __, | ┌┤ |;; ;;| | Λ■iii | トララー 学長 |└――――――――┬┘ <∀´,,> . ┌――┴―――――┐ | ,__ . 抗ギコ 教授 | (\と ) | 抗しぃ __, | | iii抗Λ / | .| | | 助教授 Λ抗iii | | (,, ゚Д゚) / └┬―――――┤ (゚ー゚*) . | | | つ | | ―‐と |) . | | | | | | | | . | └――――――――――┘ └――――――――┘
◆ 各教授達の得意分野など。 ◆ (*゚∀゚) 近代玩具・ゲーム担当。全角で話すぞ (=゚ω゚) 代講・法律・国際情勢担当。ぃょぅフォントだょぅ (#゚;;-゚) 主に代講です、実は話せます。 <,,`∀> 東アジア情勢担当。標準語ですよ < ゚ _・゚>.。oO( 科学・数学担当。喋りません… ) ( ・∀・) コピペ オシエル ワル。カコイイ !! ( ,,^Д) 哲学・心理学担当ですよっ! あははっ♪ 抗#゚Д) 抗議する!! 抗#゚ー) 抗議します!! ┝・∀・┥ 教授達への説教など。 肉 食 で す
テンプレ1 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | \________________ テンプレ2 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | \___ _____________ ━━━━ ∨ ━━━━━━━━━━━━ ,__ B■Λ / (,,゚Д゚) / ━ ⊂ つ ━━━━━━━━━━━━ ┌───┐ ΛΛ ΛΛ │ |( ,,゚) (゚,, ) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | \___________∧_____ / | \________________
テンプレ3 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | \___ ____________ ∨ ,__ . Λ,,Λ iii■Λ ミ;゚Д゚彡 \ (゚Д゚#) ΛΛ ミ つ/ ⊂ ヽ Σ(゚Д゚;) ミ / / | ∪ . ΛΛ ⊂旦⊂)  ̄ ̄ ̄ / | | Σ(゚; ) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _____/ /.し'ヽ) /._ / つ旦 学食 | / l ̄〜(__,ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ _____|/  ̄| |━┳━ ̄ ̄ ̄ ∧ | | ┃ / ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | テンプレ4 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
スレ立て乙。
1/7 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |さて 1月7日はとっくに過ぎてしまいましたが |皆さんは七草粥は召し上がりましたか? \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━ 1月7日は七草の日 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧ | つ ∇ (゚Д゚*) (゚Д゚#) | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |天野が持って来てくれたのを喰ったっけな |美味かったなァ 天野の七草粥・・・・・・ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |浅野テメェ!いつの間に天野と仲良くなりやがった!? \________________
2/7 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |まァまァ岸田君 そうエキサイトなさらないで下さい |今度妻の七草粥をごちそうしますから・・・・ |ゴホン・・と言うコトで 今日は七草の講義をします |皆さんは七草を全て言えますか? \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━ ノーヒントで言えたらお年玉! 1単位差し上げます ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧ | つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;) | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |普段からマトモな授業してればそんなんいくらでももらえるっつーの・・・・ |しかし七草って言うと何だったかな・・・・え〜とォ・・ |芹(せり) SHAZNA 御形(ごぎょう) 繁縷(はこべら) |仏の顔も三度まで 菘(すずな) 蘿蔔(すずしろ)だったかな? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ソレと無くボケんな!芹 薺(なずな) 御形 |繁縷 仏座(ほとけのざ) 菘 蘿蔔だろうが! \________________
3/7 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |その通りです ちなみに蘿蔔とは大根のコトで |菘は蕪(かぶ)の別名なのです |この七草粥を食べる習慣は 元々は中国から伝わったのです \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━ 旧暦の1月7日は 新年の占い始めの日であり 朝廷や幕府に新年の挨拶をする日だった 七草粥を食べるのが慣例となったのは平安時代のコト 江戸時代にはそれが将軍家から市民にまで広まり いつしか七草粥を食べて邪気を祓うと言う慣習となった ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧ | つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;) | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ヘェ・・・・七草っていつもは捨ててしまう野菜の葉っぱだったんだな \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |まァ 大根や蕪の葉っぱを味噌汁に入れて |飲むコト有るかも知れないケドな \________________
4/7 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ですがこの七草粥を食べると言う習慣は |ただの言い伝えなどでは無く 実際に良い効果が有るのです \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━ 七草には様々なミネラルが含まれており それに加えて粥は胃腸に負担が掛かり難いため 正月の宴会続きで酷使された胃腸に優しい料理である ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧ | つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;) | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |七草粥って ただの言い伝えだけじゃ無かったんだな \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |確かに年末年始ってイヤでもごちそう尽くしになっちまうからな \________________
5/7 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |さて こんな健康効果に満ちた七草ですが |実はもう1つ 目に美味しい七草も存在するのです \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━ 七人のナナ(注1) ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧ | つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;) | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ちょっと待て!そこはレインボーセブン(注2)を持って来るトコだろ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |どっちも違うわ!秋の七草のコトだろ 秋の七草 \________________ 注1:今川泰宏原作のTVアニメ。 ちなみにキャラクタデザインは「ケロロ軍曹」の吉崎観音(よしざきみね)。 注2:特撮ドラマ「愛の戦士レインボーマン」に登場した巨大ロボット。
6/7 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |その通りです 岸田君の言う様に目に美味しい七草とは |秋の七草のコトです コレは山上憶良(やまのうえおくら)が |万葉集でその名を詠んだ7つの植物を指します |どの草花も それはそれは美しい花を咲かせます \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━ 萩→ピンクか白の花を咲かせる 尾花→ススキのコト 秋の風物詩 葛→実は根は薬用に使われる 瞿麦(くばく)→つまり撫子 ネルガル重工製の宇宙戦艦 女郎花(おみなえし)→スプリガン 藤袴→名前の由来は藤色の花と袴型の花弁 朝貌(あさがお)→ココでは桔梗のコト ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧ | つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;) | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |瞿麦と女郎花の説明 明らかにおかしいだろ!! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ウソを書くなウソを!小中学生見てたらどうするんだよ \________________
7/7 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |冗談はともかくとして 今日はコレまでです 皆さんお疲れ様でした |では 今日は単位と共に特別に皆さんに七草コロッケを振舞い・・・・ \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━ 七草コロッケは七草入りで体に(・∀・)イイ!! ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧ | つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;) | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| |.====∧=====∧==== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |結局ソレか!油モンなんか喰ったらむしろ胃に悪いわ!! \_______________________ 〜糸冬〜
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |以上 七草だけに7レス講義でした \__ ______________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii元▲. / 氏゚一゚) / ━ ⊂ つ ━━━━━━━━━━━ ┌───┐ │ |
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 新スレ&講義乙。 | ・・・で、いきなり突っ込むのは気が引けるが、 | レインボーセブンはアニメ版だった気が。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) ミタコトハナイケド φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 新スレ乙 | でもなんか講義のほうはちょっと | ふざけすぎじゃない? \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
>>23 そこまで気にしなくてもいいじゃない。
俺はこれくらいなら全然おk
>14-20 スレ立て&講義乙です。 七草コロッケ、作ったら結構人気出そうな気もw >23 ここ自体、元はネタスレだし ふざける=悪ではないと思いますよ。  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
1/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 今日は日本の宗教について。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / 日本の神話 番外 無頓着な日本の宗教 (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 神話とは関係ないんじゃ? \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 一度書こうと思うと中の人は夜も眠れなくなるんで勘弁。 \____________________
2/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて、質問です。君たちはどんな宗教に属していますか? \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 仏教。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 俺も。というか日本人の約九十パーセントは仏教徒。 \____________________
3/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 君たちは仏教徒ですね。では葬儀には仏僧を呼び、お経を挙げてもらいますよね。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そりゃあ、そうだろ。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 当たり前だな。 \____________________
4/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | それじゃあ、初詣はどこにいきました? \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そりゃあ神社にきま……あれ? \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 神社って仏教の施設じゃないよな…… \____________________
5/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日本人の多くは、仏様を信仰する仏教徒です。なのに、なんで神様を信仰する神社に初詣にいくんでしょう? \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 何ってそりゃあ神様に…あれ?でも仏教に神様はいないから…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんだかよくわからなくなってきたぞ…… \____________________
6/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 仏様を信じてるはずなのに、神様も信じてる……大抵の日本人は意識して無いでしょうが、考えてみると不思議ですよね。 | でも、これって外国から見れば異常以外の何者でもないんです。 | 仏も神も信じてる国があるんなら、キリストもアッラーも両方信じてる国が一つくらいあってもおかしくないと思いません?でもないんですよ。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 確かにキリスト教徒がメッカにお祈りしてる姿は想像できない…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そう考えるとますますおかしいな……なんで俺達二つの宗教行事を普通にやってるんだ? \____________________
7/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 何故日本人は神と仏を両方信じている矛盾に疑問を抱かないのか―― | 答えは簡単。本当に単純な事です。 | 日 本 人 は 神 様 も 仏 様 も 信 じ て る ん で す よ ! \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 衝撃の事実! ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━从━━━━从━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ;) (゚ ;) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | な、なんだってぇーーーー!?って…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 答えになってないだろうがゴルァ! \____________________
8/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 少々ややこしいんですが……神道と仏教は、昔はごちゃ混ぜになってたんです。 | 中国から仏教が伝わった時、日本人は仏様を神様と同じような存在だと思っていました。 | 仏教の殺生を慎み善行を行うべしという生きる指針を指し示す教えは、 | 神道の性善説で特に教義のない、他所の神様も拝んどけって言ういい加減な宗教観の | おかげで、時の大和朝廷の偉い人たちの思惑はともかく一般の人々にはすんなり受け入れられたんですよ。 | そもそも神道は長い年月の中で自然に身についた価値観。文化であり、物事を考える根底の基盤なので、他の宗教が生まれなかった日本では | 神道の考え方を宗教だとは思ってなかったんでしょう。神様がいるという自分達の価値観を前提に仏教を独自に解釈して、 | まったく違う宗教を作り、「これが仏教だ」と思い込んだんです。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 神道に教義はないから、外国の宗教と混ぜても問題無かった。 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | つまり、神道を宗教だと思ってなくて、平然と仏教の中に入れちゃったのか? \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 「どっちも拝もうぜ!」っていういい加減さの賜物か。日本人の無宗教意識は千年以上まえからあったんだな…… \____________________
9/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | やがて仏と神の区別を理解し始めると、人々を苦しみから救う仏様を、祟りを起こす神様より尊いと考えるようになります。 | そう言うわけで仏様をありがたがるんですが、神様を蔑ろにすると祟られるので、神様にもありがたいお経を挙げて、ついでにお恵みも貰います。 | この様に二つの宗教の良い所ばっかり取って神道と仏教を合体させた事を"神仏習合"といいます。 | 昔の仏教ってのは、殆どこれですね。あえて別の名を付けるなら神仏教といったところでしょうか。 | ちなみにこの神仏教から生まれた山で修行し己を高める宗教を修験道といい、実践者を山伏といいます。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 【凄い奴らが】良いとこ取りの神仏習合【手を組んだ】 祟りを起こす神様or人を救う仏様→仏様に救ってもらって、神様からお恵みを貰えればウマー(゜Д゜) 神道の葬儀or仏教の葬儀→死体も丁寧に扱う仏教の方がイイ(・∀・)! 元日に初詣or大晦日に除夜の鐘→両方やればウマー(゜Д゜) 死んだら神様or功徳を積めば仏様→両方あればウマー(゜Д゜) 神社or寺院→拝むものが違うから両方あってもイイ(・∀・)! ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 本当にご都合主義だな…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | でも仏教じゃ食肉は禁止だろ?実際日本は肉を食べなかったけど、それはどっちかって言うと都合の悪いことじゃないか? \____________________
10/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 鋭い質問ですね。昔は哺乳類とかそんな正確な分類はないので見た目で区別します。 | 「四足歩行の動物、または魚の肉」を食肉と定義してたんですが…… | 兎の単位が「羽」で鳥扱いしてるし、猟師が猪追っかけてたし、農家の家畜が死ねば無駄にしないよう食べたし、 | キリスト教宣教師の記録にはそもそも坊さんが影で結構食べてたと書いてあったり、 | どうみても隠れて肉食べてました本当にありがとうございます。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ うはwwwww肉テラウマスwwwwwうぇっうぇwwww iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 全然守ってねぇ…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 明治時代に急にすき焼きや牛丼が出来たのは、以前から食べててあんまり抵抗が無かったからなんだな… \____________________
11/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 仏教伝来以降も戦国時代にはポルトガルからキリスト教がやってきて、 | こちらも織田信長の保護下で布教活動が始まったんですが、 | 江戸時代に弾圧されるようになったので広まらず、神仏習合の中に組み込まれる事はありませんでした。 | まぁ当時は西洋諸国が外国にキリスト教を広めて、改宗の名の下に侵略するのが常套手段だったので、 | 侵略を未然に防いだ幕府はあっぱれと称えるべきですね。 | しかしキリスト教の一部の風習はやがて取り込まれたらしく、神道の結婚式では勾玉を交換するそうです。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 教科書だと弾圧した幕府が悪者みたいに書かれてたけど。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まぁ、文章は多くても中身空っぽだし。 \____________________
12/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 閑話休題。この様に昔は一つだった神道と仏教が何故今また二つに分かれているかというと、 | 明治維新で政府が天皇の権威を高めるために、神仏分離といって今の神道と仏教の形に切り離してしまったんですね。 | 一般人は自分は仏教徒と思っていたので改宗せず、日本は君主が神道の主宰者という形をとりながら、仏教国となったんです。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 明治政府の出した神仏分離令によって神社から仏教的要素を、寺院から神道的要素を 徹底的に排除したので、今では神仏習合の面影は殆ど残っていない。 しかし土着の原始的な信仰でしかなかった神道は仏教に取り込まれる事で体系性を持ち、 その中でやがて独自の宗教として成長するのに神仏習合は大きな影響を与えた。 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 権力のせいでむりやり引き離されたのか…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | いつの時代でも、 宗教ってのは政治に利用されるものなんだな。 \____________________
3/14 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 二つの宗教を合体させるという離れ業をやっちまう程、宗教に無頓着な日本人ですが、 | この無頓着さが独自の価値観を生み、西洋文化、中華文化に並ぶ日本文化の基礎となっているといえます。 | あのヒトラーでさえ、日本の宗教観を羨ましいといってますしね。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ドイツでは30年もの間どんな聖餐式を行うかで骨肉相食む争いを繰り返した。 これほど低次元の宗教も無い。この点、日本人が羨ましい。 日本人の宗教は非常にシンプルで自然との関わりを大切にする。 彼らはキリスト教徒をさえ上手く取り込んで、 インテリ層にも受け入れられるような形に変えてしまったのだ。 ――アドルフ・ヒトラー(1941.12.13日、「総統談話(抜粋)」)。 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | あのヒトラーが…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | キリスト教は同じ神信仰してるのに宗派が多いからなぁ… \____________________
14/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そういうわけですから、皆さんも神だの仏だのうだうだ言わずに拝み倒しましょう。 | まぁ私はコロッケの神様と仏様しか拝みませんがね。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / 信仰の形は人それぞれ。 (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | んなもんいねーよ! \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 逝ってよし! \____________________
>>26-39 講義乙です。なんか多神教の持つ“懐の深さ”
みたいなのを感じますな。
41 :
( ´∀`)さん :2006/01/08(日) 22:36:25 ID:vuZRNZfF0
乙です。 ヒトラーが日本の宗教について羨ましがってるのは知らなかった・・・。 ところで、「閑話休題」の使い方違うような・・・ 細かいとこすんません。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ほの氏も神話の人も乙! | 前スレでアマテラスに反応してた香具師ですが、 | まさかほの氏がナデシコネタ使ってくるとは思わなんだw \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) やっぱり同士は居るもんだ。アリガタヤアリガタヤ φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
>>41 閑話休題=それはさておき。なには然れ。
別に用法は問題無い気がするけど。
神話の人乙です!いつも楽しみにしてます。
1/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて、今回の講義はドイツに視点を戻します。 | 不満の高まるドイツに、国民の期待を集めながら颯爽と出現したヒトラー。 | 彼がいよいよ、ヨーロッパ情勢に対して行動を開始するんですね。 \__ ____________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第44回兵器史・第二次大戦への歩み7(ふゆやすみ特別企画・第二次世界大戦史7) ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 第7回なのに、まだ第二次大戦が始まらないなんて… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | シンイチ… \____________________
2/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まず… ヒトラーの最終的な狙いは、ドイツ人の生存圏の確保でした。 | その為にはソ連のポーランドやチェコスロバキア、ハンガリー辺りの国を総取りし、 | ロシアの大地からロシア人を叩き出すつもりでいたんですよ。 | 東部をまるごとドイツ人のものにする… 実に壮大な理想でした。 \__ _______________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ , -'" ̄ヽ 東プロイセン / | , -'" ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | (ドイツ領)/ | , -'" ̄ ̄ ̄ / ヽ、___/ / , -'" ̄ ̄ ̄| / / , -'"ヽ オランダ / | / 海 , -'" "ヽ, / ヽ、 ポーランド / , -'" ̄"ヽ ベルギー ヽ/ ̄ ドイツ ヽ、 |  ̄ ̄ "ヽ |ヽ | | ヽ、 |;;;;|←ラインラント地方 | | `ー、;;;;;;| (非武装地帯) / / ソヴィエト連邦 l;;;;;;;| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ フランス ヽ;;;;| | チェコスロバキア | |;;| | | /;/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | /;/______/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ___/ /" スイス ヽ オーストリア / / ヽ | | _____/ ハンガリー / ヽ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ホントに壮大だな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この1933年当時、ドイツの軍備はヘボヘボだった事も忘れてはいけない。 | イギリスやフランスどころか、チェコスロバキアやポーランド相手でも勝利は怪しい… \___________________________________
3/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして、ヒトラーってかドイツはソ連を「社会主義者は人類の敵」として嫌悪していました。 | また、社会主義国家であるソ連も帝国主義が大嫌い。 | 皇帝ってのは労働者が築いた富を吸い上げてしまいますから、資本主義よりタチが悪いとみなしていたんです。 | 両者は互いを「世界人類の敵」として罵り合っていました。 \__ ___________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 思想的に相容れない存在か。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | またヒトラーは、最初はイギリスとは手を結んでおくべきと考えていたようだ。 | イギリスとの同盟を維持しながら、東方を我が物にする… | そして、それからイギリスと決着をつけるというのがヒトラーの考え。 \_______________________________
4/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて、夢は大きく軍は小さい、そんなヒトラーのギリギリな綱渡りがいよいよ始まります。 | まずヒトラーは、1933年の10月にドイツ国民に対して「国際連盟を脱退しよう!」と呼びかけました。 | そして、11月には国際連盟を脱退するかどうかの国民投票が行われたんですが… | 投票率はなんと96%で、うち国連脱退賛成者は95%にも達したんです。 | こうして、ドイツは国際連盟を脱退しました。 \__ ______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「いかなる対等の権利も与えられないこのような機構の一員として名を連ねる事は、 名誉を重んずる6500万の国民とその政府にとって、耐えがたい屈辱である」 アドルフ・ヒトラー ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | もうドイツ国民も、ヒトラーの政策にノリノリだったんだな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 国際連盟を一方的に脱退したドイツに対して、各国は「遺憾である」とコメントを出しただけ。 | ヴェルサイユ体制がいよいよ崩れ去ったにも関わらず、どの国も動こうとはしなかった。 | この頃から、ヨーロッパには「臭いモノにフタ」姿勢がはびこっていたんだよ、シンイチ。 \______________________________________
5/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 翌年… 1934年の1月には、ドイツはポーランドと不可侵条約を結びます。 | 「俺は決してお前の国に攻め込まない。だから、お前も絶対に俺の国に攻め込むな」って事ですね。 | 6月には、もはやヒトラーのコントロールが効かなくなった突撃隊が粛清されています。 | こうして、ナチ内部の不安要素は完全に一掃されたといえるでしょう。 \__ ______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | でも東部にドイツ人生存圏を築きたいヒトラーにとって、ポーランドは第一の敵じゃないのか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ドイツはこの当時、ポーランドとすらまともに戦えるだけの力を持ってなかった。 | とにかく、まずは力を蓄えなければならなかったんだ。 \____________________________________
6/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 同年の7月、ナチスはオーストリアのドルフス首相を暗殺してしまいます。 | このまま、オーストリアを我が物にしてしまおうと思ったドイツですが… 思わぬところから「待った」が。 | イタリアのムッソリーニが、軍隊を国境に並べて威嚇してきたんです。 | イタリアもオーストリアを狙っていたんですよね。 \__ _______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 海 , -'" "ヽ, / ヽ、 ポーランド / , -'" ̄"ヽ ベルギー ヽ/ ̄ ドイツ ヽ、 |  ̄ ̄ "ヽ |ヽ | | ヽ、 |;;;;|←ラインラント地方 | | `ー、;;;;;;| (非武装地帯) / / ソヴィエト連邦 l;;;;;;;| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ フランス ヽ;;;;| | チェコスロバキア | |;;| | | /;/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | /;/______/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ___/ /" スイス ヽ オーストリア / / ヽ | | _____/ ハンガリー / ヽ -'" ̄" ̄ ̄"ヽ |'" ̄ ̄ ̄ ̄"ヽ、" ̄ ̄ヽ、 ヽ、,____/ ルーマニア | ヽ | ヽ、 ヽ、 ヽ、 / 海 `ー--'"ヽ、 イタリア ヽ、 海 ヽ、 ユーゴスラビア ヽ、 / ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ドイツとイタリアはオーストリアを巡って対立したのか… | 決して、仲は良くなかったんだな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なお同時期、対ドイツ強硬派だったフランスのルイ・バルトゥー外相が暗殺される。 | これは別にナチスは関わっていなかったんだが、以後はフランスに対独強硬派はいなくなった。 \________________________________________
7/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして8月2日には、ドイツのヒンデンブルグ大統領が死去します。 | 国民投票の結果、ヒトラーは首相と大統領の権限を併せ持った「総統」という地位につきました。 | もう、ドイツは完全にヒトラーの思うがままになったんです。 \__ ____________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 国民投票の結果か… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ドイツ人はヒトラーを選んだんだよ、シンイチ。 | ヒトラーは独裁者だが、彼の独裁を許容したのもまたドイツ人なんだ。 \_____________________________
8/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして1935年の初頭には、15年前から決まっていたイベントが行われました。 | 第一次大戦前にはドイツが所有していた領地、ザール地方… | この石炭がザクザク取れる地域は、ヴェルサイユ条約により15年間国際連盟が管理していたんです。 | そして15年が経ったら、ザール地方の住民投票でフランスかドイツのどちらの領土となるか決める… | そういう約束事になってたんですが、この面倒な時期に15年の期限が切れたんですよね。 \__ _______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 海 , -'" "ヽ, / ヽ、 ポーランド / , -'" ̄"ヽ ベルギー ヽ/ ̄ ドイツ ヽ、 |  ̄ ̄ "ヽ |ヽ | | ヽ、 |;;;;|←ラインラント地方 | | `ー、;;;;;;| (非武装地帯) / / ソヴィエト連邦 l;;;;;;;| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ フランス ヽ;;;;| | チェコスロバキア | |;;| | | /;/←ザール地方 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | /;/______/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ___/ /" スイス ヽ オーストリア / / ヽ | | _____/ ハンガリー / ヽ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ほほう。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | シンイチ… \_______________
9/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そしてザールでの投票の結果、92%の住民はドイツに帰属する事を望みました。 | こうして、ザール地方はドイツのものとなります。 | フランスは、この成り行きに対して何の文句も言いませんでした。 | もうヘタれきっていて、ドイツに対して譲歩を重ねまくっていたんですね。 \__ ______________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんで…? あらかじめ投票で決める事になっていたんなら、フランスが口を挟む余地はないだろ? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ドイツはすでに国際連盟を脱退していたんだよ、シンイチ。 | だから、フランスはこの地方の領有権を主張し、投票を無効化できる資格があった。 | しかし、フランスはそれをやろうとはせず、ただ見てるだけだった。 | ドイツを下手に刺激する事を恐れた結果、ドイツが力を付ける事を黙認したんだよ。 \_______________________________________
10/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして3月、ヒトラーはラジオにて驚くべき発表をします。 | ドイツ軍を縛っていたヴェルサイユ条約軍備制限条項の破棄、徴兵制の復活、ドイツ空軍の創設… | これがいわゆる、1935年の再軍備宣言ですね。 | こうして強大なドイツ軍の復活が、世界中に宣言されました。 \__ ______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | とうとう、ヴェルサイユ体制が完全に崩れたんだな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | だが、景気良く宣言したはいいものの、やはりドイツ軍はお寒い状態だった。 \_______________________________
11/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この宣言を聞いたヨーロッパ各国は、一斉に立ち上がる――と言う事はありませんでした。 | 表向きでは、イギリス・フランス・イタリアの3国が対ドイツ共同戦線を発表しましたが… | どの国でも、これはポーズだけのものだったと言わざるをいません。 | 各国とも、様々な思惑を抱えていたんですよ。 \__ __________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | あらま。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そういうもんだよ、シンイチ。 \_______________
12/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | イギリスは、ヨーロッパに2匹の狂犬がいるとみなしていました。 | それは、ドイツとソ連… この2国が潰しあってくれれば、非常に嬉しい成り行きなんです。 | で、どっちが御しやすいか… それは、ヨーロッパ圏内にあるドイツでした。 | ソ連は、得体の知れない社会主義国家。まだドイツの方が道理の通じる相手だと判断したんです。 | このイギリスの認識は、大ハズレだったと後の歴史が証明するんですがね… \__ ______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 結局、イギリスはドイツの再軍備や領土拡張を黙認したって事か。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 1935年6月、イギリスとドイツは海軍協定を結ぶ。 | ドイツ海軍の規模はイギリス海軍の35%、ただし潜水艦の保有数はイギリスと同数まで認める… | これは、イギリスによるドイツ再軍備の事実上の追認だ。 | そしてドイツにとっても、さっき言った通りイギリスは当分のところ仲良くしたい相手だった。 \________________________________________
13/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | フランスは、もうフヌケと化して何もやる気がありません。 | ムッソリーニ率いるイタリアなんぞ、1935年10月にはエチオピアに侵攻。植民地獲得に乗り出します。 | 今のヨーロッパの主敵はドイツ。少々手荒な事をしても、他国は口を挟まない… そういう目論見ですね。 \__ _________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 足並みが揃わないとか、そんな生易しい状況じゃないな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 国際連盟はイタリアを侵略国と断定、ユルユルの経済制裁を行う。 | さらに国際連盟によって両国に提示された和平案は、非常にイタリア有利のものだった。 | エチオピアは「そんな案が呑めるか!」と和平案を蹴り、徹底抗戦を決意する。 \_____________________________________
14/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | エチオピア軍の主武器は槍や弓矢。これでは流石にどうにもならず、イタリアの快進撃が続きました。 | しかしエチオピア国王の個人的なコネで、イギリスから機関銃などを獲得するとイタリアの侵攻も鈍ります。 | イタリアはとうとう毒ガスや焼夷弾を使い、1936年の5月にはエチオピアを破りました。 | こうして5月8日、ムッソリーニはエチオピアの植民地化を世界に発表します。 \__ _________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「失業者のための土地を獲得する戦い」 ムッソリーニ、エチオピア戦争について 「エチオピアの門を、カトリックとローマ文明のために開く戦い」 ローマ・カトリック教会、エチオピア戦争について(非公式) ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | おい、板書の下段… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そんな事を言ってると、後ろギコの二の舞になるぞシンイチ。 | とにかく、これでイタリアは国際社会から孤立する結果となった。 | なおドイツは、この時にイタリアに兵器を供給している事も忘れちゃいけない。 | 後に語るが、ドイツはこの辺からイタリアを引き込む事を考え初めていたんだ。 \_________________________________
15/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この乱れに乱れた世界情勢、そしてイギリス・フランスなどのヘタレ対応… | ヒトラーはこの状況を見て、大きな賭けに乗り出しました。 | それが、非武装地帯であるラインラント地方へのドイツ軍進出。 | この時点でフランスが本気になれば、まだまだ弱小のドイツ軍などひとたまりもありません。 \__ ___________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 海 , -'" "ヽ, / ヽ、 ポーランド / , -'" ̄"ヽ ベルギー ヽ/ ̄ ドイツ ヽ、 |  ̄ ̄ "ヽ |ヽ | | ヽ、 |;;;;|←ラインラント地方 | | `ー、;;;;;;| (非武装地帯) / / ソヴィエト連邦 l;;;;;;;| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ フランス ヽ;;;;| | チェコスロバキア | |;;| | | /;/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | /;/______/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ___/ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ほほう。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ドイツの再軍備宣言以来、「ドイツは強大な軍備を保持している」という幻想が各国を支配していた。 | なんせ、第一次大戦で世界を相手に4年も戦った戦闘民族ドイツ人。 | 「ドイツ軍=メチャクチャ強い」の公式は、この時代から健在だった。 \_________________________________________
16/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そういう幻想を巧みに利用し、すでにイギリスと同等の軍備が整っているようなハッタリをかます総統。 | こうして1936年3月7日、ドイツ軍が非武装地域ラインラントに進駐します。 | 「散々ハッタリはかました。大丈夫なはずだ。でもフランスが動けば、ドイツは終わる…」。 | 不安を抱えたヒトラーのバクチは、結果的に大成功でした。 | 非武装地域への進駐という掟破りを目の当たりにしても、フランスは何の動きも見せなかったんです。 \__ _______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「ラインラント進駐後の48時間は、私の生涯で最も神経を痛めた時だった。 もしフランスがラインラントに兵を進めたなら、わがほうは尻尾を撒いて撤退しなければならなかっただろう。 (中略) 私の不退転の頑張りと冷静さが、ドイツを救ったのだ」 ヒトラー、ラインラント進駐に関して ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ラインラントってドイツ−フランス国境だろ。 | そんなとこまでドイツ軍が姿を見せ始めたのに、フランスは何もしなかったのか… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この大バクチに勝ったヒトラーは、自分の直感を何よりも信じるようになる。 | それが的中していた頃は良かったんだが… \________________________________
17/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | しかしイギリスやフランスは、この頃になると流石にドイツの脅威を感じ始めます。 | イギリスはドイツへの態度を硬化し始め、英仏両国はドイツに対抗して軍備拡張を始めました。 | それでもなお、ヨーロッパの盟主たる両国は具体的な行動を行わなかったんですね。 | こうして、ヒトラーはどんどん調子に乗っていく事になります。 \__ ____________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんと。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | しかし流石に、イギリスと同盟関係を結ぶというドイツの望みは実現不可能になってきた。 | そこでドイツは、国際社会から孤立していたイタリアに目を付け始めるんだ… \_____________________________________
18/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて、ここでドイツの軍備の話をしましょうか。 | 1934年初頭、当時はまだ首相だったヒトラーが軍の演習を見学に来ます。 | そこで、グデーリアンは自動車化部隊の実験演習を披露しました。 | 先進的なドイツ軍内ですら、異端だったグデーリアンの「電撃戦」理論でしたが… | それを目の当たりにしたヒトラーは、「これだ! これこそが私の求めていたものだ!」と狂喜しました。 | こうして主流から遠い位置にいたグデーリアンは、余りにも強力な後ろ盾を獲得する事になったんです。 \__ ________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | で、以後は「電撃戦」理論からなる装甲部隊がドイツ陸軍の根幹になっていったと。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まだまだ、それを受け入れられない将軍もいたがな。 | ヒトラーは自身も歩兵経験があるからか、家柄の良い高級参謀の類が嫌いだったようだ。 | その一方、グデーリアンのような実力でのし上がってきた有能な人間にシンパシーを感じていた。 \________________________________________
19/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | こうして、ドイツ戦車がズラリと並ぶ風景が内外にアピールされるようになりました。 | それを見た各国軍の感想は「戦車ばっかりバカみたいに並べて、連中は何を考えとるんだ?」。 | これは他国だけでなく、ドイツ軍内部でもそんな感じが強かったんです。 | 「ヒトラーみたいな成り上がりに取り立てられた若造が、調子に乗って妙な事をやりだした」ってね。 | この5年後には、装甲部隊の恐ろしさが世界中に刻み込まれる事になりますが… \__ _____________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ほとんどの人間は笑ってたのか… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そういうもんだよ、シンイチ。 \_______________
20/26
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| こんな風に、理論は先進的なドイツ陸軍でしたが… 戦車の性能は非常に頼りないものでした。
| 以前の講義でもやりましたが、I号戦車〜IV号戦車に関してもう一度見ておいてください。
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第32回兵器史・陸戦兵器の歴史3 4/43〜8/43参照
ttp://professorgiko.fc2web.com/kougi44/tank3.html ,__
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| ホア――ッ!! ホア――ッ!!
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| 戦車を重視しようという考えを持つ人はイギリスにもフランスにもいたが…
| 彼等はその異端ゆえに中央を追われ、誰も彼等の話を聞こうとしなかったのさ。
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21/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ヒトラーが政権を握って以来、ドイツとソ連の協力関係は解消してしまいましたが… | それでも、軍同士の交流は完全に途絶えたとは言えない状況だったんですよね。 | そしてある日、赤軍のお偉いさんは「後学のため、ドイツ最強の戦車を見せてほしい」と申し出たんです。 | 仲良くやっていた赤軍の頼みなので、ドイツ軍は素直に開発中のIV号戦車を見せました。 | しかし赤軍は、「あのドイツの最強戦車がこんなもののはずがない。連中はウソをついている」と認識。 | IV号戦車が当時のドイツ最強戦車であると信じてもらえなかったとか… \__ ________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ああ、IV号戦車… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なにせソ連では、あの鬼戦車T-34を開発中だったからな。 | IV号戦車がオモチャに見えても仕方がない。 \________________________
22/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | こんな風に、ドイツはヒトラー総統着任後から戦争初期まで、戦車の数と性能不足に悩まされることになりました。 | 「強大なドイツ陸軍」の幻想も、フタを開けてみればこんな状況だったんです。 | ヨーロッパ各国のどれかが本気で動いていれば、ひとたまりもなかったんですね。 \__ ___________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 結果論になるが、もっと初期にドイツを叩いておけば第二次大戦は防げたかもしれないんだな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | その通り。まあ、過ぎた事をとやかく言っても仕方がない。 | しかし各国は、第二次大戦後にこの教訓を頭に叩き込んだ。 | 膨張の兆しを見せていたフセイン率いるイラクは、こうして湾岸戦争で多国籍軍にボコられたんだ。 \_________________________________________
23/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて、ドイツ海軍は… 1933〜36年、次々に3隻の最新戦艦が完成していました。 | しかしこれ、ヴェルサイユ条約の軍備制限条項を受けながら建造していたもの。 | 正直ながら戦艦と言えるものではなく、「ポケット戦艦」と言われていますね。 \__ ______________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・「ドイッチュランド」級装甲艦 1930年代にドイツが完成させた、いわゆるポケット戦艦。 ヴェルサイユ条約により排水量1万トン未満、主砲28センチまでという制限を課せられている。 その為に他国の戦艦には対抗できず、通商破壊という任務が主眼となった。 1番艦は「ドイッチュランド」、2番艦は「アドミラル・シェーア」、3番艦は「アドミラル・グラーフ・シュペー」。 なお「ドイッチュランド」は、1940年に「リュッツォウ」と改名されている。 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 通商破壊… ドイツ名物だな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 派手な交戦は避け、商船を狙い撃ちにして敵国を物資不足に陥らせる… | 持たざる海軍に許された大技だ。 | その為に開発された、俊足で遠くまで行ける艦が「ドイッチュランド」級。 | 殴り合いだとてんで弱いが、嫌がらせに徹すれば一級品だ。 \_______________________________
24/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この「ドイッチュランド」級、敵が重巡洋艦以下ならば砲力で勝っています。 | そして敵戦艦と出会ったならば、速力を生かして逃げれば、普通の戦艦では追いつけません。 | 決して強くはありませんが、非常に厄介… イギリスやフランスにしてみれば、凄く嫌な艦だったんです。 | 「ドイッチュランド」級に対抗できるのは、ロイヤルネイビーが所有する一部の巡洋戦艦くらいでした。 | この艦の出現をきっかけに、ヨーロッパではプチ建艦競争が勃発するのですが… それは後ほど。 \__ _______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 「強い兵器より、便利な兵器が良い兵器」か… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 排水量1万トン未満に制限されれば、まともな戦艦が出来る訳がない。 | そんな開発陣の出した結論が、「ドイッチュランド」級だったんだ。 \_____________________________
25/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして、例の再軍備宣言の中で創設が発表されたドイツ空軍… | その総司令官に就いたのは、ナチ幹部でもあり、ヒトラーの側近でもあり、元エースパイロットでもある男でした。 | 彼の名は、ヘルマン・ゲーリング。第一次大戦におけるエースで、国民からも非常に人気のあった存在。 | そしてナチスにも深く食い込んでいた彼が、新空軍のリーダーとなったんです。 \__ ___________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・ヘルマン・ゲーリング 元エースパイロットであり、ナチスにおける最重要人物の一人。 1935年には新設された空軍の総司令官となり、権力を振るう事になる。 自分で作った賞を自分に授与させたり、ヤク中でラリったりと愉快な一面もあった。 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんか、ダメ人間じゃん… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まあ、そこは否定しない。 | とにかくナチスの重要人物を空軍のトップにつけることで、軍に対する影響力を強めたんだ。 \______________________________________
26/26 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | こういう「無敵ドイツ軍」の衣を被りながらも、実際は寒い状況だった新生ドイツ軍… | その力を振るう機会は、思ったよりも早く訪れます。それが、1936年に勃発したスペイン内戦への介入。 | ここでドイツは、兵器の供給のみでなく正規軍を義勇兵と偽って派兵する事になります。 | 果たして、リニューアルされたドイツ軍の実力は…? ここで、今回の講義を終わりましょう。 \__ ________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第44回兵器史・第二次大戦への歩み7(ふゆやすみ特別企画・第二次世界大戦史7) 完 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 次回は、スペイン内戦からか。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | シンイチ… \_______________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 激しく乙です。 | 私も第一次大戦後から | ドイツ軍は最強だと思ってたんですが・・・・ | 勉強になりました。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
講義よりも2人の会話が気になる。 特に湾岸戦争のくだり。そんな背景とは知らなかった。
ヒトラーは 「ヨーロッパでババ抜きを始めた、 ドイツはルールを無視してみんなのカードを引きまくる・・・ババがでるまで」 ってことかな? で、ルールを重視するようになったから、イラクは叩かれたってこと?
臭い物に蓋してたら手がつけられなくなったから イラクはやばくなる前に叩き潰したって事ではないか?
イラクはなんかくさそうだったので、においだす前に捨てちゃおーぜ! みたいな感じか。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | イラクはすでに臭いも何も実行に移しかけている、様に見せていましたから。 | 次はサウジだぜ!このままアラブ統一だぜ!と公言していました。 | むしろドイツの他国併合時やファニー・ウォー(詳細については兵器の人の解説待ってください)段階で | 手を打ったと考えるべきかと \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ 湾岸戦争って案外知られてないんですね…講義してみようかな? √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
相撲の世界と同じですな。若い芽は早めに摘んどかなあかん、ということか。 北朝鮮に対してアメリカが強攻策を取らないのは、伸びないことがわかってる(成長しても双葉で枯れちゃう)芽だから、立ち枯れを待ってると。そういうことなのかな。 となると、アメリカが次にターゲットにする可能性があるのは中国?
湾岸戦争というと対空砲火(TV)と油で真っ黒になった水鳥(教科書)ぐらいしか知らんな・・・ なんで起こったのかも知らなかった。 それはそうと最近各教授の講義のペースがあがってますな。 47時限目が一瞬で消費されてしまった。
そのあんま知られてない湾岸戦争 湾岸戦争も他人事で済ますには勿体無いな 日本も教訓にできることが多々あると思う 今は穏やかだが、明日は我が身…かもしれない 講義できる人は、是非お願いしたな
「何年に、あっちがこっちに攻めました。勝ちました負けました。」なんて事柄の羅列だから 歴史の教科書はつまんなかったんでしょうねえ。 ここの講義を受けるようになってから、部屋にダイソーで買った世界地図を張りました。(やたらデカイ・・・。) これまで地政学なんて興味無かったけど、入り口にはきたかな。 講義してくれる人には、反応や質問が一番の励みになると思うんだけど 最近は良質講義の波状攻撃でコメントするタイミングを逃しがちでなんだか悶々とする。 これは嬉しい悲鳴という奴なのか?
>>78 まあ湾岸戦争は、ぶっちゃけるとアメ公主導によるエアキャンペーンなんだがな(w
未だに景気刺激策に戦争やってるのはアメ公だけだし…あの国だけ形を変えた帝国主義のままだからなぁ
戦争とは政治の延長であり、外交の最終手段であり、一種の経済活動であるってことだ
(戦争と政治(外交)と経済は切っても切れない関係にある)
〉〉79 地図って眺めてるだけでも結構地政学的なこと感じられるよね。なんでアフガンが重要かとか大戦の流れとかたどったり。
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| 現在の日本におけるマスコミは反米一色、かつ極度の軍事…ってか世界情勢音痴。
| 「戦争はなんでもアメリカ帝国の金儲け主義!」って論調が支配してる状態です。
| 正直ながら
>>80 氏の見解も、そのスローガン先行な流れに染まったものではないでしょうか。
| 重要なのは情報の検証、複数のメディアの比較(日本の報道は元が同じなので、比較はほぼ無意味)。
| マスコミの垂れ流すスローガンに無批判・無検証で乗っかってしまえば、またアレの繰り返しです。
| とにかくアメリカを悪者に仕立て上げればいい、ってノリは頂けませんね。
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「第二次大戦」講義が終わった後は「冷戦」編、「現代戦争」編をやるかも…
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| アメリカは、戦争をビジネスにしてるんじゃないのか…?
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| 実際、現代においては戦争なんて金儲けになんかなりはしないんだよ、シンイチ。
| アメリカはあれで、良い意味でも悪い意味でも骨の髄まで民主主義なんだ。
| 「民意」がなきゃ何もやれない、優柔不断な超巨人なんだよ。
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先生っ! ぜひともお願いします! 携帯からですみませんが。 アメリカドラマ好きで色々見ますが、戦争は金儲けより 支持率や世界政治のイニシアチブの為が強い気がします。 まぁ、湾岸は耐用年数近い兵器ぶっ放すデモストも兼ねてとも思いましたが・・・ アメリカの都合の良い戦争ではなかったのかな?湾岸は? 今は引き際判らずショボーンな感じと思ってます。 国際感覚無し?
>>82 戦争が金儲けにならんのはやっぱり兵器が高すぎるからかな?
1/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |では要望もありましたし湾岸戦争の講義を行おうと思います。 |実質的にイラク史を語る事になるかと思われます \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |兵器の人がやるんじゃ…? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |足元にも及ばないだろ中の人 \________________
2/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |私もそう思ったんですが… |1・何時になるのか判らない |2・世界史を見る目は違うし違う意見ってのもあるって事で |と思い、授業する事に。 |題材は被っても同じ授業にはならない筈です \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |言い訳になるかな? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |なってもならなくてもGO!だってもう作っちゃってるし(泣 \________________
3/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |さて、初回はイラクの成立からです。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 湾岸戦争史第一回・イラク王国の成立から崩壊まで ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |そこまで遡る必要があるのか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |中の人は適当に区切ろうとして、そもそも中東史自体知られて無い事に気づいたらしい \________________
4/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |時代は第一次世界大戦に遡ります。 |当時イラクの地はオスマン・トルコ帝国に治められていました \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 北部のモスル州 中部のバグダット州 南部のバスラ州 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |この三つが一緒に組んで分離独立したのか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |それがな、違うんだよ \________________
5/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |第一次世界大戦で、イギリスがオスマン・トルコと戦争状態にありました(兵器の人の講義参照) |イギリスは後方かく乱の為オスマン・トルコに支配されていたアラブ人に分離独立を持ちかけます。 |持ちかけた先はメッカの太守・フセインでした \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ フセイン・マクマホン協定 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |アレ?オスマン・トルコってアラブ人の国じゃないの? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |トルコ人の国でアラブ人は被支配民族。トルコ人はアラブ人とは別の人種 \________________
>>83 アメリカだけ見てても分からないよ
アメリカがイラクに、イラクがアメリカに喧嘩売った訳でもないもの湾岸戦争は
まずはイラクがどういった国だったのか、その周辺国家はどういった国なのか
そしてそれらの国とアメリカがどういった関係があったのか
それから調べてみたら?
予備知識0より1でもあった方が面白いよ兵器の人の講義なら
6/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |同時に、イギリスはフランスとオスマン・トルコのアラブ領を分割支配しようと密約します \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ サイクス=ピコ協定 レバノン・ダマスカス中心の西シリアはフランス パレスティナ・メソポタミア・トランスヨルダンはイギリス 尚これは必ずしも植民地を意味しません ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ちょっと待て!矛盾してるぞそれ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |流石イギリス…二枚舌かよ \________________
7/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |同じころバルフォア宣言(パレスティナにユダヤ人国家成立を認める宣言)を出し |現在のパレスティナ問題の元を作ったりしてたので三枚舌ですね。 |第一次世界大戦終了後、サイクス=ピコ協定が履行されます。 |これに怒ったアラブ人は各地で反乱を起こし、それを宥める為もあって |イギリスは2つの国を独立させる事にします \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ イラク王国 トランスヨルダン王国 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |やっとこさ独立か \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イラク人の国が出来たんだな \________________
8/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |後ろギコ君、イラク人?ナニソレ \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |え?イラク人はイラク人だろ? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |共通項はあったんだろ? \________________
9/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |共通項なんてありません。しいて言えば隣接はしてますね。 |人工的な切り貼り国家なんです \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ モスル州は東クルディスタン(クルド人) バグダット州はシリア東部といえる(スンニ派アラブ人) バスラ州はペルシアの影響が強い(シーア派アラブ人) ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |違う文化を持ってたんだな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |分離しても良かったのでは?イギリスは何故… \________________
10/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イギリス人も少なからずもそう思った様ですが、 |アラブ人の都合が大きい、と言われています \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ アラブに隣接する異民族大国ペルシア この地域の国はアラブをペルシアから守る盾である そこのある国が弱いのは困る ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イギリスの都合だけじゃ無かったんだな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |正確にはスンニ派アラブ人、だ。 \________________
11/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |こうして1921年イラク王国は成立します。国王はファイサル一世。 |先に出てきたメッカの太守・フセインの三男です。 |ちなみにトランスヨルダンの国王・アブドラは次男でした \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ フセインの家・ハーシム家はマホメットにつながるアラブ随一の名家 但し三年後本拠のメッカからはサウド家に負けて追われた ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |マホメットってイスラムの創設者の? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |名家を据えて安定を図ったんだな \________________
12/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |そういう事です。もっとも名門というだけではなく、ファイサル一世は優秀な国王でした。 |バラバラな国家を何とか纏め上げ、反乱の痛手を癒し、クルド人を取り込み、 |祭政分離した立憲君主国・イラクを築き上げます。 |軍の政治勢力化という弊害はあったものの |1932年アラブ世界初の国際連盟加盟までこぎ着け、完全独立を果たしたイラク王国。 |オスマンの僻地だったはずの地域はアラブ有数の国家に成長しました \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 名家は伊達じゃないぜ! ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |SUGEEEE!!! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |となりのトランスヨルダンが友好国だったりイギリスの後押しがあったのも大きい \________________
13/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |但しファイサル国王は病に侵され、翌年死去してしまいます。 |後を継いだ息子のガジ国王は平凡というより無能でした。 |施政の失敗から反乱が相次ぎ、軍は更に強権化。 |首相の独裁やらクーデターが相次ぎ国政は混乱します。 |但し彼は湾岸戦争の遠因の一つを作った国王として無視できません \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |いきなり無能な国王か… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |湾岸戦争の遠因? \________________
14/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ナチス・ドイツが好きだった国王は国民の目を外交政策で逸らす |という考えも同時に得たようで、 |クウェートの領有権をラジオで主張したんです。 |彼は1939年、スポーツカー運転中に事故で亡くなります。 |首相やイギリスによる暗殺説が根強いですね \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ クウェートについては湾岸戦争直前に詳しくやります ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |トコトン迷惑な人だったんだな。暗殺か… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |内政的には首相、外交で見ればイギリス。どっちも動機はあるんだ \________________
15/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |後を継いだファイサル二世は僅か三歳。 |当然国政を見れる訳も無く叔父が摂政として国政を見ます。 |もっとも成人してからも叔父に実権はあったようですが \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |実権無き国王、か… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |親が死ぬのが早すぎた。…長続きすべきかどうかは微妙だが \________________
16/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |第一次と違い第二次大戦の戦禍はイラクには及びませんでした。 |平和万歳!…の訳はありません。 |戦後パレスティナでのユダヤ人問題は一気に深刻化、1948年にイスラエルが成立します。 |即座に「許すか(゚Д゚)ゴルァ!!」とばかりにイラクを含むアラブ国家正規軍が侵攻開始。 |相手は所詮民兵のイスラエル、こっちは「ユダヤ人を絶滅させろ!」と気勢を上げるアラブ正規軍。 |質も量も圧倒してるし勝利は確実! \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 第一次中東戦争勃発! ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |量はともかく…質まで勝ってたのか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |腐っても正規軍だ。圧倒的と言って良いだろう \________________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |しかし、士気が低すぎたアラブ諸国軍は足並みの乱れもあり結局イスラエルに対しまさかの敗北。 |イラク軍?真っ先に負けましたが何か? \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ この辺りは詳しくやると湾岸戦争より大きくなるので割愛 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イラク軍弱っ! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |全くだ。イスラム帝国成立時のウオーモンガーアラブ人は何処に行ったのやら \________________
18/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |これによりアラブ各王国の権威は急激に低下。 |1952年のエジプト革命では古代からの王政が倒されるまでに至ります。 |特にお隣ヨルダンはヨルダン川西域を併合してしまったお陰でヨルダン人が少数派に転落、 |一気に政情不安に陥り1951年に国王が暗殺されてしまいます… \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 親類(ヨルダンの跡継ぎ・フセイン国王はファイサル二世のハトコ)の国がヤバス! ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |なんてこった \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |反王政・アラブ主義を唱えるエジプト革命はフランス革命の如く各地に波及したんだ \________________
19/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |フセイン国王はファイサル国王にもちかけます。 |「親類・反共・王国って共通点あるだろ?連邦作らないか?」 |ファイサルはOKを出し、1958年2月アラブ連邦が成立します \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ トップは当然ファイサル国王 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |まあ、ヨルダンがそんな状況じゃ当然か \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |シリアとエジプトのアラブ連合に対する対抗という面が大きい \________________
20/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ところが同じ年の7月、再びヨルダンで政情危機が。「助けて親類!」 |「OK軍を向かわせる」イラク東部から軍が出撃します。目標ヨルダン首都アンマン! \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |おー、まさに盟主だな \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |しかし、それは破局を招く \________________
21/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |そう、エジプト革命はイラクにも飛び火していました。 |反王政・アラブ主義を唱える軍人達は自由将校軍という組織を作り、機を窺っていたんです。 |イラク東部からヨルダンまでの道、その途中には首都バグダットがある…! |かつ派遣軍の司令官・アレフ大佐は同志。 |トップのカセム准将はその軍を使いクーデターを決行します。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 1958年7月14日イラク革命勃発! ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |親類を助けようとした軍が自らの破局を招いたのか… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |皮肉なもんだ \________________
22/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |王宮に追い詰められたイラク王家。 |国王自ら銃をとって応戦しますが勝てる訳も無く、国王一族は全員虐殺されてしまいます。 |カセム准将はイラク共和国の成立を宣言、血塗られたイラク史の幕開けでした \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |うお…全員殺されたのかよ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |そ。家族含めて全員だよ \________________
23/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ここで更に皮肉なのは崩壊寸前だったはずのヨルダンでしょうか。 |イラク奪還!は無論無理で、イギリスに軍派遣を要請して何とかその場をしのぎます。 |この後普通なら崩壊してもおかしくない危機が何度もあったんですが、 |フセイン国王の手腕と強運ですべてをクリア。現在に至ります \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ヨルダン王家は親日として知られてますね ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |助けを求めたはずの国家が生き延びて、助けに行くはずの国が滅んだのか \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |軍が中東で一番マトモなのも大きい \________________
24/24 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ここで第一回を終わります。 |最初の予定では一回でイライラ終了まで突っ走る筈が… |湾岸戦争何時始まるんだろ(汗 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 課題:ユダヤ風コロッケ持ってイラクに飛ぶべし ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚♯) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |要望・質問気軽にどうぞ…ってその課題は氏ねというのかよ教授? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ちなみに作者AA弄れません。AA板失格だなorz |ところでユダヤ風コロッケって何? \________________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |初講義&イラク史講義乙です。 |ところで、怒りの表現でナンバーを使う場合は |3とシフトキーの同時押しで半角の奴が選択できますから半角のを、 |汗を表現する時は全角のセミコロンを使うと見栄えがいいですよ。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛ 各々ローマ字入力時の場合 # 半角のナンバー [3]+[Shift] ; 全角のセミコロン [+]のキー 過去ログから汗かいた顔や怒った顔をコピペして入れ替えるのも手ですよ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |初講義オツです☆ |面白かったです。素敵クオリティ! |ただ、コトが何せ中東なだけに(=馴染みがあまりない地域) |ところどころ用語や繋がりが分からず惑ってしまいました・・・ \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) 私ノ教養不足デスネ... φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ひさしぶりに来たのですが \__ _______ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ キノコの講義は何をやろうかと考え中 何かあったら教えて。 何やったか覚えてないから ,__ iii■_,、 ━ (,, ゚Д゚) /━━━━━━∧ ∧━━━∧ ∧━━━━ / `つ/[]]]] (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) / V | ̄ ̄| ψと ヽ ψと ヽ /__,,,,| | ○| √ ̄,___) √ ̄,__) し. J | | || し━┳┛ || し━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄:| | ∧ /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | コミミギコを使いたかったらどんどん使ってくれ \____∧____________ / ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |このテンプラをコピーで桶 \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |中東は日本にとって滅茶苦茶影響が大きいはずなのに、さっぱり知られてませんね。 |かく言う私もさっぱりなので楽しみにしています。 | |補足ってほどじゃないですが、内戦の勝者が敗者を徹底的に叩き潰すのはよくあることです。 |特に旧王家というのは、新政権にとって政敵以外の何者でもないですからね。 |旧王家の生き残りを旗印に、反対派に結束されたらたまったもんじゃありません。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) 例トシテ,ニホンデハ清盛ガ頼朝ヲコロサナカッタ φ つ ソノ頼朝ガ源氏頭梁として平家ヲダトウスルノダカラヒニクナモノダ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
>>114 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|はい、仰るとおり確かに革命時の王族殺害は良くある話です。
|只、イラク革命時の流血はアラブ人の中でも残虐な話として書かれているのでそっち採用しました。
|
|因みに頼朝を殺さなかったのは只単に
|「平家にとって源氏は最早脅威になり得ぬ程弱体化したと判断された」
|というのが今では有力な学説だったり…
|ああ平家物語のエピソードが又一つ消えていく(泣
\
 ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ΛΛ
(゚Д゚,,)
φ つ 第二回授業は実はほぼ完成。夜にアップ出来ると思います
√ ̄ (___ノ〜
|| ━┳┛
1/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |今日の講義はイラク革命後のイラク情勢を取り上げます。 |ちなみにまだクウェート侵攻すら出てきません。 |予定では次の講義でようやく辿り着く…筈 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 湾岸戦争史第二回・革命革命革命革命そして革命 -川の間でクーを叫ぶ- ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |夜にUPするとか言ってなかったか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ちょっと仮眠、と思って寝たら今起きたらしい。スマンorz \________________
2/25
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|さて、前回はイラク革命まで取り上げたんですが…時計の針を少し戻します。
|スエズ動乱、いわゆる第二次中東戦争。
|これを簡単にでも説明しないとこれからの理解が難しいと思うんですね
\__ ________________
━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━
第二次中東戦争について
,__
iii■Λ /
━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━
(| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,)
| | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜
し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛
 ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧==========
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|スエズってエジプトのスエズ運河?
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|この授業には余り馴染みの無い地名が頻繁に出てきます。
|判らない場合は
>>112 の地図を見て下さるようお願いします
\________________
3/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ええ、そのスエズです。前回の講義でエジプト革命については取り上げましたね? |実行したのはナセルという人で彼はエジプト共和国の大統領に就任しました。 |ちなみにちゃんと国王は生きてて、無血革命。 |革命という軍事手段で元首の地位を手に入れた彼はとりあえず成果を上げて国民を納得させる必要がありました。 |そこで目をつけたのがエジプトの象徴の一つ・スエズ運河です。 |さてスエズ運河は何処の国が建設したんでしたっけ? \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |確かレセップスって人が中心になってつくったんだよな。確かレセップスは… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |フランス人。フランスのものだったのかな? \________________
4/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |確かにレセップスはフランス人です。当初はフランスとエジプトの共同保有でした。 |しかしエジプトは膨大な財政赤字を抱えていた為株をイギリスに売却、当時運河はフランスとイギリスが保有していました。 |そこにナセル大統領は目をつけたんです。 |「実際に作業したのはエジプト人、土地はエジプトの大地。だからスエズはエジプトのものだ!」 |大意はこんなもんでしょう。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ エジプト、スエズの国有化を宣言 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |うお、強気だな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ナセル自身に勝算があったかは定かではない \________________
5/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イギリスとフランスはこの「暴挙」に怒り、動機のあったイスラエルと組んで |スエズ奪回作戦を実行。 |1956年10月29日に第二次中東戦争が勃発しました。 |戦闘では負けまくったエジプトですが、アメリカとソ連がエジプト支持を表明した為に |英仏イスラエルは停戦。 |スエズの国有化は成功し、ナセルの権威は跳ね上がります。 |一方英仏は中東でも米ソに及ばない事を証明してしまい、影響力は極度に低下。 |中東での表舞台から加速度的に遠ざかっていきます \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イギリス… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |アラブの力じゃなく国際政治の論理で勝利したんだが、アラブ人はこれが理解できなかった様だ \________________
6/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |こうして「やったぜナセル!彼はアラブの英雄!エジプトに続け!」 |彼が掲げた共和制、そして汎アラブ主義は一躍アラブのトレンドに。 |イラクはこの影響を最も強く受けた国といえます \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 汎アラブ主義(ナセル主義) 反欧米・反資本主義・アラブ民族の連帯を目指すナショナリズム的な運動。 社会主義+アラブの民族主義概念という複雑な経緯があり、 祭政分離を掲げる点でイスラム原理主義とは対立している。 注:実際はナセル主義は汎アラブ主義の最大派閥 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |これがイラク革命を招く訳だな \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |何というか、ようやくイラクに戻ってきた… \________________
7/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イラク革命を主導したカシム准将は首相に就任します。 |新生・イラク共和国で実権を持ったのはそのカシム首相と、クーデターを実際に実行したアーリフ大佐でした。 |二人は立場の違いから早速対立が生じます。 |コチコチのナセル主義者だったアーリフ大佐と違い、 |カシム首相は「イラクの富が疲弊したエジプトに吸われるのはアホらしい」と考えていたんです。 |カシム首相は煩いアーリフ大佐を追放します \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |現実主義者と理想主義者の違いか… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |当時、ナセル主義は時代のトレンドだった。カシム首相の方が珍しい考えだったんだ \________________
8/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |その通り。時代の流れと違ったカシム首相は暗殺というか処刑され、カシム政権は崩壊。 |1963年アーリフ大佐が復権し大統領に就任します。…ぶっちゃけクーデターてか革命ですね。 |中庸だったカシム政権と違いアーリフ首相はコチコチのナセル主義。 |寄せ集めの政権内で内紛が絶えない中、クーデターへの協力をきっかけにして |勢力を伸ばしつつあった勢力がありました。 |それがバース党です \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ バース党は汎アラブ主義の一つ・バース主義の政党で軍国主義的な考えも併せ持つ。 アラブ統一を目標とする点では他の汎アラブ主義と同じだが、各地で政権を選挙や革命などで取った後に バース党同士が合同する、という明確な路線を有した。 シリアが発祥の地だがイラク・レバノン・ヨルダン、イエメンやバーレーン等にも存在。 但し各地のバース党は当時は既に理念から離れ、実質的にそれぞれ独立した存在となっていた。 傘下に軍事組織に近い暴力組織を擁するという点でナチスに通ずるものがある ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |バース党?どっかで聞いた気が… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |当たり前。2003年までのイラクの政権与党だよ \________________
9/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |アーリフ大統領は当初バース党の力を借り、党首バクルを首相にしていました。 |しかし力を強め、私軍を持ち、かつシリア政権与党バース党と連携を取り始めたイラクバース党に危機感を抱いた |アーリフはバース党を非合法化、弾圧を開始します。 |がその最中1966年にアーリフ大統領は怪しい事故死を遂げ、兄のアーリフが大統領に就任します。 |…誤字じゃありませんよ? \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ アヴドゥル・サラーム・アーリフ(弟) ↓ アブドゥル・ラーマン・アーリフ(兄) ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ヤヤコシイなオイ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |地縁・血縁はアラブではきわめて強大なんだ \________________
10/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |そんな最中、アーリフ政権に致命的な打撃を与える事件がありました。 |第三次中東戦争です。 |詳細は省きますが、イスラエルの奇襲と戦略の前にアラブ国家は空前の大敗を喫します。 |特にエジプトは酷く、ナセルの権威は地に落ちました。 |ナセル神話の終焉、英雄は凋落したのです \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ナセル主義者は大打撃を受けた ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |又イスラエルか… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イスラエルの動向はこの後もアラブの歴史に大きく関わる \________________
11/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |大打撃を受けたアーリフ政権にバース党の勢いは止める力はもうありませんでした。 |1968年7月にバクルはクーデターを決行、成功させます。 |長らく続いたバース党政権の誕生です。 |ちなみにアーリフ兄は間一髪イギリスへの亡命に成功しました \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 三度目の革命 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |何て不安定な… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ここまでならよくある話なんだ。これで地域大国でなけりゃな \________________
12/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |バクル大統領は政権を地元・ティクリート出身者で固めます。 |その中にはハイラッラーという人物もいて、彼はバグダット知事に就任。 |彼の甥も今までの動きと地縁血縁で地位を得ます。 |甥の名はサダム・フセインと言いました \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 主役登場 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ようやくのご登場だな \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |長かった…つか腹減った \________________
13/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |後ろギコ君ちょっと待ってて。良いのがあるから。 |バクル政権は反共・反資本主義・反ユダヤ・反欧米のバース党理念を忠実に実行。 |国家安全保障の立場についたフセインはその手先となり対立者を苛烈に弾圧します。 |功績を挙げたフセインは立場を急速に強化していきました。この辺りはスターリンを参考にしたと言われています \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |国家の裏の権力を握ったんだな \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |その通り(良いのってなんだろ…いやな予感) \________________
14/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |裏を握ったら次は表。 |バース党の政策決定機関は革命指導評議会(RCC)と言うんですが、 |フセインは副議長、更には議長と上り詰めていきました \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |表も裏もフセイン…アレ実権は? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |70年代後半からはフセインの方が実権を持っていたといわれている \________________
15/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |もちろんそういった裏の手腕だけではなく、フセインは外交でも力を発揮します。 |最も大きいのは油田の国有化でしょう。 |物凄い額の収入はイラクを一気に近代化させ、国力は劇的に向上。 |イラクは他のアラブ国家を引き離し始めます \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |独裁者ってだけじゃなかったんだな \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |これにより国民的人気(特にスンニ派の)を得る。 \________________
16/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |豊富な財源を背景に、フセインは軍の強化も推し進めます。 |当初はソ連に頼っていたのですが、そこはソ連下手すりゃ母屋取られてしまいます。 |そこで頼ったのはあの武器輸出大国・軍産複合体国家 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |うわ、出てきたよやっぱり。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |(………) \________________
17/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |フランスです。 |武器をひたすら買い付けまくり、フランスの軍需産業は潤います。 |フランスとイラクは急速に親密化、首相だったシラクとフセインは親友とすら言われました。 |フランスはとうとう最新の原子炉まで売っちゃいます。 |まあイラクが原子炉使って何作りたいかは当然知ってたと見るべきでしょうね \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ちょ、待て、アメリカじゃないの? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |フランスはアメリカに比べて国際的なパワーバランスに気を配る必要が薄いんだ。 |平気でトンでもない商売するぞ \________________
18/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イラク戦争で平和国家フランス万歳してた人たちが如何に歴史に無知か、って事です。 |軍も国民の支持も政府も秘密警察も握ったフセインはとうとうバクル大統領を脅して辞任させ、 |1979年7月に大統領に就任します。 |フセイン大統領の誕生でした。因みにその後バクル大統領は暗殺されます \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 革命4回目 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |主役が座るべき地位に座ったな。湾岸戦争の… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |まだ10年あるぞ \________________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |そう。タイトルで革命が5回書いてあるのに気づきましたか? |まだ一回残ってますね。 |イラクが急激な軍事力強化に走ったのは原因がありました。 |東の隣国・ペルシアがアメリカの支援で軍事大国化していたんです \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ バーレビ朝ペルシア王国 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |あ、アメリカこんなトコで出てきた \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |最近核開発できな臭いが、その背景でもある \________________
20/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |今でこそアメリカを悪魔の手先と呼ぶ反米勢力の代表みたいな国・そして祭政一致の神権国家イラン。 |しかし先代のバーレビ朝は中東きっての親米国家。 |国王バーレビ二世は近代化・祭政分離を推し進め、外交では親米路線を取ってたんです |アメリカもペルシアを「中東の憲兵」と呼んで絶大な信頼を置き、新鋭戦闘機F-14まで輸出。 |更に石油の輸出でペルシアの経済は急激に成長しました \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |おー、やるじゃん国王。ってアレ上で似たの見た覚えが… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |親米路線以外はフセインと同じだ。産油国の近代化のルートとしては成功といえる \________________
21/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |しかし、急速な軍事力強化は周辺国との関係を悪化させました。 |急速な近代化は石油成金を生み出す一方乗り遅れた貧しい人を急増させ、貧富の差が拡大。 |祭政分離を強硬に推し進めた事でイスラム法学者の反発… |上はある意味仕方の無いことで、もしかしたら乗り切れたかもしれません。 |しかし微妙な差でバーレビ朝は乗り切る事に失敗。 |高まる国民の不満の前に国王は1979年1月に国外に去り、入れ替わる様に帰国した |イスラム法学者・ホメイニ師を中心としたグループにより同年4月にイラン・イスラーム共和国が成立。 |イラン革命です \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 五回目の革命 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |って違う国じゃないか \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |その通り。だがイラクの歴史はこれで大きく路線を変える事になる \________________
22/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |フセインはビビりました。 |彼はイランの指導者・ホメイニ師をイラクから追放した事があったんです。 |又、「祭政一致」「イスラム革命の輸出」を唱えるイランに抑圧していたシーア派が応じるかも不安でした。 |イラン=ペルシアはシーア派の牙城みたいな地域なんです \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |いきなりピンチじゃないか \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |そうだな。だがこれは逆にチャンスでもある \________________
23/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |そう。アメリカとの関係は冷却化というより敵対化、 |「宗教は阿片」という共産主義の概念からソ連とも敵対。 |宗教革命の輸出を唱える為に他のイスラム諸国とも敵対。 |イランは世界から孤立したんです。 |バーレビ朝で「周辺国との関係悪化」って書いたじゃないか、と言われそうですが、 |確かにバーレビ朝は脅威ではありましたがそれは「理解できる脅威」だったんです。 |内部では王政時代アメリカ等で教育を受けた優秀な軍人が次々と粛清され、 |宗教心に溢れる無能な人間が軍の中枢へ。 |武器の修理部品も足りないイラン軍にかつての中東最強の面影は無い、筈でした。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |チャンスと言えば確かにチャンスだが… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |思考の筋道はある意味ヒトラーに近い \________________
24/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |かつて領土問題で強大なペルシア軍を背景に不利な条約を結んだという経緯もあり、 |黄金期を迎えんとしていた自信溢れるイラクはイランに対し宣戦を布告します。 |1980年9月22日、イラン-イラク戦争勃発。 |次回は湾岸戦争の主原因・イラン-イラク戦争について講義しようと思います。 |さて食堂行きましょうか♪ \___ _____________ ━━━━ ∨ ━━━━━━━━━━━━ ,__ B■Λ / (,,゚Д゚) / ━ ⊂ つ ━━━━━━━━━━━━ ┌───┐ ΛΛ ΛΛ │ |( ,,゚) (゚,, ) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |な、長かった…アレ30コマ行ってない \___________∧_____ / |四十数コマとか投稿出来る兵器の人って超人だろうか? \________________
25/25 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |中東戦争やるからナツメヤシ入りコロッケ作っとけって言ったろうが! \___ ____________ ∨ ,__ . Λ,,Λ iii■Λ ミ;゚Д゚彡 \ (゚Д゚#) ΛΛ ミ つ/ ⊂ ヽ Σ(゚Д゚;) ミ / / | ∪ . ΛΛ ⊂旦⊂)  ̄ ̄ ̄ / | | Σ(゚; ) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _____/ /.し'ヽ) /._ / つ旦 学食 | / l ̄〜(__,ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ _____|/  ̄| |━┳━ ̄ ̄ ̄ ∧ | | ┃ / ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |無茶苦茶いうなお前!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ところで読んでくださってる方に質問があります。 |次回の講義はイラン・イラク戦争を取り上げるのですが、 |シーアとスンニ、クルド人に関しては少し解説すべきなんでしょうか? \___ _____________ ━━━━ ∨ ━━━━━━━━━━━━ 番外編:ちょっと質問 ,__ B■Λ / (,,゚Д゚) / ━ ⊂ つ ━━━━━━━━━━━━ ┌───┐ ΛΛ ΛΛ │ |( ,,゚) (゚,, ) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |実のトコこの2つに関してはイラク関連で散々取り上げられてたから |取り上げる必要ないかな、と思ってたんだが… \___________∧_____ / |世界史板や軍板みたく関心寄せてる板じゃ無いことにようやく気づいたらしい。 |何処までが「既知してるべき情報」なのかが判らないんです \________________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 乙です。支援させていただいたものですが、お役に立てましたでしょうか | 後、イラク内の事に関しては、名前だけでよく知らないので、解説して頂けませんでしょうか? \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
>>142 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| THX!後半すんなり書き込めたのは貴方のお陰。本当に感謝します
| シーア、スンニ、クルドはさらっとですが解説しようかと
\
 ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ΛΛ
(゚Д゚,,)
φ つ詳しく解説すると100コマあっても足りないのでさらっとで勘弁orz
√ ̄ (___ノ〜
|| ━┳┛
144 :
( ´∀`)さん :2006/01/12(木) 10:07:22 ID:d/dDCsBF0
乙です。 講義録の「軍事」の「イラク問題」のとこで、 少し説明をやってた気がしますが、 やっても問題無いと思いますよ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | イラクの人、面白いです。 | スンニ、シーア、クルドの講義もきぼん。 | スンニ、シーアを全部説明するには、 | 歴史を凄まじく遡らないといけないでしょうから、 | 要点や近代イラクへの絡みだけ聞けると嬉しいかも。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |自分が必要と思うなら、遠慮なく詰め込んじゃっていいと思うよ。 |だから兵器の人はあんなに長くなるのか? | |それにしても中東の歴史って知らないものだな・・・。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ネタとして単独でやったほうが良いような気がしますが・・・ \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
1/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日本神話のなかでも最も有名と思われる、ヤマタノオロチの伝説。 | 狙ったつもりはないのですが、これが『八』回目に来るとは。 | 日本神話の中の「出雲神話」と呼ばれる一連の伝説の始まりです。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本神話 第八回 〜ヤマタノオロチ退治、そして八雲立つ〜 ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ヤマトタケルが退治したって思ってる人がいたりするんだよな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | お前のことか? \____________________
2/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 高天原を追放されたスサノオは、唯一の財産である十握剣を身に着けて、中つ国の出雲(いずも)の斐伊川(ひいかわ)に降り立ちました。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 高天原を追い出されたら、地上に降るしかないな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 出雲の場所は現在の島根県東部。 \____________________
3/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この時、川上から流れ下りてくる箸を見つけ、上流に人がいると思って川沿いを進んでいくと、 | 一組の老夫婦が一人の少女を抱き締め、皆でしくしく泣いているのでした。 | それを見たスサノオは「お前たちは誰だ」と問いました。老人が答え、 | 「私は国津神、オオヤマツミの子です。私の名はアシナヅチと言い、妻の名はテナヅチと言い、 | 娘の名をクシナダヒメと言います」と言いました。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 天高原にいる、また高天原から地上に降った神の総称を天津神(あまつかみ)、 それに対して地上に現われた神々の総称を国津神(くにつかみ)という。 日本神話の神は大きく分けてこの二種類に分別される。 基本的には 高天原の神=天津神 中つ国の神=国津神 という認識で問題なし。 ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 国津神…? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 高天原ではなく地上で生まれ、地上に住んでいる神の事。 | 番外編で解説した土着信仰の神々は、この国津神だ。 \____________________
4/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | スサノオが次に「お前たちは何故泣いているんだ」と問うと、アシナヅチは答えて曰く、 | 「私の娘は元々八人居たのですが、高志のヤマタノオロチというものが毎年やってきては食べてしまったのです。 | そしていよいよ今年もやってくる時期となり、このままでは末娘のクシナダヒメまで食べられてしまいます。 | それで悔しくて、泣いているのです」 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 七人も…… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 高志(こし)の正確な位置は不明だが、 | 越後という説と、出雲の古志郷という説がある。 \____________________
5/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | スサノオが次に、「ヤマタノオロチとはどのような形をしているんだ」と聞くと、アシナヅチはこう答えました。 | 「その目は赤いほおずきのようで、一つの胴体に八つの頭、八つの尾があります。 | また、その身にコケとヒノキと杉を生やして、体の長さは八つの谷、八つの峰にまたがるほど。 | その腹をみると、いつも血でただれているのです」 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ・八岐大蛇(ヤマノタノオロチ) 八つの頭と八つの尾を持つ大蛇で、日本神話に登場する唯一の怪物的存在。 略称を大蛇(オロチ)という。 神話との関係は薄いが、中世の創作で都に現われ、 人を食らった日本最強の鬼酒呑童子(シュテンドウジ)の出生伝説の中には、 ヤマタノオロチの子孫であるという説もある。 ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 八つの谷や峰と同等の大きさ…何てデカイんだ。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 北欧神話のラグナロクで、トールと相打ちになった大蛇ヨルムンガンドは、世界を一回りする程の長い胴を持ち、 | インド神話の三つ首の邪竜、アジ・ダハーカは一千もの魔法を操り、傷口からは有害な生物が這い出した。 | 神話に現われる多くの怪物、とりわけ竜とよばれるものは、果てしない脅威の存在として君臨している。 \____________________
6/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | それを聞いたスサノオは、ただ呆然と打つ手も無く娘の死を嘆くばかりの夫婦を見て、心の奥底に眠っていた良心が目覚めたのか、 | あるいはクシナダヒメに一目惚れし、怪物に食われてしまう彼女の運命を哀れに思ったのでしょう。 | 「クシナダヒメを、俺の嫁にくれないか。俺がその怪物を退治してやろう」 | これまで粗暴な振る舞いをして大罪人となり、怒りに任せて神を殺めたスサノオが、 | 初めて他者のために動き出したのです。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんと。あのスサノオが…… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 恐ろしいヤマタノオロチの姿を聞いて、その上でスサノオは決断した。 | かつて母恋しさに仕事もせず泣き喚き、高天原で悪行三昧に明け暮れた姿はそこになく、 | 目の前の困難に立ち向かう勇敢な神へ成長したんだ。 \____________________
7/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 何故出雲に来てからこのような正義漢になったのか、明確な理由はわからないのですが…… | 日本人の世界でも徹底した性善説から、一説には"穢れ"が落ちたからだという見方もあります。 | 神道では人の本性は善であり、人が悪に染まり罪を犯すのは、悪人に穢れが付いているからだと考えられています。 | そして禊で穢れを落とす、つまり刑罰を受けて罪を償えば穢れという罪は落ち、また善なる者に戻る事ができる―― | すなわち、イザナキが黄泉の国の穢れを落とした時に生まれたスサノオには、 | まだ黄泉の穢れが残っており、その穢れがスサノオを悪漢に染めました。 | しかし高天原で髭をそり爪を剥ぐ事という刑罰によって穢れが落ちて悪の心がなくなり、 | 本来の善神としての人格を取り戻したのではないか、というものです。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 罪を償ったから善き神になった? ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 穢れから来る性善説、か。死んでも功績は残るが罪は消えるってのは、死んだら穢れが落ちるってことなのかな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | でもスサノオが穢れていたとすると、アマテラスとの誓約で心が清かったという矛盾がでるから、 | この辺ははっきりしないんだよな…… \____________________
8/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | スサノオの突然の申し出を受け、アシナヅチは驚いて、 | 「恐れ多いことですが、あなたの名前をまだ伺っておりません」と言い、 | スサノオは「俺は天照大神の同母の弟である。今、高天原を降ったところだ」と答えます。 | 老夫婦は思いました。娘を怪物に食われてしまうくらいなら、この方に嫁いだほうが幸せに違いない―― | 「それは恐れ多い事です。娘を差し上げましょう」 | かくしてスサノオはヤマタノオロチを退治することになりました。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 親が勝手に決めて、クシナダヒメの意思は考慮しないのか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 昔は親が子供の結婚相手を決めるものだったからな。 | それにこの状況じゃクシナダヒメに選択の余地は無いし……でも、その点は大丈夫。 | スサノオとクシナダヒメは夫婦円満の象徴とされているから、きっと仲が良かっただろう。 \____________________
9/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | しかしいくら荒ぶる嵐神のスサノオといえど、 | 山をもまたぐ巨大なヤマタノオロチを相手に正面から戦っては勝ち目はありません。そこで秘策を考えました。 | まずクシナダヒメを神聖な櫛に変身させて自分の頭に挿し、安全を確保。 | そして老夫婦に「お前たちは何度も良く醸造した強い酒を造り、垣根を造りめぐらせて | その垣根に八つの門をつけろ。その八つの門ごとに八つの食料を置く場所を設け、そこに船を置いて、 | その船に醸造した強い酒をたっぷりと入れて待っていろ」と命じます。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ スサノオの秘策の指示 一、"八"塩折(何度も繰り返し精製する事)の酒を用意する。 二、垣根を造り、それに"八"つの門をつける。 三、門ごとに"八"つの棚を作る。 四、その棚ごとに大きな杯を置き、そこに酒をたっぷりと注ぐ。 ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | "八"岐大蛇とか、"八"女のクシナダヒメとか……八ばっかりだな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 八は日本の聖数だからな。 \____________________
10/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 全ての準備が整い待っていると、ヤマタノオロチが本当に言葉通りの姿でやって来ました。 | 酒を見たヤマタノオロチは船に頭を差し入れ、酒をがぶがぶと飲みました。 | 山をまたぐ巨体のヤマタノオロチも、それぞれの頭が強い酒を大量に飲んで | 酔っ払ってしまい、そのまま横になって寝てしまいます。 | これを見たスサノオはすかさず十握剣を抜き、ヤマタノオロチをばらばらに | 切り刻みました。ヤマタノオロチから流れる血は斐伊川の流れに混ざり、 | 川を真っ赤に染めたといいます。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 酒好きの怪物は、酒によって身を滅ぼした…… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 大酒飲みを意味する"うわばみ"という言葉は、このヤマタノオロチから由来する。 \____________________
11/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 中の尾を切った時、十握剣の刃が欠けました。不思議に思ったスサノオが | 剣先で尾を刺し割ってみると、一振りの大刀が出てきました。 | スサノオはこの怪物から出てきた剣を珍しく思い、高天原のアマテラスに献上し和解しました。 | この剣こそ日本神話に輝く神剣『天叢雲剣』。草薙剣という別名で広く知られています。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ) ヤマタノオロチの尾から出てきた神剣。 ヤマタノオロチの頭上が常に雲に覆われていたことからその名が付けらた。 後にヤマトタケルの手に渡り、野火攻めを受けた時 この剣で草を薙ぎ払い難を逃れた事から、 草薙剣(くさなぎのつるぎ)とも呼ばれる。 ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | これが有名な草薙剣か。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 天叢雲剣は神話の中で剣として使われる事はないんだが、後に重要な意味を持つ事になる。 | 八尺鏡、八尺瓊勾玉と共にな。 \____________________
12/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そうして、ヤマタノオロチを退治したスサノオは助けたクシナダヒメと結婚し、一緒に住む場所を求めて出雲を放浪します。 | ヤマタノオロチを倒し、クシナダヒメを娶り、 | アマテラスに天叢雲剣を献上して汚名返上し、そして出雲が素晴らしくて、 | とても気分の良かったスサノオは、須賀という地に着いた時「俺はここにきて、心がすがすがしくなった」といい、 | そこに御殿を建てて住む事にしました。だからそこは、今日も須賀と呼ばれているのです。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ すがすがしい→すが→須賀 ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 駄洒落かよ。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 駄洒落は同音語の多い日本語の文化。 \____________________
13/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | スサノオがはじめて須賀の宮(現在の須賀神社)を建てたとき、御殿を包み込むように雲が湧き立ちました。 | それを見たスサノオは嬉しさのあまり歌を詠い、出雲の建国を高らかに宣言しました。これが日本最古の歌とされています。 | そして老夫婦を呼び、御殿の長に任命しました。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ヤクモ タ イズモヤエガキ ツマ 八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに ヤエガキ ヤエガキ 八重垣つくる その八重垣を (沢山の雲が湧き立って出雲を囲み、愛しい妻と共に住む新居をつくる。 幾重にも幾重にも垣をめぐらせて) ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 暴れん坊だったスサノオにそんな教養があったのか…… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | スサノオがこの三十一文字の歌を詠ったことから、須賀は和歌発祥の地とされているんだ。 | また、この歌の始めの語句を取って和歌の事を八雲ともいう。 \____________________
14/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 因みにクシナダヒメは漢字では一般的に「奇稲田姫」と書くように、 | 稲田の女神として知られています。 | また、古代には蛇を水に関わる神聖な生き物として信仰する原始蛇信仰が世界中に存在したことから、 | 元々はヤマタノオロチを川の神として、クシナダヒメは神に仕える巫女だったとも言われています。 | つまりこの怪物退治の原型は…… | 水害を起こす土着の神(ヤマタノオロチ)に怯えて何もすることの出来ない人々(アシナヅチ・テナヅチ)が、 | 祟りを鎮めるために生贄(クシナダヒメ)を捧げていた。 | そこへ他所からやってきた神(スサノオ)が土着の神を征して水害は治まり、生贄を捧げることはなくなった…… | というものだったのではないか、という解釈をされています。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ・クシナダヒメ 稲田の女神として信仰され、また夫のスサノオと共に夫婦円満の象徴とされる。 多くの神社ではスサノオや子孫と共に祀られている。 ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ヤマタノオロチが元々は神…… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この「他所からやってきた神」が何を意味しているかは、今後の講義で。 \____________________
15/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | それはさておき、スサノオはクシナダヒメと一緒にその御殿に住み、一柱の子供を生みました。 | またオオヤマツミの娘カムオイチヒメとも結婚し、こちらも二柱の子供を生みます。 | 本筋とは関係ないのですが、カムオイチヒメの生んだウカノミタマは穀物の神とされ、 | 稲荷神いわゆる"おいなりさん"として全国各地で祀られています。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 稲荷神社は全国に三万件以上存在し、稲荷神は最も広く信仰されている神。 ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 他にも妻を……昔は一夫多妻だもんな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ウカノミタマの性別は不明で、神話での活躍も特に無し。 \____________________
16/16 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | かつて高天原を荒らしたスサノオは、怪物を倒して英雄へ成長し、出雲を建国しました。 | しかし出雲神話はまだ終りません。彼の子孫もまた英雄となり、国を造って行きます。 | 次回からは、スサノオの子孫の話となります。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 次回〜英雄の子孫〜 ,__ iii■∧ / ━ (,, ゚Д゚)/ ━━━━━━∧∧━━━━∧∧━ | `つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | | ̄ ̄| /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | | □ | √ ̄(___ノ〜 √ ̄(___ノ〜 . ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄.| |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | このシリーズもようやく半分終ったってところかな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | スサノオの時代は終わり、物語は次の世代へ。 \____________________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 神話の人、乙です。 | リアルタイム講義は初めて見ました。 | それにしても、良く纏まってますね。 | 日本神話は結構人間臭いのが魅力ですよね。 | で、その魅力をキチンと伝えられる・・・大した力量です。 | 次回も楽しみにしてます。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 乙です。うわばみと言えばマンガ日本昔話にもありましたね。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) アレハタバコダッタケド ユカイデスキダッタ φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
1/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて、前回に引き続きコンピュータの授業です。 | 本日の話題はコンピュータの世界への広がりと、利用技術の進歩について。 | コンピュータがだんだん有効性のある文明の利器だと捉えはじめた人類に、 | 大きな出来事が起こります。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ コンピュータの歴史 その2 「エニグマとチューリング 〜地中海(&大西洋)のいたちごっこ〜」 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚∀゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 大きな出来事・・・というと二度の大戦か。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ついにこの時代にきたか。軍靴の音が聞こえるアヒャ | 諸君、私は戦争が好きだ。諸君、私は戦争が(ry \____________________
2/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | と、性急に戦争の時代に入らず。 | 一応今回、暗号とかを軸にした講義の予定なんで、 | まずは暗号という情報技術についてをお勉強しましょう。 | 下地を整えた後の方が何かと解説もしやすいですしね。。 | せっかく御意見頂いたことですし、じっくりいきましょう。 | 私自身の勉強にもなることですし、頑張りますよ。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ コンピュータの歴史 その2 「エニグマとチューリング 〜地中海(&大西洋)のいたちごっこ〜」 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚;) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | おお、まずは暗号って物がどんなものか、そこから入るのだな。 | まあ、公言した以上ちゃんと深い講義を目指していかないとな。 | ちょっとの努力で結ばれる実もいくらでもあるはずさ。 | ・・・って後ろギコ。まあモチツケ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | う、うおお、軍靴の音が、軍靴の音が遠ざかる! \____________________
3/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 一口に暗号といっても様々なものがあります。 | まず、人はどうして暗号を使うようになったのでしょうか? \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ まず、暗号って何さ? ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まあ、とりあえず暗号って、人に知られたくないから使うんだろ? | 何かの合図だったり敵味方確認だったり伝えたい秘密を安全に送ったり。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さらに、そこに戦争や権力、政治や金が絡むと人間はすごそうだしな。 \____________________
4/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 回答ありがとうございます。 | そう、暗号といっても様々な種類があるのは、その用途によって | 適した暗号の形が異なるからですね。 | 文章を隠して送りたいなら、元の文章(平文「ひらぶん」といいます) | を別の文字に変換し、伝わった先で元に戻せる暗号が。 | 敵味方の区別をつけたいなら合言葉などがいい例でしょう。(「山」「川」など) | 符丁、ともいいますね。 | 何かの合図をおくるなら、有名な「ニイタカヤマノボレ」や、野球のサイン、 | 古くは狼煙(のろし)など、特定の規則にしたがって自他間で意思疎通可能な | 方法を実行するのが効果的でしょうね。ジェスチャーも広く考えると含まれるかも | しれません。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 戦力でも場面に適した用兵があるように、 暗号も用途に適した暗号技術がある。 ・文字そのものの暗号化 ・敵味方区別としての暗号(符丁) ・合図としての暗号 など。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | けど、漠然とくくっても本質が見えないな。具体的な暗号の解説とか頼む。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 技術的な差はともかく、暗号が用途によって使い分けられるってことか。 | で、暗号ってよばれるものの要点を説明すると。 \____________________
5/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | では、例として有名どころに焦点を当ててみましょう。 | ここではシーザー暗号について講義し、その後で | 実際のエニグマのお話に入っていきます。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・文字そのものの暗号化 シーザー暗号 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なるほど、文字そのものの暗号化について例を挙げるってか。 | そういやエニグマも文字そのものの暗号化の部類に入るんだよな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | シーザー暗号?ああ、文字ずらして文を送るあれか。 \____________________
6/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ではシーザー暗号について。 | かの有名なシーザーは、秘密文書に暗号をかけたという | 話があります。それは文字を意図的に3文字ずらして、 | 平文を暗号化するというものだったようです。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・シーザー暗号概略 古代ローマの軍事的指導者カエサル (英語読みでシーザー)が初めて使ったことから、 この名称がついた。 カエサルは秘密を必要とする場合、原文の“a”を“d”、 “b”を“e”と読み替える、というように各文字を 3文字後へシフトして暗号を作成したといわれる。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なるほど、文字をずらせば文章が意味不明だし、解読側が | 何文字ずらされたか知ってれば元に戻せると。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | このころから、情報戦は始まってたんだな。 \____________________
7/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | では、要点です。 | このシーザー暗号、やたら昔のものでありながら | 暗号の要点である規則(アルゴリズム)および鍵(キー)を | 備えているという点に注目なのですよ。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・規則(アルゴリズム) 暗号化する手順のことを言う。 シーザー暗号なら「n文字のシフト」という アルゴリズムを持っていることになる、 このアルゴリズムを用いた暗号を シーザー暗号、またはシフト暗号という。 ・鍵(キー) 暗号を解く鍵になる情報を示す。 シーザー暗号なら「シフト数」がキーになる。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | アルゴリズム、というのは平文を暗号化するための仕組みで・・・ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | キーって言うのは、そのアルゴリズムで暗号化するときの情報で、 | そしてそれがそのまま暗号を紐解く鍵になるってことか。 \____________________
8/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 基本的に暗号というものは、この要点を持つことがだいたい共通してます。 | あとはアルゴリズムの違いと、それに伴ったキーの変化なんですよ。 | 現代はコンピュータの発達によって、より複雑なアルゴリズムが | 用いられていますね。現代のRSAやDESなどがいい例です。 | 機会があれば詳しくやりたいですが、とりあえず主論はコンピュータの歴史なので | 今回はこの程度にとどめます。 | まあ、文字や画像情報の暗号化には多彩な手法があると認識しておいてください。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・規則(アルゴリズム)の例 一般形式・サイファ(鍵)形式 換字式(簡単なものとしてはシーザー暗号) 転置式(簡単なものとしては逆さ言葉等) 分置式(「た」抜き言葉) 混合形式(DES等) 共有鍵暗号 RC4 公開鍵暗号 RSA暗号 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 暗号のアルゴリズムって多彩なんだな・・・重要度によって | 複雑化していくってことでもあるな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 軍事目的だけでなく、純粋な科学技術や商用目的だって | 機密扱いのものは管理が凄まじいぞ。 | まあ、権威・利権や金が絡むと人は用心深くなるってことさ。 \____________________
9/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて。まずは基礎知識を通してみました。 | ここまでで質問とか何かありますか? \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・規則(アルゴリズム)の例 一般形式・サイファ(鍵)形式 換字式(簡単なものとしてはシーザー暗号) 転置式(簡単なものとしては逆さ言葉等) 分置式(「た」抜き言葉) 混合形式(DES等) 共有鍵暗号 RC4 公開鍵暗号 RSA暗号 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | うーん、俺は特にないかな。要点さえしっかりしてればいいんだろ? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | あ、教授。日本にもエニグマ見たく暗号ってあったのか? \____________________
10/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ええ、日本にもありましたよ。初期のエニグマを | 改良・改造した「紫暗号」などが有名ですね。 | 基本的には本論のエニグマと同じ機械化暗号機って感じです。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・機械化暗号機 ドイツのエニグマ、日本の紫暗号など、 タイプライターに暗号機構を備えたもの。 タイプするとその仕組みにしたがって 別の文字が出力されてくる。 特徴は鍵(暗号表の周期)によって何通りも違う 暗号文になること。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ほうほう。タイプライターwith暗号アルゴリズムってことか。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | じゃ、いよいよエニグマとチューリングなのか? \____________________
11/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そうですね。それじゃあいよいよ、きな臭い時代に | 突入しましょうか。エニグマの発祥・発達は主に第一次大戦直後からですね。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1919 ドイツ、暗号機エニグマを開発。 元は商用の機械化暗号機を、その後ヒトラーが 目をつけて軍事転用することとなる(1933年)。 暗号表によってその暗号化のバリエーションが 10京通りにもなるすぐれもの。 ちなみにエニグマとは「謎」と言う意味である。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚∀゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | とうとうきたか・・・しかし10京通りとはまたすごいな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さあ!堰を切れ!戦争の濁流の堰を切れ!諸君!アヒャ \____________________
12/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ではここで、エニグマ暗号機について説明しましょう。 | 先ほども述べたとおり、エニグマ暗号機は機械化暗号機。 | その仕組みは以下のようになっています。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ エニグマ暗号機のパーツとその動作 ・文字を入力する 「キーボード」 キーボードのキーを押すと、スクランブラーの 右端のローターに電流がながれる。 ・3つのローターとリフレクタからなる 「スクランブラー」 ローターは26個の接点を持っている。 反対側の面にも、 隣のローターに接触するための 26個の端子がある。 この26組の電極は、ローターの内部でそれぞれランダムに 接続されている。 しかもエニグマは、キーを押すたびに右端のローターが1ステップ回転する。 右端のローターが1回転すると中央のローターが1ステップ回転する。 中央のローターが1回転すると左端のローターが1ステップ回転する。 このため1文字毎に暗号化キーが変わることになる。 ・暗号化された文字がランプで表示される 「ランプボード」 キーボード入力をうけ、暗号化された文字を光らせる。 ・任意の文字の配線を入れ替えることができる「プラグボード」 これを操作することによって、1文字ごとに配線を入れ替えてカスタマイズもできる。 [入力時の文字変化とローター回転の動作例] [キーボード] ローター1 ローター2 ローター3 リフレクター 出発"A" ---> "D"(回転)--->"R"(回転)--->"T"(回転)---+ | C [ランプボード] | 到着"U" <--- "U"(回転)<---"Y"(回転)<---"E"(回転)<--+ -------------------[スクランブラー]------------------- ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | き・・・気が狂いそうだ・・・26個の接点が毎回ランダムなんだろ? | 平文にするための鍵がいくつ存在するんだ!? | シーザー暗号で言えば、毎回シフト数が変わるようなものじゃないか! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 結局、ローターを通って電流が文字ランプに到達するまでに | 何度も別の文字に変えられて、最終的に違う文字が光るってことだな。 | キーボード→ローター1→ローター2→ローター3→ | リフレクター→ローター3→ローター2→ローター1→ランプボード の順だ。 | いうなればこの動作がアルゴリズム、そして注目すべきは | ローターが回転するたびに鍵がかわってるということなんだな。 \____________________
13/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そしてこの組み合わせのポテンシャル。 | ドイツはエニグマ暗号に絶対の自信を持っていました。 | 決して破られるはずがない、と。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 平文にするための最終的な換字表組み合わせの数は10京通り。 換字表とは、ABC・・・が暗号化されたときどのアルファベットに なるかというもの。 [換字表の例] A B C D E F G H … @ E D G X P C H R … A Z F R C H O J B … B M Q A W H K C I … ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚□゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ・・・文字の鍵じゃなくて換字表が10京・・・(ポカーン) | ローターの設置によってそれぞれの換字表があるってことだから・・・ | ひょっとしなくても、この@、A・・・が表になってて、 | その表の数が10京・・・ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ・・・・・・そりゃ自信作だろうな。 | しかもローターの組み合わせがあってれば、 | 暗号はきっかり元に戻るんだ。 | 復号もお手軽。 | ちなみにローターが回転して鍵が変わるから、 | うえの表でBBBと打つとDFQと暗号化される。 \____________________
14/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして、一人の男・・・アラン・チューリングの仕事も、始まろうとしています。 | 情報戦ってほんとに凄まじいものですね。私も調査して驚きました。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ チューリングに限らず、暗号解読、管理計算、 情報戦をいかに勝ち抜くか、そういったことが 計算機、コンピュータに委ねられ始めた時代でもある。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 情報が計算機、コンピュータに・・・ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 情報化社会・・・か・・・。 | 普段何気なく言ってる言葉の重み、よく考えるべきだな。 \____________________
15/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | では・・・ポーランド、1939年9月1日。 | ポーランド軍の拠点に急降下爆撃を加えるユンカースJu87・・・ | 侵攻するドイツ軍機甲師団。 | その爆撃音を遠くに聞きながら、諜報員か技術者か、 | あるイギリス人が懸命に走ります。 | 彼の脇に抱えたボストンバック。 | その中にあるもの・・・それがエニグマ暗号機の複製機。 | 彼はひた走る・・・彼の目的地、イギリスへ。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 同時期、ロンドン。 ドイツによるポーランド侵攻の号外。 我先に号外を手に取る人々のざわめき・・・。 その中にいるアラン・チューリング、当年27歳。 無精ひげ、だらしない服装、そして童顔。 それが彼の風体であった。 喧噪の中、彼は落ちている号外を拾い上げる。 そこに軍人が一人、近づいてくる・・・ 軍人「チューリング博士ですね?」 ―1939年9月1日、ドイツがポーランドに侵攻。 ポーランドと同盟関係にあったイギリス・フランスがドイツに宣戦布告。 第二次世界大戦の勃発、世界が国をあげての総力戦へと突入していく― ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なるほど、イギリスの諜報員だか技術者だかが複製を持ち帰ったんだな。 | まあ、板書の文章は脚色入れているが、 | イギリスの情報機関がチューリングを選んだのは確かだ。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | で、エニグマを解読するために膨大な知力が費やされることになるんだ。 \____________________
16/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして大戦当初〜1942年あたりまで、主に大西洋や地中海で | 暴れまわったのがUボート。 | まあ、第一次大戦でもUボートは暴れてましたけどね。 | 連合国のUボートによる被害はすさまじく、日本が第二次大戦で | 失った輸送船の総トン数の倍近く。 | まあ1943年以降はUボートの方が逆に沈められていくのですが。 | そしてUボートの通信手段は、エニグマ暗号でした。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Uボート戦果(1942年まで) 1940年9月 15万4000トン 1940年の末までに総計114隻、42万トン 1941年6月 28万4000トン以後月間平均25万トン以上 1942年10月 商船32隻、15万6000トン 1943年以降、Uボートの方が狩られる立場に。 それに伴い連合軍の被害も減少していく。 最終的なUボート総戦果は商船2828隻、1500万トンに上る。 うち1100万トンが英国。400万トンがアメリカ。 ちなみに第二次大戦を通した日本の輸送船被害は2600隻、843万トン。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | うわ・・・Uボートって日本の撃沈された輸送船の倍のトン数を・・・ | けど隻数では似たようなものなんだな。まあ、とんでもない被害に変わりはないか。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんせ潜水艦は日本やイギリスみたいな海洋国家には | とても恐ろしいものだ。資源が入ってこないから | 文字通り破産しちまう。 | 結局イギリスもシーレーン防衛をアメリカに頼ってた | 部分もあるわけだしな。 \____________________
17/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 更に有名な「バトル・オブ・ブリテン」。 | 英国本土航空戦により、暗号の解読と敵軍事計画の | 察知が急務となっていきます。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1940年6月、フランス降伏。開戦1年足らずで ヨーロッパ全域をほぼ制圧したヒトラーは、 その圧倒的勢力を背景にイギリスに和平を勧告。 だがイギリスはこれを拒否、ナチスドイツは イギリス本土に空爆を開始する。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なるほど・・・エニグマ暗号を紐解いて、何とかナチスドイツの | 動向を知りたかったわけか。 | ・・・で、チューリングの出番と。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この時代、どこも情報戦は必死だった。 | こと連合国では、重要情報を他国に先駆けて手に入れられれば、 | 連合国中の地位すら左右する。(例:ノルマンディー上陸作戦) | この時代の情報戦は、100年先のグランドデザインを左右する、 | 国家の命運をかけたものだったということさ。 \____________________
18/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 前ギコ君の言うとおり、暗号解読に期待が寄せられます。 | チューリングは暗号と平文とのかかわりを重視し、 | 攻略法を練ります。 | そしてチューリングが考えた対処法・・・ | それこそ、目には目を、機械には機械を。 | ・・・チューリング・ボンベの誕生です。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ チューリング・ボンベ 並列に一文字分ずれたロータを100個ほど横に並べて結線する。 またボンベ自体を100台程度設置して並列に運転する。 つまり、100*100=10の4乗通りの鍵を同時に探査し、 並列解読をしてしまおうというもの。 基本的にボンベは、エニグマの動作をシミュレーション(模擬実験) する装置である。原文と暗号文を入力し、それが一致するまで ローターの組み合わせを自動的に変えていく。 まさに、自動解析マシン・・・ ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | エニグマのシュミレーション&解析装置だったわけか。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 並行していくつかのローターの組み合わせを同時探査することで、 | 時間的効率を図ったわけだな。 | 一挙に10通りずつしたら、10分の1ですむってかんじで。 | まあ、それが10000通り同時進行と言うことか。 \____________________
19/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ここで前の講義をちょっと思い出してください。 | バベージのこと、覚えてますか? \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ バベージの理想は100年早すぎたといわれている。 そして、バベージの時代から100年・・・ そう、電気信号の出番です。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 電気信号・・・蒸気機関ではなく、とうとうここまで来たんだな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ようやくデジタルの基礎が出来てきたわけだ。 | そしてチューリングボンベに利用されたものは・・・ \____________________
20/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | はい。電気信号を用いた機構・・・ | 「リレー」の登場です。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ そこで使われた演算素子はリレーであった。 バベージの機関から百年、電気の導入により、計算機械は 飛躍的な発展を遂げていくことになる。 [リレーとは・・・] リレーとは継電器のことで、電磁石の動作によって いくつかのスイッチ接点を開閉させるもの。 スイッチの開閉により1と0を表現。 ちなみに世界最初のリレー計算機は MARK-T(アメリカ、1944年)。 要約すると、歯車式計算機の歯車がスイッチに変わったものだ。 3,000個のリレーを使ったその計算機を、 アメリカは国勢調査に利用した。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まだアナログな感覚もあるが、とうとう・・・ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 電気・電子機器の発達は結局、戦争や国力とともにあった。 | MARK-Tも1944年だ。そして、米国だ。 | チューリング・ボンベはあくまで暗号解読機だから、 | 「汎用計算機」と呼ぶには若干の難があるな。 \____________________
21/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そんな開発をよそに・・・1940年9月7日 ロンドン大空襲。 | 爆弾を投下するドイツ爆撃機。爆発炎上し、崩れ落ちる建物。 | 地下鉄構内に避難している市民たち・・・。 | そういう状況の中、さすがに色々な説が出ているようですね。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 暗号解読後、コベントリー空襲を暗号解読班がキャッチ したが、暗号解読の成功をナチスに知られないために あえてチャーチルがコベントリーを見殺しにしたという説まである。 どうやら噂の一人歩きらしいのだが、そのような噂は それだけ情報戦が重要だということの証でもあるだろう。 暗号解読ひとつでここまでの説が出るとは・・・。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | うわ・・・見殺しって、キャッチしたのにほっといたってことか? | まあそれだけ噂の種となる重要事項だったって言うのがほんとのとこだろうな。 | 仮にも自由民主主義陣営を提唱するのであれば、国民の厭戦感、世論が | とても痛い圧力になることは明らかだ。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 空襲って聞くと日本人は日本本土爆撃をイメージするが、何のことはない。 | 枢軸国側だってやってたことなんだな。 | しかし情報戦は熾烈を極めるなぁ・・・そもそも暗号解読自体が既に | ひとつの伝説だったって感じだな。 \____________________
22/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | それだけ需要があり、重要だからこそ、正確な機械・・・ | 「計算機」に、情報が託されたのかも知れませんね。 | ・・・そしてチューリング・ボンベの技術は、アメリカに | 渡ることになります。まあ、戦争であり同盟国であるから | ってことでしょうね。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 極秘の技術を渡すという行為だけに、 シーレーン防衛の見返りと言うこともできるし、 一概に同盟国だからというだけではなく その後の情報戦も見据えての2国間の 国家戦略が火花を散らしているとも言える。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 情報戦に負けられない・・・か。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 情報戦ってのもそうだが、技術も関係してる。 | いかに相手の技術を追い抜き、自国の力とするか。 | この時代は技術競争が戦争によって苛烈になったことで、 | 皮肉にも革新的なものが生み出されてくるわけだな。 \____________________
23/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて、チューリングが米国に渡ってしばらくして。 | ドイツは最重要事項をエニグマ暗号から、改良型の | ローレンツSZ40という暗号機に変換します。 | このローレンツ、バケモンです。マジで。 | 構造はエニグマと根本はほぼ一緒なんですが・・・ \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ エニグマの改良型であるローレンツSZ40の 換字表組み合わせは最大で1600京通り。 なんと暗号周期はエニグマの一千兆倍。 ちなみにローターの数は12個・・・。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚∀゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ・・・1600京・・・アヒャ・・・ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そう、この量はとてもリレーの速度じゃおっつかない。 | 解析時間が恐ろしいことになり、チューリング・ボンベでは | ・・・リレーを使った計算機では・・・ | とてもドイツの作戦発動以前に暗号を解読できない物量なんだ。 | キーの数が多いほどやっかいということでもあるな。 | よく笑い話で、牢屋の鍵を束から探すけど見つからなくて | 脱獄時間切れ、みたいなのがあるがそれに似てるな。 \____________________
24/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして・・・歴史はまた彼を欲します。そう、チューリングの出番です。 | 彼はアメリカであるものに目をつけ、それを新たな解読計算機に | 使おうとしました。・・・そう、真空管です。 | リレーがスイッチ開閉という物理的動作を行うのに対し、 | 真空管が電子情報という無形のもので運用されるので | 速度効率が飛躍的に進歩する点にチューリングは目を向けていたのです。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 米国の弾道計算機ENIACで初めて真空管が使われて いたわけではなく、先駆けてイギリスが使っている。 規模的にみても真空管を利用した計算機としては初のものだろう。 真空管1000〜2000という数値はENIAC前の当時としては画期的。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | あ、あれ?真空管?もっと後じゃなかったか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 厳密には解析計算であって、コンピュータっていう | レベルまで到達しているとは言いがたいんだが・・・ | まあ、真空管は画期的な速度を提供する。 \____________________
25/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 真空管はなんとリレーの1000倍の計算速度を誇り、 | ついにローレンツSZ40を解読することに成功します。 | 真空管解析機・・・「コロッサス」の登場です。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 米国のエッカートとモークリーによる「ENIAC」よりも2年早い、 電子計算機の登場。 これにより暗号解析がより進み、ドイツの動きが手に取るように・・・。 ちなみにこのコロッサスを、実質的な「チューリング・マシン」と 呼ぶことが多いようだ。 そしてイギリスのこの暗号解析情報は、大戦中「ウルトラ情報」と名づけられ、 名前負けせずにそう呼ばれていた。 この情報はノルマンディーなどの大きな作戦にも大きく関与している。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そうか・・・そうして得た情報がノルマンディー作戦の上陸地点とか、 | そういう重要情報を決定するのに役立ったんだな。 | ドイツの上陸予想地点が確かパ・ド・カレーだと見破ったんだったか? | だからノルマンディーにしたとか・・・ | 中の人がこの辺あまり詳しくないからなぁ・・・無理に言い切るのもまずいな。 | 講義全般に関して言えるが、戦争やら国際情勢の知識、中の人が勉強不足で申し訳ない。 | 付け焼刃で時間をかけて調べても詳しい方々には及ばないものだな・・・ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ともあれ連合軍は西部戦線を決定付ける。 | 情報戦、そして大戦は連合軍に軍配が上がったんだ。 | チューリング・マシンやコンピュータの定義は、 | この時代がもっとも混沌としてるかもしれん。 | アメリカとイギリスで乱立した時代ともいえるな。 | そして、主役がイギリスからアメリカへ転換する | 時期でもあるんだ。 \____________________
26/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 歴史に関してはしょり気味ですみませんが、こうして長かった大戦が終結します。 | そしてその後、アメリカではENIACを発表、技術力を顕示。 | 対してイギリスはコロッサスの情報を30年間秘匿。 | 結局、表舞台ではENIACなんですね。 | ENIACについては、次回、戦後編で詳しくやりましょう。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 世に出ない技術の中には、バベージのときのように 技術が追い付いていない場合もあるが、 政治的に世に出されない技術と言うものもある。 技術者としては不本意だろうが・・・ ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | イギリスも島国だからな・・・政治的な力量が問われる国家体形ということか。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 技術だって、政治や国際情勢と無縁ではいられない。そして | その国家ごとの国家戦略によって、どう技術を扱うかが分かれるんだ。 | アメリカなんかの国土も広い大国は、誇示して力を示すこともあるが・・・ | 国土がせまいほど、そういった無形財産には気を遣わなきゃ | いけないってことでもある。もちろん日本もな。 | 技術力だって、国力のひとつなのさ。 \____________________
27/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 後ろギコ君の言うとおり、技術だって人間社会のひとつの知恵。 | 様々な民間のしがらみや国際情勢、政治と無縁ではいられないのです。 | MD防衛なんかもいい例ではないでしょうか。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 世に出ない技術の中には、バベージのときのように 技術が追い付いていない場合もあるが、 政治的に世に出されない技術と言うものもある。 技術者としては不本意だろうが・・・ ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | だからこそ、世に示すための迎撃実験の成果なども重要なんだな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | だから実験の失敗ってのはすごく手痛いんだ。 | 完全ではないことを知らしめてしまうからなぁ・・・ | だから開発の方向性が決まったら必死で成功にこぎつけようとする。 | それが国であっても、民間であってもさ。 \____________________
28/28 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | それでは、これで戦中編、エニグマとチューリングの授業を終了します。 | 次は戦後編ですね。 \__ _____________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ コンピュータの歴史 その2 「エニグマとチューリング 〜地中海(&大西洋)のいたちごっこ〜」 〜完〜 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) /━━━━━━ ∧∧ ━━━ ∧∧ ━━━━━━━━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |=====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | とうとうENIAC,そして・・・ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 悪魔の頭脳の登場か・・・ \____________________
コンピュータ講義のものです。 続編のエニグマとチューリングを書かせていただきました。 情報収集と解析・講義能力にまだまだ難もありますが、 お目汚し下されば幸いです。 調査中に、改めて情報という生き物は難しいものだと痛感しました。 次回はまたこれを踏み台に、更なるレベルアップをはかりたいものです。 次回はとうとう、フォン・ノイマン、そしてノイマン型コンピュータの 登場です。
>>194 大変面白く読ませていただきました。
一点だけ質問です。
コロッサスの開発にはチューリングは関与せず、キングスカレッジ時代にチューリングを
指導したマックス=ニューマンがプロジェクトマネージャとなった。という話を読んだ
事があるのですが、実際のところどうなんでしょう。
ちなみに上記の話を読んだのは、星野力氏の『蘇るチューリング』という本です。
コンピュータ講義のものです。 調べたところ、コロッサスの作成に関してはニューマンが陣頭指揮を とっていたことでどうやら間違いないようですね。 ちなみに開発実働部隊は郵政省の研究所のフラワーズらのようです。 チューリングは英米首脳間秘話装置担当で忙しかったらしいですな。
ん? 結局どの情報が正しいの? 時間をかけてでもまとめて、何度も推敲して、 講義という形で出してくれると嬉しい。
コンピュータ講義のものです。 コロッサスに関しては、 ・チューリングが提唱し ・ニューマンが陣頭指揮を執り ・フラワーズらが開発実働部隊だった という構成です。 どうも走りすぎる傾向があるようですね。 次回もコロッサスやチューリングも関わるので、 その辺で詳しく述べることにします。失礼しました。
ワクテカで待ってます。
>>198 以前に走り過ぎと文句を言ったものだが。
だいぶ良くなった。かなり面白かったよ。やはり思っていた通りだ。
しかし、自信お気づきのようだがまだ走り過ぎ。
面白いネタはじっくり掘り下げ噛み砕き展開させるものじゃないかい?
今回の話も3回ぐらいに振り分けても良いくらいのネタでは?
あなたはさらに面白い講義をするだけの能力がある人だと思うので不満な点を言わせてもらうが、
「コンピュータの歴史をざっと振り返りつつ近代のコンピュータについて語りたい」という最初の発想に捕われ過ぎではないか。
面白いネタを見つけたらそれを掘り下げ倒したほうが面白いものだと思う。
それと、コマを進めるということは話の接続ポイントなんだ。一コマの中に詰め込みすぎるのはその辺の認識をあまり強く持ってないからでは?
まあ、戦争と暗号については兵器の人がまた講義するだろうけれど、どうせならmaximumに面白い方が良いやね。
いずれにせよ今後の更なる進化を期待する。教授陣の質が兵器の人登場以降凄まじく高まっている(そういう意味じゃホントに兵器の人は天之御中主神w)ので、みんなの要求も厳しくなるぞ。
頑張れ!
___ _______________
v
Λ,,Λ
ミ,,゚Д゚彡 夏以降の講義読むだけでもハンパじゃない教養が手に入る神スレだここ。教授陣に感謝!
コンピュータ講義のものです。 苦言を有難うございます。更なる精進を目指して頑張りますよ。 次は戦後編だからといって一気に事を進めずに、 時間はかかるでしょうがせっかくのネタを生かしきれるように 内容を吟味してみます。(自分なりの講義構成というか、シラバスを 作って落ち着いて講義範囲を選んでみるとかも面白そう) 仕事が忙しくなりそうな気配もあり、多少間が開くかも知れませんが、 調査も講義構成も己の知識も、最後まで詰めたその先にあるものを みんなで楽しめるような講義を目指して、いざ再出撃です。
…何故か21コマですorz 最初はクルドと合わせて10コマぐらいで収める筈が…歴史入れちゃったからなあ。
1/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |当初3回と合流させる予定だったのですが… |どうもアッチコッチ行って混乱しそうなので別に補講する事に。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 湾岸戦争史補講その1 イラクの諸勢力について(1) ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |つー事で呼び出されました。マジかよ… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |夏休みも冬休みも無い時点で(ry \________________
2/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |今回はイスラムの主流派・スンニ派…ではなくシーア派について。 |スンニ派については講義しません。湾岸戦争の講義には多分不要ですので。 |普通宗教ってのは解釈の違いから諸派に分かれるのですが、 |イスラム教は「預言者マホメットの後継は誰?」という点から最初に分裂しました。 |そこで今回は、少しイスラムの初期史に触れたいと思います \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ムハンマド没後のイスラム教の簡単な初期史 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |無謀極まりなくないか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |簡単に、だ。簡単に。 \________________
3/21
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|イスラムを成立させた預言者マホメットが亡くなった当時、イスラム帝国は戦争中。
|又マホメットのカリスマ性で纏まっていた遊牧民族アラブ人は分裂の兆しを見せており、
|大至急後継の指導者が必要でした。
|よって第一代カリフにアブーバクルが立ち、彼の時代に東ローマからシリア、パレスティナ、エジプトを奪います。
|彼が二年で病死したために第二代カリフ・ウマルが選ばれます。
|双方とも中継ぎの色が濃いですね
\__ ________________
━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━
イスラムが相手にしていたのはササン朝ペルシア、東ローマ帝国。
いずれも疲弊はしていたが世界的な強国だった
当時の世界地図
http://www.ne.jp/asahi/chronicles/map/eurasia6C.htm 当時のアラビア半島近辺地図
http://homepage3.nifty.com/ryuota/earth/islam1.gif ,__
iii■Λ /
━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━
(| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,)
| | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜
し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛
 ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧==========
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|後継者をゆっくり選んでいる余裕は無かったんだな
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|最後に地図のリンク先HP貼ります。双方非常にお勧めのサイトですので是非
\________________
4/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |第二代カリフ・ウマルはペルシアを崩壊状態に追い込みます。 |非常に公正な人物、「理想的なイスラム指導者」と称えられる彼ですが1942年個人的な恨みから刺され、 |瀕死の重傷を負う事に。 |彼は死の直前に後継者を選ぶために有力者を招集、会議が始まります。 |候補は六人。その内有力なのはこの二人でした \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ウスマーン・イブン=アッファーン (ウマイヤ家) アリー=イブン=アビー=ターリブ (ハーシム家・マホメットの従兄弟) 二人ともマホメットの娘が妻 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |すんなり決まったのか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |否、かなり混乱したようだ \________________
5/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |決まったのはウスマーン。第三代カリフの誕生です。 |コーランの制定、イスラム暦等の成果を挙げた彼ですが、 |富の分配問題、ウマイヤ家を重用しすぎたこと、等の理由で |叛徒に殺害されてしまいます。 |後継はアリーでした \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 貧しかった田舎騎馬民族・アラブ人は征服の結果世界でも豊かな地域である シリア・エジプト・ペルシアを手に入れた。 莫大な富はしかし分配方法、貧富の差という難問を作り出していた ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ありゃりゃ…って黒幕アリーじゃないか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |アリー自身は仲裁役にもなってるが、状況見ると怪しいのは否定できない \________________
6/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |アリーは融和に努めようとしますが失敗。 |マホメットの妻の一人は反乱起こしたりと反乱祭りになります。 |何とか反乱を収めようと努力しますが最大の敵は豊かな地域を収め、 |虎視眈々と機を窺っていました。ムアーウィヤという人物です \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 先代カリフ・ウスマーンの甥にしてウマイヤ家家長、シリア太守 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |うお、強大な敵だな \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |軍事力も経済力もウマイヤ家が上だ \_______________
7/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |危機感を覚えたアリーは首都をメッカからメソポタミア…つまり今のイラク中部・クーファに移します。 |クーファはイスラム帝国のメソポタミア支配の為に作られた軍事都市。 |シリアに負けぬ地・メソポタミア&ペルシアを背景に対抗しようとしたんですね。 |657年、ついにムアーウィヤはアリーこそ叔父ウスマーン暗殺の黒幕だとして反乱を起こしました \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 元々ウマイヤ家はメッカの有力者。メッカは敵地に近かった ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イスラム世界の真っ二つに割った戦争か… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |周辺諸国は疲弊し、イスラムに敵が居なかったから出来たとも言える \________________
8/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |最初の侵攻を何とか退け、アリーとムアーウィヤは講和交渉に入ります。 |しかしこの講和に不満を持つ人たちがいました。 |彼らはアリーを弱腰と非難、ペルシアを占拠してしまいます。| \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ イスラーム最初の党派・ハワーリジュ派成立 原理主義的な超強硬派だったが、今残っているのは穏健派だけである ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ちょ、後ろ取られたぞ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ハワリージュと表記されることもある \_______________
9/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |和議は失敗したんですがムアーウィヤはひとまずメソポタミアを離れます。 |一方アリーは軍をペルシアに向け、ナフラワーンの戦いでハワーリジュ派を撃破。 |しかしアリー軍も大損害を受けます。 |その間にエジプトを手中に収めたムアーウィヤに対抗する力は最早アリー軍にはありませんでした。 |敗色濃い中661年、アリーはハワーリジュ派残党の刺客に暗殺されます。 |アリー無き彼らを倒すなどムアーウィヤには容易き事、イスラームを統一した彼はウマイヤ朝成立を宣言。 |片や日陰者となったアリーの支持者達は一つにまとまろうとし、「アリーの党派」と名乗ります \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ アリーの党派(シーア・アリー)→シーア ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |シーア派の誕生か! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |見れば判ると思うが、シーアは「党派、派」の意味。 |シーア派は派派になってしまい本当は正しい表現ではない \________________
10/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |アリーには二人の息子がいました。ハサンとフサインです。 |ハサンは馬鹿殿様を装い、100回以上の離婚結婚を繰り返す事でウマイヤ朝からの粛清を逃れ… |一方フサインはそんなことはしませんでした。 |監視される代わりにフサインはシーア派から希望の星と見られます。 |そんな中、680年ムアーウィヤが息子ヤズィードを後継者と宣言。ウマイヤ朝が世襲であることが明らかに。 |これをイスラムの大半は受け入れます。スンニ派の誕生ですね \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |何故賛成したんだ? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |反乱に飽き飽きしてたのと、ムアーウィヤの施政が評価されたのが原因かな? \________________
11/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |一方シーア派は猛反発します。 |「マホメットの甥であり娘婿であるアリーとその一族だけがカリフになれるんだ!」 |彼らは血筋を重視したんですね。 |シーア派の主力はクーファに居たんですが、メッカに居たフサインに密使を送ります。 |「我々の為に立ち上がって下さい!」 |フサインはOKを出し、一族を連れてメッカを抜け出しクーファに向かいます。 |人員、騎士33名、歩兵40名を含む総勢73名の部隊と、女子供含め一族130人 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |中々男気があるな \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |しかしこれをウマイヤ朝が察知する。残せば殺されるとは言え女子供含め200名は多すぎた \________________
12/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |フサイン一行はクーファまで後38km、カルバラにまで到着します。 |しかし待っていたクーファからの迎えは来ませんでした。 |ウマイヤ家は機先を制し、総督を派遣してクーファを押さえたんです。 |代わりに来たのはウマイヤ朝軍。その数4000。 |ウマイヤ朝軍はカルバラの宿舎を包囲。交渉も決裂し、フサインは決死の覚悟で打って出ました \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ウマイヤ家としては因縁の敵、反乱勢力を見逃すつもりは毛頭無かった ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |73対4000… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |勝負は決まっていた \________________
13/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |フサインは殺され、刀を突き刺されウマイヤ朝首都ダマスクスに送られ首実検を受けます。 |又、フサインの乗っていた白馬一頭だけが家族の下に戻り、皆馬にしがみ付いて泣き喚く内に |ウマイヤ朝軍に皆殺しにされた、と言われています \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ カルバラの悲劇 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |う、うわあ… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |この知らせはやがてクーファに届いた \________________
14/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |呼んでおいて目と鼻の先での皆殺しを傍観するしかなかったシーア派は |強い衝撃と罪悪感を感じます。 |このショックは求心力になり、この後のウマイヤ朝による激しい弾圧に対抗する力となりました。 |又、アリーの一族のうち生き延びた子供の母はササン朝ペルシアの王女だったと言われ、 |これが縁でペルシアにもシーア派が伝わります。 |普及は未だ先ですが \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ フサインの殺された日はイスラムのかつての宗教祭事・アシュラの日とシーア派では伝承される。 アシュラ自体はユダヤ教の「贖罪の日の断食」を真似たものでイスラムが確立するにつれ廃れたが、 シーア派ではアシュラの日にターズイヤと呼ばれる追悼行事が行われる。 自らを鎖で傷つけるなど行為が異端に近く、イスラムが滅ぼした異教の行事の影響とも… ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ほー、過酷な弾圧が返って事態を悪化させたのか… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |その通り。この後シーアは主流派スンニとは違う道を歩んでいく \________________
15/21
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|そう。ウマイヤ朝はその後も侵略を続け、
|
ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/earth/islam2.gif |とモンゴル以前では空前の領土を形成します。
|しかしそれを滅ぼしたのはシーア派でした。
|カルバラの復讐とばかりにウマイヤ朝の王族は一人を除いて皆殺しにされ、墓は暴かれたと言われます。
|初のシーア派王国・アッパース朝の成立です。
|
ttp://www.ne.jp/asahi/chronicles/map/eurasia4.htm \__ ________________
━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━
この後も、シーア派は常に少数派、かつ分裂しつつもイスラム二大宗派の一つの地位を維持する。
…ここまで前フリ
,__
iii■Λ /
━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━
(| つ ∇ Σ (゚Д゚;) Σ (゚Д゚;)
| | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜
し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛
 ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧==========
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|…ここまで前フリって
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|長いんだよ!
\________________
16/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |シーア派はこれまで見たとおり現在のイラクで誕生しました。 |シーア派自体はイスラム全体の15%に過ぎませんが、それは人口の多い東南アジアがスンニだから。 |中東ではそこまでの差はありません \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ イラン(95%) イラク(65%) バーレーン(75%) ペルシア湾岸に多いが、クウェートとカタールでは多数派ではない ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |(スルーしやがった) \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |(言うな前ギコ) \________________
17/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ところが、アラビア半島ではアッパースの後オスマン・トルコ等スンニ派が優勢な時代が続きました。 |結果、独立してはみたもののシーア派が多くてもスンニ派が支配しているという国が殆どだったんです。 |その代表が聖地を多く抱え、人口でも多数だがスンニ派が政権を握るイラクでした。 |シーア派は実権を求め、スンニ派の支配者は対応に苦慮します \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |実際にシーアが政権を取れなかった理由は何だ? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |スンニがシーアの脅威である程度纏まっていたのに対し、シーア派は部族間分裂が大きかった \________________
18/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |フセインの場合、当初は押さえつける程度で服従すればよし、としていました。 |「まつろわぬ者」はとりあえず北のクルド人だけで十分で、南のシーア派と無理して戦う必要は感じなかったんですね。 |しかしイラン革命がすべてを変えてしまいます。 |「シーア派の統一」「宗教革命の輸出」イランはイラクのシーア派を扇動。 |これに応ずる形でフセインはシーア派に対する弾圧を強めていきます \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イランも余計なことを… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |只、イラクのシーア派の不満は鬱積していた。イランの干渉無くとも何時か噴出していただろうと言われる \________________
19/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イランとの関係が急速に悪化する中、フセインは先手を打って危険人物を始末し始めます。 |その中でもシーア派対策は重要でした。 |シーア派をまとめられる人物を暗殺してしまえ! |標的を選択し…決定。 |非合法組織ダーワ党のリーダーにしてシーア派最高の高僧の一人 |モハマド・バケル・アル・サドル師を捕まえて殺してしまいます \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 一時期ニュースになったサドル派のサドル師は彼の従兄弟 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |こんなところにもつながりがあったのか… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |まあ今のサドル師は宗教的には高僧でも何でも無いがね \________________
20/21 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |これにより双方は非難をエスカレートさせ、とうとう戦争に突入します。 |以上、簡単ながらもシーア派の歴史でした \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イラクの方がおまけに近いな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |シーア派を知ってほしかったので上削れなかったって?言い訳カコワルイ \________________
21/21
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|次の講義はクルド人に関して。
|クルド人は軽量で済むと思います…多分
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利用した地図のサイト
Chronicles(世界史地図)
http://www.ne.jp/asahi/chronicles/map/index.htm The Purple Chamber(世界史考証)
http://homepage3.nifty.com/ryuota/index.html いずれも日本語・初心者向きです。興味あったらどうぞ。
このレス除いてすんなり書き込めました。
支援スレ使い切る程の支援本当にTHX!
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|最初は10コマ程度でサクサク終わらすぜ!とか言ってた気がする
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|長い補講だった…オウチカエリタイ
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/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 支援させて頂いたものです。 | こんな講義の支援をさせてもらえて非常に光栄です。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
>>209 えーと…二代目カリフって、第二次大戦のころまで生きてたんですか?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |アレ。 |ウマルの死は644年です…申し訳ない \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ1942って何処で紛れ込んだんだろうorz √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
講義乙です。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | シーア補講乙です。 | イラク問題を知る基礎としてタメになります。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
1/2 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ちょっと、かなり過去に作成されたイラク戦争関連講義について見てみましたが… | 容易には頷けないような論旨の流れだったり、流布されてる俗説を安易に用いていたり… | う〜む、これはどうなのだろう… \__ __________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | あんまりこんなこと言うと、講義製作者を叩いてるみたいでイヤなんだけどな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まあ、意見の相違ということで。 \______________________________
2/2 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | という訳で、なるべく早急に臨時講義を行う事にします。 | テーマは、「ちょっと待て それでいいのか その反米」。 | 余りにも安易なアメリカ叩き、そして陰謀論に近い(ってかそのもの)までに発展した戦争経済論理。 | そしてピントを狭めたマスコミ報道が、どれほどまでに一般人の判断力を曇らせているか講義します。 | このままじゃ、安易な反日で盛り上がってる中・韓両国を笑えません。 \__ _______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 知ってそうで知らない国、アメリカ… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 当然ながら、「俺の教える事が世界の真実なんだ!」なんて言うつもりはないさ。 | 学校の「授業」じゃなく、あくまで大学の「講義」なんだ。 | こちらから提供するのはデータや知識、視点のみ。 | 考え方や結論までは提示しないので、あくまで思考の踏み台にしてほしい。 \_________________________________
うおお!兵器の人のイラク講義クル━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!! アドレナリンが噴出してるのがわかる。楽しみにしてます!
>イラクの人 すません・・・年代と・・片仮名ばかりの種族についていけません・・・ 板書に、種族の簡単でお馬鹿な説明とか、ランキング、今戦ってる組み合わせ を書いて欲しいかも・・・馬鹿でスミマセン。 でも、学びたい気持ちあるんです!! ただ、教授の話長いと・・・辛い・・・もっと一コマを短くして欲しいかも・・・・ コマ数これ以上増えるのまずいですか? >湾岸戦争 反米、経済効果と聞きますが、イメージ先行で実際、使われた金額、補填された金額、翌年の軍事費 なんかは全然わかりません。具体的な金額も、多分高額すぎてそれ自体が高いのか安いのかわからないと 思うので、比較できる割と身近なものや、全体のパーセントかの表現なんかもあるとうれしいです。 多分、理解力の低い馬鹿と皆さん思われるでしょうが・・・ イメージつかめないでコマが終わってしまうのが本当に作者さんに悪いとと思うんで 恥を忍んで書き込みました。これからも講義頑張って聞いていきますのでよろしくです
>>233 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
正直、国際問題に関してはマスゴミのせいで正確な考えが持ててない気がするので、
かなり嬉しいです。(まぁ中韓問題は2chにいても感化されちゃったりするけど)
石原慎太郎=過激派右翼 ↓なぜか? 今までの発言は明らかに過激派右翼 石原新党が与党になり、石原慎太郎が首相になったら ↓ 徴兵制になり石原一家の独裁体制になる (ちょうど、北朝鮮の金一家のように) ↓ 軍国主義に進み、言論統制が始まる (まるで、北朝鮮のように) ↓ (軍と石原家の事ばかりでテレビがつまんなくなる) ↓ 戦争が始まって日本国、アボーン! ぃょぅは石原新党ができたら粉々に破壊するょぅ 過去の講義でこんなん見つけた。 うわあ。 クオリティ向上万歳。
1/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 前回の講義で、ドイツによるザール地方の帰属やラインラント進駐などをやりましたね。 | ヴェルサイユ条約による軍備制限を撤廃し、海はともかく陸・空軍を増強… | ヨーロッパで肥大化していくドイツですが、ガツンと言ってやる国はありませんでした。 \__ _________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第45回兵器史・第二次大戦への歩み8(ふゆやすみ特別企画・第二次世界大戦史8) ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | それどころか、ドイツの行動を後追い的に承認してたんだよな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | どこの国も、もう戦争にはもうコリゴリだったんだよ、シンイチ。 | ラインラントとかでドイツが満足すれば、それで良かったんだ。 | 「各地でヒドイ目に合ってるドイツ人を救いたいだけで、決して戦争など望んではいない」って | ヒトラーも言ってるし。 \______________________________________
2/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そんな情勢のさなか、スペインにて内戦が起きました。 | 発端は1936年2月、スペインにて人民戦線政府が成立した事から始まります。 | この人民戦線とは、共和主義左派、社会党、共産党などの連合体。 | それに対し、「こんな連中に従えるか!」と軍を中心とする勢力が猛反発。 | 両者の対立は、とうとう内戦にまで発展していきます。 \__ _____________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・スペイン内戦(1936年7月〜1939年3月) スペイン内部で行われた、共和国軍(人民戦線政府)と反乱軍の内戦。 ソ連が共和国軍を支援し、ドイツ・イタリアは反乱軍を支援。 結果的に、反乱軍側が勝利を収める。 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まあ、お決まりの構図だな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 反乱軍の主導者は、陸軍参謀総長(の座を人民戦線政府にクビにされた)フランコ将軍。 | 後にスペインの独裁者となり、なんと第二次大戦後の1975年まで彼の支配は続く。 \_____________________________________
3/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして共和国軍と反乱軍は、それぞれが他国に対して「オラに力を分けてくれ!」と呼びかけました。 | 共和国軍に味方したのは、社会主義政党の元締めであるソ連。 | 反乱軍に味方したのは、ファシズム国家であるドイツとイタリアでした。 | ソ連やドイツは兵器供給を行うだけではなく、義勇兵という名目で正規軍まで派遣します。 | こうしてスペイン内戦は、ソ連VSドイツの代理戦争みたいな様相になってきました。 \__ ______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんと。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ソ連とドイツは、開発されたばかりの新兵器を次々に戦場へ投入した。 | スペインは、まるで新兵器実験場みたいな様相になったんだ。 | それでも、スターリンはファシスト陣営との決定的な対立は避けてたようだ。 \_______________________________
4/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 共和国軍と反乱軍が共に所持していた当初の陸・空兵器は、こんなもんですかね。 | いずれも旧式なんですが、両軍にドイツ・ソ連から兵器が供給されると凄まじい事に。 \__ ________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ スペイン軍の陸・空兵器(いずれもフランス製) ・ニューポール52(戦闘機) ・ブレゲー19(爆撃機) ・ルノーFT17(戦車) ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ニューポール52…? ブレゲー19…? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なかなかにマイナー、そして骨董品と化していた航空機。 | ルノーFT17は第一次大戦中に登場した非常に画期的な戦車なんだが…もはや20年前の話だな。 \________________________________________
5/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 共和国軍には、T-26という戦車やI-15、I-16といった戦闘機、SB-2という爆撃機が導入されました。 | 中でもソ連の主力戦闘機であったI-16の性能は凄まじく… | スペインの旧式戦闘機はもちろん、ドイツの主力戦闘機He51ですら相手になりませんでした。 \__ ______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・I-16 様々な新技術を導入した、ソ連の誇る高性能戦闘機。 しかしドイツのBf109、日本の零戦には歯が立たず、雑魚戦闘機として名高い。 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんか、零戦に対するヤラレ役として名前を見た気が… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | やられっぷりも凄かったから、意外に思われるかもしれないが… | I-16は巷で思われてるほどヘボ戦闘機じゃなく、登場当初は最強クラスを誇っていた。 \____________________________________
6/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 反乱軍には、I号戦車やII号戦車、そしてドイツの主力戦闘機であるHe51が供給されます。 | しかし共和国軍のI-16の前にHe51では歯が立たず… | やむなくドイツは、最新鋭戦闘機であるBf109を実戦テストも兼ねて導入。 | こうして空の情勢は、反乱軍側が有利になっていきます。 \__ __________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・メッサーシュミットBf109 ドイツの主力戦闘機で、大戦全期を通じて幾度もの改良が施された。 高速性能を生かした一撃離脱戦法が得意だが、後には航続距離不足に悩まされる事となる。 他にも幾多の難点はあるものの、間違い無くドイツ空軍の主役。 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日本が誇る戦闘機は零戦なら、ドイツが誇る戦闘機はBf109か… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして、イギリスのスピットファイアは宿命のライバルとなる。 \_________________________
7/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして1937年4月26日… 反乱軍に派遣されていたドイツ空軍のコンドル部隊が、ゲルニカを無差別爆撃。 | 1654人の非戦闘員が死んでしまうという大惨事に、全世界は一斉にドイツを非難します。 | しかし、世界への影響はそれだけではありませんでした。 | 一つの街を瞬く間に灰にしたドイツ空軍の脅威を、恐怖と共に世界に知らしめたんです。 | 「ドイツ軍=めちゃくちゃ強力」という公式を裏付ける形でね。 \__ _________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんと。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この出来事によって、ヒトラーによる他国への脅しのネタを増やした。 | 「貴国の首都もゲルニカになりたいか?」と言われれば、どこの国でもビビる。 \________________________________
8/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 以後のスペイン内戦は、フランコ率いる反乱軍優位に展開していきます。 | 反乱軍がマドリッドを制圧し、共和国軍に完全勝利するのは1939年2月を待たなければなりませんが… | この1936〜39年に渡るスペイン内戦4年間の間にも、世界はめまぐるしく変化していました。 \__ ________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 第二次大戦のスタートが、確か1939年か。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 第二次大戦開始と同年に、スペイン内戦は終結したんだ。 \________________________
9/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 極東においては、日本はさらに中国進出を図ります。 | 当然ながらアメリカとの対立も激化し、さまざまな条約や国際機関から抜ける事によって外交的にも孤立。 | それと反比例するかのように、第一次大戦後しばらくは孤立していたソ連が国際社会で認められ始めました。 | アメリカはソ連を国家として承認し、イギリスはソ連と貿易関係を結び、とうとう国際連盟にも加入し… \__ __________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんと。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 1930年代初期、ソ連と日本の仲は決して悪くなかったんだ。 | ソ連は満州国を承認していたし、いざこざはあったものの決定的な対立は程遠かった。 \____________________________________
10/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | しかしソ連が国際社会に認められ、かつ軍事力が増大すると、日本に対して強硬姿勢を見せるように。 | 1936年には「ドイツと日本は帝国主義的であり、世界の敵である」と明言、さらに中国支援を発表しました。 | 満州にも威嚇的な国境侵犯が増加し、いよいよ日本はソ連に対して危機感を持ち始めます。 | そこで日本が目を付けたのは、ヨーロッパで孤立していたドイツでした。 \__ _________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ なぜドイツ? ・日本は外交的に孤立し、まともな国は付き合ってくれない。ドイツの境遇も同様。 ・ドイツとソ連の仲の悪さは周知。「敵の敵は味方」理論。 ・ドイツの科学力は世界一ィィィィィィィィィィッ!!! ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | こうして、日本とドイツの絡みが生まれるのか。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日本とドイツが連携すれば… | ソ連にしてみれば、西にドイツ、東に日本と同時に対処しなけりゃならなくなる。 \_________________________________
11/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 一方のドイツも、一連の派手な行動でヨーロッパにおいて要注意国家とみなされていました。 | イギリスもフランスも具体的な行動こそ取ってきませんが、いずれドイツの敵に回るのは明白。 | こうなりゃドイツ側も、どこかの国と同盟を組んで対抗する必要があります。 | イギリスやフランスに圧力をかけられ、自国と獲物がカチ合わず、孤立したドイツと付き合ってくれそうな国… | そんな都合のいい国は世界でただ一つ、極東の英仏植民地にも程近い大日本帝国でした。 \__ __________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そう言えば日本、ロシアに勝った事もあるんだったな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | イタリアも同盟相手として良いセンをいっていたが… | 「獲物がカチ合わない」という点で問題があった。両国ともオーストリアを狙ってたんだな。 \_____________________________________
12/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして1936年、日本とドイツは日独防共協定を結びます。 | これは対ソ連に関する協力関係みたいなものであって、同盟関係にはちょっと遠いですね。 | ついでにドイツは、日本と対立する中国を武力支援してたんですよ。 | ドイツと中国はちょっとした貿易関係であり、ドイツは親中国路線だったんです。 \__ ___________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日本と協定を結んでおきながら… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ドイツは中国に兵器を供給し、軍事顧問を派遣したりしていたんだ。 | 日独の親密強化を図るリッベンドロップが外相に就任すると、ドイツは中国支援を中止するがな。 \________________________________________
13/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 1937年には、とうとう蘆溝橋事件が発生。いわゆる日中戦争が勃発します。 | 最悪、ソ連までも相手にしなければならないかもしれないが… 大丈夫、その時はドイツも動くさ。 | そんな日本側の思惑は、後で完全に崩れ去ってしまうんですがね。 \__ _____________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・日中戦争(1937年7月7日〜1945年8月15日) 北京の盧溝橋で鳴り響いた一発の銃声をきっかけに、日中両国は全面戦争に突入。 翌年に近衛内閣は「国民政府を対手(あいて)とせず」という正式声明を出し、平和的解決を放棄。 以後は、延々と泥沼の戦いが続くように。 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | とうとう、極東ではドンパチが始まったか… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そういう訳で、ソ連を真北に控えていた日本にとって、ドイツの存在は大きかった。 \__________________________________
14/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて… ソ連赤軍のトハチェフスキー将軍を覚えているでしょうか。 | 「赤いナポレオン」という異名は内外に鳴り響き、グデーリアンと似た陸戦思想を持つ名将… | 彼はこの国際情勢で、いよいよナチスの危険性に気付きます。 \__ ___________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ほほう。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 彼はソ連ばかりでなく、イギリスやフランスの政治家・軍人に対してもナチスの危険性を訴えた。 | しかし、誰も彼の言葉に耳を貸そうとしなかったんだ。 \_______________________________________
15/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そして… スターリンにとって、トハチェフスキーは邪魔者以外の何でもありませんでした。 | 有能な人間は自分の地位を脅かす可能性がある為、抹殺対象。 | それだけではなく、スターリンにはこの時期に「ナチス脅威論」を唱えられてはマズい理由があったんです。 \__ _________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんで「ナチス脅威論」がマズいの? ドイツとソ連って、犬猿の仲だろ? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まあ、後でやるさ。 \____________________________
16/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | また、ドイツにとっても「ナチス脅威論」を唱え続けるトハチェフスキーは厄介者でした。 | そこでドイツの保安機関は、トハチェフスキーとドイツが内通しているという書類を捏造、わざとソ連に流します。 | この捏造書類を受け取ったスターリンは、ただちに命令を下しました。 | 「国家反逆者、トハチェフスキー将軍を処刑せよ!」。 \__ __________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ドイツもソ連も、協力してトハチェフスキーを葬ったみたいなもんだな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | スターリンは、明らかにこの書類がドイツによるデッチ上げであると気付いていただろう。 | ソ連とドイツによる、見え見えの出来レースだ。 \_____________________________________
17/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | こうして、名将トハチェフスキーは国家反逆罪で逮捕。妻や兄弟、家族もまとめて処刑されます。 | スターリンはそれに飽き足らず、粛清の手を赤軍内部にまで伸ばし始めました。 | 彼に従わない者、彼と意見の違う者、彼の地位を脅かす可能性がある者、有能な者… | さらに、外国に友人がいる者や、外国情勢に詳しい者も「スパイ」として徹底的に殺られます。 | このスターリンによる軍部大虐殺は、もはや常軌を逸していました。 \__ ___________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 赤軍の粛清者数(粛清者数/総数) ・元帥 3/5 ・大将 13/15 ・中将 62/85 ・少将 110/195 ・准将 220/406 ・大佐 約75%が粛清 ・中佐〜兵卒 約10%が粛清 ※階級は一般通称に置き換えている。 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚;) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ちょっと待て! なんなんだ、この数字! 将官なんて、生存者の方が少ないじゃないか! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | かの悪名高き政治将校も、2/3もの数が粛清されてるのはびっくり。 \___________________________________
18/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | どうもスターリンはスパイ恐怖症に取り付かれてた以外に、軍隊組織の若返り化を狙ってたみたいですね。 | さらに自分への忠誠心も上がり、一石二鳥だぜ!って感じですか。 | 赤軍粛清者の総数は数十万人と言われていますが、実際の数字はスターリンですら分からないでしょう。 | しかし後の国際情勢は、自国の軍隊を痛めつけて喜んでるスターリンを窮地に陥らせる事になるのです。 \__ _________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 赤軍の粛清者数(粛清者数/総数) ・元帥 3/5 ・大将 13/15 ・中将 62/85 ・少将 110/195 ・准将 220/406 ・大佐 約75%が粛清 ・中佐〜兵卒 約10%が粛清 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚;) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | これで組織の若返りって… 頭おかしくなったとしか思えないんだけど… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 有能な人間が特に念入りにやられたから、残ったのは無能なイエスマンばかり。 | 先進的な陸戦思想なんてどこかへ消え去り、戦車も移動砲台同然の扱いに。 | 当然ながら、軍組織は大幅なんてものじゃないレベルまで弱体化した。 \_________________________________
19/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて、ここでドイツに視線を戻しましょう。1937年に極東にて日中戦争が勃発、イギリスとソ連は対応に大慌て。 | さらにソ連では大粛清で軍隊が弱体化し、他国の混乱はドイツにとって蜜の味。 | そんなドイツに、イタリアのムッソリーニがドイツを訪ねてきます。 | ヒトラーはムッソリーニを凄まじい豪華待遇でもてなしました。 | ムッソリーニは、まるでヒトラーの手足のように動く軍組織や熱狂するドイツ国民に大感激。 | 今までヒトラーを軽蔑していたムッソリーニは、一気に親ドイツに傾きます。 \__ __________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ヒトラーは、ムッソリーニを手本に独裁体制を整え… そして彼を追い抜いたんだな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 当初のムッソリーニは、ドイツの洗練されたファシズム体制に感激する。 | しかし徐々に対抗意識を燃やし始め… \________________________________
20/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | こうしてムッソリーニは、「ローマ−ベルリン枢軸」を公言するほどドイツに接近。 | エチオピア戦争でドイツの支援を受け、スペイン内戦で共闘し… そして、この出来事が決定打に。 | とうとうドイツは、イタリアを自分側に引き入れる事に成功したんです。 | 日独防共協定は、こうして1937年に日独伊三国防共協定に発展しました。 \__ ______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日独伊三国軍事同盟は、まだまだ先の話なんだな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なお、この時期にはスペイン内戦からソ連が撤退。 | もはや、共和国軍が勝てる見込みがなくなったのを見越してのことだ。 \_____________________________
21/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そしてドイツは、さらなる領土拡大を開始します。 | 次にヒトラーが目を付けたのは、彼の出身国でもあるオーストリア。 | 以前はイタリアの介入によって失敗しましたが、イタリアが親独に転換した今なら問題はないはず。 | こうしてヒトラーは、1938年2月にオーストリアのシュシュニッグ首相を呼びつけます。 \__ ______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ , -'" ̄ ̄ ̄| / / , -'"ヽ オランダ / | / 海 , -'" "ヽ, / ヽ、 ポーランド / , -'" ̄"ヽ ベルギー ヽ/ ̄ ドイツ ヽ、 |  ̄ ̄ "ヽ | | | ヽ、 | | | `ー、; / / ソヴィエト連邦 l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ フランス ヽ | チェコスロバキア | | | | / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | / ______/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ___/ /" スイス ヽ オーストリア / / ヽ | | _____/ ハンガリー / ヽ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | オーストリア… ここ、ヒトラーの故郷だよな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そしてドイツ語圏でもあり、ドイツに極めて近い国だ。 \______________________
22/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この際にも、ヒトラーは露骨な脅しを用いました。 | 領土併合要求と露骨な軍事的脅迫を受けたシュシュニッグ首相は真っ青になってオーストリアに帰国。 | 急遽、ドイツによるオーストリア併合の賛否を問う国民投票を実施すると宣言します。 | それに対してヒトラーは、「タルい事してんじゃねぇ!」と武力脅迫を行使しました。 | ドイツ陸軍による、オーストリア侵攻です。 \__ _______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「私がたった一言命令するだけでよい。 すると一晩のうちに、貴国のお粗末な防衛体制など粉微塵に吹き飛んでしまうだろう」 アドルフ・ヒトラー ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 爆裂ヒトラー節。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | シンイチ… \_______________
23/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | オーストリアに乗り込んだのは、グデーリアンの指揮する第二装甲師団とSSのアドルフ・ヒトラー連隊。 | この時グデーリアンに渡された地図は、なんとオーストリアの観光ガイド。 | 燃料も用意されてなかった上に、彼等の任務が伝わってなかった燃料貯蔵所は使用許可を与えませんでした。 | グデーリアンは脅迫同然に燃料貯蔵所から燃料を得て、足りなくなったら沿道のガソリンスタンドで補給… | なんか散々な目に合いながらオーストリアに乗り込みます。 \__ ___________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ぜんぜん勇ましくない話だ… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そんなグデーリアンの部隊を迎えたのはオーストリア軍ではなかった。 | オーストリア住民は歓喜の声でドイツ軍を迎え、次々に花束が渡されたんだ。 \________________________________
24/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 群集が歓喜の声でドイツ軍を迎えるオーストリア。そこへ、ヒトラーはじきじきに足を運びます。 | オーストリアはドイツ語圏、そしてヒトラーの故郷。住民は歓喜の声でヒトラーを迎えました。 | こうしてドイツは、誰の血も流さないままにオーストリアを併合します。 | さすがのヒトラーも、まさかここまで上手くコトが運ぶとは思ってなかったとか。 \__ ____________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ___/ヽ、__, -'" ̄ヽ, -'" , -'" ̄ヽ 東プロイセン / | , -'" ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | (ドイツ領)/ | , -'" ̄ ̄ ̄ / ヽ、___/ / , -'" ̄ ̄ ̄| / / , -'"ヽ オランダ / | / 海 , -'" "ヽ, / ヽ、 ポーランド / , -'" ̄"ヽ ベルギー ヽ/ ̄ ドイツ ヽ、 |  ̄ ̄ "ヽ | | | ヽ、 | | | `ー、; / / ソヴィエト連邦 l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ フランス ヽ | チェコスロバキア | | | | /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | / ___ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ___/ /" スイス ヽ / / ヽ | | _____/ ハンガリー / ヽ -'" ̄" ̄ ̄"ヽ |'" ̄ ̄ ̄ ̄"ヽ、" ̄ ̄ヽ、 ヽ、,____/ ルーマニア | ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ドイツがだんだん大きくなっていく… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | イギリスとフランスは、相変わらず口先だけの抗議をしたのみ。 | すっかり親ドイツ的になったイタリアも何も言わなかった。 \__________________________
25/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この出撃では一切の戦闘が起きず、ただ遠出をしただけでしたが…それでも、戦車部隊は様々な教訓を得ます。 | 中でも、装甲車の30%が故障するという事態を味わったのは重要でした。 | ドイツ陸軍は修理能力の不足を痛感し、その教訓を活かしていく事になります。 \__ ____________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ |ヽ ,__ //| iii■∧ / (・) //レ' ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 // | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/ | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 教訓はきっちりと。 \__________________
26/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 3月にオーストリアを手中にしたヒトラーは、4月にさらなる行動を開始します。 | 次のターゲットであるチェコスロバキアは、チェコとスロバキアという別の国が組み合わさった国家でした。 | そしてヒトラーは、チェコに多くのドイツ系住民がいた事を利用します。 \__ _________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ , -'" ̄ ̄ ̄ / ヽ、___/ / , -'" ̄ ̄ ̄| / / , -'"ヽ オランダ / | / 海 , -'" "ヽ, / ヽ、 ポーランド / , -'" ̄"ヽ ベルギー ヽ/ ̄ ドイツ ヽ、 |  ̄ ̄ "ヽ | | | ヽ、 | | | `ー、; / / ソヴィエト連邦 l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ フランス ヽ | チェコスロバキア | | | | /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | / ___ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ___/ /" スイス ヽ / / ヽ | | _____/ ハンガリー / ヽ -'" ̄" ̄ ̄"ヽ |'" ̄ ̄ ̄ ̄"ヽ、" ̄ ̄ヽ、 ヽ、,____/ ルーマニア | ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | もう、歯止めが効かない勢いだな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ヒトラーは、「チェコに住んでいるドイツ系住民は不当な扱いを受けている」と世界に向けて宣伝。 | ドイツ系住民の多いズデーテンという地域の割譲を迫った。 \________________________________________
27/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 「ズデーテンのドイツ人解放」を建前にしたヒトラーの領土割譲要求… | ドイツはズデーテンの開放を望んでいるが、チェコ側ではそれを頑固なまでに受け付けようとしない。 | このままでは、ドイツは武力行使しなけりゃならん。悪いのは、ドイツ人を不当に圧迫するチェコだ! | ドイツは全世界にそう宣伝し、ズデーテン地方の割譲を正当化します。 \__ ______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ほとんどヤクザだな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ただ一つ、問題が。 | チェコスロバキアは、ソ連・フランスと相互援助条約を結んでいた。 | さらに、チェコスロバキアの軍隊はなかなか強い。おそらく、当時のドイツ軍よりも… \___________________________________
28/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | これもドイツにしてみれば、かなりの賭けだった訳です。 | しかし「チェコが言うこと聞かないなら、ヨーロッパを巻き込んだ戦争してやる!」と叫ぶヒトラーに英仏は真っ青。 | 「こりゃやべぇ! 戦争はイヤだ!」と思ったイギリス・フランスは、ドイツ・イタリアを招いて会議を行います。 | このミュンヘン会談で行われたのは、完全なチェコ切り捨てでした。 \__ ___________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・ミュンヘン会談(1938年9月) イギリス・フランス・ドイツ・イタリアによる、ズデーテン地方を巡る会議。 結局イギリス・フランスは、「これ以上の領土要求はしない」という条件で、ドイツのズデーテン地方領有を認める。 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ズデーテン地方領有を認める、って… チェコスロバキア代表来てないじゃん。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | だから、完全なチェコ切り捨てなんだよ。 | 「戦争」をタテにしたヒトラーに対し、英仏はチェコという生贄を差し出したんだ。 | これでヒトラーが大人しくなる保障は何もないのにな… \________________________________
29/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 一連の、ドイツ甘やかし政策を取ったイギリス首相チェンバレン… | イギリスに、そんなチェンバレンを激しく批判する議員がいました。彼の名はウィンストン・チャーチル。 | 第二次大戦勃発後はイギリス首相に就任、ヒトラー率いるナチス・ドイツと戦い抜いて勝利を手にした男です。 | 彼は、「ナチどもを甘やかしても、つけあがる一方だ! とっとと叩き潰してしまえ!」と叫びました。 | しかし彼の言葉に耳を貸すものは皆無、「ドイツに従っとけば、じきに大人しくなる」という意見が主流だったんです。 \__ ____________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | とんでもない楽観視だな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 戦争を恐れるがゆえの、超逃げ腰。 | これが、さらに危険な事態を呼び起こす原因になる。 \______________________
30/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | こうしてミュンヘン会談の結果、チェコスロバキアはズデーテン地方をドイツに移譲。 | しかしヒトラーは、それだけで満足せずチェコのハーハ大統領を呼び出しました。 | 彼は例によって、武力による脅しを織り交ぜながら領土併合を要求します。 \__ ________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「ドイツ軍は全方向からチェコに進軍する。戦いになればチェコ軍など2日で消滅する」 アドルフ・ヒトラー 「何百機もの爆撃機が待機中で、2時間もしないうちにプラハは廃墟となる。 美しいプラハを爆撃しなければならないのは残念だ」 ヘルマン・ゲーリング ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ミュンヘン会談で、「これ以上の領土要求はしない」って約束したのに… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | しかもこの時のゲーリングの発言はハッタリもいいとこで、爆撃機なんぞ全く待機してなかった。 | 悪天候で、飛行場は閉鎖されていたんだ。 \_______________________________________
31/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | かなりの高齢だったハーハ大統領は、次々に出てくるドイツ側の脅しにショックを受けて何度も卒倒。 | とうとう彼はヒトラーの要求を呑み、チェコはドイツの領土に。 | 余ったスロバキアは独立国となりますが、こちらもドイツの操り人形。 | こうして、ドイツはまたしても領土の拡張に成功しました。 \__ _______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ___/ヽ、__, -'" ̄ヽ, -'" , -'" ̄ヽ 東プロイセン / | , -'" ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | (ドイツ領)/ | , -'" ̄ ̄ ̄ / ヽ、___/ / , -'" ̄ ̄ ̄| / / , -'"ヽ オランダ / | / 海 , -'" "ヽ, / ヽ、 ポーランド / , -'" ̄"ヽ ベルギー ヽ/ ̄ ドイツ ヽ、 |  ̄ ̄ "ヽ | | | ヽ、 | | | `ー、; / / ソヴィエト連邦 l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ フランス ヽ | スロバキア | | | | / ヽ | / ___ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ___/ /" スイス ヽ / / ヽ | | _____/ ハンガリー / ヽ -'" ̄" ̄ ̄"ヽ |'" ̄ ̄ ̄ ̄"ヽ、" ̄ ̄ヽ、 ヽ、,____/ ルーマニア | ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ドイツが、ますます大きく… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | これは、完全にミュンヘン会談の協定違反だ。 | イギリス・フランスも、この一件でようやくドイツの要求にはこれ以上屈しないという決意を固めた。 | しかしヒトラーはイギリスとフランスの変調には気付かず、連中はこれ以降も動かないと誤認する… \_________________________________________
32/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | また、このチェコ併合で、ドイツはチェコ製戦車をもゲットしました。 | それが、後の第二次大戦初期に活躍する35(t)戦車と38(t)戦車。 | チェコの名門兵器メーカーであるスコダ社が生んだ、有能な戦車です。 | ただでさえ戦車不足だったドイツにとって、非常に嬉しい贈り物となりました。 \__ _____________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・35(t)戦車:チェコ陸軍の主力戦車。ドイツは219両を接収した。 ・38(t)戦車:併合時、生産が始まったばかりの戦車。ドイツが生産を続行し、1400両が造られる。 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ウヘア! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | これらの戦車は、だいたいドイツのIII号戦車と同格ってとこかな。 | 数の上ではI号・II号戦車が主力であることを考えれば、本当に美味しい話だ。 \________________________________
33/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 次にヒトラーが目を付けたのは、ドイツ領土を真っ二つに隔てているポーランドでした。 | 彼は、「ドイツ本国と東プロイセンをつなぐポーランド回廊を譲ってくれ、それ以外は何も要求しない」と訴えます。 | しかし、これはチェコ併合の時に見せたミエミエの手口。 | ポーランドはこれに引っかからず、その要求を完全に突っぱねました。 | さらにイギリス・フランスは、「ポーランドの敵は俺達の敵だ!」という内容の条約を交わします。 | とうとう、イギリス・フランスも武力で対抗する決意を見せ始めたんですよ。 \__ ___________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ___/ヽ、__, -'" ̄ヽ, -'" , -'" ̄ヽ 東プロイセン / | , -'" ̄ ̄ ̄ ̄ヽ;;;;;;;;;;;;;;;| (ドイツ領)/ | , -'" ̄ ̄ ̄ / ↑ ヽ、___/ / , -'" ̄ ̄ ̄| / ポーランド回廊 / , -'"ヽ オランダ / | / 海 , -'" "ヽ, / ヽ、 ポーランド / , -'" ̄"ヽ ベルギー ヽ/ ̄ ドイツ ヽ、 |  ̄ ̄ "ヽ | | | ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんか、遅すぎた感もあるけど。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ヒトラーは、ポーランド一国のみを相手に絞る事が必須条件だと考えていたんだ。 | 今までもそうだったんだが、他国が介入すればドイツに勝つ見込みはないからな。 | しかし今回、いよいよ雲行きが怪しくなってきた… \__________________________________
34/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ヒトラーは英仏の強硬な態度に驚きつつも、「あれはポーズだけで、本気でポーランドを守らない」と判断。 | 「1939年9月1日がタイムリミットで、これを過ぎればドイツ軍はポーランドに全面侵攻する」と宣言します。 | さらにヒトラーには、イギリス・フランスをビビらせる秘策がありました。 | それは、犬猿の仲であったソ連との条約… 独ソ不可侵条約です。 \__ ________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・独ソ不可侵条約(1939年8月23日) ドイツとソ連が結んだ不可侵条約(互いの領土に攻め込まないという約束事)。 憎み合っていた敵同士が唐突に握手するという事態に、世界各国が驚愕した。 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ドイツとソ連が仲直り!? こいつら、思想が真逆の敵同士だろ!? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この条約があれば、ドイツはソ連の動きを恐れる事なく対ポーランドのみに専念できる。 | 一方のソ連は、ミュンヘン会談で英仏がドイツにチェコを売った事を不審に思っていた。 | 「まさかあいつら、ワシに内緒でナチと結ぼうと思ってるんじゃないだろうな…?」。 | そう思ったスターリンは、すかさずドイツに接近するという手を打ったんだ。 \____________________________________
35/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ドイツは、西にフランスやイギリス、東にポーランドはともかくソ連という敵に挟まれてきました。 | しかしソ連との殴り合いが起きないとなると、今後の展開は非常に楽になります。 | イギリス・フランスから見れば、ソ連の存在はドイツを縛る鎖の一つだったんですが… それが消滅する事に。 | この突然の不可侵条約締結は、ヨーロッパのみならず全世界が引っ繰り返ります。 \__ __________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ___/ヽ、__, -'" ̄ヽ, -'" , -'" ̄ヽ 東プロイセン / | , -'" ̄ ̄ ̄ ̄ヽ;;;;;;;;;;;;;;;| (ドイツ領)/ | , -'" ̄ ̄ ̄ / ↑ ヽ、___/ / , -'" ̄ ̄ ̄| / ポーランド回廊 / , -'"ヽ オランダ / | / 海 , -'" "ヽ, / ヽ、 ポーランド / ソヴィエト連邦 , -'" ̄"ヽ ベルギー ヽ/ ̄ ドイツ ヽ、 |  ̄ ̄ "ヽ | | | ヽ、 | | | `ー、; / / l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 自国の都合の為なら、思想対立なんて完全無視だな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まあ、両方とも最終的には潰し合うつもりでいたけどな。 | 当座のところ、互いに手は出さないと約束しただけだ。 | またドイツとソ連はこの時、ポーランドを巡っての秘密協約を交わした。 | これに関しては、次回だな。 \_____________________________
36/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この驚愕のニュースに世界は引っ繰り返りましたが、驚きすぎて椅子ごと転倒した国家が極東にありました。 | それは、日中戦争が激化していた大日本帝国。 | さらに中国のみならずソ連との小競り合いも続き、ノモンハン事件が起きていた矢先のニュース… | 頼りにしていた盟友が最大の宿敵と唐突に手を結ぶという事態に、日本の外交・軍事戦略はコナゴナに。 \__ _________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・ノモンハン事件(1939年5月〜9月) そもそもは満州とモンゴルの国境紛争だが、実際は両者のバックである日本とソ連の戦い。 日本側が大敗北を喫し、撤退する結果となる。 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | もう、日本が描いてきた戦争の設計図はグチャグチャになったんだな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ホントに、笑えるくらい計画が崩れた。おまけに内閣も崩れた。 \__________________________
37/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この時に首相だった平沼騏一郎は、「欧州の天地は複雑怪奇」という名言?を残して内閣総辞職。 | 日本にはドイツに対する深い不信感が根付き、以後は「欧州戦争への不介入」を表明しました。 | まあ、この方針もすぐに崩れ去る事になるんですけどね… \__ ______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | こうして見ると、日本ってヨーロッパ情勢に振り回されてるなぁ。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この一件で、日本におけるドイツ不審は高まっていったんだが… | いっそのこと、ソ連も加えた日・独・伊・ソの四国軍事同盟を結んじまえ!という人間もいた。 | この4国の同盟をバックにアメリカを牽制、中国大陸の問題を解決しようってハラだな。 | 後に出てくる松岡洋右などが、その代表人物だ。 \______________________________________
38/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて、ヨーロッパ情勢に戻りましょう。 | ソ連との不可侵条約締結という切り札を見せたヒトラー。これで、英仏も尻込みするかと思いきや… | イギリスは8月25日にポーランドと相互援助条約を結んだという情報が入り、ヒトラーは顔面蒼白に。 | 「ポーランド問題に口出ししなければ、イギリスには絶対手出ししない」とイギリスに申し出るも、無視られます。 | さらにイタリアのムッソリーニからは、「援軍は派遣しない」という通達が… | ポーランド侵攻のタイムリミットである9月1日は、逆にヒトラーへのタイムリミットとなってしまいました。 \__ __________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 今までと違い、イギリス・フランスにはハッタリも恫喝も通じなくなったのか。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 西側からイギリス・フランスが侵攻してくれば、現在のドイツなど瞬く間に消滅する。 | かと言ってポーランド侵攻を中止してしまえば、もうヒトラーの言葉に耳を貸す国民はいなくなる。 | 彼のようなタイプの政治家は、いったん言った事が実現できないのは命取りだからな。 | ヒトラーにとって、かなり進退窮まった状況だ。 \_______________________________________
39/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そしてヒトラーは、「イギリス・フランスの強硬姿勢はブラフである」という可能性に賭けました。 | 英仏が軍を動かしてこない事を祈りつつ、彼は予定通りの9月1日にポーランド総攻撃の指示を出します。 | 1939年9月1日、ドイツ軍のポーランド侵攻―― | こうして人類史上最大最悪の戦争、第二次世界大戦が幕を開けました。 \__ ________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「男といわず、女といわず、子供といわず、ポーランド民族は情容赦なく皆殺しにし、その言葉も滅ぼしてしまえ」 アドルフ・ヒトラー ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | とうとう始まったのか… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | これまでの経過を見て分かる通り、ヒトラーは欧州全面戦争なんて望んでいなかった。 | それどころか、ヨーロッパを巻き込んだ戦争の勃発を最も恐れていたんだ。 | その結果起きたのは、ヨーロッパどころか地球の裏まで戦火に包まれるほどの大戦争だった。 \_______________________________________
40/40 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて… 第8回にして、ようやく第二次大戦が勃発。 | 長い前フリは終了、いよいよ講義本番です。 | 次回は、ポーランド戦を講義する予定ですね。 \__ __________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第45回兵器史・第二次大戦への歩み8(ふゆやすみ特別企画・第二次世界大戦史8) 完 ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|━━━━━━━━━━━━━━━━ | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 本当に長い前フリだったな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | シンイチ… \_______________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 乙です。ゲルニカは大戦中の事件と思っていたんですが、違ったんですね。 | ヒトラーが狂いだしたのはこの辺からでしょうか。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |兵器の人お疲れ様です。 |湾岸講義してる人間ですが、実のトコイラク戦争までは講義しません。 |(これは初期からの予定です) |後日談でOfF辺りまでは書きますが。 |イラク戦争はお任せします \___ _____________ ━━━━ ∨ ━━━━━━━━━━━━ 反米陰謀論は私も気になってました。 イライラ、湾岸関連ではいくつかコマ割きますよ ,__ B■Λ / (,,゚Д゚) / ━ ⊂ つ ━━━━━━━━━━━━ ┌───┐ ΛΛ ΛΛ │ |( ,,゚) (゚,, ) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |>235の人へ。単語がカタカナに偏るのは世界史なので勘弁を… \___________∧_____ / |教授の話の長さ、身近な比較は考えます。感想有り難うございます \________________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 知らない、知らないぞ! | ヒトラーが戦争したくなかったなんて! \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ヒトラーも軍人出身だから、 | 「戦争はやりたくない」 | と言うのが本心ではないかと思うんですが・・・ \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
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>>280 >>281 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 単に、「この時点で」、「ヨーロッパ全てを巻き込む」戦争をやりたくなかっただけの話です。
| 戦争そのものをやりやくなかったとは一言も言った覚えがありませんが…
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| 来るべき大戦争に備え、国力増強のために「戦争するぜ?」と脅してきた。
| そうしていると、どうも本当に大戦争が起きそうにな情勢に。
| 「やべぇ、まだ早いって!」と焦るヒトラーってとこか。
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| 負けると分かってる戦争を、自分からやりたがるヤツなんていない。
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>>278 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| この時点では、「思いつきで行動して、それが結構当たっちゃって、俺スゴイんじゃね?」と思ってる人でしょうか。
| 軍が「そりゃムリですぜ、総統!」と言っても、ヒトラーは「いや、いける!」と言いながら強引に実行。
| それが、実際に上手く行ったというケースが連続で続いちゃったんですよ。
| ヒトラーは軍を軽んじるようになっていって、自信を無くした軍もヒトラーの言葉に従うように。
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| ホァ――ッ! ホァ――ッ!
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| ヒトラーが本格的におかしくなってくるのは、負けがこんできてから。
| あと軍の方の失敗も、かなりの部分ヒトラーになすりつけられてるのも忘れちゃいけない。
| だからといって、「ヒトラーは悪くない!」なんて主張するつもりは1mmもないがね。
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3/3 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 臨時講義は、イラク戦争というよりも「アメリカ」についての講義ですね。 | 湾岸やイラクは、後の講義でじっくりやりたいと思っています。 \__ __________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんで俺、たまに奇声あげてるの? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 特に喋る事がなかったんだろ。 \_______________
どの教授方も乙!ところで、誰かゾロアスター教についての講義 をやってくれる人は居ませんか?
興味をもってるんなら、この際自分で調べて講義してみては? 日本じゃ有名な宗教じゃないし、詳しく知ってる人がここにいるか分かりませんし。
「教義」を知りたいのか 「成立過程や社会・文化的影響」を知りたいのか それによって講義内容も変わるわな。 とはいえ俗に「世界初の一神教」と言われているし マツダのクルマがインドで売れる理由だと言われているし(w) …スマン、Macintosh使いでしかもAA描いたことのない俺にはできん。
>>282 「えー、そんな経緯学校で習ってねーよー」
という言葉を暗に言っただけだったのですが・・・
誤解させたようで。スマソ
289 :
287 :2006/01/14(土) 13:34:03 ID:t0xlLKmV0
うわ、講義録にまんまマカー用AA講座があったんだorz
>>285 テンプレコピー&ズレまくり&今月末でもいいなら
俺がやってみてもいいか?
サー!「やってみてもいいか?」は違うのではないかと上申いたします!! そこは「やるぜ!」がふさわしいかと!!サー!
>>287 〃 i, ,. -‐
r' ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈 / や
! :l ,リ|} |. } / . っ
. {. | ′ | } l て
レ-、{∠ニ'==ァ 、==ニゞ< | く
!∩|.}. '"旬゙` ./''旬 ` f^| | れ
l(( ゙′` ̄'" f::` ̄ |l.| | な
. ヽ.ヽ {:. lリ | い
. }.iーi ^ r' ,' ノ か
!| ヽ. ー===- / ⌒ヽ ?
. /} \ ー‐ ,イ l
__/ ‖ . ヽ、_!__/:::|\ ヽ
( ・∀・)ゝ
>>290-291 不肖287、いただきました!
そして文字レスすまんかった。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | イマイチよくわからない(本当はもっと早く聞くべきだった)のだが、 \__ __________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ 彼はナニモノ? iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //|←彼 | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ===============
寄生獣なつかしいな。読みたくなってきた。
講義のクオリティかなり高いな、モナー板とは思えん(失礼)
1/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |今度の講義はクルド人について。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 湾岸戦争史補講その1 イラクの諸勢力について(2) ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |補講はこれで最後だよな…? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |予定では。 \________________
2/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |まず、中東の民族構成からいきましょうか。 |中東の大民族は4つ存在するんですが、クルド人はその一つです \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ アラブ人:二億九千万程度 トルコ人:五千万以上 ペルシア人:四千五百万程度 クルド人:三千万程度 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |程度とか以上とか…なんであやふやなんだ? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |何処までをその民族とするか、年度の違いもある。目安程度に思ってくれ \________________
3/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |大人口を誇るクルド人ですが…彼らは祖国を持たない民です。 |これほどの規模の民族が国を持たないのはきわめて異例な事と言われています \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 世界には194ヶ国の国があるが、クルド人が国を持つ(クルディスタンと呼ぶ)と 世界第38位、中東では第4位の人口を持つ事になる ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |こう見ると異常だな。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ところで何処辺りに住んでるんだ? \________________
5/19
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|何故こうなってしまったのか?歴史に触れましょうか。
|彼ら自身の伝承は、紀元前8世紀のメディア王国の末裔がクルド人である、としています
\__ ________________
━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━
メディア王国
http://www.infonet.co.jp/ueyama/ip/episode/img/media.gif ,__
iii■Λ /
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|本当なのか?
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|…かなり怪しい、が反論の証拠も無い
\________________
6/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |信頼できる資料がある時代では、彼らは国を持たない放牧の民とされています。 |…で、昔から余り良く思われていませんでした。 |放牧の民でありまつろわぬ者だった事、それにしては農業民族の地域に近かったこと |非常に勇猛な事、辺りが原因でしょうね \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ クルド人の正体についてこう他国では書かれた 奴隷の子孫 悪魔の末裔 悪を成して追放された者たち ソロモン王の宮廷に向かう途上で悪魔どもに強姦された四〇〇人の乙女の子孫 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ちょ、最後とか \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |悪魔の子供だ、って言いたいんだろうな \________________
7/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |部族の絆が強くクルド人という自覚が薄い彼らは統一国家をとうとう作りませんでした。 |クルド人という範疇では大英雄が現れたんですが、それはアラブ人にとっての話。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ サラーフ=アッディーン(1138-1193) 日本や欧米ではサラディンと呼ばれるイスラムの大英雄。 十字軍を迎え撃ち撃退、エジプトでアイユーブ朝を作り上げた。 正義の人物かどうかは権力を握る行程見ると怪しいが、寛容な人物というのは間違い無い ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |そんなに大英雄だったのか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |あの時代でイスラム、キリスト両世界で好意を持って語られる唯一の人物。 |ダンテの「神曲」で天国側に居る唯一の中東の人間だな \________________
8/19
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|サラディンの時代から過ぎ去ること7世紀。
|当時中東を支配していたオスマン=トルコの支配は揺らぎつつありました。
|クルド人達は独立を目指し、密かに西欧諸国と接触し始めます
\__ ________________
━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━
当時のオスマン・トルコの領域
ttp://eurekajwh.hp.infoseek.co.jp/kougi/kougi/nisiA/ot/02.gif ,__
iii■Λ /
━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━
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| | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
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し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛
 ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧==========
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|反乱行為じゃないかソレ?
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|当時のオスマン・トルコはそれほど弱っていたんだ
\________________
9/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |独立運動をしては潰され、が続きましたが、 |オスマン・トルコは第一次世界大戦でドイツ側に参戦、敗戦。 |オスマン・トルコ領は分割される事になり、会議が開かれます。 |「チャンス!大チャンス!」クルド人は交渉を強化、ついに |オスマントルコ分割条約・セーヴル条約に「クルディスタン条項」を入れさせる事に成功します \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 第三節六二条から六四条にクルディスタン独立を明記 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |おー、これで晴れて独立国だな! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |だったらクルド人問題なんて存在しないだろう? \________________
10/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |そう。余りにも厳しすぎる内容にトルコ国民は猛反発。 |実はこの前に既にトルコ中部の都市・アンカラにはセーヴル条約に調印した皇帝とは別の政府・ |トルコ共和国政府が誕生していました。トップはケマル・パシャ。 |セーヴル条約に怒ったトルコ人の手でアンカラ政府は急成長。 |トルコを蹂躙し長年の恨みを晴らさんとしていたギリシャ軍を逆に地中海に叩き落とし、 |帝国首都イスタンプールを奪取してしまいます \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━ ケマル・パシャは兵器の人の40回兵器史・3コマ目の立役者にしてトルコの大英雄 非常な親日家で、トルコが親日国なのは彼のお陰 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ケマルTUEEEE!!! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ケマルは間違いなく20世紀最高の軍人・政治家の一人だ \________________
11/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |強いギリシャ軍、トルコはズタボロを大前提にしていたセーヴル条約は無意味になってしまいました。 |セーヴル条約は当然のように破棄され、ローザンヌ条約が結ばれます \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ トルコの喪失領土は大幅に減少。 クルディスタンも当然無し! ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |単なる夢で終わっちゃったのか…元の木阿弥だな \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |それでは済まなかったんだよ前ギコ \________________
12/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |敗戦国で領土も(少し取り返したとはいえ)大分減り、政治体制も変わったトルコには |スローガンが必要でした。そこで生まれたのが… \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 単一民族国家トルコ! ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━ ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ちょ、待て、クルド人は? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |… \________________
13/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |クルド人?わがトルコは単一民族ですよ。そんな民族居ません。 |東の山がちなトコに住んでる人たちは誰だって? | 山岳トルコ人です。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ クルド人は存在自体が否定され、弾圧を受けた。(ディルシムの虐殺では数千人が殺されたと言われる) クルド人はテロで対抗したが、それが更なる弾圧を招いた事実は否定し難い。 又クルド人間での抗争も多かった。 但し、EU加盟を目指すトルコは人権問題批判を受けており最近では急速に改善されている ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |トルコはクルド人を独立させる気はあるのかな? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ある訳無いだろ?さてトルコはここまで。次は本題のイラク(とイラン)だ \________________
14/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イラクにおいては独立当初からクルド人による武装独立運動が展開されていました。 |但し当初はそこまで大規模な戦闘だった訳ではなく、大きな虐殺もありませんでした。 |バラバラな勢力の寄せ集め国家だった為、巨大なクルド人集団を本格的に相手にする基盤が無かったんです \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |そういえばクーデターばっかやってたな \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |国としての基盤自体が整っていなかったんだ \________________
15/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |無論摩擦が無かったわけではありません。 |特に石油都市・キルクークは摩擦のタネでした。 |昔からのクルド人の主要都市だったキルクークは、石油が出てからは |アラブ人の移住が相次ぎ、混在地域となっていたのです \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ キルクーク Kirkuk 世界有数の大油田を擁し、人口75万を数えるイラク北部有数の大都市 クルド人およびトルクメン人の暮らす都市、であった。 クルド人悲劇の地であり悲願の地となったがそれは未だ先の話である ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |何があったんだ… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |次回講義…で届く…かなあ? \________________
16/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イラン=ペルシアもやっぱり状況は同じ。一時期ソ連のペルシア侵攻で |45年12月に傀儡国家クルド人民共和国が建国されましたが、ソ連の撤退によりアッサリ一年で潰れました \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |大国に翻弄されてるな…てか全部の国で独立闘争してんのか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |その通り。クルド人の押し付け合いが始まった \________________
17/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |その後のクルド史は読んでるこっちが混乱してきますよ。 |クルド人同士の抗争、自国のクルド人を弾圧しながら他国の反政府クルド人集団には援助… |何だかんだやっている内にイラクでフセインが実権を握ります。 |当初フセインはクルド人の協力を取り付けようと懐柔姿勢を見せました \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |最初は懐柔しようとしてたのか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |利用されるだけだと見抜いたクルド人は全く同調しなかった \________________
18/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |従わないなら死んでしまえ! |フセインは対クルド弾圧を始め…物凄い勢いでエスカレート。 |クルド史最大の弾圧が始まったのです。 |因みに当時のクルド人の三大勢力 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ KDP:クルド民主党 フセイン前のイラク政権とはソコソコ友好的、PUK&PKKとは敵対、反イラン PUK:クルド愛国同盟 親イラン反イラク、反KDP親PKK PKK:クルド労働者党 トルコが本拠地。親PUKだがぶっちゃけテロリスト集団に近い ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |…少しは仲良くなれよ。同じ民族なんだから \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |同じクルド人って意識より部族意識の方が強いんだよ \________________
19/19 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |この後クルド人はどうなるのか?それは次のイラン・イラク戦争で語ることにしましょう。 |以上クルド人講義でした \___ _____________ ━━━━ ∨ ━━━━━━━━━━━━ 支援THX! ,__ B■Λ / (,,゚Д゚) / ━ ⊂ つ ━━━━━━━━━━━━ ┌───┐ ΛΛ ΛΛ │ |( ,,゚) (゚,, ) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |イラン・イラクの分量がどれだけになるか怖いよ \___________∧_____ / |何時になったら湾岸戦争始まるの? \________________
講義&前スレ埋めGJ
318 :
( ´∀`)さん :2006/01/15(日) 19:30:58 ID:Uy9xYQ7/0
いま398KBだったか?
1/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 今回は神様として祀られる人について。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 日本神話 番外 そして彼らは祀られる ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 何このコマ数。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | これ以上縮められない。 \____________________
2/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 祖先崇拝という言葉があります。文字通りご先祖様を敬う事で、世界中にある原始的な信仰です。 | ご存知の通り日本にもありますが、日本には独特の祖先崇拝の考えがあります。 | それは「人は死ぬと神になる」というものです。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 人が神に…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日本の神をキリスト教やイスラム教の神と同一視すると理解できない、超多神教国家の神秘。 \____________________
3/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まずは日本の神の格について説明しましょうか…… | イエスやアラーは広い地域で一柱だけ信仰されるので、全地域をカバーするため人なんか足元にも及ばないものすごい崇高な存在となるのですが、 | 日本には全国に神様がおり、地域に密着してるので、人との繋がりが親密なんです。そういうわけで人とあまり差がありません。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 格の違いの度合い イエスやアラー>>>>>越えられない壁>>>>>>>八百万の神々>人 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | いまいちわからん。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | イエスやアラーを"神"と表すのがそもそもの間違いだしな…… \____________________
4/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 例えば……イエスやアラーが世界的な大企業の社長とすれば、日本の神は地域の中小企業の社長、むしろ自営業といった感じでしょうか。 | 普通の人にとって、世界で活躍する大企業の社長なんて知ったこっちゃないですが、近くに住んでる自営業の人は顔見知りだったりするでしょう。 | そしてそう簡単に大企業の社長になれないのに対し、自営業はその気になれば簡単になれるように、 | キリスト教やイスラム教では人が死んでもイエスやアラーにはなれませんが、日本では人が死ぬと神になれるんです。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 格差が凄まじいな…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 一神教は唯一神が全ての人をカバーしないといけないからな。 \____________________
5/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 死んだ人の魂を一般的には"霊"と呼びますが、神霊という言葉があるように、神も霊もほぼ同義。 | 八百万の神々は自然の中に宿るものですが、人も自然の一部と考えているので、人に宿る魂も神なのです。 | 「人は神の子である」っていうのは、「神が人を創造した」とかではなく、そのまんまの意味です。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 神(霊)は自然の中に宿るものである。 人間は自然の一部である。 だから人間に宿る魂も神(霊)である。 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ということは人に限らず、どんな生き物も死んだら神になるんだな。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 「天皇は現人神である」なんていうのも、神であることそのものは大して凄いわけじゃない。 | 死ねばみんな神になるけど、生きてる間に神になったのが凄いんだよ。 \____________________
6/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 肉体を失って人から神になった魂――ややこしいのでこれ以降は"霊"と呼びましょう――は、 | 日頃は生きてる人に無関心なのですが、子や孫が気になるので、たまに姿を現したり、守ってくれたりします。 | そういうわけで、人々は死者を大切にするのです。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 守護霊とか、草葉の陰から見守るってそういうことか。 \__  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
7/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | で、大抵の霊は墓を作って供養するだけなのですが、 | 生前に何か大きなことをした人や、もの凄い力を持つ霊は神社に祀られ、多くの人々に信仰されます。 | その辺に居る"霊"から"神様"へ格上げされるわけですね。 | 前置きが長くなりましたが、今回はこの「神様となった人」について。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | やっと本題かよ。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 前置き長い…… \____________________
8/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 人が祀られる場合、大体三つに分けられます。順番に説明しましょう。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 人が祀られる三つのパターン 一、もの凄い祟りを起こす怨霊を鎮めるため 二、英雄の功績を称えるため 三、権力者が死後も自分の権力を誇示するため。 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 三つもあるのかよ。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | いつまで続くんだ…… \____________________
9/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まず一つ目の「もの凄い祟りを起こす怨霊を鎮めるため」。 | 霊=神なので、霊は生前にはなかった超能力、すなわち神通力を持っています。 | そして生前に恨みなどの不平不満があると霊が祟り神、いわゆる"怨霊"となって災いを起こすんです。 | 大抵は御祓いしたり原因を解決すれば鎮まるのですが、恨みがあまりにも大きいと御祓いじゃどうにもできず、 | 神社に祀って皆で拝み、怒りを鎮めてもらうんです。 | これを怨霊信仰ともいい、祟りをなくすために祀るという性質上、自然神に近い形の信仰です。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 怨霊の怒りを鎮めるためにヨイショする。 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 人が祟るなんて本当にあったのか? \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 人が死んだ後に、悪い事が連続で起こったりすると直接関係はないのになんとなく関係あるような気がするだろ? | そういう思い込みみたいなものがあっただろうな。 \____________________
10/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この怨霊信仰に代表されるのは、菅原道真。 | 平安時代の優れた学者で、詩人、政治家でもあった彼ですが、 | 死後は日本最強の怨霊となり、祀る神社の数はおよそ一万二千社、全国第四位の大勢力となっています。 | 彼が何故祀られるようになったか、その経緯についてかたりましょう。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 菅原道真(すがわらのみちざね)845-903年 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 人を祀る神社が全国四位…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まぁ、社の数と怨霊についてはあんまり関係ないんだけどな。 \____________________
11/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 道真は中流貴族の菅原氏の家に生まれました。幼少の頃から既に詩歌の才に目覚め、 | 僅か五歳で和歌を詠み、十歳を過ぎた頃には漢詩を創作し、神童と称されました。 | 十八歳で文章生となり、二十三歳で文章得業生、 | 三十三歳にはついに菅原氏が代々就いている文章博士に任じられ、学者としては最高の栄誉を得ます。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ・文章生(もんじょうせい) 平安時代の大学。中流以下の貴族でも官史になれるように設けられた制度。 入試に合格して文章生となり、推薦によって文章得業生となった者だけが論文試験を受け、 合格すれば博士となる。論文試験に合格すれば、必ず官史に就けた。 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 今で言う教授みたいなものか。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 揚げ物ににこだわりは無かっただろうけどな。 \____________________
12/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 当時、中央では皇室と血縁関係にあった藤原氏が権勢を振るいつつありました。 | 時の権力者の宇多天皇は藤原氏を牽制するため、優れた学者である道真を片腕として重用します。 | 宇多天皇からの厚い信任を受けた道真は様々な役職を兼任し、昇進を続けました。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 東大卒が出世街道まっしぐらってか。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 当時藤原氏に強力な人材が居なかった事もあって、道真は活躍した。 \____________________
13/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | しかし……そんな道真の栄進にも終わりが来ます。 | 宇多天皇は藤原氏に政権を牛耳られないようにするために上皇となり、醍醐天皇に譲位したのですが、これが裏目にでました。 | 何かと口うるさい道真を醍醐天皇は嫌い、馬があう藤原時平に傾いていったんです。 | ついに醍醐天皇から皇位を奪おうとしたという濡れ衣を着せられ、右大臣の地位を没収。 | さらに九州の大宰府(福岡)へ左遷され、四人の息子たちも流刑となりました。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 宇多天皇の思惑が息子のせいで崩れたんだな…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 醍醐天皇や藤原氏だけじゃなく、当時の有力貴族は道真に反発してた。出世を続けてる道真に権力が集中するのを嫌ってたんだ。 \____________________
14/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 道真は都を去るとき、板書の歌を詠いました。 | そして大宰府で半ば軟禁状態の失意の日々を送り、病に伏してそのまま病死します。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 東風(こち)吹かば 思いおこせよ 梅の花 主無しとて 春な忘れそ (東の風にのせて、お前の香りを私に運べよ梅の花。主の私がいなくても、春を忘れるんじゃない) ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 稀代の宰相は才能を疎まれて死んだ…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この歌に詠われている梅の木は、道真が無くなると彼を慕って空を飛んで彼の墓の側に移ったという伝説がある。 | この梅を「飛梅」といい、今もその梅の子孫が福岡に生えている。 \____________________
15/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | が……道真の死後、都では様々な災いが起こるようになりました。 | まず左遷のきっかけを作った主役の藤原時平が死去、その次に右大臣の源光が亡くなりました。 | また道真を庇おうとする宇多天皇を邪魔した藤原菅根が変死、さらには醍醐天皇の息子や幼い孫までも亡くなってしまいます。 | 極めつけに天皇の宮殿に雷が落ち、たくさんの人々が雷に落雷で死亡する事件が発生。 | 醍醐天皇はこれに衝撃を受け病に倒れ、三ヵ月後他界しました。 | 人々は道真が雷神となり、自分を陥れた者とその縁者を恨み、祟ったのだと噂しました。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | もう、偶然なんてもんじゃないな…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | この人為的に選ばれたとしか思えない不幸の連続が、道真が最強の怨霊と呼ばれたる由縁だ。 \____________________
16/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | その後道真はその怒りを鎮めるために北野に祀られて天満(そらみつ)大自在天神という神号を与えられ、初めて人が"霊"から"神様"となりました。 | やがて怨霊として祀られる事はなくなり、人々に恵みをもたらす様になって行きます。。 | 神号から道真を「天神」とも呼び、生前優れた学者であったことから学問の神様として広く信仰されています。 | これを天神信仰といい、現在も全国の天満宮には、多くの受験生が合格祈願に参拝しているのです。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 天神様を祭る神社を天満宮と呼ぶ。 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 怨霊として怖れられた道真は、神様となって人々に親しまれるようになったのか。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 最強の怨霊でありながら、神様となった霊の中で最も信仰されているんだ。 \____________________
17/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 二つ目、「英雄の功績を称えるため」。 | 今日までの歴史の中には天皇に歯向かう逆賊と呼ばれた者たちがいるのですが、 | 同時にそれに立ち向かい、天皇の為に尽くす者もいました。 | 彼らは英雄と称えられ、死後もその功績を後世に伝えるために神社を建て、神様となるのです。 | この英雄信仰を顕神信仰ともいいます。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 偉人を人々の心の中に記憶するため ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ちゃんと偉大さから神様になった人もいるんだな。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日本の神様は自然神も含めて祟り神が多いから、少数派だけどな。 \____________________
18/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 神様となった英雄といえば、楠木正成。鎌倉末期から南北朝時代に活躍した武将です。 | 彼が残した「七生報国の誓い」は、大日本帝国国民のあるべき精神として戦前の教科書に載っていました。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 楠木正成(くすのき まさしげ)1294-1336年 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 聞いたこと無いぞ。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 七生報国の誓いが今の日本には好ましくないんだろうな。 \____________________
19/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 鎌倉幕府が没落しつつあった頃、朝廷の後醍醐天皇は反乱軍を率いて | 政権奪回を企て、朝廷側の挙兵を聞いた楠木正成は反乱に参加します。 | 後醍醐天皇が囚われ流刑に処されても正成は奇策を駆使して奮戦し、 | ついに鎌倉幕府を滅ぼしました。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 大木を落としたり、人形に甲冑を着せて敵を誘き寄せる、 また山伏の情報網を使って臨機応変に作戦を立てるなどゲリラ戦術家だった。 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏╋━┫ ┏╋━┫
20/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | しかし倒幕後に後醍醐天皇が始めた建武の新政が失敗、 | 足利尊氏が反乱を起こし、京都に進軍します。 | 正成は朝廷側に付き反乱軍と戦いましたが、湊川の戦いで敗北。 | 弟と刺し違えて戦死したといいます。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ・湊川の戦い(1336年) 現在の兵庫県神戸市で起こった、 足利尊氏の反乱軍と、後醍醐天皇の朝廷軍の戦い。 この戦いで朝廷軍は敗れ、尊氏は光明天皇を推して北朝を興こし、 南北朝時代が始まる。 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 英雄死す、か。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 正直言って、この戦いに勝てる見込みは無かった。 | 後醍醐天皇は政治の失敗で信用を失い、多くの武士が反乱に参加していたんだ。 \____________________
21/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 圧倒的な戦力差に敗北は目に見えていながら、正成は天皇の命令を守って戦いました。 | 最後まで天皇の忠臣として戦い散った彼は、「七生報国の誓い」という遺言を残しました。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ・七生報国の誓い 七度生まれ変わっても、天皇の為に戦うという誓い。 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 最後まで主君を裏切らなかったんだな…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 非業の死を遂げた正成の生き様は、 | 第二次世界大戦時には死ぬと分かっていても戦うのが忠誠、と飛躍してしまったんだけどな。 \____________________
22/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 正成の死後には南木神社が建てられ、後醍醐天皇自らが彫刻した正成像が祀られるようになりました。 | そして後醍醐天皇の息子からは「南木明神(なぎみょうじん)」の神号を賜ります。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏╋━┫ ┏╋━┫ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 正成は初めて偉業から神様になった人物なんだ。 \____________________
23/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 神様となった正成でしたが……南北朝時代が終わり室町幕府が始まると、一転して逆賊となってしまいます。 | 正統な朝廷であるという証拠を持っていたのは尊氏が建てた北朝で、結局南北朝時代を征したのも尊氏だったんです。 | その汚名を返上したのが子孫の正虎。戦国時代、織田信長に仕えていた正虎は正成の逆賊の取り消しを朝廷に願い出ます。 | 信長の取り成しもあり、正親町天皇の勅令でやっと汚名を晴らしました。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | よく取り消してくれたな。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 当時の政権は一応足利氏の室町幕府だったから、 | 逆に足利氏を逆賊にして幕府を潰す理由の一つしたかったのかもな。 \____________________
23/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 江戸時代に入ると、正成はどんどん神格化されていきます。 | 水戸黄門こと徳川光圀の「大日本史」は南朝の正統性を広め、 | 幕末には尊皇の鏡として倒幕を目指す志士たちの信仰を集めました。 | そして明治維新後、正成の忠義を後世に伝えるため明治天皇の勅令によって | 正成の墓地に湊川神社が創建されたのです。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 死後数百年経って、やっと英雄として輝いたんだな…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ただ尊皇の象徴とされるせいか、 今じゃ知名度が低い。 \____________________
24/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 最後、「権力者が死後も自分の権力を誇示するため」。 | 文字通りですね。権力者が死して直ぐ神様となるために神社を建て、 | 後世にその権力を知らしめるためのものです。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 自慢のため ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 古墳みたいなものか。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 神様になって自らを守護霊とすることで、一族を守護するという意味もある。 \____________________
25/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 性質上、有名な人が多いです。例えば豊臣秀吉。 | 天下人となった秀吉は死後も天下にその力を知らしめ、豊臣一族を守護するために神様となります。 | 秀吉の死後、彼の墓地には豊国(とよくに)神社が建立され、 | 天皇から豊国大明神という神号が与えられました。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)1536-1598年 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 神様になろうとした権力者……ってなんかニュアンスが違うな。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 死んだ後なるわけだしな。 \____________________
26/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 更に秀吉は生前に大仏殿まで建立し、奈良の大仏を超える大きさの大仏を造ったといわれていますが、 | 開眼供養の前に地震で破壊、再建したものも災厄で失われ、 | 今日まで残っているのは豊臣家滅亡のきっかけとなった大鐘だけです。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 神様になろうとしたのに仏を……? \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 神仏習合って奴だ。 \____________________
27/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | しかしこの大鐘に書かれている『国家安康 君臣豊楽』の文字を口実に徳川家は豊臣家を攻撃、 | 大阪の陣で豊臣家は滅亡してしまいました。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 『国家安康 君臣豊楽』 国家安康は家康の名前を貫いてて不吉だ! + 君臣豊楽は豊臣を誉めている! | | ぶっ殺す! ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ;) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | いいがかりじゃないか。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | うん、いいがかり。 \____________________
28/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 新しい政治が始まると、前体制は非難されるもの。 | 豊国神社は破壊され、神様としての秀吉は消滅しました。 | しかしその250年後に明治政府が反幕府の象徴として秀吉を持ち上げます。 | 明治政府によって神社が再建され、豊国大明神も蘇って現在に至ります。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 正成といい、政治によく利用されるな。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 神様の政治利用は昔からよくあることなんだ。 \____________________
29/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 人は祟り、あるいは功績によって神様となります。 | しかし彼らの多くは自ら成ったのではなく、最終的には死後残された人たちが彼らを神様にしました。 | その恐ろしさや尊敬によって、人々の心の中で永遠に生きる者だけが神様として祀られるのです。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | "神"になるのは簡単でも、"神様"として人々に愛されるのは難しいんだな。 \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 恨み、忠義、欲……強い思いが、人を神様にするんだ。 \____________________
30/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | さて、今回解説した信仰の他の神様をいくつか紹介しましょう。 | ……質問はありますか? \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ 一、祟り神 首塚で有名な関東の武士 平将門 二、英雄 日露戦争で日本を勝利に導いた救国の英雄 東郷平八郎 三、権力の誇示 豊臣を破り、250年の太平の世を築いた 徳川家康 ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 靖国神社について知りたいんですけど。 \__________________
31/31 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そうですね……次回は最近世間を騒がす靖国神社について説明しましょう。 \_ _________________________ ━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (,,゚Д゚)/ ━ | つ ━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄| ∧∧ ∧∧ | | (゚ ,,) (゚ ,,) ===========⊂┏━┓==⊂┏━┓======= (┃ ┃ (┃ ┃ ┏∧━┫ ┏╋━┫ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 長かった…… \__ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 次回は短く済みますように…… \____________________
351 :
( ´∀`)さん :2006/01/15(日) 23:34:46 ID:o9W80Pr/0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 神話の人、湾岸戦争の人、講義乙です | | 金曜日に行ったばかりの豊国神社が講義に出てきたんで | さらに神話に親近感を覚える今日この頃・・・ \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
下げ忘れスマソ・・・
講義乙です! >297-315 湾岸戦争の人 分断された民族・・・ユダヤ人と似て非なるものなのでしょうか? それともアラブ諸国ではどっちも腫れ物のような扱いなのかな・・・ >319-350 神話の人 言われてみれば、死後神になった人という話にも全然違和感を感じませんね。 一神教圏の人にとっては違和感バリバリなんだろうなあ・・・  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) ダカラコソ ジャパニーズホラー ガ ウケタ ノカモ シレマセンネ… φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
皆様講義乙です。 神ではないけどむこうだとキリスト教の聖人が、 近い感覚なのかしらと思ったり。  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) ジブンノシゴ キセキヲ スウカイ オコシテ ミトメラレマツラレル… φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
ふむぅ・・・ 感心する講義だ。 靖国、楽しみにしてます
1/8 兵器史(ニセ)講義予告 ____ __ ____ ____ .___ __ / | / //____//_ _/ /___| / / / | / ./____ / / .___ / / / /| |/ / .// ____/ / / / _ | / / / / .| // // /___ ./ / / / | | / /___ / .┏━━━━┓ / / / / / | |/ / ./ /.┃ ┏━┓ ┃  ̄ ̄ ̄  ̄  ̄  ̄ ̄ (・) |ヽ ̄ /.._/..┃ ┃ ┃ ┃ ┏━┓ ∧∧ 《 /| < 語呂悪いな… ┃ ┗━┛ ┃ ┃┏┛ ∬ (,,゚Д゚) /_ Vレ' ┃ ┏━┳┻━┳━┳┛┗┳━━┳U-U┳U-U┳━━┳━━┓ ┃ ┃ ┃ ┏┫┏╋┓┏┫⊂⊃┃ ━┫ ━┫┏┓┃ ┏┛ ┃ ┃ ┃ ┃┃┗┛┃┃┃ ━╋━ ┣━ ┃┗┛┃ ┃ ┗━┛ ┗━┛┗━━┻┛┗━━┻━━┻━━┻━━┻━┛ iii■∧. iii■∧. ┏━━━━┳━┳━┓ ┏━━━━┓_ (,, ゚Д゚)ミ,, ゚Д゚.彡 ┃ ┏━━┫ ┃ ┃┏━┫ ┏━┓ ┃■∧ (| |つミ ミつ ┃ ┃┏━┫ ┃ ┗┛┏┫ ┃ ┃ ┃゚ー゚*)____ | | ミ .ミ ┃ ┃┗┓┃ ┃ ┏┓┃┃ ┃ ┃ ┃ つ[SOLID 3] 〜| |〜ミ .ミ ┃ ┗━┛┃ ┃ ┃┃┗┫ ┗━┛ ┃ ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ . U U U U ┗━━━━┻━┻━┛┗━┻━━━━┛´ − C R O Q U E T T E E A T E R −
2/8 新たなる敵―― ━━━┳━━━━━━━━━┳━ ∫∫∫┃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;┃ ∫∫∫┃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;┃ ━┳━━━━━━━━━┳━━━ ┃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;┃ ┃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;┃∫∫∫γ::::::::::::::: ヽ ┃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;┃∫∫∫;':::::::::::::: ○ ○ i; ┃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;┃ 0 0 0i::::::::\|/ i; γ ヽ i::::::::/|\ 、 ノ ,' `; ヽ.::::::::::: `ー――― / ;' ○ ○ ;, ザ・ロースカツ i ┌─┐ ━━━┳━━━━━━━━━┳━ i │ │ ∫∫∫┃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;┃ i | 丶 ∫∫∫┃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;┃ ヽ. ノ ̄ ̄ ̄ヽ 0 0 0 ┃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;┃ 彡;:;: ミ, ザ・コロッケ 〜三;:;::::: 彡 (・) |ヽ ~三:;:;:;::::: ○ ┌─┐ ○ 三~~ ∧∧ 《 //| ~彡::;:;:;:;.. │ │ ,三~~ (,,゚Д゚) /_ V/レ' ~~彡;:;:;:;... ノ | ,ミ~~ /⊂ ヽ /⊂ ヽ ~~彡:;:;:;:;::;. ノ ̄ ̄ ̄ヽ ---ヾ .√ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛ || ━┳┛ ザ・メンチカツ ===∧========== / ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 揚げ物部隊は、戦場で抱く様々な揚げ物の名前を持ってるらしいぞ。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ザ・ロースカツには人類じゃ勝てそうもないが。 \_________________________
3/8 そして、恩師との別れ―― / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | …ザ・コロッケ!! \__ ______ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ;;;;;⌒) /;;;;;;;⌒;;;;) ;;;;;;;;;;;;;;从/⌒) (・) |ヽ ;;;;;;人;⌒/;;;;;)/━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| ⌒;BOMB!!;;;/ (゚Д゚;) /_ V/レ' ;;;;人从;;;;;;;;;;;从/⌒) /⊂ ヽ /⊂ ヽ ;;;;;从⌒;;;;;;;/;;;;;;;⌒;;;;)√ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ;;;;;;;从;;;;;;;;;人;;;;⌒;;;;;;;;;;从;) ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | うわっ! ここで爆発するな!! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | シンイチ、つめたい。 \_______________
4/8 任務、そして危機―― /o二二⊥ ∠=√´∀`) ,,,,,,,,,,,, // / [|,,,★,,|,] し≠∩ヨ===┯ ミ゚Д゚,,彡 /o二二⊥  ̄ ̄ ̄ ┯==∩=⊂ン~ )ニヌ ∠=√´∀`) (・) |ヽ  ̄ ̄ ̄ i==|=[]j // / 《 //| ∧∧ /_/ヽ___i,,, し≠∩ヨ===┯ /_ V/レ' (,, ゚Д゚),_,,_,. し'[|,,,★,,|,] /o二二⊥  ̄ ̄ ̄ ( ) .| つi!!‐´ ミ゚Д゚,,彡 ∠=√´∀`) | | 〜| | ┯==∩=⊂ン~ )ニヌ // / し`J し`J  ̄ ̄ ̄ i==|=[]j し≠∩ヨ===┯ ∧ /_/ヽ___i / / ゝ  ̄ ̄ ̄ / ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \) (__)\_) | どうする、シンイチ? \___ ∧ / ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | すっかり囲まれちまったみたいだな…! \_________________
5/8 窮地、そして恩師の教え―― 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (前ギコ… CQCの基本を思い出して) ノノノノ (゚∈゚ ) ミヽ ♯♯⌒\|⌒\ \(℃// ̄ ̄) )ミ 彡ノ / ̄彡ノ ゝ_ |/\ 彡彡彡\ ) |_||_| ( / (/(/ ノミ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜○〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ∠=√´∀`) (・) |ヽ 。 i==|=[]j // / 《 //| ∧∧ /_/ヽ___i,,, し≠∩ヨ===┯ /_ V/レ' (;゚Д゚),_,,_,. し'[|,,,★,,|,] /o二二⊥  ̄ ̄ ̄ ( ) .| つi!!‐´ ミ゚Д゚,,彡 ∠=√´∀`) | | 〜| | ┯==∩=⊂ン~ )ニヌ // / し`J し`J i==|=[]j し≠∩ヨ===┯ ∧ /_/ヽ___i / / ゝ  ̄ ̄ ̄ / ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ し' \) (__)\_) | あんた、誰…!? \________
6/8 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (与えられた任務、それは最愛の人を殺すこと――) (⌒\ ノノノノ \ヽ( ゚∋゚) (m ⌒\ ノ / / ( ∧∧ ミヘ丿 ∩( ) < ちょ… もう意味わかんねぇ!! (ヽ_ノゝ _ノ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ,,,,,,,,,,,, ∩[|,,,★,,|,]∩ /o二二⊥ ニ_ ̄ 二== |_ミ,,゚Д゚彡/ ∠=/;´Д`) (・) _,,,,-−ーヽ, ,,,;;;;-‐‐'''''゙゙゙゙_― =- ―=―∴;; ,., // / 《 /"" ___ノ __∠-‐''''' _二 ̄=[]/・, ,' し≠∩ヨ===┯ /_ V,, ‐'''"゙゙t' ,,,;;;;-‐‐'''''゙゙゙゙=―(_/l / ' ,; ` /o二二⊥  ̄ ̄ ̄ ( ) ` ー−〜''''''^-‐''''' ,,,,,,,,,,,, し' " ∠=/;´Д`) | | [|,,,★,,|,] // / し`J ミ゚Д゚;彡 し≠∩ヨ===┯ ┯==∩=⊂ン~ )ニヌ / / ゝ i==|=[]j (__)\_) /_/ヽ___i し' \)
7/8 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そういう訳で、ふゆやすみ特別講義もとうとう本格スタート! | いよいよ勃発した第二次世界大戦! 兵器史講義は、ますますヒートアップしていきますよ!! \__ ____________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | またウソ予告か!! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そんな事を言いつつも、1〜2週間はちょっと講義できないんだけどな。 \_____________________________
8/8 そして、ついにあの男が還ってくる―― ゞ; ヾヾ :ヾ:::;ゞヾ ゞ;ヾ:::;ヾ:.ヾ ,__ | |/ |ヾ:ヾ : B■∧ | / ;i; . . . (::::: ) | | く::: ,.ゝ | | ノ::: イ| ωωωωωωωωωωωωヽ,.くノJ ωωωωωωωωωωωωωω ψψψψψψψψψψψψψψψψψψψψψψψψψψψψψ − C R O Q U E T T E E A T E R − Coming soon...
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日本と外国の神感が出てきたので追加を。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 宗教観やらなにやら。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 宗教か…お前何教? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 寺に先祖代々の墓は一応あるけど、無宗教だな。 \________________
365 :
2/18 :2006/01/16(月) 17:56:24 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まず筆者が外国に行ったときの経験からお話しましょうか。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ アメリカに一年留学と言うか住んでいたときの事。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 少し自慢臭くなるな。 \___________________
366 :
3/18 :2006/01/16(月) 17:56:57 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ある日、まあ月曜日なんですが、友達と話していて | こんな会話になりました。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ダニエル(仮):ハッハッハ、それは愉快だな! クリス(仮):全くだ!ところでダニエル、昨日の日曜学校行ったか? ダニエル:もちろん行ったさ。そういえば【筆者】はどうしたんだ? ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日曜学校ってあれだよな、教会でミサが開かれるっていう。 | 筆者がキリスト教徒で無い限り行くわけないじゃん。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まあそのようなもんなんだけどな。 | そこにはそれ以上の意味がある。 \________________
367 :
4/18 :2006/01/16(月) 17:57:28 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 後ろギコ君そのとおり。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 向こうでは、日曜学校に行く=態度・成績の良い子の勤め。 日本人はほっといても算数は良くできるから、 自分のいた「グループ」は、 成績も日常生活も良いコのグループだった。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | グループなんてのが有るんだ… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まあ日本でもかなりあるけどな。 | 身分社会の強いアメリカでは特にそれは顕著だった。 | 逆に悪い子のグループなんてのもあって、 | どのグループに居るかで、露骨に先生の信頼がダンチだったりもした。 \________________
368 :
5/18 :2006/01/16(月) 17:58:04 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | しかたないので、私はこう答えました。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 私:俺はブディスト(仏教徒)だからな、ブッダに祈りを捧げてたよ。 ダニエル:なるほどな、日本人ってのはそういうものなのか。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |===========∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | それが良かったのを知ったのは後のことでしょうが、 | まあこの答えがベストでしょうね。 \_______ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | むー、いいのかね。特に熱心な仏教徒でもないのに。 \______________________
369 :
6/18 :2006/01/16(月) 17:58:36 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そうかな?前ギコ君。例えばこんな答えをしたとしよう。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 私:いや、私は特に信仰をしていないんだ。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚∀゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | え、別にかまわないんじゃないですか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 甘いな。そう簡単にはいかない。 \________________
370 :
7/18 :2006/01/16(月) 17:59:09 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 後ろギコ君、そのとおり。相手は普通こう思う。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ (無信仰者?!こいつ、ヤバイ思想抱えているんじゃね? 少なくともまともな良心を持ち合わせてないんじゃね) ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 工工エエエエ(´Д`)エエエエ工工!なんで?ただ事実を言っただけなのに?! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そう、そこが日本人特有なんだよ。 | 欧米では「無神論」でも掲げていない限り、 | 信仰がないってのは極めて異例。変人どころの話じゃない。 \________________
371 :
8/18 :2006/01/16(月) 17:59:40 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ま、日本特有の思想の落とし穴って所ですかね。 | それに加えて、子供の育成に関して、日本と欧米の発想には、 | ざっとこんな違いがあるようです。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 【日本】 教育・教養・躾=学校 (最近はどーも教育は塾に移行しつつあるようだけど) 【アメリカ】 教育=学校 教養=家庭 躾=教会 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | つまり、日曜学校にも行かない奴は… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | まともな人間的躾を受けてない奴、つまり | 懐かしい言葉を使えばキャットキラー並みってとこになるな。 \________________
372 :
9/18 :2006/01/16(月) 18:05:21 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ま、だから小泉の靖国について、海外は文句も | へったくれも言わない。信仰の自由だし。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ むしろ無神論者でもないかぎり、ミサやら祭礼やら 行かないほうが不自然に見える。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,)∩ (゚Д゚;) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 先生!じゃあ何で中国の人間はそんなに文句垂れるんですか? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そりゃ中国は文句付ける対象があれば文句はつけるだろ… \________________
373 :
10/18 :2006/01/16(月) 18:05:55 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 後ろギコ君、半分正解。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 今、中国と日本は多くの面で(領土などの面で) 利害が衝突している。だから前に靖国を 一年半余りひっこめた時も(2004/1/1〜2005/10/17) 所詮扱いはかわらかった。 むしろ全部で日本の一か月分の消費量しか埋まってなく、 「どう考えても赤字です。ありがとうございました。」 な国境スレスレのガス・油田を掘ってみて、 それを口実に戦艦派遣したりとかする威圧行動取るし。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんか変なの呼び寄せそうだな… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 筆者は現実主義者なだけで、右でも左でもないですよ…一応。 \________________
374 :
11/18 :2006/01/16(月) 18:06:26 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | では残りの半分の正解を。 | まずは思い返してください。中国は、何主義国ですか? \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 中華民国(台湾)ではないですよ。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 中華人民共和国…?民主主義? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 共産主義だろ。北と同じく、名前だけはそうだけど。 \________________
375 :
12/18 :2006/01/16(月) 18:07:02 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そう。そして、共産主義はこんなことを言っていたり | 実行したりしているんです。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 「宗教は阿片」 だから信教の自由なんて人類の汚物だぜ フゥハーハー! ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なんと。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ヨーロッパから共産主義、ソ連がハミ食らったのには | この辺にも理由がある。 | 特にカソリックに取っては。 \________________
376 :
13/18 :2006/01/16(月) 18:07:42 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | なぜか、思想ってのは、発祥地よりも、 | それが伝播した先で原理化する傾向がありましてね… \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ ロシアにはロシア正教が残ったが、 中国では未だに信仰の自由が無い。 それどころか露骨に大弾圧をかけている。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | オウムですら、名前を変えれば存続できる日本とはえらい違いですね… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 「法輪功」事件辺りが有名だな。日本人も関わっていたし、 | 「中国に対して悪い報道が出来ない」マスコミがニュースにしたくらいだ。 | 実質はもっとあるだろうな… \________________
377 :
14/18 :2006/01/16(月) 18:08:28 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| んで今年の小泉の年頭記者会見に注目。
\__ ________________
━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━
>まして外国の政府が一政治家の心の問題に対して、
>靖国参拝はけしからぬということも理解できないんです。
>精神の自由、心の問題。この問題について、政治が関与
>することを嫌う言論人、知識人が、私の靖国参拝を批判する
>ことも理解できません。まして外国政府がそのような心の問題に
>まで介入して外交問題にしようとする、その姿勢も理解できません。
>精神の自由、心の問題、これは誰も侵すことのできない
>憲法に保障されたものであります。
ttp://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2006/01/04press.html より一部抜粋。
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| うわ、聞き様によっては中国に対する猛烈な皮肉だな…
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 「聞き様によっては」じゃない。
| 明らかに小泉は中国に対する「信仰の自由」を
| 錦の御旗にしたんだよ。
| 欧米的発想からならとてつもなく分かりやすいことだし、
| 少なくともアメリカ辺りはとっくに分かってることなんだけどね。
| しかしどういうわけか、「要旨」と称して報じた各社マスコミは
| このことを軒並みスルーしてる。
\________________
378 :
15/18 :2006/01/16(月) 18:09:17 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 私は小泉シンパでは無かったんですけど… | 正直これで自分の立ち位置が小泉に近いなとは感じました。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ いつ弾圧が自分に降りかかってくるともわからないし。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 建前上仏教徒ですしね… \__________________
379 :
16/18 :2006/01/16(月) 18:09:54 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | もちろん、小泉だって、それが「正義」だから | そういう事言っているわけじゃないですよ。 | 打算と、現実主義と、とくに中国との国際的勝負にからんで | そういうことにしているだけだとは思います。 | その意味では当初の筆者のやり方と一緒ですね。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 欧米的価値観で話を進める →欧米諸国の支持を集めやすい(国連常任理事国入りとか) → (゚д゚)ウマー ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日曜学校へ行ってなくても、代わりに仏教という信仰を持っているとし、 | それによって友人の信用を得たってことと… \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日本は信仰の自由を守っている国であることを強調、、 | 国外の靖国参拝を批判し、国内でも宗教弾圧を行っている中国と比較して | 外交的ポイントを稼ぐ… | たしかにどちらも価値観の利用ですね… \________________
380 :
17/18 :2006/01/16(月) 18:10:26 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ま、この小泉総理大臣年頭記者会見については | 朝日の反応を含めてブログなどで言い尽くされているので… | 気になる方はそちらをどうぞ。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 正直、ブログは運用方法が分からん。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚,,) (゚Д゚,,) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 講義の形での異論、反論はいつでもどうぞ。 \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 嫌特亜の人はちょっとやだなあ。 \________________
381 :
18/18 :2006/01/16(月) 18:11:02 ID:FKp26UCP0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | では今日の課題。 \__ ________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━━ 揚げ物の自由を撤廃し、コロッケ原理主義を確立する。 ,__ iii■Λ / ━.(,, ゚Д゚) /━━━━━━ΛΛ ━━━━ΛΛ━ (| つ ∇ (゚Д゚#) (゚Д゚#) | | ┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| | |□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 し' J │ │ || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄! |====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | それはいいのかよ! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ハムカツの自由を侵害するのだけは許せねえ! \________________
リアタイ乙
講義お疲れ様です。何事も戦略的にってことですね。 利用できるものは利用すると。  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
>>384 郷に入らば郷に従えって方が近いんじゃないか? 世界という郷。
大小が逆転してるけどw
385 :
AA略スマソ :2006/01/16(月) 20:03:00 ID:oQb7p5Q1O
仏教徒じゃなくて「日本古来の神道」とか言っても通じますかね?興味本意ですが…
俺がアメリカに行ったときは"Shintoh"でオッケーだった。 相手してくれたヤツが日本文化に詳しいかったから それで通じたけど、そうでなきゃ じゃぱにーず・とらでぃっしょなる・れりじょん とでも言ったほうがいいかもな。  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
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| 反論ってか、「これは違うんじゃないかなぁ」って部分が…
| まず
>>372 の「小泉の靖国について、海外は文句もへったくれも言わない」について。
| アメリカにだって、靖国参拝に否定的なグループはいます。
| 戦後からずっと、アメリカ中枢やマスコミにそういう一派は存在してきました。
| 民主党系列を中心とした、いわゆるウィーク・ジャパン派ですね。
| マスコミで言えば「ワシントン・ポスト」系統、学派ではハーバード学派あたりも…
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| そうなのか。
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| 神道ってのは、海外においては大東亜戦争と密接に関連した思想だと見る向きが強い。
| 信仰の自由(信教の自由?)の一言で片付けられる問題じゃないな。
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| また、
>>373 の「中国の人間はそんなに文句垂れるんですか」って質問にへの答えに関して。
| 回答は50%は「文句付ける対象があれば文句はつける」、50%は「共産主義だから」って事でしたが…
| 私の見解は全く違います。私が答えるならば、「これまで外交カードとして通用していたから」が100%。
| そして現在、靖国問題が外交カードとして通用しなくなったからこそ、話がこじれてるんですよ。
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| 外交カード…
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| 「共産主義だから」ってのは、この件に関しちゃ全く関係ないと思うが。
| あっちはあっちで、一応は筋の通った言い分があるんだし。
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| 最後に、
>>373 の「それを口実に戦艦派遣したりとかする威圧行動取るし」の部分。
| 記念艦以外の「戦艦」はもう既に世界の海から絶滅しました。
| もう、この世のいかなる海にも戦艦は存在しえません。ロイヤルネイビー…
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| 思いっきり、あげ足取りじゃないか。
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| 兵器史やってる人間として、どうしてもこれだけは譲れなかったんだろ…
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| ここからは反論ではありませんが…
| そもそも「宗教」とは何なのかっていう根本的な視点が、このスレにおいて明確になっていない気がします。
| 「宗教=神とかを拝むもの」と考えていると、そこらへんから大きなミステイクをかます可能性がありますね。
| 宗教とは、そもそも習俗であり習慣。そして、社会構成員の共通認識や共通世界観なんです。
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| いろいろ文句の多い英国狂だな。そこまで言うんだったら自分で講義しろよ…
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| 「Religion」という言葉は、日本人が思っている「宗教」よりもかなり広義。
| ちょっとした習慣とか習俗の要素も含んでる。
| ここらへんの感覚の差が、
>>370 で端的に表されてるな。
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5/6 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ついでですが… 「無神論」ってのは、「宗教にこだわりを持っていない」って意味じゃありませんね。 | 「無神論」ってのも、極論するなら宗教の一つ。 | 日本人は、どう間違っても無神論者ではありえません。 \__ ______________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そうなの? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 日本人は、どう控えめに見ても仏教徒。 | 無神論者なんてとんでもない。 \_________________
6/6 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | もっといろいろ講義したいんですが… | なんか首が回らなくなってきてるので、当座のところはアメリカに関する臨時講義と第二次大戦シリーズを。 | この「ちょっとした反論」に関する講義も、いずれまた突き詰めて。 \__ ________________________________________ ━━━∨━━━━━━━━━━━━━━━ ,__ iii■∧ / (・) |ヽ ━ (,, ゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━━━ 《 //| | つ ∇ (゚Д゚,,) /_ V/レ' | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | くるくる回って〜♪ \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | どこへ行くのか〜 分からないけど〜♪ \_________________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ををっ! まさに神学論争勃発か? \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚,,) φ つ 兵器の人と神話の人、ドッチモガンガレ!(無責任) √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
>>389 戦闘艦って程度の意味じゃないの。
詳しくなければ、戦車も自走砲もひっくるめて戦車っていうし。
宗教に重きを置いた視点と 外交に重きを置いた視点とで、若干すれ違いがある気が・・・ どっちも専門ではないので上手く言えないのですが ローマ法王は宗教家なのか権力者なのか、みたいな感じでしょうか・・・? 前の講義でもあったような話ですが、 クリスマスを祝ってから 除夜の鐘を聞いて煩悩を祓って 神社に初詣に行ってから ご先祖様のお墓参りにお寺に行くのが毎年の習慣な人は、 たぶん外国の人が見たら恐ろしいほどに異常なんだろうけど 宗教と呼んでいい・・・んですよねえ・・・?  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚;) ガイコク リョコウ ニ イッテ、 φ つ レキシノ アル ジイン ヤ キョウカイ ヤ サイダン ニ イノッタリ シマスヨネ… √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
>>394 で、単なる軍用トラックを「戦車」なんて言う人がいて、
それを見たどっかのマスコミは「日本はイラクに戦車を(ry」とか言い出すから、
なるべく言葉には気をつけようぜって話。
なんと、この世にはトラックのことすら「戦車」と呼ぶ輩がいるのか
398 :
( ´∀`)さん :2006/01/16(月) 23:35:16 ID:4z/iOwaF0
単なる講義だけではなく、 ひとつのことに対して様々なアプローチを提案されるようになるとは、 いよいよ本格的に東京ギコ“大学”という様相を呈してきたな・・・ こんな2ちゃんねる、(いい意味で)ありえねぇ(笑)
sage忘れました・・・ 正直、スマンカッタ
>>278 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| そうですかねぇ…? どこに明確なすれ違いがあるのか、私には良く分かりませんが。
| それと日本人は一般に、自らの宗教感に対して無節操だと思い込みすぎな気が…
| そもそもクリスマスに、マジでイエス・キリストの生誕を祝ってる訳じゃないでしょ?
| 他宗教の祭りを自国流にアレンジして祝うなんて、そんなのどこの国にもあること。
| 「クリスマスが余りに商業的だ」ってなら、欧米の方が深刻ですし。
| 「たぶん外国の人が見たら恐ろしいほどに異常」って事ですが…んな事ないですよ、別に。
| あんま物事分かってない外人と、それを真に受けた日本人が勝手にそう騒いでるだけ。
| 「日本人←→外国の人」みたいな、外と内の単純な二元論に陥ると大局を見誤ります。
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| 日曜には教会に行って主に祈りを捧げ、かつコーランの教えを厳格に実践し、
| さらに悟りを開く為に苦行を積んでるのならば、宗教に無節操と言えるだろうが…
| ってか、やけに説明セリフ長いな。
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| 埋めを兼ねて、ダラダラと。
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>>397 案外冗談でも何でもない
ついこの間、発煙に使われてる謎のチョー兵器が生まれたばっかりだ
>401はきっと>395へのレスですよねえ・・・ いえ、正直、別に宗教観が無節操であると思っているわけではないのです。 「無節操であるとは思っていない」ことが 唯一神教圏の人が見たら異常に見えるんじゃないかなあと言うだけで・・・ キリストへの祈りがあって、その延長にクリスマスの商売がある人と、 クリスマス=商業な人の違いなだけで。 違うということを説明はできるかもしれないけれど 理解させるのは難しいんじゃないかなあ、と思ったのですが・・・  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚;) シュウキョウ ニ ツイテ タニンニ セツメイスル コトッテ φ つ ニホンデハ アマリ ナイノデ… √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
すげぇ、 皆自分の意見持ってる・・・。 情報を与えられて鵜呑みにしてばかりいないで 俺も考えるようにしよう、と思うきっかけができた。
宗教は社会内にとけ込んだシステムという考えというのはありなのかな? 信仰により人の心の隙間を埋める裏側でお布施などでお金なり食料なりの価値のものに変換する 例えば,集団的生活の場において為政者と庶民との中間を取りなすことにより 宗教サイドとしては布教を行うこと. 自分は宗教というのはたぶんこうだと思う. (京極作品の蘊蓄って役に立つのかな?)
>404 考えるきっかけすばらしい!このスレってホント価値があることを思い知らされます。 宗教流れで俺が一番怖かったのは・・・ (ごめんなさいっ!と、先に兵器の人に謝っておくが) 兵器の人ワショイ派がいて>387の先生が非難されるんじゃ・・・って事でした。 幸い、そんな感じでなく考え方を発表できてる住民ですごく感動しました。 そして、ワッショイ派で荒れないか・・なんて考えた自分に深く反省です。 >イラク史の先生 以前に比べ、教授の話が減り、コマの展開が私的ですがわかりやすくなりました! 3行ぐらいしか理解できないvipみたいなヤツでスミマセン。 板書も増えた気がします。それもわかりやすくなった理由の一つだと思います。 今後も頑張ってください。  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∧∧ (゚Д゚,,) ワタシモ イツカ ちゃんトシタ 講義シマス。 ダレカ 歯にカンスル コト デフシギナコトハアリマスカ? φ つ ナケレハ ゙予防or入れ歯 アタリカラハナシシマス。 √ ̄ (___ノ〜 (「たいこんでろ」がを大戦略が戦艦にしていて?だったり、用語は大切ですな。) || ━┳┛ ↑一応ミサイル巡洋艦or重巡洋艦でOK。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | おお!兵器の人が反応してくれるとは… | ぶっちゃけ光栄の至りです。 | | 異論をいくつか出してくださったので、追記してみますね。 \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ,__ iii■Λ (゚Д゚;) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | とりあえず黒板を用意して…箇条書きにしてみました。 \___ _____________ ━━━━ ∨ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1)ワシントンポストあたりの系統 いや、知ってはいたんですが… 大抵マスコミが言う「外電で靖国が(ry」の人ですよね。 しかしそうすると民主党のことまで説明するという泥沼で… 正直説明するのに苦労して諦めてしまいました… 思想的背景にもそこまで詳しくないし…orz 2)靖国はカード 貴様ッ!運スレを見ているなッ! ではなく…今回はあくまで宗教の捉え方東西を やってみたかったってのが本音です。 靖国カードと、その無効化説には大賛成なので、 カードとその無効化について説明する講義をいちどするべきでしょうね。 3)戦艦 すいません。こればかりはもーどーしようもないミスです。 兵器の人の講義聞いていないって言われても仕方ないですorz 4)Religionの意味 どちらかといえば、今回の講義ではこれを説明したかったんです。 折角唯物論の共産主義を出したり、無神論を出したりしたのに、 筆がそっちの方向に進まなかったのは完全なミスですね。 5)日本人の持っている宗教感は異常ではない これは大賛成です。つーか割とブディストでしょ、日本人って。 少なくとも外から見るとそう見えますよ。 クリスマス祝ってるからブディストでないなんて思わないですし、 結局アメリカにいたときも、その後結局ミサに誘われまして、 押し切られて一度だけ行ったけど…でも節操ないとか言われなかった。 これくらいで「節操が無い」なんて誰も気にしないと思う。 ,__ B■Λ / (,,゚Д゚) / ━ ⊂ つ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┌───┐ │ | ================================
ゾロアスター教概論をぶちかまそうとしている者ですが 宗教は文化、歴史、政治の3つ全てにからんでくるので 全てを網羅できない限りは「どの視点から展開するか」 をきっちりさせなきゃエラいことに。 「宗教大辞典」レベルですまそうと思っていたのに 古代ペルシア史をきちんと調べる必要に迫られて えらいこっちゃですorz  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚;) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
兵器の人が現れて我ら学生に半端でない知恵を与え、それにあこがれる若き才能が次々に芽を吹きつつある。
>>409 氏には洗練された講義を期待している。
>>406 兵器の人ワショイ派の私のような学生は、兵器の人の洗練された意見に納得し、その話題を提示した364氏に感謝するのみ。あなたは兵器の人をワショーイする人間が兵器の人講義を熟読しているということを理解していなかったようだな。フフ。
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ΛΛ
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宗教と社会、戦争、は切っても切れないし(中世にその色が特に濃いが、最近でもイラク戦争を始めるにあたりブッシュ大統領が「十字軍」という言葉を使って問題になった)、いずれ兵器の人の宗教講義も聞くことができることだろう。楽しみ。
同じ題材に対し様々な視点からの講義がなされるということは我々にとってすざまじい利益だぜ。
その言葉の中から我々はそれぞれにあったものを取捨選択し、自身の視点を加味して自己の見解を確立させていくこともできる。
とにかくこのスレ、ハンパじゃないぜ。2chにある無数のスレの山から偶然このスレを開いたのは兵器の人登場の3日ほど前だった。
あの日がオレにとってレボリューションの日だった。
兵器の人、教授陣、本当にありがとう。これからもよろしく!
ところでシャトルの人ってどうしてるんだ・・・?
兵器氏も素晴らしいし、神話氏の講義も素晴らしい でも、大切なのは講義を鵜呑みにすることじゃなく、 それをもとに、自分で考えるということなんやね。 と偉そうなことを言ってみる…  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚ ) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
なんでこのスレはこんなにも建設的に議論が進むのか、 俺には理解できない。 まさか2ちゃんから異世界にワープしてるの?
不特定多数の人間が自由に意見を交わす事が出来る、むしろ この流れが正しい流れなのかも。 今よく顔を出している、天文板の某スレもここまで建設的だったら・・・ と思うしだいであります。
確か「無神論」って、 「神など存在しない!」 という、積極的な宗教否定の思想なんですよね。 日本人は「特に信仰している宗教は無い」という意味に捉えて使ってしまい、 大きな誤解を招くことがあるとか聞いたことがあります。  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ΛΛ (゚Д゚ ) φ つ √ ̄ (___ノ〜 || ━┳┛
>>406 歯医者さん?だったら是非聞きたいことがある。
以前歯の定期検診(?)に行ったら、歯医者さんが
「ああ、この部分軽く虫歯になってますねー。でも、削るほどじゃないです。甘いものに気をつけて、きちんと歯を磨くようにして食事をバランス良く摂れば戻るし。」
と言われた。それから3年、全くひどくならないし、実際戻ったみたい。
虫歯は一度なると治らない、削るしかない、と思っていたオレには衝撃だったわけだが、この辺の話をしてくれるとうれしいなあ。
417 :
( ´∀`)さん :2006/01/18(水) 21:57:35 ID:tT8GkAmT0
>416 了承。 しっかし、かなりハイレベルな仕組みです。何処から話すのがいいか、 資料を並べながらまとめてます。 超、単純なAAしか使えませんがしばらくお待ち下さい。
>>416 そこ良い(最近じゃ普通?)歯医者ですよ。
俺が以前通ってたのは問答無用で削るところだったorz
>>417 期待。このスレ、基本のAAは1種類しかないから、簡単だぞ。
1/20 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |新教授を呼ぶ予算はありませんが、一応医者っぽくアレンジ? \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━ せっかく大学に長くいるなら歯医者ぐらいなってみる? 『特別臨時講義 再石灰化 』 ,__ iii◎∧ / ━ (,,゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧ | つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;) | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ちょっ、このオヤジ・・いつまで卒業させないつもりだ? \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |しかも猫の歯じゃなくて人間のだと? \________________
2/20 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |まぁ、人間からお金せしめて授業料に充ててくださいね。 \__ _________________ ━━━∨━━━━━━━━━━ 飛び飛びでわかりやすいところから始めます。 疑問、質問お受けします。講義の依頼も・・・ 講義のタイミングは混ぜられれば一緒にしていきます。 ,__ iii■∧ / ━ (,,゚Д゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧ | つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;) | |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ 〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜 ∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛  ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧========== / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |しかもタイトルと、>416は関係あるのかよ! \____ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |授業出ることが必須な以上のんびり聞こうぜ・・ \________________
499KB。そろそろ終了か。
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