LineageRigelJP5Part50【しぃちゃん大好き】
39 :
( ´∀`)さん:
ちびしぃが公園の砂場で遊んでいる。
夕暮れが迫る公園はもう誰もいない。
「オカアサン早クコナイカナ…。」
ちびしぃの母親は公園から目と鼻の先の会社で働いている。
母親のが手作りしてくれた手縫いのリュックサックには「しぃちゃん」と可愛く刺繍されている。
そのリュックサックを背負ってちびしぃはピョンピョンと跳ねる。
「シィノオカアサンマダカナー。シィソロソロ オナカスイテキタヨー。」
公園の前を通り過ぎるのは、オカアサンではなく、全て知らない人だ。
「ハニャーン…。」
ちびしぃは段々と不安な気持ちになっていく。
「オカアサン…ハヤクキテヨゥ…。」
「おまたせ!」
その声にちびしぃは嬉しそうに顔を上げる。
「ハニャ!オカアサ…ハニャ?」
そこに立っていたのは、自分の母親ではなく、モララーだった。
「しぃちゃんのお母さんに、迎えに行ってもらうように頼まれたんだYO!お母さんはもうちょっと
お仕事に時間がかかるから、モララーと一緒にご飯食べるんだYO!」
「ハニャーン、ソウダッタノ。シィオナカスイタ!」
すっかりモララーの言葉を信じたちびしぃは、モララーにダッコされると、モララーの車に乗りこんだ。
「何がいい?何でもいいYO!」
ちびしぃはモララーにダッコしてもらって、コンビニのお惣菜売り場の棚を覗きこむ。
「シィ、コレガイイ!」
「じゃ、これね。」
モララーは手元のバスケットに食料を入れていく。
ジュースや肉まん、しぃの大好物のシュガー…沢山の食料がバスケットに放り込まれていく。
会計を済ませてモララーとちびしぃがコンビニから出てくる。
「イッパイカッタネ!」
「そうだYO!モララーもお腹空いてるYO!」
モララーの車は、街からどんどん離れていく。
「ハニャ…?」
いつの間に眠ってしまったのだろう?
ちびしぃはソファーの上に小さな体を横たえていた。
「オカアサン…ダッコ…。」
辺りをキョロキョロと見まわすが、オカアサンはおろか、
見知った家具や大好きなオモチャも見つけられなかった。
「オカアサン…オカアサン…………ハニャァァァ…」
ちびしぃはグスグスと泣き始める。
「シィィィ・・・シィィィ・・シィィィィィ…。」
ちびしぃの泣き声に、隣の部屋にいたモララーが気付いてドアを開ける。
「ったく…。うるせぇ雑巾だなぁ…。」
「オウチカエリタイヨゥ!オカアサン!オカアサァン…!!」
「人の家で食っちゃ寝した挙げ句にやかましく泣き出しやがって!!」
ちびしぃはモララーの怒鳴り声に体をびくつかせ、更に激しく泣き出した。
「ハニャーン、ハニャーン…オカアサ…グスッ…オカアサ…。」
「言っとくけど、お母さんはこないYO!」
しぃは一旦泣くのを止めて、モララーの顔を見上げた。