618 :
第二話:
雨よ 全てを洗い流してくれ
もう何も思い出したくない
おれはニラマタに荒らされた後のキリニラだった物の前で、
ただ呆然としていた
「擬古さん、風邪ひくわよ?」
近所のおばさんが俺をせかすからつい家に向かってしまった。
子供に合わせる顔がないのに。
子供が駆け足で俺の所に来る。
「お父さん!キリニラとれた!?」
「ん・・・ああ。とれたぞ」
「うわぁぁぁ♪」
嬉しそうだ。
「いくつを取ったの?」
「ん・・ああ・・・」
本当のことを言うなら今のうちだ 謝るなら今のうちだ
「618だ。」
「すごいね、お父さん!」
息子はまだ幼稚園にも入れない年齢なのでなんとかごまかせた。
この生活はいつまで続くんだ・・・。