＠＠　明　治　大　正　昭　和　擬　古　（其の九）　＃＃

ヤバイ。宇宙ヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
宇宙ヤバイ。
まづ廣い。もう廣いなんてもんぢやあらず。超廣い。
廣いとかつても
「皇居20個ぶんくらゐ？」
とか、もう、さういふレベルぢやあらず。
何しろ無限。スゲェ！なんか單位とかあらざるの。何坪とか何?fとかを超越してる。無限だし超廣い。
加之膨脹してるらし。ヤバイよ、膨脹だよ。
だつて普通は地球とか膨脹せぬぢやん。だつて自分の部屋の廊下が漸次伸びてつたら困るぢやん。トイレとか超遠いとか困るつしよ。
通學路が伸びて、一年の時は徒歩10分だつたのに、三年の時は自轉車で二時間とか泣くつしよ。
だから地球とか膨脹せぬ。話のわかるヤツだ。
けど宇宙はヤバイ。そんなの氣にせぬ。膨脹しまくり。最も遠くから到逹せる光とか觀測してもよくわかんないくらゐ遠い。ヤバすぎ。
無限つてゐたけど、或いは有限や若しんあらず。でも有限つて事にせしむると
「ぢやあ、宇宙の端の外側つてナニよ？」
つて事になるし、其れは誰もわからぬ。ヤバイ。誰にも分からないなんて凄すぎる。
あと超寒い。約1ケルビン。攝氏で言ふと−272℃。ヤバイ。寒すぎ。バナヽで釘打つ暇もなく死ぬ。怖い。
其れに超何もあらず。超ガラ／＼。其れに超のんびり。億年とか平氣で出てくる。億年て。小學生でも言はねぇよ、僅々。
なんつゝても宇宙は馬力が凄い。無限とか平氣だし。
うちらなんて無限とかたかだか積分計算で出てきたのみにて上手く扱得ぬから有限にせる等、fと置いてみたり、演算子使つたりせるのに、
宇宙は全然平氣。無限を無限のまゝ扱つてる。凄い。ヤバイ。
とにかく貴樣ら、宇宙のヤバさをヨリ知るべきだと存知上候。
そんなヤバイ宇宙に出て行つたハッブルとか超偉い。ヨリがんばれ。超がんばれ。

やばし。宇宙やばし。いとやばかりけむよ、いとやばし。
宇宙やばし。
まづ広し。広しといふ語にてあらはせるものになきなり。いと広し。
広しといへども
「京二十個分ほど」
などの次元にあらず。
無限なりければ、単位などなく、何町、何里を超越したるものなり。無限なりければ、いと広し。
そのうへに膨張したるらし。膨張したりければ、いとやばし。
地球は膨張などせねば、我の部屋の廊下はやうやう伸びつることはあらじ。厠のいと遠くなりける、いとふびんなり。
朱雀大路の伸びつりて、従三位の折はありくこと三十分なれど、左大臣の折には馬を使いて二時間となれば、いとむつかし。
ゆえに地球は膨張せざりければ、だうりにあひつるものなり。
されど宇宙はやばし。気にもとめざりければ、膨張しつるなり。果てよりきたる光などはかりても、明なし。いとやばし。
無限と言いつれど、有限にやあらむ。されど有限としたりければ
「されば宇宙の端の外側は」
となりて、この謎を解きつるものなし。いずれの人もとけざりければ、いとやばし。
くわへていと寒し。一けるびんほどなり。摂氏でいふ負二七二度なり。寒きことはなはだしければ、ばななで釘なども打てず。こわきものなり。