僕が小学5年生の頃、クラスで席替えをしたときの話です。
僕のクラスの席替えにはルールがありました。
まず最初に女子(当時は19人いました)が好きな座席に座ります。
その間男子は廊下に出て待つのです。決して中を覗くなどというズルは禁止でした。
女子の席が全部決まったあとに男子が自分の座席を決め、
終わったところで女子が入場、ご対面という感じでした。
この日も、『女子が先で男子はあと』というルールだったのです。
女子が教室で席を決めている間、僕達男子(
>>1も含めて20人)は廊下で待っていました。
もうこの時点で
>>1が奇妙な行動をとっていることに、僕の友人が気付いていました。
ドアの窓に顔をはり付け、教室内を覗いているのです。
この行動は、明らかなズルを意味していました。
しかし友人は不思議なことに
>>1を咎めず、黙って
>>1の奇行を見ていました。
男子の番になった途端、
>>1は「われ先に」と教室に飛び込み、
腹についた無駄な贅肉を揺らしながら、窓際の最前列の席へと滑り込んでいったのです。
これを見た友人は「やっぱり」とでも言いたげな顔をしていました。
さて、すぐに女子が入ってきて『ご対面』の時間になりました。
>>1はブタの様な顔を輝かせてグヒヒヒと笑い、隣の席に座るであろう女子を待っていました。
すると
>>1の隣に座ったのは、クラス一の才女、藤田さんだったのです。
もう想像はつくでしょう。
>>1はズルをはたらいたのです。
>>1は藤田さんの隣に座りたいがために、教室を覗いていたのです。
>>1は完璧に勝ち誇ったという表情をしていました。
隣の藤田さんの顔が苦痛でゆがんでいるのも知らずに…。
しかし、
>>1の至福の瞬間はすぐに終わりを告げました。
一部始終を見ていた友人が先生に大声で言いつけたのです。
「せんせ〜ぇ!
>>1がズルしてましたー!」
誰も驚きませんでした。みんな
>>1のズルを知っていたのです。
さぁ
>>1は焦っています。
>>1は冷や汗をダラダラ流しながら、友人にこう反論しました。
「ぼぼぼくが一体ななな何をしたって言うんだ!しょしょしょ証拠はあるのかい?」
あぁ、見苦しい。
友人は黙ってドアの窓を指差しました。
ドアの窓には
>>1の顔の脂がベッタリと白く付いていたのです。
僕のクラスで、ここまでアブラギッシュな顔を持っていたのは
>>1だけでした。
それを見た
>>1は、屠殺前のブタのようにギャーギャー泣きわめきました。
案の定、
>>1は隣に女子のいない席に移されました。
ちょうど僕のクラスは女子の方が1人少なかったので、ピッタリだったのです。
あれから卒業まで、隣に女子がいない一人席は
>>1の指定席となりました。
〜次回へつづく〜