クロスが中国製プラモを酷評!国際問題に発展か!

このエントリーをはてなブックマークに追加
18524年前の文章(2)
 だから、脱世間の趣味の世界に、
世間の論理や価値感を持ってくるこ
とに僕は激しい抵抗感を感じる。3
年ぐらい前だったか、ある木製帆船
模型愛好集団の展示会を見に行った
ら、展示作品のネームプレートすべ
てに「船名・製作者名・肩書」が書
いてあった。その肩書って ヤ ツが
「宝石店店主」とか「××会社社長」
とか……。僕はそのイヤッタラシイ
自己顕示欲に吐き気がした。まるで
「我々はこんなに社会的地位のある
大人のグループなんですよ。金持ち
じゃなきゃこの趣味は続けられませ
んよ。ワッパッハ……」と言ってい
るようなものではないか。その会員
の1人がある雑誌のインタビューで
「趣味は人に誇れるものじゃなくち
ゃあね」とか言っていた。地獄に落
ちやがれと思ったね。
 趣味に必要以上に競争を持ち込む
のは僕は好きではない。現実社会と
いうのは受験戦争から出世争いに到
るまで競争に満ちあふれているじゃ
ないか。せめて脱世間の趣味の世界
ぐらい、そんなことから自由でいた
い。コンテストの存在が、僕らの製
作意欲をかきたて技術を向上させて
きたことや、プラモ界の(長谷川の
?)発展に役立ってきたことは認め
るが、ここ2、3年のPPC(東日
本大会)を見ているとどうにもトゲ
トゲしくてやり切れないと思うこと
がある。他人の足を引っぽるべく審
査員に密告したり、審査員の判断に
文句や嫌味を言ったり――もちろん
そんな言動は一部の「心ないマニア」
によるものではあるが……。
 PPCは単に「ランク付け」をす
る会ではなく、モデラー・模型店・
メーカー・MAの楽しく自由な意見
交換・精神的交流の場という面が成
長していってほしいと願うのは僕だ
けではないだろう。趣味の世界にや
たら比較抗争を持ちこんでギスギス
するのはやめようではないか。
18624年前の文章(3):2001/07/01(日) 15:15
 キットを作る姿勢においてもおお
らかさが欲しい。このことは昨年12
月号の雑記録でも書いたので詳しく
はそちらを読んで頂きたいが、よう
するに「修正主義」に徹することが
プラモ作りであるかのような考えを
君の頭から取りはらうべきだという
ことである。
 もちろんモデル作りとは「実物に
いかに近づけるか」という命題に対
して自己の根性と技術をもって挑戦
するという趣味だから、「完全なる
ブラモ」がありえない以上、「修正」
や「付加工作」は必須のものだが、
プラモは完成させて初めて本当に趣
味としての喜びが体験できるものな
のである。「修正」や「付加工作」
に徹した結果、見事キットを完成さ
せたときの喜びは格別だが、すべて
のキットに対してそういう方針で臨
まなくたっていいだろうという気が
する(よほど暇と持続する志があれ
ば別だが)。
 最近僕は「○○のキットが作りた
い」という望みより、「機種なんて
何でもいいからようするに気持ちが
良いキットが作りたい」という願い
のほうが強くなってきた。「気持ち
が良いキット」とは、「手のかから
ないキット」――つまり部品のフィ
ットが良くて組み立て易く、付加・
修正工作をしなくても(ある程度の)
正確・精密さが保障されているとい
うキットである。
 プラモに対する偏見のひとつとし
て「バカでもチョンでも組み立てら
れ、誰が作ってもおんなじ」という
考えが広く流布しているが、現実に、
誰が作っても正確・精密なキットが
簡単に完成するものなど数えるほど
しかないではないか。メーカーの怠
慢というほかはあるまい。趣味とい
う現実生活のウサからの逃避の場所
で、頭や胃にくるキットにつきあわ
されるのはもうゴメンだという気が
する。もっと「気持ちの良いキッ
ト」を!!
18724年前の文章(4):2001/07/01(日) 15:15
 航空機疑獄の渦中の人である海部
八郎氏(前日商岩井副社長・55歳)
の所有する青山のマンションには、
模型機関車のレールが足の踏み場も
ないほど敷かれており、童謡の入っ
た音楽テープやぬいぐるみの人形・
おもちゃなどが部屋中にゴマンとあ
ったという。このことは、商社航空
機部の生活の底知れぬ厳しさや、そ
こに生きる男のどうしようもないや
り切れなさを明きらかにしていると
同時に、趣味空間がいかに男の精神
の解放区・逃避の港となりうるかを
如実に示す保証といえるだろう。
 今君は、若く可能性にあふれた青
い麦で、陽光を浴びたコマドリのよ
うに、自由と微笑が君をとりまいて
いるかのように感じているかも知れ
ない。だが君もいつの日か、地獄と
はこの世の別名に他ならないといや
が応にも知らされることになるだろ
う。そのとき、君を支えるのは、も
しかすると、君がいま何とはなしに
つきあっている君の趣味かもしれな
いのだ。その日のためにも、君の今
の趣味を大切に君の中で育てておこ
う。向う側の世界(狂気)に行って
しまわないために。