クロスが中国製プラモを酷評!国際問題に発展か!

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いずれにせよ、断片研究は、「他機の論拠にも資料にも成り得ない」というほど価値のないものではありません。手がかりやヒントを与えてくれることは確かでしょう。それを無視しての零戦の塗色研究はもはや絶対に成り立ちません。

「明らかにその実機断片に塗られた色調とは異なる、灰色というよりも、それこそプラモデル塗料の『明灰白色』と酷似の色調で塗られている例をいくつも知っているからである。」

「いくつも」というのはあまりにも抽象的ですね。具体的に、どこのどの機体あるいは残骸が明灰白色の証拠なのでしょうか。それを裏付ける大戦中の資料等はお持ちでしょうか。写真やビデオ映像だけでなく物証はあるのか、ということも、きちんとした形で明らかにしないと、物証でえばっているNさんを崩すことはできないのではありませんか?実は私自身もその手の物証というものを持っているので、いずれ『スケビ』でご紹介させて戴こうと思っているのですが。

どうやら黒木女史は、灰色とFS24201との因果関係をお考えになろうとなさっていないようですが、1990年代に経年変化の結果としてFS24201となっている実機片は、1940年代には灰緑色の範疇であったと考えるならば、写真で明灰白色に見える機体と、1990年代の断片とは、それほどの隔たりはないのではないでしょうか。

「所有している人にとってはかけがえのない『宝物』でさえある。しかしながら、それらは机の引き出しにしまっておいて、ときたま手にして自己満足の一時を過ごすだけにとどめておくべきであろう。」

んーーん、何か「坊主憎くけりゃ袈裟まで憎い」のようですね。黒木女史の動機は「Nさんを否定すること」にあり、それをしたいがために、断片の価値を不当に低く評価しているように思えます。もちろん、小数の、経年変化した断片の色を当時の色だと主張すること自体は間違いですが、断片を公けにすることが意味のないことだとは私はまったく思いません。米国のリサーチャーであるジェームズ・ランズデール氏が断片研究の成果を公開したことで、零戦塗色研究は飛躍的に前進したという事実を考えますと、情報公開の意味は明らかですし、一方、日本で海軍の迷彩レポート『空技報0266号』が個人蔵になって秘匿されたことで、零戦塗色研究が12年間も悪影響をこうむったことを考えますと、「個人蔵」はやはり問題であると言わざるを得ません。民族の遺産は日本国民みんなのもので、いまや世界の財産だともいえるのですから。

まあ色々書いてはきましたが、私は基本的に黒木女史の連載を私なりに評価・堪能して来ましたし、航空誌の記事としては画期的なものだということも認め、拍手を送りたいと思います。なお、この文中に何か不穏当と思われる発言がありましても、それは彼女とその記事を批判するつもりのものではなく、単なるレトリックと言えます。

黒木一美さんの一層のご活躍を期待させて戴きたいと思っております。

---------------------------以上、削除された黒須トークから転載----------------------