296 :
土居雅博/講座4:
わかったか?
ドイツ軍の師団分類の最大の関心事は、
(ドイツ軍の戦車中心の運営という特徴からいって必然的に)
その部隊が戦車を持ってるかいないか、ということなんだ
だから、その部隊の頭に戦車装備の有無を示してるんだ
要するに、師団名の冒頭のpanzerは
具体的に戦車装備の有無を指してるんだよ
だから、panzer divは
『戦車師団』と直訳するのが適当である
単なる装甲師団では、その『装甲』が
具体的に装甲装備の中の
何を指すのかが不明瞭だからである
また、Panzergrenadierも同様である
その歩兵部隊が、戦車部隊(具体的には戦車大隊)を
所有していることを指しているのではない
決して旧来のような
『装甲兵員車の随伴歩兵』ではないのである
○Panzergrenadier=『戦車部隊を保有する歩兵部隊』
×Panzergrenadier=『装甲兵員車に搭乗した随伴歩兵』
なのである
だから『戦車擲弾兵』が正しい
『装甲擲弾兵』では
『装甲車に搭乗した歩兵』というイメージになってしまう
これは慣性的ではあるが正しくはない
ただ装甲装備を所有しているというだけでは、
panzer divの特質にはならない
具体的にそれが装甲装備の何なのか、
それが(当時のドイツ軍の部隊把握にとって)重要だったのだ