5年越しの交際を実らせ、OLだった敦子さんと結婚したのが、1994年6月11日。
犬を飼い、夫婦水入らずを楽しみつつ、互いに30歳を超えて子供を意識し始めた。
だが、気まぐれなコウノトリはなかなか2人の方を向いてくれず。
「(結婚して)14年ですから、今回(の妊娠)が初めてじゃなく、過去にはつらい思いも経験しました」とマッチ。
関係者によると、昨年も流産で涙をのんでいたという。
「いろいろ勉強したし、できる限りのことをやった」
不妊治療など最善を尽くし再び、愛の結晶を授かった。
「今回なければ、生涯ないなと覚悟してた」。
歌手に俳優活動、監督兼オーナーを務めるレーシングチームの転戦で自宅を空ける日々。
「大丈夫か?」「心配しないで」遠征先の受話器から敦子さんの声を聞くたび、安心と一抹の不安を募らせていった。
86年、早くに母・美恵子さんを亡くしているだけに、家族に対する思いは強い。
8月下旬に敦子さんが入院する前には、2人で墓前に手を合わせ、その後も毎日、母の位牌(いはい)に祈った。