山道を進む みゆき。頂上まで300mの標識を過ぎる。後ろから
みゆきにぶつかり、無言で追い抜いていく暗い雰囲気の青年登山者
み「 きゃあ。ちょっと (歩みを止めてから
ポ「 やめるでござる (みゆきを止める
み「 でも、
ポ「 あれは、彷徨い人でござる
み「 彷徨い人?
みゆきのリュックから降りて、説明し始めるポップ。休憩を兼ねて聞き入る みゆき
ポ「 昨日は言わなかったでござるが……、
ポ「 このメルヘンハイキングには、山が出現した世界と
その近くにある、よく似た世界の住人しか参加できないのでござる
ポ「 そしてこの山は、小高い丘に出現することもあれば、
険しい前人未踏の山に現れることもあるのでござる
つまりは、巡り会わせが悪ければこの山には、
登れずデコルは手に入れられないのでござる
ポ「 しかし、この山の山頂にあるデコルの不思議なチカラを求める者達の
中には、思いが強すぎて諦めが付かなくなり、参加資格が無くとも
永遠に山を登り続けてしまう者が現れるのでござる
ポ「 数は少ないのでござるが、他の登山者に危害を加える者もいる
らしいのでござる。だから、彼らに触れては、いけないのでござるよ
み「 わかった。山には、色々あるんだね
突然、突風が吹く。両手で顔を覆う みゆき。吹き飛ばされるポップ