第27.5話: この世界には、年頃のメルヘン好きな女の子が
どれだけ忙しくとも絶対に登っておきたい、伝説の山がある
夏休み。8月22日。みゆきの部屋。机に向かい名作童話を読んでいる
机の上に平積みにされた本が二山。左がつまらなかった本7冊。右が
面白かった本2冊。読み終えた本を右の山に置き、カレンダーを一瞥
床に置いた紙に高原と太陽の風景画を適当に描いているキャンディ
みゆき「 物語の中で活躍する主人公の姿を想像するとワクワクしちゃうなぁ
み「 やっぱり、わたし。メルヘンなお話しが大好き!
み「 後1週間と少しかぁ。あかねちゃんは、バレー部とお店の手伝いで忙しいし、
やよいちゃんは、漫画を描く作業で忙しいし、
なおちゃんは、家族で旅行中でしょ、
れいかちゃんは、部活とお稽古ごとで忙しいし、
あー。宿題の自由研究、どうしようかなぁ、
お休みが、もっと長かったらなぁ。ハップップー
飴「 クル? (みゆきの独り言に反応して
背伸びをした後、羽ばたき音がして窓から外を眺める みゆき
ポップが貼り付いた絵本が飛び込んでくる。ポップの手に丸めた紙
み「 うーーーん (背伸び
ポップ「 みゆき殿! みゆき殿ー!!
み「 うわっ!
ポ「 ついに出現したでござる! (みゆきに衝突寸前、絵本から抜け出し机に降り立って
み「 って、何が? (椅子に座ったまま、少し仰け反りながら