Cさんが来たり来なかったりするスレ(2011春)

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59イニヒコ・イニヱ
「俺は自由だ」男は叫んだ。
疑心暗鬼に心を支配されたまま暗闇を手探りで渡っていた。
矮小な価値観が足元をすくう。
最早誰が誰かも、どれが自分かも分からない自由な世界。
彼の「正論」は、幾度もの嘘で形を失い、
グニャグニャに曲がって足元に転がっている。
「悪いのは奴だ!トリップを付けてない奴だ!」
芯を失った「正論」が今、最後の悲鳴を上げて折れた。

「俺は自由だ」

虚ろな世界にもう声は響かなかった。