有能な怠け者。これは組織のトップに向いている。
理由は主に二つあり、一つは怠け者であるために部下の力を遺憾なく発揮させる。
もう一つは、どうすれば自分が、さらには組織が楽に活動できるかを考えるため。
有能な働き者。これは参謀に向いている。
勤勉であるために自ら考え、また実行しようとするので、
部下を率いるよりは参謀としてトップを補佐する方がよい。
また、あらゆる下準備を施すためでもある。
無能な怠け者。これは現場の司令官に向いている、もしくは作業員。
自ら考え動こうとしないので参謀や上司の命令どおりに動くだろう。
無能な働き者。これは処刑するしかない。
働き者ではあるが、無能であるために
間違いに気づかず進んで実行していこうとし、さらなる間違いを引き起こす。
このような者にはいかなる責任ある立場も与えてはならない。
――― ハンス・フォン・ゼークト