意味がわかると怖い話

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368イニヒコ・イニヱ
めちゃくちゃにちらかった部屋に不釣合いなほど彼女は美しかった。
白いワンピースに白い肌。心なしかうっすらと輝いているように見える。
俺も、タカシも、森田も。
突然の出会いに声を上げることすらできなかったのは、そんな彼女の
はかなげな美しさに心奪われたせいだろう。
生暖かい空気に汗がにじむ。
彼女は微笑をたたえている。安らぎを覚える笑顔。
無邪気な好奇心に輝くいたずらっぽい目。

この夜、俺の心は体を離れ、彼女に向かって飛び立っていった。