こっちのほうがモモロイよ
「ほら、どうだ」
「どうって…言われても…」
今、真太郎の前には仁王立ちになっている悠来がいる。自信有り気に腕を組んで、斜め上から不敵な笑みを送ってくる。
それは威圧的でもあって、威厳たっぷりな感じもする。が、悠来の服装が服装なので苦笑しか出来ない。
「それ、買ったの?」
「いやファンの人に貰った」
なんてチャレンジャーなファンなんだろう。それは確かに同じキャストの中には普通の女の子より可愛いんじゃないかと思うような顔をしているやつもいる。
そういう子になら贈りたくなる気持ちは理解出来なくは、ない。かろうじて、だけれど。しかし、悠来はタイプ的に違うように思う。
まあ悠来は美人過ぎる美人だし、脚とか腰とか尋常じゃなく細いけどさ。幾ら何でも、やっぱり…ね。うん、違うような。
「これ目覚めそうだなあ」
「何がだよ」
「んー、何か完璧に着こなしてみたくなるというか。髪アイロン当ててストレートにしたけど、やっぱり2つに縛ってみようかな。それとも前髪をもうちょっ、」