「ほら、似合うよ」
「工くん…工くんってこんな趣味の人…?」
「男のロマンだよ」
「はあ…」
紺のスカートから覗く、細い脚や短い袖から伸びだ血管の浮きでる白い腕。ルーズソックスは確実に趣味である。やや赤らんだ頬はまるで少女で、そんな顔をして俯く真太郎を工は心底可愛く思う。
「可愛い」
「可愛くないですよ!俺は男だし、もう26だし…」
「そういうのは関係ないよ。見た目ももちろんだけど、中身が可愛いから…」
「誉められてる気がしません」
「でも案外いけてるかもなんて思ってない?」
「それは…」
まあ確かにモデルの仕事をしていた時期もあるし、スタイルには自信はある。
元々女顔なのも自覚している。だから似合って当然だという思いが無くはないが…いや、いやしかし。
工くんの舐めるような視線が絡む四肢に絡む。羞恥以外の何ものでもない。
さっきライムが俺の姿を見て逃げた。多分それが正しい反応なんだろうな。
セーラー服を着ている自分が恥ずかしいんじゃない。工くんに着せられているのが恥ずかしい。
ただ、そうやって言いなりになる自分に若干興奮している…気がする。俺ってMだったのか…?