【きのこスレ】行殺以外はみんな嘘【３３】

『今回、亀が連れて来た男はハズレだヮ ．．orz』
きの太郎を横目で見ながら、乙姫子はあくび混じりのため息をついた。

『ほんとに ．．何なのかしら？この男 ．．』
きの太郎は、ほとんど酒を飲まないくせに、頬をぴんくに染めて嬉しそうに手拍子を打っている。
時には、タイやヒラメの舞い踊りに乱入してくねくねとおかしな振りで踊りだすことさえあるのだ。

『これで、この男。自分のカラダに触れられるのが嫌いなのだから ．．何考えてるのか ．．』
きの太郎のダンスがくねくねとおかしな振り付けなのは、女官達に触らないように。というより、きの太郎自身が女官達に触れられないようによけながら踊るせいだ。

『それに、変なガラクタばっかり客間に集めるし ．．』
きの太郎が寝起きするために当てがっている客間の両隣ももう、５部屋以上が、きの太郎が集めて来たガラクタに占領されてしまった。

きの太郎は、踊り子達のまわりをつかず離れず変な格好で手を振り足を振り々々うろつき始めた ．．
『ほんとうにハズレだヮ ．．』
乙姫子は、もう一度今度はあくび抜きの深いため息を吐いた ．．

『そろそろ、この竜宮城から帰ってもらいたいんだけど ．．』
しかし、ごく一部の女官の中には、きの太郎びいきの女達がいて、きの太郎は、それらの女官達を、「腐女子隊」と名づけて自分で考えた奇抜な衣装を着させては、絵師に描かせガラクタ部屋に何枚も何枚も飾って悦に入っている ．．

乙姫子は、きの太郎にこれ以上醜いガラクタで客間を占拠しないように亀を通してそれとなく注意した。
しかし ．．

きの太郎は、女官頭の亀女に、珍しく声を荒げて、
「黙れ自治厨！！」と怒鳴ったというのだ。
「竜宮城は、ばぁちゃるなんだからイイんだよっ！」とも言ったらしい。

『とにかく ．． もう帰ってもらうヮ！』
きの太郎の無邪気にくねくね踊りをする後ろ姿を見ると、乙姫子は少し可哀想な様な可愛らしい様な気がしてしまう。だから、ついつい延び々々にしてしまうのだ。でも、今度こそは！

きのう、きの太郎は乙姫子に、
「亀女より年食ってんじゃないの？」と言った。
これは失言だった。
『なんですって？！』
『・・・これ以上、情が移る前に帰してしまおう。年のことをどうこう言い始めるなんて！憎めないところがあるから置いてあげててもいいって思ってたけど ．．』
乙姫子は決心を固めたのだ。

「姫様。例のものは、いつもどおりでよろしゅうございますか？」亀女の言葉に乙姫子は、答えた。
「玉手箱ね。どぉしようかしら ．．」浦島太郎を帰す時は、この竜宮城で過ごした年月を詰めてやったのだ。

思えば、浦島は最低だった。
ここに連れて来た当初は、甘い台詞を毎日ささやいて乙姫子を夢見心地にさせてくれた ．． それなのに ．．

浦島野郎は、自分から、「帰る」と言いだす頃には毎日、乙姫子を、「うじ虫ババア」と罵っては殴る蹴るの横暴三昧だった。
乙姫子にとっては、思い出したくない男だ。づっとラブラブモードだっただけに、裏切られた傷は深かった。

乙姫子は、絵師の蛸女を呼んだ。
「きの太郎に持たせてあげる玉手箱だけど ．．何を入れたらいいかしら？」
「きの太郎が集めたガラクタの山を突っ込んでおけばいいかしら？」

蛸女はしばらく考えていた。
「姫様、それよりも ．．」

蛸女の進言はこうだった。
「玉手箱を開ければ、きの太郎が若い若い少女に変わり果てる仕掛けがよろしいかと ．．」

　
　
〜 〜 〜 〜
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∧ ∧ ∧ ∧

きの太郎が気がついた時は、砂浜には誰も居なかった。亀は挨拶もせずに、きの太郎を砂浜に放り出して竜宮城に戻ったらしい ．．

砂浜には、きの太郎と玉手箱っきりだった。

玉手箱にそえられた乙姫子の手紙には、ちょっぴりきの太郎に未練があるみたいなことと、
「決して玉手箱を開けれてはいけない。」と言う内容が書かれていた。

ところが ．．
きの太郎は、「ニヤリ」と笑うのだった。
『開けるもんかよ。』

きの太郎は、竜宮城でかわいがっていた腐女子隊の連中から、浦島太郎の噂を聞いていた。
知っていたのだ。

『この箱を開けたら、白い煙りが立ちのぼって。あっ！という間に爺さんになっちまうんだろ？』
それでも、ガラクタ・フェチのきの太郎は玉手箱を捨てることが出来ずに小脇に抱えて歩き始めた。

眠もぃﾃﾞｯﾁ ．．
でんも。も、ちょと書くﾃﾞｯﾁ。文章表現がいまいちﾃﾞｯﾁﾈｪｰorz
　 　〃
（´σπ・）ゞﾎﾟﾘﾎﾟﾘ
（
　

きの太郎は、上州の奥久慈村に住んでいた。
山で採れたものを、海のものと交換するために降りて来て、亀を助けることになったのだ。

はじめ、きの太郎は子どもらが、「みのぴよ」をいぢめているのか？と思い、見物しようとしたのだ。
亀を助けたのは、乙姫子の指令で自演をしていた亀の催眠術にかかったからだった ．．

村に帰り着くまでは、さすがにドキドキしていた。
竜宮城で、腐女子隊に浦島の噂を聞いていたから、タイム・スリップしていたら？と不安だった。

>>781
×「黙れ自治厨！！」と怒鳴った・・ →○「自治厨ウゼェ〜！竜宮城って、ばぁーちゃるだしぃ〜」とブツブツつぶやいているだけだった ．．

帰り着いてみると、時差は一日だけだった。
『なぜ一日なのだろう？』
きの太郎にはわからなかった。

とにかく、何ひとつ海産物を持って帰らなかったきの太郎は、こっぴどく父親にどやされた。

『乙姫子は電波だったけど、もっと竜宮城で遊んでいたかったな。俺が集めたタコ壺の底や折れた釣り針はどぉなったかなぁ ．． 腐女子隊の連中のコスプレ肖像は持って帰りたかった！！』
・・・どこに居ようが、きの太郎はたいして変わりがなかった。

しかし。
奥久慈村に帰ったきの太郎のリアル生活には、大きな変化がひとつあった。

きの太郎の弟の、珍古老が、縁の下に隠した玉手箱を開けてしまったのだ。

玉手箱を見つけた珍古老は、中が見たいときの太郎に再三せがんでいた。
しかし、きの太郎は例の浦島太郎の噂を話して聞かせ、
「決して開けてはならない。」と釘を刺していた。

しかし、珍古老は、何の楽しみもない山奥の村で好奇心に克つことが出来なかったのだ。

　
『どぉなってもいぃっ！！』
　

玉手箱の蓋を持ち上げた珍古老を、淡い桃色の煙りがフワフワと包んだ ．．

この日から。きの太郎の弟、珍古老は若い若ぁぃ、「少女」になってしまった。

きの太郎の弟が、玉手箱を開けて、「少女」に転性したと報告を聞いた乙姫子は、
「ﾃﾗﾜﾛｽwwww」と笑い転げた。

『きの太郎が開けるより良かったかも知れないヮ ♪〜
これで、きの太郎も、「妹萌え」デビュー。ね。』

居合わせた、亀女も蛸女も、
「良いことをしました。」と、乙姫子とともに笑い転げましたとさ ．．

　
DottoHaraino Oppekepuuuu
　

　　　*＊ おあり ＊*
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（´・∀・）ノ ))
（　つ旦~~
　

「珍古老」は、行殺きのこ氏の実弟さんのハンドル・ネームだそうです。
ウｐ画像で見る限り、行殺きのこ氏は色白の瓜ざね顔なので、玉手箱を開けた珍古老ｷｭﾝも、けっこう美少女に転性したと思われ ．．