:::::鶴翼の陣形:::ネ申:::

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〜メモ8の急死〜
天文二十年三月三日、父のメモ8末森城で急死した。
四十二歳であった。
「ちょっと頭が痛い」と早めに床に着き熟睡したのだが、人々が気づいた時は、
既につめたくなっていた。
頓死といってもいいだろう。
それを伝える使者が早馬でなごや城に駆け込んだのは、日がかなり高くなってからである。
メモ8の死を知らされた時、Cは終日ものも言わず黙っていた。
日がたってもメモ8の死に泣きもせず語ろうともしない。
手首は、そんな信長が不思議だった。
親の死が悲しくないはずがない。
しかし、Cの胸底には悲しみと言うより(お父のばかっ)と四十二の若さで死んでしまった
メモ8のことを怒鳴りたい気持ちのほうが強かった。
Cは自分なりに己を鍛え、教育してきた。
それでもまだ数えで十八である。我ながら未熟で使いものにならぬと思っているのに、
メモ8は、いきなり、その死によって織田家の指揮者であることを強いたのである。
もともとCは、自分の思ってること通りに物事が進まないと、もの狂おしいほどに
腹が立つ性分である。
そんな心情もあり後の葬式での振舞いに及んだのであろう。
105アヒャ坊:2006/03/09(木) 21:46:47
(゚∀゚)<アヒャアヒャ
106名無し戦隊ナノレンジャー!:2006/03/09(木) 21:48:06
メモ8。゚(゚´Д`゚)゚。
107〜第五話登場人物〜:2006/03/10(金) 17:21:14
織田信長/C
平手政秀/鬼平
織田信秀/メモ8
織田信行/粘着天使
柴田勝家/ズーイー
佐久間大学/はっちゃん
佐久間信盛/玉春
林通勝/ちん林
〜葬儀〜

メモ8の葬儀の前日、家老の鬼平がCをつかまえ「C殿、よろしゅうございますな。
メモ8様の葬儀は明日でござりますぞ。またどこぞうろついてC様が消えてしまいしたら
こんどこそ、この爺めは腹を召さなければなりませね。」
Cはプイッと横を向き、赤犬が通り過ぎるのを見ている。
その態度に鬼平は、不安を感じたのかなおも重ねて「よろしゅうございますか。
明日のことくれぐれも頼み入りますぞ。」と言った。
葬儀の当日境内の外まで、足軽、その親族のものたち城下の町人、百姓、
さらには庶民ども、おびただしい人の群れがあつまり、沿道にうずくまっている。
本堂には既に三百人ほどの僧が座につき、やがて織田家一門が到着した。
Cの次弟粘着天使、その前後を粘着天使付けのズーイー、はっちゃん、玉春などがつき従っていく。
沿道のものどもは「粘着天使さまは、お悲しみじゃ」などと泣き出すものもいる。
美男で利発で心のやさしい末森城城主の粘着天使は、家中はもちろん領内のものどもにも
人気があり「ままならぬのが世じゃ、粘着天使様がお世継ぎであられば、織田家も安泰であろう
ものを」となどと思っているものも多い。
そのあとが、喪主のCである。
前後に従う家老は、ちん林、鬼平などでいずれもしずしずと進んで行く。
Cは、馬上。沿道の者達は、その姿を見てあっとした。
父メモ8の葬儀だというのに相変わらずの格好なのだ。
腰にはしめ縄をぐるぐるに巻き、すそ短かの小袖と半袴、それに大小は品の悪い朱鞘、
まげは天にピンとはった茶筅まげ、そんな格好で馬を進めて行く。
誰もが皆その姿をみて(あれでは尾張は終いじゃ。やはりたわけ殿じゃ。)などとささやく。
本堂では既に読経がはじまっていた。
「C殿、こちらへ。」と鬼平が導こうとすると、Cは「香炉はどこだ」と言った。
「あれにござりまする」
「デアルカ」そう言うとCは、いきなりツカツカと大香炉の前に歩み寄り抹香をわしづかみにし、
正面をにらみつけてたと思うと、いきなりメモ8の位牌にそれを投げつけた。
一瞬、あたりがしずまりかえり家臣どもは狼狽した。
・・・がCは顔色一つ変えず、くるりと位牌に背を向け今来た道を引き返した。
「殿!」鬼平の制止も振り払い、馬に鞭をピシッとあてると疾風のように走り去った。
109〜第六話登場人物〜 :2006/03/11(土) 16:25:59
織田信長/C
平手政秀/鬼平
織田信行/粘着天使
土田御前/春花
林通勝/ちん林
〜廃嫡の噂と鬼平の死〜

その後も、Cの狂騒はおさまらず、織田家中の人気はいよいよ冷え、次弟、粘着天使を擁立する
動きが活発化してきた。
メモ8亡き後、Cの唯一の味方といっていい鬼平らの耳にもその噂が入って来ている。
生母の春花は葬儀のあと、鬼平を呼び「Cでは、尾張が立てますまい。鬼平も、
このことよくよく考えておくがよい。」と露骨にいったものである。
まさに、遠まわしながら(粘着天使を立てる動きに参加せよ)ということではないか。
現に、春花は一番家老のちん林を、粘着天使付けにしてしまっている。
(工作は、よほど進んでいるのではないか。)と鬼平は恐れた。
なるほどCのことを「たわけ殿」と鬼平はみていたが、幼い頃から育ててきたCを、
鳥を絞め殺しすようにして、弟、粘着天使を立てるなどどいうことは、心底できる芸当ではない。
なるほど、織田家の将来を考えれば粘着天使を立てるほうがよいとは思っている。
しかしこれは理屈ではない感情論なのである。
それほどまでに、鬼平とCの間には、父子に似た感情が流れているのだ。
その後、鬼平は事あるごとに「殿っ、おやめなされ」「左様なことは下賎の者でもいたしませぬぞっ」
などと以前にも増し、狂気のような口調でCの行動を諫めた。
そんなうるささがCにとってはますます不快になり、やがて疎んじるようになり、鬼平が目通りを
申し出ても会おうとしなくなった。
そしてこの鬼平は、天文二十年の春、Cへの忠諫状を残し自殺してしまっている。
父メモ8の時は、人前で泣きはしなかったが、このとき異様だった。
鬼平の遺骸を抱き「爺っ、爺っ!」と慟哭した。
しかしCは奇妙な男だった。
これほど身をもむようにして泣き、鬼平の忠諫状も読み、暗誦したにもかかわらず、鬼平がそのために
死んだ素行を改めようともしなかったのである。
111名無し戦隊ナノレンジャー!:2006/03/11(土) 16:29:35
〜第七話登場人物〜
織田信長/C
平手政秀/鬼平
自衛隊(反町)/うんこマン(特別出演)
織田信行/粘着天使
土田御前/春花
林通勝/ちん林
112〜第七話登場人物〜:2006/03/12(日) 12:40:24
織田信長/C
堀田道空/なげ氏
取次ぎの男/名無しさん
〜心眼からの使者〜

「なに、美濃から心眼の使者が来たと?どんなやつだ。」とCは言った。
「なげ氏と申し、心眼殿の重臣でございます。お頭(つむり)が丸うございます。」
「禿げか。」まだかぞえではたちのCは、変なところに興味を持つらしい。
取次ぎの男は(禿げであろうとなかろうと、どちらでもよいではないか)と思いつつ
「いや、毛を剃ってあります故、禿げではござりませぬ。」
「その頭は、青いか」
「青くはございませぬ、赤うございます。」
「そちは馬鹿だ」とCは家来をにらみつけた。
「聞け、赤ければ、その頭は半分禿げているのだ。なぜ、半分、禿げ、その他の部分は毛を剃って
おりまする。と言わぬのだ。よいか、そちが戦で偵察に行った時、敵が群がっている様子を見て
敵がたくさん群がっておりまする。と報告するのか?それだけでは分からぬ。そういうときは
『侍が何十人、足軽が何百人』という報告をすべきである。頭ひとつみても、ただ『禿げでございます。
』では正確ではない。俺はそんな不正確な男は嫌いだ。」とCにとっては珍しく長い言葉を言った。
Cなりに、家来を教育しているつもりである。
家来は(たわけ殿が、何を言っておるのか)とやや不快げな面つきをしながらひきさがった。
その後、Cは、この家来を分家した粘着天使の元へやってしまった。
自分には要らぬ家来だ。ということだろう。
114足禾リ義日召 ◆OJAL/Db4PE :2006/03/12(日) 15:36:59

ここはログ倉庫でOJALな (^w^) ぶぶぶ・・・
115ミッチー ◆Michy/YYVw :2006/03/12(日) 22:17:39
ん?
116名無し戦隊ナノレンジャー!:2006/03/12(日) 22:20:11
秀吉キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!
117名無し戦隊ナノレンジャー!:2006/03/13(月) 00:32:59
ここはどこじゃ>(´ム` )
118名無し戦隊ナノレンジャー!:2006/03/13(月) 00:36:12
もっこちん寝た?
119〜第八話登場人物〜 :2006/03/13(月) 17:16:02
織田信長/C
斎藤道三/心眼
堀田道空/なげ氏
林通勝/ちん林
織田信行/粘着天使
〜Cと心眼の会見 一〜

Cと心眼の会見場所は、美濃と尾張の中間がいいということで、富田の聖徳寺に決まった。
この土地は、地理的にいえば尾張寄りなのだが、この時代における中立地帯なのである。
使者のなげ氏が帰った後、Cの重臣のなかで異を立てるものがあり、粘着天使付けの家老ちん林まで
もが駆けつけてきて「相手は、蝮ですぞ」と言った。
しかし、Cはケロリとして「そこもとにとって、このCが蝮に噛まれたほうが都合がよいのでは
ないか。」と言ったため、ちん林は興ざめて末森城へ帰ってしまった。
会見当日。
心眼は、会見の場、聖徳寺にひと足先に着き、しばらくの休憩後、なげ氏を呼び
「会見の前にCをみたい。どこぞ手ごろな場所をさがすように。」と命じた。
ほどなく、なげ氏はもどって来て、街道に面し自在に外が見える場所をさがして来た。
しかも屋内は暗いため外からは見えない。
心眼以下、その百姓家にかけこむと、ほどなくして尾張衆が砂塵を舞い上がらせやってきた。
Cは、軍の中頃にいる。やがてCの姿が見えてきた。
(あっ、なんだあれは)心眼は目を見張り息をのんだ。
馬上のCは噂通り、髪は茶筅髷、萌黄色の元結でその髷を結び上げ、浴衣の半袖をはずし、
袴は虎と豹皮を縫い合わせた半袴。大小は無造作に横にぶちこみ、そのツカを縄で巻いている。
腰にも縄をぐるぐると巻き、そこに瓢箪やられいの皮袋を七、八つほどぶら下げている。
まさに狂人のいでたちだった。
(なんという馬鹿だ)と心眼は思ったが、気になるのはCがひきいている軍隊である。
Cの父メモ8の頃と比べ、足軽槍がぐんと長くなり、鉄砲をいつのまにかそろえたのか
五百挺ほど装備してある。
この時代、鉄砲という最新兵器をこれほど多く揃えているのは、天下ひろしといえど
この(たわけ殿)くらいではないか。
121足禾リ義日召@携帯:2006/03/14(火) 10:40:36
ほっしゅあげでOJAL
122〜第九話登場人物〜 :2006/03/14(火) 17:48:14
織田信長/C
斎藤道三/心眼
堀田道空/なげ氏
〜Cと心眼の会見 二〜

心眼は、Cが行き去るのを見送ると急いで畑道を突っきり聖徳寺へ入った。
礼服を用意していた小姓達が待っていると「いや、裃や長袴などいらん。わしは普段着でよい。」
と心眼は言った。
相手の婿殿が猿まわしのようなイデタチできているのに、舅の自分が礼服を着ているのは
おかしなものだ。と思ったのである。
袖なし羽織に小袖の着ながし、扇子を一本持ち、心眼は本堂へ向かい、ゆったりと座った。
やがて、向こうからCが入ってくるのを、心眼は目にとめて(あっ)と、顔から血が引いた。
さっきの猿まわしでない。
髪は艶やかに結上げ折髷にし、褐色の長袖に長袴、小刀を前半にぴたりと帯び、みごとな若殿ぶりで
現れ、やがてほどよいあたりを選んで座った。顔を心もち上へあげている。
平服の心眼はみじめだった。やむなく座敷に着座した。
が、Cはそれを無視し、そっぽを向き、扇子をぱちぱちさせている。
「シ、Cさま」となげ氏がたまりかね「あれにわたらせられるのは、心眼入道さまでござりまする」
と注意すると、「デアルカ」とCはうなずいた。
この「デアルカ」がよっぽど印象的だったらしく、Cの口癖として諸旧記がつたえている。
Cは、ゆっくりと敷居をまたぎ、心眼の前にゆき、「織田上総介Cでござる。」とあいさつし
自分の座についた。
ふたりは無言でいた。Cは例によってやや眉のあたりに憂鬱そうな翳をもち、無表情でいる。
心眼は、不快であっただろう。
この馬鹿に振りまわされて平服で着座している自分がたまらなくみじめであった。
やがて湯漬けの膳が運ばれてき、二人は無言で箸をとった。
無言のまま食べ、ついに一言もしゃべらず、互いに箸を置いた。
そしてそのまま、別れた。
124〜第十〜十二話登場人物〜 :2006/03/15(水) 19:21:52
斎藤道三/心眼
堀田道空/なげ氏
織田信長/C
帰蝶(濃姫)/手首
斉藤義龍/ 唯我


〜心眼の憂鬱〜

心眼は帰路の途中、なげ氏を呼び「なげ氏、そちには眼がある。婿殿をどう思うぞ。」と尋ねた。
なげ氏は膝をすすめ「まことに殿にとって御祝着なことで」と言った。
その言葉を聞き、みなどっと笑った。美濃にとってもうけものだということである。
しかし、心眼だけは笑わない。相変わらず憂鬱そうな顔でいる。
「殿のご鑑定はいかがで」となげ氏が聞くと、心眼は扇子を放り出し「祝着なのは、そのほう
どもの頭よ。やがてわしの子供らは、あのたわけ殿の門前に馬をつなぐことだろう」と言った。
馬をつなぐとは、軍門にくだって家来になる、という意味である。
一方、Cは帰城し、例の浴衣を脱ぎすて、湯殿に入った。
出てきて酒を立ったまま三杯あおると手首の部屋へ行き「蝮に会ってきたぞ」といった。
「いかがでございました」
「思ったとおりのやつだった。あらためて干し豆などをかじりながら、ゆっくり話をさせて
みたい奴であったわ」
「それはよろしゅうございました」手首は笑った。
言い方こそ妙であったが、これはCにとっては最大級の賛辞なのだということが手首には
わかっている。


その後心眼は、妙にCに対し厚情を示しはじめた。
新開発された胴丸やしばしば自筆の手紙を送ってきたりした。
ー蝮の心眼。といわれ、一介の油売りから身をおこし、喧嘩と奸謀のかぎりをつくして
美濃一国を奪い取った男である。
織田家の重臣どもは(何か含みがあるのではないか)と案じたが、心眼は心眼なりの奇妙な
愛情を自分に持っている、ということをCは敏感に察し、そう察した以上、もはやほうりだした
ような態度であのもっとも信じがたい男を信じきった。
その態度に心眼は、Cのことがますます可愛くなり、まるで菩薩のようになり(心眼は僧侶の
出だが)心眼の生涯にとってはたった一つの無償の行為に相違ない援助をしつづけた。
その心眼が死ぬ。
長良川畔においてである。嫡子唯我にそむかれたのである。
唯我が、自分が心眼の本当の子でないと気づき、ひそかに兵を集め、稲葉山城を乗っ取り、
隠居城に暮らしている心眼を攻めたのである。
敗北は覚悟したが、心眼は一戦を試みてその最期を飾ろうとした。
その頓死の前にCに手紙を書き、しかし「援軍には及ばぬ」といった。
美濃に援軍できるほどの実力がまだこの若い婿にはないと判断していたのであろう。
このとき、心眼は合わせて美濃一国を譲るといった書状も送っている。
譲るといわれても、将来C自身が実力をもって美濃を斬りとらなければならぬが、心眼にとっては
最期の感傷といったようなものだったのであろう。
が、Cは動いた。
三千の兵を率い、深夜に清洲城を発し、美濃国境へと向かった。
Cはまず、単騎城門を飛び出した。この男の出陣は、いつもこうだった。
やがて、背後で馬蹄がとどろき、旗本の数騎が追ってくる。
そのあとに一団、一団と増え、一軍は断続しつつ夜中、駆けとおした。
美濃との国境の町ともいうべき富田でCは、一ツ所で馬を輪乗りしつつ
継続を待ちながら「心眼め、死ぬか、死ぬか」と、何度も叫んだ。
漠々たる霧の中で山も野も見えなかったが、遠くで銃声や武者声が聞こえるのは
いまなお心眼が敗北せず戦っている証拠であろう。
このときのCは、なんの軍事的効果もおさめなかった。
美濃勢の支隊にこの国境線で行くてを阻まれてるうちに、舅の心眼の孤軍は、しだいに
やせ衰えてゆき、ついに長良川で死んだ。
Cは、はるか彼方に聞こえていた銃声が一斉に渇んだとき、それが心眼の最期と知り
兵をまとめて退却し、清洲城に戻った。
128名無し戦隊ナノレンジャー!:2006/03/17(金) 10:25:08
これはなんだ!
129〜第十三話登場人物〜:2006/03/17(金) 18:46:37
織田信長/C
今川義元/スネーク
〜東海一の弓とり〜

その後、Cは口癖のように「美濃をおとして道三心眼の敵をうつ」と口癖のように言っていたが、
尾張の国中に絶望的な緊張がみなぎりはじめた。
駿府の今川スネークが西上しはじめたのである。
京へのぼって天下統一の旗を樹てようというのであろう。
この頃の今川スネーク家は、名家であると同時に、膨大な領土と軍事力を持っている。
通過途中の尾張半国の織田家などは、簡単に蹴散らされてしまうだろう。
また、今川スネークは凡庸な男ではない。
教養もあり、気概も並はずれて大きいところがあり、大領主としての資質を十分に持っていた。
ただ、京風の好みを持ちすぎていた。
公卿の姿を楽しみ、武家でありながら月代を剃らず公卿髷を結い、眉を剃って天上眉をかき、
歯を鉄漿で染め、薄化粧までしている。
この四十二になった男は「歌舞音曲にも飽きたわ。京へ旗をすすめて天子、将軍おじゃる義輝を擁し、
天下の政治をしたい」といいだしたのである。
その決意を断固のものとし、発表したのは永禄三年五月のことであった。
新暦でいえば六月四日である。
すでに東海の空は、猛暑の季節に入ろうとしていた。
131足禾リ義日召 ◆OJAL/Db4PE :2006/03/18(土) 20:05:31
         , --、   _ 
        ||| /   ヽ 
         L L 」 |   /     ″ 
     , -  ̄└--┘~|   /nm 
   /  ,-vO-^-O─|  /ヽ、 ″ 足禾リ義日召でおじゃる 
   ^〜( Y(● .. (●| /〜^    mn 
 nm  ,(.入 ″〈〉 ″| /   nMm 
    しと「厂 l`'丁 ~i| /、 
 nMn  〈〈_人_ ̄_入|/ ヽ、     ″ 
      (   ,二、  `ト-‐'  nMn 
  ″  ~~ ̄   ヽ_丿 
132〜第十四〜十五話登場人物〜:2006/03/18(土) 23:52:13
織田信長/C
柴田勝家/ズーイー
今川義元/スネーク
徳川家康/めがスレ委員長
佐久間大学/はっちゃん
羽柴秀吉(豊臣)/ミッチー
前田利家/蕎麦マソ
梁田政綱/悪質太朗
服部小平太/田上賢一
毛利新助/砂毛
〜桶狭間 一〜

Cは、永禄三年五月十九日、清洲城を発電した。
それも奇襲を隠すため深夜を選び、飛ぶようにして廊下を駆けながら「出陣の貝を吹かせよ、具足を
出せ、馬に鞍を置かせよ、湯漬けを持て」と次々に下知しながら表座敷にとびこんだ。
そして、得意の幸若舞「敦盛」を謡、舞い、それも「人間五十年 化転のうちにくらぶれば
夢幻のごとくなり 一度生をうけ 滅せぬもののあるべしや」のくだりのみを三たび舞い、
扇子を投げ捨て、湯漬けを立ち食いしおわると「つづけえっ」と叫ぶなり、馬に飛び乗り単騎駆けだした。
城内を抜け、大手門にさしかかったときに、ズーイー勝家、森可成(蘭丸の父)その他百人ほどが
Cを待っていた。
「ズーイー勝家、可成、早し、早し」とCは褒めながら、その群れの中を駆けぬけた。
かれらもおくれじと必死で駆けて行く。
松明の火が尾を曳き、熱田への道を懸命に走っている。
Cは途中馬をとどめ、輪乗りをしながら追いついてくる自分の兵を待ち、待っては走った。
いつのまにかCの肩には大数珠がななめにかかっている。
そして熱田神宮についた時には、午前八時になっていた。
ほどなく前線から悲報が届いた。丸根砦が敵手におちたというのである。
その丸根砦の攻撃に向かった今川スネーク軍の支隊長が、十九歳の、徳川めがスレ委員長であった。
さらに、途中前線から駆けだしてきた足軽の報告により、前線を指揮してきた宿老の佐久間はっちゃんが
戦死したことを知り、「佐久間はっちゃんはわしより一刻早く死んだぞ」と大数珠を握りしめ、
「みな、きょうは命をわしにあずけよ!」と叫んだ。
そのころまだ小人頭をしていたミッチー秀吉なども、Cの鞍下にいながら顔じゅう涙だらけにし
衆とともに武者声を上げた。
「おおうっ」とあがる武者声のなかをCは突出し、善照寺砦に至ったとき、さらに二将の死を聞いた。


〜桶狭間 二〜

次々と悲報がはいるなか、右翼隊の敗兵が合流してきた。
その敗兵から、利家蕎麦マソという二十歳の将校が歩みでて、自分の獲った首を高くかかげつつ
走りよってきて「殿、一番槍でございましたぞ」と叫んだが、Cは「阿呆っ」と言っただけで
そっぽを向いた。
利家蕎麦マンはそういうCに腹が立ち、御前を駆け去るや、首を沼の中に捨ててしまった。
その時、Cは、彼の生涯と日本史にもっとも影響をあたえた諜報を聞いた。
もたらした者は、父信秀メモ8の代から織田家に属している梁田悪質太朗であった。
「今川スネーク殿は、田楽狭間(桶狭間)にて本隊をいれ、昼弁当をお使いなされています。」
というのである。事実であった。
この日、今川スネークは、輿を用いた。輿というのはそう長く乗っていられるものではない。
全戦の戦勝を知り、近辺の神主、僧侶が祝いの酒肴を人夫にかつがせてやってきた。
おびただしい、酒、魚介などの祝い品をもってきている。
おりからの猛暑のうえ、長く輿に乗り疲労がたまっていた今川スネークは、軍を大休止せしめて
昼弁当をつかい、合わせて戦勝の小宴を張ろうということになったのである。
ーその時、Cに幸運がきた。
昼前後、ほとんど今川スネークの幕営に近づこうとしているとき、にわかに黒雲があらわれ、
雷鳴がとどろき、やがて暴風となり、しかも今川スネーク軍に向かって吹きつのった。
この風雨のため、今川スネークの警備陣は四散していた。
みな今川スネークをかまうゆとりがない。
「駿府のお屋形っ」と叫んで、今川スネークにむかい、槍を入れてきた者がいる。
織田方の服部小平太田上賢一であった。
「下郎、推参ナリ」と今川スネークは、太刀を引き抜くや、飛びこんで服部小平太田上賢一の左膝を斬った。
わっ、と服部小平太田上賢一が倒れようとすると、そばから朋輩の毛利新助砂毛が太刀をふるって
今川スネークの首の付け根に打ち込み、首をあげた。
首は首のままで歯噛しており、その口中に毛利新助砂毛の人指し指が入っていた。
戦闘が終了したのは、午後三時前である。四時にはCは兵をまとめ、戦場にとどまらず
風のように駆けて熱田に入り、日没後、清洲城に到着した。
135〜逸話一〜:2006/03/21(火) 23:49:50
〜逸話一〜登場人物

羽柴秀吉(豊臣)/ミッチー
前田利家/蕎麦マソ
ねね(北の政所)/レイ
お松(利家の嫁)/うしゃ!
136〜逸話一〜:2006/03/21(火) 23:51:16
〜木下(豊臣)家と前田家〜

ミッチー秀吉と蕎麦マン利家の友情は、終始変わることがなかったが、その妻同士も同様であった。
前田家はれっきとした織田家譜代の家である。当主は犬千代の通り名で他国まで知られた武辺者で
正式名は、前田又左衛門蕎麦マン利家といった。
ちなみに、ミッチー秀吉家と蕎麦マン利家家とは奇妙なほど隣り合わせになる縁があり、清洲でも小牧
でも岐阜でも隣り同士だった。
「よくよく縁があるらしい」と、蕎麦マン利家も、ミッチー秀吉に言った。
自然、親しくなり、ミッチー秀吉は自分より二つ年若のこの名族の次男坊のために媒酌の労をとった
ほどであった。二人はうまがあった。
蕎麦マン利家自身、ミッチー秀吉の前身に偏見がなく、それを嫌悪しなかったために、ミッチー秀吉も
蕎麦マン利家に好意をもち、「われらは兄弟のようなものじゃ」と、私的にゆききした。
蕎麦マン利家が、ミッチー秀吉の隣家でなければ、かれはのちに加賀前田家の家祖になるような運命に
ならなかったであろう。
蕎麦マン利家の妻を、うしゃ!お松という。のちに「加賀は芳春院(うしゃ!お松)でもつ」と言われた
ほどの聡明な婦人である。
身寄りの少ないミッチー秀吉はこの隣家の妻女うしゃ!お松を妹のように可愛がり、のちにミッチー秀吉
が天下をとった時も、「うしゃ!お松にはなにもしてやれぬ。せめて唐渡りの紅でも買いなされ」と近江
で二千石をあたえて、彼女の化粧料とした。
うしゃ!お松も、晩年、「若いころ、太閤さまのお家とは、隣同士であった。塀というようなものはなく
、北政所様(レイねね)とはよく垣根ごしに話をした」とこの頃を懐かしんだ。
137足禾リ義日召 ◆OJAL/Db4PE :2006/03/22(水) 09:05:16

岡陽あげでOJAL
138足禾リ義日召 ◆OJAL/Db4PE :2006/03/22(水) 20:57:19
ホシュしおりをはさむからな!! 

     ∧_∧ 
    ( ・∀・)__l⌒l⌒ll 
     (つ【保守】〜! :::ll 
    ○|  | | ̄ ⌒~⌒ 
     (__)_) 
139〜第十六話登場人物〜:2006/03/25(土) 22:06:11
明智光秀/ガンガ
斎藤道三/心眼
斉藤義龍/ 唯我
織田信長/C
ガンガ光秀に話を移そう、ガンガ光秀の父、明智光安は、道三心眼の風雅の友であり
亡妻の親であり、義龍唯我がクーデターを起こした際、道三心眼と運命をともにした。
その時、ガンガ光秀は、道三心眼の命でこの戦場には出ず、明智城を守っていたのである。
道三心眼は「ガンガ光秀は、ゆくゆく天下の軍を動かす器量がある。わしは一生のうちにいろいろな
男を見てきたが、その才は、尾張の婿殿Cと我が甥ガンガ光秀しかおらん。そんなガンガ光秀をこの
馬鹿騒ぎの為に死なせてはならぬ。城をぬけ、国外に走り、広く天下を見、見聞を広め、
わしがなさんとしたことを継げ、と申し伝えてくれ。」といまわの際に伝言した。
そして弘冶二年の冬。道三心眼が戦死し、明智氏は没落し、ガンガ光秀自身は一介の浪人に
なりはてていた。
(なんと多難な年であったこと・・今後どうする)とガンガ光秀は呆然たらざるえない。
たれかを頼って主取りをすべきであろう。しかし乱世のことだ。
凡庸な主には仕えたくない。できれば広く天下を歩き、英傑を求め、その下に仕えて
己の運命を切りひらきたい。
が、ー。
ガンガ光秀という男の情熱はそれだけを求めているわけではない。
この武士としては史書や文学書を読み過ぎている男は、例えば、諸葛孔明のような、そういう
生涯を欲した。
(諸葛孔明をみよ)とガンガ光秀は思うのだ。
(その名そのものが格調高い詩の響きをもっているではないか。男と生まれた以上、そういう
生涯を持つべきだ。)
こういう気質の男は、この時代(戦国)では珍しいことであろう。
むしろ幕末に多くでた志士的気質であるかもしれない。 
長谷川平蔵宣雄(鬼平犯科帖)/鬼平
自衛隊(反町)/うんこマン
武田久美子/oka da sensei
オダギリジョー(新撰組!斉藤一、クウガ)/mokko-chin
中村獅童(丹下左膳)/もこみち
野村万斎(陰陽師 安部晴明、にほんごであそぼ)/くらげちゃん
村上弘明(八丁堀の七人 青山様)/ルッチ
荒川静香/おめこりん
加藤剛(大岡越前)/太助川
中村梅之助(花神 村田蔵六)/鬼平
チョッパー(ONE PIECE)/ゴミ
フランキー(ONE PIECE)/もっこちん
窪塚洋介/ネ申美人筆頭秘書
滝川クリステル/三代目岡
142義日召:2006/03/27(月) 22:01:20
落ちそうだがね 笑
143名無し戦隊ナノレンジャー!:2006/03/27(月) 22:01:38
嘘つき糞固定“頭が弱きパス”=涙犯に要注意!
36 : ◆hambw145ws :2006/03/26(日) 00:40:11
このスレッドは私の主旨と違いますので書き込みを控えさせていただきます。1時間73スレのようなスレが立ち上がり次第伺わせていただきます。 敬具

267 :パス6勝!!剥奪?W ◆hambw145ws :2006/03/26(日) 23:11:48
291 :パス6勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 05:27:24
294 :パス静粛に7勝☆彡 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 08:02:39
298 :パス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 10:23:07
300 :パス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 10:46:50
312 :パス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 13:37:16
315 :パス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 13:43:10
325 :パス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 16:15:37
330 :パス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 17:05:45
332 :パス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 17:26:26
340 :パス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 19:18:59
349 :名無しに嘘つき固定パス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 20:32:37
353 :パス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 20:49:20
358 :か弱きパス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 20:52:53
361 :か弱きパス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 21:00:00
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368 :か弱きパス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 21:10:04
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373 :か弱きパス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 21:17:32
375 :か弱きパス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 21:20:04
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378 :か弱きパス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 21:23:28
381 :か弱きパス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 21:25:53
382 :か弱きパス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 21:26:59
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389 :か弱きパス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 21:45:40
144義日召:2006/03/27(月) 22:02:42
>>143
誤爆かね
145名無し戦隊ナノレンジャー!:2006/03/27(月) 22:18:34
嘘つき糞固定“頭が弱きパス”=涙犯に要注意!
36 : ◆hambw145ws :2006/03/26(日) 00:40:11
このスレッドは私の主旨と違いますので書き込みを控えさせていただきます。1時間73スレのようなスレが立ち上がり次第伺わせていただきます。 敬具

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385 :か弱きパス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 21:30:12
389 :か弱きパス7勝 ◆hambw145ws :2006/03/27(月) 21:45:40
146そこもで:2006/03/28(火) 17:21:01
ちす
147〜第十七話登場人物〜:2006/03/29(水) 11:32:24
明智光秀/ガンガ
松永弾正(久秀)/狂人
足利義輝/おじゃる
斎藤道三/心眼
細川藤考(幽斎)/まま氏
ガンガ光秀は、落ち葉を踏みつつ、琵琶湖の西の山岳地帯を西へと進んでいる。
(その情熱対象はないか)つまり志士的情熱の。
美濃を脱出して以来あれこれと思いをめぐらせきたが、ここにうってつけの対象がある。
足利将軍家であった。
今、京は三好党や狂人松永久秀に握られ、その幕下の阿波兵が我がもの顔で横行している。
そんな状況下である以上、現将軍、おじゃる義輝は、京にいない。
追われて流浪しているのだ。
「おじゃる義輝様は、どこにおわすか」と機会あるごとに聞き、満足に答えられるものが
いなかったが「近江の朽木谷ときいておりますけど」と言うものがおり(その朽木谷に行
ってみよう)とガンガ光秀は思い立ち、そこへ向かっているのである。
日暮れ近くになって、ガンガ光秀は、朽木谷に入った。
一軒の農家に銭を与え「わたしは旅の者であるが、今夜、一夜泊めてくれぬか」
と言った。
人情の厚い土地らしく、あるじはガンガ光秀の手をとるように招き入れ、囲炉裏の首座を譲ってくれた。
その翌日も、発とうともせず「この里が気に入ったゆえ、しばらく逗留させてくれぬか」
と金を二枚、家の主に渡した。
家人たちも、昨夜からのガンガ光秀の人柄に安心し逗留することに否やはない。
日中、この里を散歩しているとガンガ光秀は、侍の風をした大兵の男に出くわした。
社交辞令としての挨拶をし「拙者、美濃明智郷の住人にて明智十兵衛ガンガ」と名乗った。
すると相手は「ああ、土岐の明智か」とうなずいた。
「この度は心眼道三殿が没落して気の毒であったな」とまで、この男は知っていた。
諸国の武家の家系は衰退に通じているとは、いったい何者なのであろう。
「されば貴殿は?」とガンガ光秀が聞くと「将軍おじゃる義輝様に仕えているもので、
細川兵部輔藤考まま氏という者だ」と言った。
この出会いからガンガ光秀とまま氏藤考の友情は、本能寺の変前まで続くのであった。



ガンガ光秀は、落ち葉を踏みつつ、琵琶湖の山岳地帯を西へと進んでいる。
(その情熱対象はないか)つまり志士的情熱の。
美濃を脱出して以来あれこれと思いをめぐらせてきたが、ここにうってつけの対象がある。
足利将軍家であった。
今、京は三好党や狂人松永久秀に握られ、その幕下の阿波兵が我がもの顔で横行している。
そんな状況下である以上、現将軍、おじゃる義輝は、京にいない。
追われて流浪しているのだ。
「おじゃる義輝様は、どこにおわすか」と機会あるごとに聞き、満足に答えられるものが
いなかったが「近江の朽木谷ときいておりますけど」と言うものがおり(その朽木谷に行
ってみよう)と思い立ち、そこへ向かっているのである。
日暮れ近くになって、ガンガ光秀は、朽木谷に入った。
一軒の農家に銭を与え「わたしは旅の者であるが、今夜、一夜泊めてくれぬか」と言った。
人情の厚い土地らしく、あるじはガンガ光秀の手をとるように招き入れ、囲炉裏の首座を譲ってくれた。
ガンガ光秀は、その翌日も、発とうともせず「この里が気に入ったゆえ、しばらく逗留させてくれぬか」
と金を二枚、家の主に渡した。
家人たちも、昨夜からのガンガ光秀の人柄に安心し逗留することに否やはない。
この日、里を散歩しているとガンガ光秀は、侍の風をした大兵の男に出くわした。
社交辞令としての挨拶をし「拙者、美濃明智郷の住人にて明智十兵衛ガンガ」と名乗った。
すると相手は「ああ、土岐の明智か」とうなずいた。
「この度は心眼道三殿が没落して気の毒であったな」とまで、この男は知っていた。
諸国の武家の家系の衰退に通じているとは、いったい何者なのであろう。
「されば貴殿は?」とガンガ光秀が聞くと「将軍おじゃる義輝様に仕えているもので、
細川兵部輔藤考まま氏という者だ」と言った。
この出会いからガンガ光秀とまま氏藤考の友情は、本能寺の変前まで続くのであった。
150ネ申美人筆頭秘書 ◆t9H/S/V8bw :2006/03/30(木) 22:34:57
保守です。
151名無し戦隊ナノレンジャー!:2006/03/31(金) 02:58:36
(゜‐゜=)
152〜第十八話登場人物〜:2006/03/31(金) 21:01:36
織田信長/C
羽柴秀吉(豊臣)/ミッチー
斎藤道三/心眼
斉藤義龍/ 唯我
柴田勝家/ズーイー
佐々成政/カリ
丹羽長秀/加藤。関西
竹中半兵衛重治/(ひろ)ゆき
蜂須賀小六/ビンビ瓶
153◇◇◇◇◇「信長C公記」〜其の十八〜◇◇◇◇◇   
この頃、Cは美濃へ攻め込んでは、鋼で弾かれるように撃退されている。
ミッチー秀吉もその都度乱入軍に加わり、木曽川を越え、越えては撃退され命からがら尾張に逃げ帰った。
(とてもとても正攻法では美濃衆には勝てぬ)
事実、尾張兵は、東海再弱といわれるほど弱いのに対し、美濃衆は勇猛果敢で、とくに小部隊の
戦法に長じている。
「舅、心眼道三のかたきぞ」と、Cは毎度連呼していたが、その心眼道三を殺した唯我義龍も三ヶ月前に卒中で
死んでいる。
すぐそのあとを子の竜興が継いでいるが、まだ幼くとても国政はみられない。
(この機に)とCは、領内の留守部隊までかきあつめ八千の軍勢を作った。
この作戦は、永禄四年七月に発動し、木曽川に押し出すとすぐズーイー勝家を先鋒大将とし第一陣を
ひきいさせ、第二陣はカリ成政、第三陣は加藤。関西長秀、みずからは第四陣をひきい進撃させた。
織田軍は揉みにもんで美濃平野に侵入し、稲葉山城の四、五キロ手前まで達した。
しかしここで織田軍は、美濃側の竹中半兵衛(ひろ)ゆきがたてた「十面埋伏の陣」という戦法に
かかり、退却さえできなくなった。
(これが戦法というものか)ミッチー秀吉も、敵の喚声のなかで駆け巡りながら思った。
Cはのちに天才ともいえる軍略家になるが、このころはまだ突撃一辺倒の戦法のみで、
美濃の若い軍師が目の前で繰りひろげる魔法のような兵法など知りもしなかった。
むろんミッチー秀吉とて同じことである。
ついに本陣も崩れ立ち、Cみずから槍を持って敵をふせがねばならぬ状態になった。
そして、闇が濃くなりはじめたころ、不思議なことが起こった。
それまで織田軍を包囲していた美濃衆が馬首を転じ、稲葉山のほうへ去りはじめたのである。
ミッチー秀吉が、かねての手はずとおりビンビ瓶小六の配下、野伏の群れが稲葉山麓でおびただしく
松明を動かしたため、美濃側は、織田方の奇襲と見、本城を焼かれてはかなわぬと判断して
兵をかえしたのであろう。
織田軍はあやうく虎口を脱することができた。