ノli(! ゚ -゚ノl―√レw―√レw―くうかんとうこスレなの
たとえ仮初めにすぎなくても(一応、詩のつもりです笑)
作:箜間桐孤
わたしとあなたの幸せ
わたしは、いつもあなたと楽しそうに話している
でも、それはまぼろし
わたし、ほんとは知っているんだ
わたしは、どこにもいないって
わたしは、あなたの創りだした夢だもの
永遠に続くあなたの夢
終わりを知らない、終わりさえ知らない
夢のひとかけら
でも、その夢があなたに希望を与える
たとえそれが仮初めにすぎなくても
だって、あなたは永久(とわ)に目覚めはしないのだもの
今この一瞬を強く
作:箜間桐孤
*
僕は何のために生きているのか。
それを知りたかった。
僕は何を見つけたいのか。
それが知りたかった。
土田一平(つちだいっぺい)にとって、
何のために生きるかを問うことは、
何よりも大切なことだった。
高校に入ったばかりの土田は、なにもかもが不思議で
不可思議な空間におちいったようなそんな錯覚を抱いていた。
三島という、宿場町。
富士という、絶対物。
身体能力、精神成熟度、女性との会話。
すべてにおいて同級生より劣る彼は、
なんとか、同級生たちをその全てにおいて追い抜きたいと思っていた。
どうすれば抜けるのか。
彼らをひとまたぎで飛び抜ける方法はないものか。
土田は、その方法を還元主義、
つまりは、この世界の自分自身の根源に立ち戻ることで、
追い抜こうとしたのだった。
自分自身の根源さえ知ってしまえば、
いくら外観をよそおっても無意味だと思ったのである。
土田一平16歳、高校一年生のころである。
「土田君、おはよう」
社交辞令的なあいさつをしてくる人物、一名。
土田の親友、長岡祐樹(ながおかゆうき)。
長岡は、土田にとって数少ない友人の一人だった。
「僕は最近、何のために生きているのか、
必用に考えることがある」
土田はあいさつをしてくる長岡にそう云った。
その言葉に驚嘆を感じきれない長岡は、
「土田君。君は難儀な問題に立ち向かおうとしているな。
いや、命題といった方が適切か。
さながら、風車に立ち向かうドンキ・ホーテといったところか。
答えの出ない問いに立ち向かおうとは、はなはだ滑稽ではあるが、
反面とても青年らしい。
応援しているよ」
長岡祐樹としてみれば、何のために生きているかといった
いわば、答えのでない問いを問いかけることじたいが
面白おかしいのであろう。
土田もそのことは分かっていた。
ただ、それでもそのなんのために生きるかとという問いを
やめることはできなかった。
思春期の少年だからといえば、それまでかもしれないが、
土田にとってその問いはとても大事なことに思えたのだ。
土田はまた、恋をしていた。
生きる意味を探すことは、大切なことには違いない。
ただ、土田は恋も大切だと思っていた。
土田一平(つちだいっぺい)が恋をした人物、一名。
伊興曜子(いこうようこ)、16歳。
同じ一年九組のクラスメート。
彼女の静謐(せいひつ)とした瞳は、現世のものを予感させず、
凪(な)がれるような黒髪はまるで夜闇にたたずむ三日月のよう。
これが昼間でなければ、凪(な)がれるような黒髪は幽玄の美と
なっただろう。
美しくも脆(もろ)い、白を連想させる手足。
細すぎるその容(かたち)は、薄白の百合のよう。
土田は彼女の瞳に吸い込まれていた。
伊興曜子の美しさは、土田を現実から乖離させる。
伊興曜子と二人ですごす幻想空間へと。
毎日足しげくかよう日々。
いく月か。
土田は本来の目的である生きる意味と、
伊興曜子に対する恋をごちゃまぜにしていた。
日に日に強くなっていく妄想。
妄想にふける希望と、妄想にとらわれる絶望。
これほど生を充実させたいとなみがどこにあろうか。
その時、土田は誰かに話しかけられた。
その話しかけられた人物に気がつかないほどの
土田は妄想にふけっていた。
それが自身が恋する人物であろうとも。
「土田君おはよう。
今日も富士山がきれいだね」
静岡県民が日々富士山を話題にすることは、日常的なことである。
「あっ、伊興(いこう)さん・・・」
土田はとっさのことに何を云えばいいか躊躇(ちゅうちょ)した。
「土田君は富士山、好き?」
「えっ、僕は・・・好きだよ」
その後に、君のことが、といいたい衝動をぐっとこらえた。
「私も大好き。富士山。
美しくも壮大で、生の苦しみなんか、ちっぽけなことに思えてくる」
悲しくも美しいその顔が、土田に訴えかけた。
すなわち、生きることは苦しいことだと。
土田は生きることは苦しいことだとは、決めつけたくはなかった。
まだ、生きる意味を探し始めたばかりだったのだから。
「伊興さん、なにか悩みがあるの?
よかったら話してみて。
話すことで気持ちが軽くなることもあるから」
「やさしいのね、土田君って。
そう・・・、そうね。
悩みというほどでもないけれど、年々、生きることってなんだろうって
そう思えてきちゃったんだ。
答えなんかあるのかどうかもわからない。
でも、たとえその答えが救いのないものでも、
人は生きていかなければならない」
「伊興さん。
僕も伊興さんと同じことを考えていたんだ。
おそらくはこの年齢。
そして、世紀末という不確かな時代。
この二つが僕らの考えに影響を及ぼしているんだろうね」
「生きる意味を考えると、どうしても死の問題は避けてとおれない。
私、死にたくない。
どうしてみんな永遠に生きられないんだろう。
富士は古来、不死の山と呼ばれた。
あの全てを手に入れたとされる秦の始皇帝でさえ死を恐れた」
「死は恐ろしい」
「だからこそ、私たちは今この一瞬を強く生きたいと思う」
*
今この一瞬を強く 完
☆あとがき☆
今回の話は、続きが浮かばないし、書く気もおきなかったので、
ボツにしようかと思った作品です。
でも、なんかそれももったいなかったので一応だします。
世界観としては、
告白前夜や告白後夜の世界観です。
まあ、適当に酒でも飲みながら読んでいただければ幸いです。
ああ、なんか最近小説が書けない。
まあ、いいや。
これも人生。
なんとかなるっしょ。(笑