『げんしけん』のごとくヲタクを観察して短編を書きませう
そして、感想述べませう
2 :
名無し戦隊ナノレンジャー!:05/02/27 00:19:45
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ε=┃ 通 報 車 ●
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3 :
名無しですが何か?:05/02/27 00:27:34
しょっぱなかも
書き溜めてたの乗せる
とりあえず長いんで連載化する
タイトルは『二次元の君』
君は何処にいる…
僕には見えない。
僕はここにいる。
君はそこにいる。
でも…僕には見えない
4 :
名無しですが何か?:05/02/27 00:28:19
『2次元の君』続き
「あきはばら〜秋葉原です。ご乗車ありがとうございます。」
彼は下りだした。黄色い看板をくぐって、エスカレーターを駆け下りる。
大きなリュックが小さな背中を占領している。
リュックたん、彼女には彼の夢を詰め合わせるという重要な任務が待っている。
彼女が彼に背負われてここ「アキバ」に来たのは何度目だろう?
彼が彼女を手放してアキバに来たことなど無い。
単に彼女が大きく、巻いた大きな紙を入れても飛び出さないからなのだろうか?
記録用円盤を入れるのにちょうど良いポケットを持っているからだけなのだろうか?
いや、彼にとって彼女は…
彼女には友達がいる。
まず、大口のチャックの引き手に大きなストラップ、そこには1人の少女が描かれている。
財布のストラップにもまたその少女が。
みんな彼が彼女にくれたものだ。
彼の背中で一緒に揺れ動いている。
5 :
名無しですが何か?:05/02/27 00:29:11
『2次元の君』続きの続き
どうやら、彼は走っているようだ。
・・・止まった。彼は足を止めた。
いや、足を止めたのではない。止めさせられたのだ。
1つのビルの前。
そこには彼のような姿の生命体にあふれていた。
彼らもみな、彼のように「彼女」を背負っている。
そして、彼らは列をなし、その先端は薄暗い階段へと導かれている。
彼が動いた。一歩
彼が動いた。一歩
彼が動いた。一段
彼が動いた。一段
彼が動いた。二段
彼が動いた。また一段
彼らは列をなし、上っていく。
彼女もまた彼につづく。
彼が上った。一段
彼が上った。二段
彼が上った。また一段
6 :
名無しですが何か?:05/02/27 00:31:07
『2次元の君』続きの続きの続き
何時間がたったのだろうか?
彼はたどり着いた。
とうとう辿り着いたのだ。
彼の前には君と同じ衣服を身にまとった人間が立っていた。
僕は見ていた。
彼は、君と同じ服装の人から紙袋を受け取っていた。
福沢さんと引き換えに。
彼は君を買っていた。
君は僕だけのものではなったのか?
彼の買った君と僕の君。
何が違う。
何も変わらない。
7 :
名無しですが何か?:05/02/27 00:31:48
その続き
彼は君を見ている。
僕から「彼の」君は見えない。
僕から見えるのは彼の左横顔のみ。
なんていうことだろう、僕には君が見えない。
君は横からは見えない。
紙という、君のいる世界の宿命だ。
平面という世界にいる君は今、僕からは見えない。
僕は歩いた。
彼の後ろへ。
君が見えた!
君はそこにいる!
僕は歩き続けた。
君はまた見えなくなった。
見えるのは彼の右横顔のみ。
彼は君を彼女に詰めた。
彼は歩き出した。
狭い階段を軽やかに下ってゆく。
彼は幸せそうだ。
8 :
名無しですが何か?:
(コレで最後)
君は彼と同じ世界の住民なのか。
君は僕と同じ世界の住民なのか?
僕は君を見た。
君は僕が背負っている彼女の中にいる。
君は僕と同じ世界に存在する。
でも、君のいる世界は僕の世界の中にある。
君の世界では、光はすべてxy平面上を走り、存在はRGBで決定される。
僕は入れる、君の世界に。
君の世界は人間の作った世界だから。
僕は人間だ。
でも、君は違う。
でも僕は信じたい。君が君であると。
そう、君が人間であると。
僕は君の世界に飛び込みたい。ブラウン管の中で待っている君の元へ。
僕の部屋の片隅に置かれた窓から僕は君の世界を見つめる。
君がRGBの光を放つ窓の向こうからささやいてくれることを…
僕は、ずっと待っている。