(((*-_-ノ!l∩<…箜間桐孤の雑談空間7

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455 ◆NAGUMO.91E
さわやかな朝だ。鳥の鳴き声。カーテンから差し込む陽光。
窓のあたりを覆う冷気すら清々しい。
心地よい朝の目覚めだった。
「なんでだろう。」
あなぐも名無しはミッチーの腕枕に抱かれていた。
「なんでこうなったんだろう。」
一度目は呟き、二度目は胸の中で唱えた言葉だ。
夜の記憶。激しく絡みあった感触。男と男の姦淫。
湿った汗の香り。粘つくタバコの香り。ミッチーの香り。
「・・・」
大きく首を振る。すると、右腕に抱かれていた
あなぐも名無しの鼻先に、ミッチーの左腋が触れた。
「くさい」
きつい酸味が鼻腔を突く。だが顔を背けられない。
俺は正常な性癖だった。昨日までは。
夕べまでは。ミッチーを知るまでは。
「なんでだろう。」
再び同じ言葉を口にしながら、起きあがろうとする。
肛門が痛い。ミッチーは馬並み。無理もないことだった。
あなぐも名無しはニ週間の便秘のあとでさえ、あんな太い便を出したことはなかったのだ。
「俺。俺さあ、ミッチー・・・」
安らかな寝息を立てて、安眠を貪るミッチーに
あなぐも名無しは語りかける。聴いて欲しいわけではなかった。
言わずにはいられなかったのだ。
顔面が紅潮する。胸の中で何かが、熱い何かがこみ上げている。
「俺さあ、ミッチー・・・」言葉が出なかった。この感情に対する形容詞がでてこない。
何を口にすればいいのか。あなぐも名無しにはわからなかった。
「明日も来るよ。」
ミッチーの耳元に囁いた。傍らのメモ用紙に
今と同じ言葉を書き込む。手が震えているのがわかった。
自分が恥かしい。なんでだろう。また口にしようとして押さえる。
あなぐも名無しは服を着ると、急ぐようにミッチーのアパートを出た。