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書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :
身障者が犯人という内容は勿論のこと、自分が所有している版では乞食野郎等の差別用語が
目につく。この辺は現在なら当然問題有りとなるのかと思う。
思うに、本作は三人称の物語が、第W部(言わば長めのエピローグである)に到って、
真犯人からギディオン宛の手紙という形を取る一人称で真相が語られ、
締め括られるている。これはジョンの小説作法の一類型なのではないか?
すると、「火刑法廷」のエピローグにおける人称の切り換え(三人称→一人称)は、
前述したとおり、やはり真相を記すための「手法」と理解出来る。
火刑法廷=本格ミステリないしはリドルストーリーと考えるオナニストは、
D・G・グリーンが、第三の真相における付言(最後の4行)で示唆したかった事を
良く考えてみることである。
さて思うに、モーリ=真犯人という真相は考えられないだろうか?
実は最初にギディオンが呈示した推理が真相だったという次第。
執事のノールズとジョンは、モーリをかばっているということ。
執事のノールズはモーリを年がいも無く愛しておりゆえに偽証。
ジョンは愛情というよりは、掛け替えの無い悪魔崇拝の同士としてかばっている
とは考えられないだろうか?