リレー小説「いじめっ子の悲劇(番外編)」

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1そこもで ◆ACT.MODE.E
本スレ
リレー式連続小説[いじめっ子の悲劇]
http://tmp4.2ch.net/test/read.cgi/mog2/1090821631/

どうも、連投しちまうんで本スレの軽いノリをこわしてるよーなんで、別進行でやんよ。

リレーなんでどんどん続き書けよ。
でもこっちは多少決まりごとがあんから>>2以降を良く読めよこら。
2そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:01
3そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:02
こっちは、俺が独断で採用と不採用きめるからな。
ちゃんと前の話ででてきた設定とか踏まえてないと没にすんよ。

続きがダブったら、どっちを続けるかも、俺が決める。
俺が決める前にどんどん先を続けてもおっけーだけど。
あとで、一蓮托生で没になる可能性もある。
でも、たくさん続きがついてるから残そうとか、
続きがフォローになってるから残してもいいなとか、酌量の余地ができるから、
気に入った展開になったら、続けちまうのも手だ。賭けだけどな。

誰も続き書かなかったら、おれがぼちぼち書いちまう。

あとサゲ書き込みは没、見せたくないほど自信の無いもん見せんな。
て、かんじで。
4そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:04
あと、話数を始めに書くこと。
5そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:05
14 名前:愚者 投稿日:04/07/26 21:06
>>12さんすいませんが一話から仕切りなおさせてもらいます。
第一話

今日は入学式、松田君は喜びと不安を胸の中に抱えながら校長の話を聞いていた。
校長の話も終わり、担任の先生が発表された。担任の教師は新任の女の先生、松田
君は少しの不安を抱きながらクラスの皆と教室に帰っていった。
教室に来てみて松田君は驚いた。小学校の頃の悪ばっか集まっているではないか、
その時松田君の心の中から喜びは消え、不安だけになった。
初日の今日は入学式と軽いホームルームだけだったので松田君は誰とも話さないま
ま家路についた。
6そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:06
第二話

まだ昼を少し回ったばかり。
バスを降りた松田君は晴れ渡った空を一度見上げてため息をついた。

小学校のときの悪い友達につられ、ていじめに加担し続けていた事を思い出した。
中学校に上がったのをきっかけに、悪い友達と手を切って苛めにくわわるのはよそうと思っていたのに・・・。
また、彼等とおえなじクラスになってしまった・・・。
彼らはまた自分をいじめに加われと誘うだろう・・・。

明日からの事を思うと、この晴れた空さえ忌々しかった。
松田君は、とおりかかった猫を蹴っ飛ばしてから、またためいきをついた。
7そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:07
第三話

蹴られた猫の方は、かなりダメージがあったらしく、
しばらくの間アスファルトの上で後ろ足をジタバタさせていたが、
そのうち勢いよく起き上がると、びっこを引きながら歩き出した。

「どうしたの?」
家に向かって歩き始めた松田君に、背後から女の声が聞こえた。
高校生くらいの女だ、
松田君は「なんだかぽーっとした雰囲気の女だな」と思ったが、
次にその女が猫を拾って抱き上げると、緊張してその場で身を固めた。
「ヤバイ!飼い主か!?」
女は、猫を胸に抱きながら松田君を見据えている。
すぐに逃げればいいのだが、松田君は少しパニックを起こして動けなかった。
8そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:07
第四話

・・・すると、女は猫を両手で頭上にかざし、松田君を見据えたまま口元だけでニヤリと笑った。
「あっ!」
声を上げたのは松田君だ。
女は猫をアスファルトの上に勢いよく投げ下ろした。
普段なら勢いはあっても身軽な猫のことだから、なんとか着地しただろうが、
松田君に蹴られたダメージが残っているのか、猫はそのまま道路にたたき付けられた、
さらに、女の足が、追い討ちをかける。
「ぎにゃぁああああああ!!!」
赤ん坊の泣き声によく似ている・・・と松田君は思った。
女は、なんども何度も猫を踏みつけたが、猫はもうそれ以上は声を上げず、
アスファルトの上に黒いシミを作った。
9そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:08
第五話

それでも猫はまだ生きていた。
だらしなく舌を出して震わせている下あごが、
僅かな生きている痕跡だ。
女が足を振り下ろすたびに、その下あごがぶるぶると震える。

しかし、その猫の顔面に女の靴の底が勢いよく降りてきてくると、
ガリッという嫌な音がして。
その下あごは完全に猫の頭から外れて、もう生きているのか死んでいるのか知る術がなくなった。

松田君は逃げ出すこともできずに、猫を見つめていた。
いや、もはや、かつて猫であったものという方が相応しいそれを・・・。

もう、胴の部分はぺっちゃんこに潰れていた。
頭も顎がはずれ舌と目が飛び出し、半分潰れている。

女はようやく、それを踏みつけるのをやめると、その場にしゃがみこみ、
その薄い肉と毛皮の塊を両手で拾い上げて胸に抱いた。

「ねこ・・・かわいい・・・」
畜生。邪魔だァァァァァァアッ。
11そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:08
第六話

松田君は、まだ、その場を動けずにいた。
このキチガイ女の行動に、以前自分がしたことを思い出したのだ。

松田君が小学生五年生のころ、クラスになまいきな同級生の女の子がいた。
白井真紀という子だ。
松田君が仲間たちと一緒にイジメをしていた頃だ。
真紀ちゃんは松田君たちのイジメを度々先生に報告するので松田君たちは彼女をいじめの標的にすることに決めた。
真紀ちゃんがすぐに先生に報告するので、それまではイジメの対象にはしなかったのだが、松田君たちはいつか徹底的にやってやろうと考えていた。
12そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:10
第七話

ある朝、松田君は登校途中に猫の死骸を見つけた。
車にはねられて後ろ足の方はぺっちゃんこにつぶれ内臓がはみ出していた。
さらに気味が悪いのはその死に顔だ。
それはまさしく、今キチガイ女が殺した猫の死に顔にそっくりだった。
その時の松田君は、ただ、朝から気持ちの悪いものを見てしまったというだけでそのまま通り過ぎた。
学校について、教室に入ると、真紀ちゃんが仲のよい女子と話しているのが耳に入ってきた。
13そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:10
第八話

「うちのミーミがね。昨夜から居ないの」
そう言って、女子に猫の写真を見せている・・・。
松田君は、ちらっとのぞき見て、声を上げそうになった。
ついさっき、路上に張り付いていた猫だったのだ。
松田君は「今がその時なんだ」と思った。
今から、徹底的に真紀ちゃんを追い込んでやると・・・。
いつもは仲間に引きずられるようにイジメに参加して、松田君は下っ端扱いされていた。
・・・コレで、仲間たちを見返してやるんだ。・・・と覚悟を決めて。
松田君は、学校のバケツとシャベルを持って通学路を引き返した。
14そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:11
第九話

猫の死体はまだそこにあった。
住宅地の中のそんなに人通りの無い道だ。
しかも朝方ともなれば、まだそれほど人目にも触れていないだろうし、車に踏まれ続けて散ってしまうこともなかったのだろう。
片付ける者も無く、さっき松田君が見たそのままの形で、猫の死骸はそこにあった。

・・・決して気持ちのいい作業ではない。
松田君にそれなにの覚悟が無ければ、こんなことはやり通さなかっただろう。
シャベルを猫の頭の方から地面との間に刺し込み、ゆっくりと持ち上げる・・・。
死骸はまだそんなに硬くはなかった。
猫の内臓がズルッとはみ出て、シャベルの上で死骸の重心を変えた。
「あっ!」
零れ落ちた死骸の飛び出した眼球が、松田君を見ている。
まるで、持ち去られるのを拒んで逃げ出したようだと、松田君は思った。
15そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:12
本スレ、ここまで。
アアアッ。
ァァァァァァアッ。
また、一つ一つ…
砕けて砕けて…
散って散って…
優しさの中から冷静と狂気の自分が…
自分が…
18そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:31
第十話

松田君は猫のことは仲間にも内緒にしておいた。
これから真紀ちゃんが出くわす災難を見て「いったい誰がやったんだ?」と話題になったときに名乗り出ればかっこいいと思ったからだ。

「きゃっ!」
真紀ちゃんが短い悲鳴を上げた。
三時間目と四時間目の短い休み時間の出来事だった。
真紀ちゃんは、しばらく広げた教科書を見開いた目で凝視し、顎をガクガク震わせていたが、
突然、席を立ち口を押さえて教室を駆け出していった。
「うぐごぶがが・・・」
廊下から、得体の知れない動物の声がした。
それが、真紀ちゃんが嘔吐している音だと、教室のみんなが気が付くまでに、
少しの間があった。

教室に残された真紀ちゃんの教科書を見た者が次々に悲鳴を上げ、教室は騒然とした。
血染めのページに、ピンクの・・・または赤黒い肉片・・・。

松田君が猫から切り取った猫の内臓が、そこにへばりついていた。
19そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:32
じゃまた。夜まで待機。
20名無し戦隊ナノレンジャー!:04/07/28 22:34
なんか自分が用意してたものに被ったら
却下しそうな暴君だな。そこもでくんは。
21そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:40
それはしねーが、
ちゃんとつじつまの合う一編の話にしてーから、
そんで、そのために進行管理するっつたんだから。
暴君でいくぞ。
こういうのは合議制とかまだるっこしいのはだめ。
22名無し戦隊ナノレンジャー!:04/07/28 22:48
13 :そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/26 21:04
第5話
「何か」は知覚していた。
それは宇宙を渡り地球へ向かう異形の船。
古代の甲虫のような生物的な外観の巨大な宇宙船だった。
「いかん!地球がピンチだ!」
宇宙船の禍々しい姿に、かつて松田であった「何か」は、
それが母なる星、地球に災厄をもたらすものだと直感した。

例えばこれは没じゃないか?
23そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:50
没だな。
24そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/28 22:53
てよか、そこまでになんかつじつまあってそーなるんならいいけど。
25名無し戦隊ナノレンジャー!:04/07/28 23:35
第11話

真紀ちゃんが、女子数人につきそわれて保健室に向かったあと、
騒ぎを聞きつけた教師達が入れ替わるように教室に到着した。
・・・教室は不気味なほど静かであった。
皆、一点を見たまま口をつぐんでいる。
その視線の中心に、真紀ちゃんの教科書があった。
「なんなの・・・・?」
以前から少々ヒステリー気味、と噂されるクラス担任の女教師は、
子供たちの輪を掻き退けると、問題の教科書を拾い上げてパラパラとめくった。
ガラスを擦るような音。
女教師が悲鳴をあげたらしい。
放り投げられた教科書・・・猫の肉片を避けて逃げ惑う子供たちの悲鳴で、
またしても教室は騒然となった。
26名無し戦隊ナノレンジャー!:04/07/28 23:39
第12話

「誰が・・・誰がやったの!」
男性教師が肉片を片付け、子供たちも席にもどり、ようやく落ち着きを取り戻した
教室に女教師の甲高い声が響く。
子供たちは目線を交し合い、探り合う。
(オマエ…?)(チガウヨ…)
仲間達の目線がようやく松田君に辿りついた時、松田君はにやりと笑ってみせた。
(そうだよ。僕だよ)
だが、仲間達の目は松田君の期待した賞賛のこもったまなざしではなかった。
そこにあったのは、異物を見る眼だった。
27名無し戦隊ナノレンジャー!:04/07/28 23:46
そこもで、名前入れ忘れてるよ
28そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/29 00:02
おれじゃねーよ。

>>25>>26おっけーだ。そりゃそーだ。うめー。
続きぼしゅう。

でも一点だけ。
>>6の第二話で、中学入学時松田君はまた仲間にイジメに加担させられることをおそれてんから、
一波乱あっても、そのあたり気に止めてアレしてくれ。
老婆心だけどな。
29南雲 ◆OJUsTq2TN. :04/07/29 00:02
第13話

周囲が向ける突き刺さるような視線に、松田は驚いた。
予想外のできごとに、あわてて言葉を繋ぐ。
「…やったのは僕の息子だよ!」
とっさの責任転嫁。
そして皆が注目する中で、松田はズボンを脱ぎ
パンツの隙間からイチモツを取り出した。
「こいつさ!こいつがやったんだ!!」
叫ぶ松田。終身刑の先刻を受けた直後に
なりふりかまわず、無実を訴える被告のようだ。
誰だって死にたくない。そう、命は大切だ。僕らはみんな生きている。

だが周りを取り巻いていた級友たちは
徐々に、けれど確実に松田の傍から離れて行く。
(みんな・・・どうして?)
わからない。松田の疑問に答える者は誰一人いない。
ならば己自身で回答を導き出せねばならない。
よりよい未来のため、充実したスクールライフを謳歌するため。
しかし、情報は決定的に足りない。
(…)
松田は股間のイチモツを凝視する。
(あ!)
しぼんでいる。股間のナニは完全にしぼんでいる。
へたって下を向いている。やる気ってもんが無い。気合が足りない。
これでは無実の証明にはならない。誰が見てもそうだ。
物的証拠たる再現性に乏しい。
「…間違えた!」
大げさに首を振りながら、演技臭いセリフを吐く松田。
そして、なにを間違えたのかは説明しないまま
当然のように彼はイチモツを握ってしごきだした。
30そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/29 00:08
>>29
おもしれーけど、これを゜ゆるしたら、わややん。

>>29
続きは
>>26からっつーことで。
31名無し戦隊ナノレンジャー!:04/07/29 00:11
ここを下書きにして、そこもでが採用した話を貼る清書のスレ立てようぜ。
32名無し戦隊ナノレンジャー!:04/07/29 00:13
>>22
それ好きだなあ。
AΩみたいだ。(分かるか?)

こういう分岐が入るのはかまいたちの夜○○編みたいで面白いな。
まとまったら、できるもんならサウンドノベル仕立てにしてみたい。
33そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/29 00:21
>>32
たしかに、そういう考え方だと。
南雲みたいなのも没っていうともったいねーな。
でも収集つかなくなんし、あたまがおっつかねーから、
まず本筋な。本編あってのサブシナリオ。

本筋として採用しなくても、おもしれーから脱線してもいいかな。
本筋採用しねーけど。

ねる。
34南雲 ◆OJUsTq2TN. :04/07/29 00:29
>>33
いや、没でよいよ。
気分で書いたんで。冷やかしともいいます。
35そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/29 21:38
第十三話

松田君は当然、名乗り出ることはしなかった。

誰もが松田君の仲間を疑っているのは間違いが無い。
押さえつけて顔にマジックで落書きしたり髪の毛に砂を振りかけたりするような、
おおっぴらな物から、
持ち物を隠したり、残飯をカバンに詰めたりと陰湿なものまで、
様々なイジメをしてきた松田君たちは、いじめっ子としては周知の存在だったからだ。

しかしみんな彼らを疑っていながらも、それを口にはしなかった。
先生たちにしても、証拠や確証が無いのに生徒を名指しで糾弾するわけにもいかない。

「こんなことをして平然としていられる生徒がいるのなら、先生は悲しい」
中年の男の先生がそう言ったとき、教室の扉が開いて真紀ちゃんが保健室から戻ってきた。

「まだ休んでいてもいいのよ」
担任の先生が言うと、真紀ちゃんは「大丈夫です。もう落ち着きました」と、
小学生には似つかわしくない気丈な台詞を言いながら席に着いた。
しかし、まだ少し血の気が薄い顔をしている・・・。

松田君は、自分がこの騒動の張本人であることに高揚していた。
バレるかもしれないというスリルや原に澱む罪悪感も、その高揚感を引き立たせていた。
窓の外を見るふりをして、みんなの方から顔をそらし、呟いた。

「まだ終わってないよ・・・」
36そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/29 21:39
きょうはつかれたから、俺はこれでうちどめ。
37名無し戦隊ナノレンジャー!:04/07/30 20:35
第14話

「松田くんは気持ち悪いなぁ」
昼休み、教室の隅で仲間に囲まれた松田君に向けていきなり笑顔で言い放ったのは、
いじめ仲間のリーダー、野々宮である。
野々宮は体格もそれほど大きくなく、喧嘩が強いわけでもないのだが、
頭が良く、切れると何をするかわからない怖さで、皆に一目置かれていた。
「かっこいいよね」
否定の後に肯定されて、松田君はなんと返したらいいのかわからずただ黙っていた。
野々宮は彼独特の困ったようないつもの笑顔で、その表情から何を考えているか
うかがい知ることはできない。

「最高だと僕は思うよ。もっともっとやってみてよ」
彼の再度の肯定の言葉を受けて、他の仲間達もようやくこのいじめは「あり」
なんだと、考えを変えたらしい。
松田君を見る目が、今までとも、さっきとも違っていった。
認められたというわけだ。
「だったらちょっと手伝ってよ」
込み上げる笑いを押し殺して、ぼそりと松田くんは言った。
38名無し戦隊ナノレンジャー!:04/07/30 20:42
金八みたいになってきた
39そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/30 21:00
次書くやつは
>>37
の続きからな。
40そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/31 22:33
第十五話

野々宮君は、松田君の話を聞いてうなづくと、その場にいた木本君に耳打ちした。
松田君は野々宮たちを後にして、教室を出ていった。

少し時間がたって、教室には給食を取りに行っていた係りの生徒が戻ってきて、配膳を始める。
松田君も、給食係りに続くようにして教室に戻ってきて自分の席に着いた。
クラスの人数の半分ほどの配膳が終わったところで、廊下で大きな声がする・・・。
「それが、謝ってる態度かよっ!」
本木君の声だ。
本木君は、松田君たちの仲間内でも特に乱暴体も大きい。
陰湿なイジメよりは、殴ったり罵倒したりの直接的なイジメが好きで、野々宮君とは対を成す存在だ。
クラスの人間が、何事かと、次々に廊下へ出てゆく。
「ごめんよー!ごめんよぅー!」
謝っているのは曽根君・・・。
松田君たちがいつもいじめの対象にしているひ弱な感じの男子だ。
「どうしたのよ!またイジメ!」
真紀ちゃんの声も廊下のほうから聞こえてくる。
いつもの覇気はすこし鈍っているが、イジメを見過ごせない性質はまだ無くしていなかった。
「こいつよぉ!俺にガンくれたんだよ!オマエがされたさっきのイジメを俺がやってると思ってんだ。だからこれはイジメじゃなくって制裁だ!無実の俺を疑ったんだからなっ!」
本木は大きな声でまくしちたたている。
野々宮君に頼んで、本木君を使って暮らすの人間の目を引いておいてもらう、松田君の作戦は成功だった。
41そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/31 22:34
第十五話

野々宮君は、松田君の話を聞いてうなづくと、その場にいた木本君に耳打ちした。
松田君は野々宮たちを後にして、教室を出ていった。

少し時間がたって、教室には給食を取りに行っていた係りの生徒が戻ってきて、配膳を始める。
松田君も、給食係りに続くようにして教室に戻ってきて自分の席に着いた。
クラスの人数の半分ほどの配膳が終わったところで、廊下で大きな声がする・・・。
「それが、謝ってる態度かよっ!」
本木君の声だ。
本木君は、松田君たちの仲間内でも特に乱暴体も大きい。
陰湿なイジメよりは、殴ったり罵倒したりの直接的なイジメが好きで、野々宮君とは対を成す存在だ。
クラスの人間が、何事かと、次々に廊下へ出てゆく。
「ごめんよー!ごめんよぅー!」
謝っているのは曽根君・・・。
松田君たちがいつもいじめの対象にしているひ弱な感じの男子だ。
「どうしたのよ!またイジメ!」
真紀ちゃんの声も廊下のほうから聞こえてくる。
いつもの覇気はすこし鈍っているが、イジメを見過ごせない性質はまだ無くしていなかった。
「こいつよぉ!俺にガンくれたんだよ!オマエがされたさっきのイジメを俺がやってると思ってんだ。だからこれはイジメじゃなくって制裁だ!無実の俺を疑ったんだからなっ!」
本木は大きな声でまくしちたたている。
野々宮君に頼んで、本木君を使って暮らすの人間の目を引いておいてもらう、松田君の作戦は成功だった。
42そこもで ◆ACT.MODE.E :04/07/31 22:35
第十六話

廊下に出ていた生徒たちが戻ってきた。
教室の中から廊下の様子を伺っていた生徒も席に着く・・・。
担任の先生が来たのだ。

先生は本木君のおこした騒動には気が付かなかった様子だ。
クラスのみんなは、いつものように「いただきます」をして給食を食べ始めた。
松田君は、パンをかじりながらその時を待った。

「ぎゃぁあああああああああ!!!」
突然の悲鳴のあと、教室の中はしずまり返った。
「あああああ!ああああああああああああ!」
そしてもまた悲鳴・・・。
真紀ちゃんだ・・・。
アゴからシチューを滴らせ、口を開け放って必死の形相で叫んでいる。
そして、その真紀ちゃんのアゴの下、給食のトレイの上には、
小さな眼球が転がっていた。
43名無し戦隊ナノレンジャー!:04/07/31 23:58
第十七話

 真鍋彩花が教師を目指したのは、本気で教育が社会を変えるという青臭い理想からだった。
凶悪な少年犯罪、引き籠もり、援助交際、自殺…全ての歪みの起因は教育にあると考えていた。
子供たちの犯罪のニュースを見るたびに「なんで教師は同じ目線で話さないの?」と苛立ちを抑えきれずにいた。彼女は23年の人生で性善説を疑ったことがなかった。
 真鍋は泣き叫ぶ真紀ちゃんを見ながら多少動揺しつつも、信念から湧き出る冷静さを保つように心がけた。この時は初めて担当する自分のクラスで、事件があのような凄惨な結末を迎えるとは想像することが出来ないのは当然のことだろう。
 「みんな席につきなさい」わずかに唇を震わせながら、真鍋が叫ぶと、呆然と立ちつくす真紀ちゃんを除いて生徒達は支持に従った。
44そこもで ◆ACT.MODE.E :04/08/01 00:02
「いやぁあああっ!もう、こんな学校いやぁあああ!」
真紀ちゃんは立ち上がり、全身をガクガク震わせてからまた吐いた。
と、言っても、朝食べたものはさっき、おおかた吐いてしまって、昼もろくに食べないうちだから、
ほとんどが胃液だった。
両手で口を押さえ、それでも指の間から滴る水っぽいソレを転々と残しながら
よろよろと教室を出てゆく真紀ちゃん・・・。
まるで花道のように、クラスメートたちは扉までの通路を開けていた。
45そこもで ◆ACT.MODE.E :04/08/01 00:03
すまね、アップしなおす。
46そこもで ◆ACT.MODE.E :04/08/01 00:06
第十八話

真鍋先生は、真紀ちゃんを教室から連れ出し、
口をゆすがせ、保健室で落ち着くのを待ってから、今日は帰宅させるつもりだった。
そして、声をかけようとしたそのとき・・・。

「いやぁあああっ!もう、こんな学校いやぁあああ!」
真紀ちゃんは立ち上がり、全身をガクガク震わせてからまた吐いた。
と、言っても、朝食べたものはさっき、おおかた吐いてしまって、昼もろくに食べないうちだから、
ほとんどが胃液だった。
両手で口を押さえ、それでも指の間から滴る水っぽいソレを転々と残しながら
よろよろと教室を出てゆく真紀ちゃん・・・。
まるで花道のように、クラスメートたちは扉までの通路を開けていた。

47そこもで ◆ACT.MODE.E :04/08/01 00:52
第十九話

「臼井さん・・・?」
見守るように、少し離れて真鍋先生が真紀ちゃんの後をついてゆく・・・。
何人かの生徒もそれに続いた。
松田君もその行列にまじって真紀ちゃんのあとを付いてゆく・・・。

真紀ちゃんはそのまま、あとから付いてくる人たちにもまるで関心を示さずに
玄関へ歩いてゆく。

松田君はわくわくしながら真紀ちゃんを見守った。
予定よりは少し早いが、最後の仕掛けが披露されるその時がせまっていた。
48そこもで ◆ACT.MODE.E :04/08/01 01:12
第二十話

真紀ちゃんが下駄箱の蓋を開ける・・・。

目の無い子猫の頭。

真紀ちゃんの後を付いてきたクラスメートたちは、悲鳴を上げながら走り去っていった。
真鍋先生もその中に混じって廊下を逃げてゆく。
すぐに生徒たちを追い越し先に行ってしまった。
教育への理想など、微塵も感じられない姿だ。

「・・・ミーミ・・・」
真紀ちゃんが、ぽつりといった。
もう、吐くこともへたりこむこともせず・・・。
それどころか、ミーミの生首を両手でつかみ胸に抱く・・・。
「・・・ミーミ、かわいいね・・・」

今度は、松田君がその場にへたりこんで吐いた。
恥名経験する、恐怖による嘔吐だった。
49そこもで ◆ACT.MODE.E :04/08/01 01:25
第二十一話

真紀ちゃんはその日から学校に来なくなった。
松田君は惰性でイジメを続けていた、もう仲間に認められようなどと思うことも無く、
いつかも自然に、イジメなんかに加わらない自分になれると・・・ただ惰性で小学生生活を終えた。

・・・その彼が、いま一人の気の違った女によって、あの恐怖を蘇らせた。
・・・しかし、それも一瞬の出来事だ・・・。
すぐに恐怖は感じなくなった。

目がかっと熱くなっても猫の死体を抱いている女も、景色も、ぼうっと歪んで見える。
松田君は自分の目から涙が出ていることに気が付いた。
泣きながら女のそばに歩み寄り手を伸ばす。

「・・・可愛い猫ですね・・・」
「うん、ねこ可愛い・・・」
「なでていいですか?」
「うん」

松田君は潰れたねこの頭に手のひらを乗せ、丁寧になでてやってから、
全力疾走で家に帰った。
50名無し戦隊ナノレンジャー!:04/08/01 21:19
第22話 

つぶれた猫。ひるがえる女のスカート。零れる眼球。嘔吐。

様々なシーンが、断片的に目のうちに瞬いていく。
あのキチガイ女と会ってからこの3日間、松田くんは、過去のあの記憶に
取り憑かれたようになっていた。

松田くんは何かを振り払うように頭をふって、空を仰いだ。
今日の空は重たげに雲を抱え、風も湿気をはらんでいる。今にも雨が降りそうだった。

「絶対の愛があると思うか?」

野々宮が誰ともなしに言う声が聞こえた。
誘われないようにと願いながら、その願いも空しく、再び松田くんは
以前の仲間達と行動を共にしていた。
今も、クラスメイトから巻き上げたばかりの金を持ち、
いきつけのゲームセンターに向かう途中だった。
「自己完結すればいいんだよ」
野々宮は、聞いているのかいないのか黙ったままの仲間達を尻目に、話続ける。
彼が自分でも信じていないようなバカ話をするのはいつものことで、それに対して
肯定しようが、否定しようが野々宮が不機嫌になることは皆知っているので、
誰も口をはさもうとはしないのだった。
51名無し戦隊ナノレンジャー!:04/08/01 21:19
22話続き

一番後ろからのろのろと集団の後をついて行く松田くんの頬を、ぽつりと水滴が濡らした。
それを合図とするかのように、春の雨がみるみるアスファルトを黒く染め上げて行く。
松田くん達は各々のカバンから折畳み傘を取り出した。
今日の降水率は90%と予想されていたため、皆傘の用意はおこたりない。
一人を除いては。

「…嫌なんだろ?」
突然耳元で囁かれて、松田くんが驚いて振り返ると、横でその一人である本木が
水滴を滴らせて笑っていた。
本木は、どんなに雨が降ろうが、なぜか決して傘をさしたことが無い。
ささない理由も「嫌いだから」と簡単なものだった。
最初はからかったり、とがめていた仲間も今は慣れて気にも止めていない。
「俺らに加わるの、嫌なんだろ?」
松田くんは思わず止めそうになった足を、無理やりに前に動かした。
幸い、他の連中は野々宮の話を聞いていて、こちらを気にしてはいないようだった。
声も雨音が消してくれる。松田くんは雨に感謝しつつ、本木から目をそらし返した。

       γ'',, '''…、
      〆.'  ' ̄'' ヽヽ
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     .i;;;i'  u     .i;
     .i;:/ ..二_ヽ '_二`,::
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       ヽ~(、___, )ノ  <   http://money3.2ch.net/test/read.cgi/build/1087788350/222
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53そこもで ◆ACT.MODE.E :04/08/01 21:47
第二十三話

中学に上がっても野々宮や本木と同じクラス・・・。
あのキチガイ女の一件で過去の記憶を鮮明にしながらも、
松田君は自分が、まだズルズルと彼らと手を切れないことに苦悩していた。

決して償えないものは自分の心なのだ。
松田君は、三日前にそう思った。
しかし、今も自分は自分を傷つけつづけている。
もしかしたら自分はそうやって一生を送っていくしかないのかもしれないとさえ、
松田君は感じていた。
54名無し戦隊ナノレンジャー!:04/08/01 22:05
けっきょく、全部そこもでが書くのかよ!
55そこもで ◆ACT.MODE.E :04/08/01 22:08
だから、全部じゃねえって。
56そこもで ◆ACT.MODE.E :04/08/01 22:25
時間が現在にもどってきたし、あんまり逸脱しねーかぎりは静観ぽいぞ。
進まなきゃ書くけど。

てよか
>>49で俺なりには収拾ついて一段落だし。
57名無し戦隊ナノレンジャー!:04/08/02 20:58
第24話

 「どうして…?」
とうとう、松田くんは我慢できずに問い返した。
「どうしてわかるのかって?そりゃ、顔にでてるからな」
強くなっていく雨が、本木の顔をぐしょ濡れにしていたが、まったく気にする
様子もなく彼は囁きつづける。
「野々宮も当然知ってる。知っててオマエを誘ってるんだよ、
あいつは人の嫌がることが心底好きだからな」
58名無し戦隊ナノレンジャー!:04/08/02 20:59
第25話

松田くんは恐怖で足がすくみその場から動けなくなった。
本木もあわせるように立ち止まる。仲間達はそんな二人に気付かず、先に進んでいた。
「どうすれば…」
松田くんは、震えながら、やっとそれだけを言葉にした。
自分が今まで、人にやってきたことが還ってくるのかと思うと心底お恐ろしかった。
本木はそんな松田君を鼻で笑った。
「俺は別にどうこうする気はないけどな。嫌々やってるオマエが不思議だったんだよ」
「本木くんは好きで…?」
本木の濡れた手で背中を押され、再び足早に歩きながら松田くんは問いかけた。
「当たり前だろ。気に食わない奴を殴る時ほど楽しいこたぁ、ないね」
確かに、暴力をふるっている時の本木は生き生きとしている。
松田くんは馬鹿なことを訊いたと後悔した。自分だけなのだ、こんな風に悩んでいるのは。
「ただ、野々宮がオマエをどうしようと思っているかまでは、俺は知らないがな」

追いついた集団の先頭では、まだ野々宮が一人話し続けていた。
「殺しちゃえばいいんだよ…」
そこまで言って振り返り、皆の顔を見渡す。
「そうすれば、愛は完璧だろ?」
それが長く続いた話の結論らしかった。もちろん答える者はいない。
野々宮は松田くんと目があうと、いつもの困ったような笑顔で、退屈だねぇ。
と、言った。
59名無し戦隊ナノレンジャー!:04/08/05 22:14
第26話


 それからしばらくの間、松田くんはいつ自分が標的になるかと怯えながらすごしていたが、
野々宮はもちろん、本木も、あの時の会話がなかったように、いつもと同じ振る舞いだった。
いつも通りの松田くんに対する無関心ということだ。
松田くんは、そのことにほっとしながらも、以前とまったく同じように生きる自分を、
ますます嫌悪していったのだった。

そんな日々をただ送り、季節は初夏を迎えていた。

その日の朝、松田くんが登校すると、教室は不穏なざわつきに支配されていた。
「菊地が…」
「事故だって…」
菊地はこのクラスの担任の名前だ。どうやら昨日彼は事故にあったらしい。
「死ねばよかったのになー」
不謹慎に笑う仲間達の声で、担任の命が無事らしいことが知れた。
60そこもで ◆ACT.MODE.E :04/08/10 01:00
そのうち再開すんからとっとく
61そこもで ◆ACT.MODE.E :04/08/10 01:02
てよか、つなげろよ、おめーらよー。
62みなみ子 ◆373wchXXVk :04/08/10 01:02
そこもでのくせに。
63名無し戦隊ナノレンジャー!
あげ