二人でリレー小説するスレですっ☆
うふふっ
2
僕らは僕の見知らぬ廃墟を歩む。
左に怨霊を右に機銃を抱えた僕。
相棒はいつもご機嫌で怒りっぽくて、僕はその取り扱いに苦労させられる。
「知っているのかい淫らな僕ちゃん?」相棒が見下した口調で尋ねる。
僕は努めて冷静に「相棒、君は僕の全てを知ってるんじゃなかったのか?」と、切り返す。
そう、相棒は僕の全てを知っていて、僕は相棒のことを何一つわかってはいない。
それどころか、僕は僕自身のことすら殆ど何もわからず、この機械仕掛けの相棒の言いなりになって
世界中を旅し続けている。
ただ一つだけ、旅の目的というか、僕が旅で何を成していけば良いのかということだけは
わかっているつもりで、それは…
「あはぁ♪ その通りだったね愚かな僕ちゃんよ」
「そろそろ目的のポイントに着く頃なのか?」僕は右の機銃に眼をやりながら尋ねる。
「そうだぜ漏れそうな僕ちゃん! あっちのクソ長いビルの中が今回の目的地があるんだぜっ!
こりゃまたごっついイベントが待ち受けてるみたいで、僕ちゃんが――」
相棒が急に黙ったので、僕が怪訝な表情を相棒に向けると
相棒は嬉しそうに細長い人差し指を立てそれをリズミカルに左右に揺らしながら
「チッチッ! こっから先の話は秘密だぜ。むっつりスケベの僕ちゃん♪」
僕はげんなりとした気分になりながら、相棒が示した
数百階くらいありそうな傾いた巨大ビルに向かってスタスタと歩みを早める。
途端に、「おらぁ! ブヒブヒ拗ねてんじゃねーってよ臆病な僕ちゃんよっ」
案の定、腹を立てた相棒がひび割れたアスファルトを刻みながら僕の傍らへとやってくる。
ただ一つだけわかっている僕らの旅の目的。
それは、世界中に散らばる僕を待っている、世界に対して酷く恨みを持っている者達を
右の機銃で屠るか、或いは、左の怨霊に加えていくこと…
「おらぁ! ブヒブヒ黙っているとブッ殺されちゃうぞ挙動不審の僕ちゃんよっ」
(ブヒブヒとか言ってねーし!)
と、心の中でだけ反抗しつつ、疼く左と軋む右を持った僕と機械仕掛けの相棒は歩みを進めていく。