数日前、こんなことがあった。夜、高本先生と二人、夜道を歩いていた時のことだが、
ある老人が暴走族風の若者達にからまれていた。先生はそれに気づくと、すぐ駆け寄り
老人を助けようとした。
「なによんだよ、あっち行けや、おっさん」
と先生に向かって愚かにも横柄な口を叩く若者に、高本先生は、
「私が相手になろう、かかってきなさい」
と厳かにお答えになられた。
「ふざけんじゃねんぞ!」
と身の程知らずにも若者達は先生に殴りかかったが、所詮幼児が大人にいどみかかるような
ものでしかなかった。僅か数秒で若者達は逃走していったのだ。
高本先生は手についた埃を払いながら、
「正義は必ず勝つのだ」
と呟かれた。
「どこのどなたか存じませんが、助けていただいて・・・」
と老人は震える声で先生にお礼を述べようとしたが、
「お礼の言葉には及びません、私は当然のことをしたまでですよ。悪が蔓延るのを
私は許すことはできない。正義は必ず勝つのですよ・・・」
とお述べになられた。
それから30分程後の海岸でのことだ。私は先程の高本先生のお姿を思い浮かべながら、
側の先生の横顔を見つめていた。すると、私の視線にお気づきになられた先生はふと、
「寺崎君、有史以来、悪が栄えたことなどないのだよ」
とおっしゃった。
「先生、同感です。先生の正義を尊ぶお姿に深く感銘致しました」
と心から答えた。ここで今でも不思議に思うのだが、ふと次のような疑問が口から出た。
「先生、先生は何故諸岡某を野放しにしておられるのですか? 彼こそまさに音楽界の
悪の元凶ではありませんか・・・。彼と彼の愚かなシンパたちが連日2ちゃんねるという
劣悪掲示板で先生を誹謗中傷しまくっているのは先生もご存知のはずです。先生が正義を
愛されるのは分かっています。ならば、諸岡某とそのシンパを叩き潰すことこそ正義なのでは
ないでしょうか・・・? それを何故先生は彼らの・・・」
と興奮しながら述べ立てていた時、先生は私を遮り、次のようにお答えになられた。
「寺崎君、私は諸岡くんを許すよ。そして彼らの同調者たちも許すことにした。彼らは実に
気の毒な人たちなのだよ。音楽的才能に恵まれず懊悩した結果、取り乱しているのだろう。
私は諸岡くん達が一日も早く更正してくれることを期待している。私には音楽評論だけでなく、
間違った道を歩むかわいそうな人たちを救う義務があると思っている。私事など問題ではない。
ただ、諸岡くんたちを救いたいのだ・・・」
と
私は激しい衝撃の中にいた。
「どうすれば高本秀行先生のような尊い、神のような心境になれるのだろうか・・・」
と私は胸中でただただうめくばかりだった・・・。
すると水平線の向こうから朝陽が上るのが見られた。私には水平線の彼方に輝く
太陽の光が聖人高本秀行先生の栄光のご生涯を祝福しているように思われてなら
なかった。私はただ呆然として先生の傍らで立ち尽くすだけであった・・・。
>>69-74 激しく感動した・・・。高本秀行先生は聖人としか言いようがない・・・。
まさに素晴らしい話だ・・・。
>>69-74 高本先生は常に弱い者の味方です。高本先生は弱い立場にある者の気持ちが
分かる方です。素晴らしい人格者だと思います。
感動した。私の目に狂いはなかった・・・。今、これだけの高い見識と行動力の
ある知識人はいるだろうか? 高本秀行先生は最高の知識人であり、人格者だ!
>>69-74 あまりにも素晴らしいお話だったので、別スレにコピペさせていただいた。
僕は今、高本先生という偉人と同じ時代に生きて本当に良かったと思っている。