えっと、ここでは俺の書いた漫画っぽい小説を
少しづつ載せていくつもりです。
本当は漫画で描くつもりだったんだけど、先に手早く書ける小説で
書いて全体の雰囲気を掴んでから描こうかなと思って・・。
ホームページで掲載すりゃあいいんですが、ヘタレな漏れは
ホムペ作り失敗して・・・こんな形に・・
どーぞよろしく!!感想とかもくれると嬉しいっす。
キャラとか、魔法とかの名前に由来はないです。
響きで名前つけるから・・・(おい
定期的に載せにくるから落ちないと思うので、
みなさんはsage思考でおながいします。
荒らしはスルーで。
一応キャラ説明とかもしときますかね。↓
セイド=カーヴェル (14)
『相も変わらず、冷てー奴らだなぁ。』
父を事故で失い、母から親戚に預けられ、静かな村コリィタードで
暮らす少年。
親戚からはうっとうしがられ、良いコトなどほとんどないが、
それでも少年の眼はいつも輝いていた。
そんな少年はの運命は、一人の少女との出会いによって大きく
変わるコトとなる・・・。
ティリア=ペルフェリス(14)
『見て見て、この正義の紋章!かっこいいでしょ〜!』
少年と出会った時、既に少女の記憶は失われていた。
初めは他人との対応に戸惑うティリアだったが、持ち前の明るさと
性格のよさで段々と打ち解けていくようになる。
そう、彼女との出会いは冒険の始まり・・・・。
デュオ=パシラード(16)
『雷鳴の貴公子、銀河にきらめくフォーマルハウト、
デュオ=パシラードったぁ俺様のコトよ!』
いつもキザで格好つけ。それは、もしかすると仮面なのかも知れない。
小さい頃から臆病な性格のせいで、いつも一人だった。
見た目はいいが、常に何かに怯えていた彼は恋をしたコトもなかった。
そんな彼は、自分が重大な使命を背負っているのだと知ったのを
きっかけに、旅にでるコトを決意した。
とてもじゃないが扱いやすいとは言えない大剣を振り回すのも、
強さへの憧れのあらわれなのだろう。
レイゼル (15)
『・・俺は・・・悪魔なのか・・・!?』
「絶対に左手を見せてはダメよ!」彼の脳裏には常にその言葉が焼き付いていた。
「何故?!どうして?!」返事は返ってこなかった・・・・。
そんな毎日に疑問を抱いていた彼は、とある少年に自分が重大な
使命を背負っているのだと知らされた。そしてその少年は
自分もまた同じ立場なのだと言う。もう一人の人を探す為、
その少年の旅に同行するコトに。
旅をしていたある日のコト。
「・・なぁ・・・俺、最近左手が・・・」
セイド達と出会うのはまだ先の話・・・
セアラ=フロウデスト (15)
『まさか・・・この人達、全部私が・・・?!』
彼女は人より優れた身体能力を持って生まれた、科学都市ヴォーレゥで。
ガスが舞い、決していいとは言えない環境の中で彼女は、最新の科学技術を
結集して作られた武器を持たされ、ひたすら強くなれと言われ続けた。
何の為に強くならなければいけないのかと、疑問に思ったコトもあったが、
特に他にするコトもなかったので、日暮れまで特訓に没頭していた。
そしてある日、彼女は研究所に呼び出された・・・・。
サーグロッド=テリウス (666)
『我は・・・我より強き者にのみ従う・・・』
彼は、プライドが高いと言うより、自分より弱い者には絶対に従わなかった。
大悪魔である彼は、とある森でガーディアンをしている。
何故そんな彼がガーディアンをしているのかと言うと・・・。
そう、それは悪魔総帥ガレンソォーナが彼の所にやって来た日のコトだった・・。
フェルジョオ=ルエリアム (12)
『いいかお前達!!僕のコトはフェルジョオって呼べ!!』
彼は、毎日普通では考えられない程ぜいたくな毎日を送っていた。
欲しい物があれば何でも貰える。欲しくない物まで届く。
だが、それは全て少年フェルジョオに送ってこられた物ではなく、
名家ルエリアムの息子に送られた物だった。
わがままが通るのも、全部ルエリアムの血を引いているから。
そんな日々は、彼にストレスしか与えていなかった。
そして少年は自由に生きるセイド達に出会い、憧れをいだき始める・・。
マディラズ=イクセネイド (15)
『あの・・僕マディラズって言います。それで・・・』
少年には天使の翼があった。だが、それは左にしかなかった。
銀色の髪をなびかせて彼は笑う。なぜ片翼なのかを決して語ろうとはしないが、
いつも自分のコトより人のコトを先に考えてしまう彼の優しさに、
セイド達は大いに救われるコトになる。
これでキャラ説明は終わります。
ではでは、いよいよ本編へレッツGO!
あ、ちなみに題は神星連鎖ギザヴェランザーです。意味はその内
わかるよ・・。
神星連鎖ギザヴェランザー @
ここはコリィタード。河の下流にある小さな町。
「・・じゃ、行ってくる。」
「・・・・。」
少年の名はセイド=カーヴェル。14歳。事故で父を失い、
母から親戚に預けられたセイドは、
このコリィタードで『平和だが退屈』な毎日を送っていた。
親戚からはうっとうしがられ、冷たい視線を背に受けて暮らす毎日。
「おっかしいな〜・・・こんなトコ、怪我した覚えもねぇし・・。」
セイドの右手の平と甲には、ここ数週間変なアザのような物が浮かび上がっている。
「それにしても、今日は天気がいいなぁ。」
そんなコトを思いながら、ふと晴れ渡った青空を見上げる。
その青しかない空間に、急に少女があらわれた。
「・・・?!」
驚くセイドなどお構いなしに、その少女はセイドの目の前に降ってきた。
バァーン!!
結構な衝撃である。
セイドは恐る恐る少女に近づき、あの高さから落ちてきたんだから生きている訳は
ないだろう、と思いながらも聞いてみた。
「・・き・・君、大丈夫?」
「・・・あ・・・うん。」
「ええええっ?!」
・・・生きてるぅ?!あの・・・高さから落ちて・・・?
信じられないという顔をしているセイドをよそに、少女は当たりを見回している。
「えっと・・・君、どうやってここに来たの・・・?」
「・・・さぁ・・どうやってだっけ?」
「はぁ?覚えてないの?・・・・って言うか、俺に聞くなよ・・・名前は?」
「・・・んっと・・わかんない。」
「いや、わかんないって・・・そんな簡単に言うなよ・・・。」
「それも・・そうだよね。」
普段マイペースなセイドも、ついついこの少女のペースにはまってしまった。
「・・・・ってコトは、君って・・・もしかしてもしかすると・・・」
「記憶喪失ってやつ?」
「・・記憶喪失ってやつ?ってなぁ・・・それ、どこをどう考えても本人の
言葉じゃないよなぁ・・・。」
「それも・・そうだよね。って、ひゃあっ?!」
少女は、急に悲鳴を上げて倒れこんだ。どうやら腰を切っているらしい。
「・・怪我してるじゃないか!ちょっと待ってろ。ウチで手当てしてやるから。」
・・女の子を抱きかかえるなんて正直、嬉・・・恥ずかしかったが、
今はそんなコトを言ってられる場合じゃない。
セイドは、少女を抱きかかえると、一目散に家へと走っていった。
「・・ただいま。」
「・・・・。」
「今日はちょっくら、荷物があるんだ。」
そう言うとセイドは少女に、「入って来い」と手で合図をした。
「お邪魔しま〜す。」
それを見たセイドの親戚は、驚いた顔をして言う。
「・・!!一体どういうつもりだセイド!!見も知らずの人間を連れてくるとは?!」
「・・・ハイハイ。」
セイドは軽くあしらうと、少女を連れて自分の部屋に入った。
きらびやかな玄関とはうって変わって質素な部屋である。それもそのハズ、
この部屋はセイドに自由な空間を与えてやるために
作られたものではなく、セイドと顔を合わすのが最小限で済むようにと作られた
部屋なのだから。
「・・ごめん。怒られちゃったね・・・あたしのせいで・・・。」
「そんなのいいよ、慣れたコトだし。」
「ありがとね。・・・えっと・・セイドだっけ?」
「ああ。セイド=カーヴェルって言うんだ。じっとしてろよ。手当てしてんだから。」
これは手当てをしている内にわかったコトだが、この少女の首には、
何かアザの様な物がある。
「・・ん?なんだコレ?さっき落ちてきた時にできた傷・・・にしては、黒いし・・」
「・・・なんだろうね?なんかわかんないけど、格好いいかも。」
自分が記憶を失っていると言うのに、本当に楽観的な少女である。
「格好いいかぁ?・・俺は手なんだけど、俺もこの前からアザみたいなのがあるんだ。」
「・・・へぇ・・・・ホントだぁ。」
そんな会話をしていると、首に付けているやけに純度の高い宝石が目に入った。
「高価なモン付けてんだな・・・・。」
「蒼くて綺麗だね。あたしってもしかして、どっかの国の王女様だったとか?!」
「でも、欠けてるみたいだぜ?」
「・・・そうだね。」
そう言っている間に、手当ては終わってしまった。
神星連鎖ギザヴェランザー A
「あたし・・・これからどうしよっかなぁ・・・。」
「・・・しばらくはウチに居ていいよ。」
セイドは、場所も形も違うが、同じアザを持つこの少女に親近感を覚えていた。
「えっ?・・・でも・・・。」
「いいんだよ。故郷探しの旅をするとしても、外は魔物でウジャウジャだ。
ちゃんと準備してからの方がいい。」
「セイド、ありがとね。でも、外が魔物でいっぱいなんだったら、
セイドとかは普段町の外に出る時どうしてるの?」
「町の外になんて滅多に出ねぇけど、そん時はコイツだよ、コイツ!」
セイドはそう言いながら、部屋の片隅に置いてあった剣を手に取った。
「その名も魔剣ゼニスエンクテオ!!セイド=カーヴェル様の会心の作だぜ!」
「うわっ!!すっごーい!!これ、セイドが作ったの?!」
「生活必需品だしな。普通の人間なら誰でも作れるぜ。まあ、そんでも俺は
上手な方だけど。」
「・・ふーん・・・そうなんだ。」
「魔法の力を込めて作ってあるから、出したい時だけ出せるんだぜ。
ほら、こうやって念じると消えたり出たりするんだ。」
「うわ〜いいなぁ・・・。あたしもなにか出るかな?えいっ!!」
ボンッ!!
次の瞬間、少女の手には金色に輝く大きな刃が握られていた。
「・・す、すごいじゃねぇか!俺のより強そうじゃん・・・。」
「えっと・・金刃スゼムラルド・・?」
「なんで名前が解ったんだ?」
「ほら、ここに書いてあるもん。」
「どれどれ・・・ってこれ、魔界用語じゃん?!こんなの読めるなんて、
お前って天才なんじゃないか?!」
「そう言われると照れるな〜。って言うか、魔界用語って一体なに?」
「あっ、そうか・・・記憶ないんだっけ。魔界用語ってのは、魔界グクロクで
使われている言葉だ。そして、神聖用語ってのは聖王界ヴェルスで使われている言葉だ。
んでもって、その聖王界ヴェルスと魔界グクロクの狭間に位置するのが
ここ、人間界ホクテゼメリアスだ。なんでも伝説によると、
創造神ホクテゼメリアスが創ったらしいぜ。」
「やっぱセイドってすごいね〜。そんなコト知ってるなんて・・・」
「有名な神話なんだよ・・それにしても、お前も魔法武器持ってたんだ・・・。」
「そうみたいだね。じゃあ、悪いけどセイドの言葉に甘えさせてもらうとして、
ちょっとの間この家に居させてもらうコトにしようかな。」
「ああ!そうしろよ!」
父が死んだのは小さい頃だったし、コリィタードに来てからは友達を作るどころじゃ
なかったので、セイドにとってこの少女は初めての友達だった。
幸い、セイドと顔を合わせないようにこの部屋が作られたぐらいなのだから
親戚がセイドの部屋に入って来るというコトはまず無い。
こうして、セイドと少女の生活が始まった。
毎日ご飯を残しては、そそくさと2階に持ち帰り、衣類などのお金の不足分は
町の道具屋で働いて埋め合わせる。まるで、どこかの映画顔負けの生活っぷりである。
それから一週間程経ったある日のコト。
町の入り口の方で何かにぎわっている様だ。
「一体なんだろう?」
「ん?どうしたのセイド?」
「いや、ちょっと町の入り口まで行ってくるだけだよ。お前はここで待ってろ。」
「うん・・・わかった。」
セイドが町の入り口まで駆けていくと、そこには黒い羽をつけた男が三人程立っていた。
「あっ、悪魔だぁぁぁ!!」
そう言って人々があちこちに逃げ回る。
「・・お前らは・・・一体・・?」
「ティリアを出せっ!!ここに居るコトはわかっているんだぞ!!」
「・・ティリア?!そんな人、この町にいないぞ!」
「嘘をつけ!!ティリア=ペルフェリスだ!!かくまう気なら・・・」
「いや、ちょっと待ってくれって!!本当にこの町には、ティリアなんて人は・・・
・・?!もしかして、あの子のコトか?!」
「ほら見ろ!!やっぱり知っているのではないか!!いいから早く出せ!!」
悪魔達は、かなりいきり立っている様だ。
「なんであの子が必要なんだ?」
「貴様が知る必要はない。黙ってティリアを呼んでこい!!」
「悪いがそうは行かねぇな。」
セイドは魔剣ゼニスエンクテオを出した。
「何だと?!」
「あの子は・・・ティリアはウチの家族みたいなモンだからな!!」
「・・ティリアが・・・家族?くく・・笑わせるわ!!死ねっ小僧!!」
カキーン!
悪魔の降り下ろした槍をセイドがゼニスエンクテオで弾き返した。
「そう簡単に・・・死んでたまるかよっ!!」
「ぐうっ・・・!こしゃくな!!これでもくらえ!闇系下級魔法イグルス!!」
ドビュウ!!
「・・うっ!でも、その程度じゃ俺には勝てねぇよ!光系中級魔法トゥアラ!!」
ピカッ!!
「・・何っ?!ぐあああっ!!」
「だから言ったろ?」
「・・・くっ!分が悪いな・・・撤退しよう。」
「へっ!二度と来んなよ!」
「・・ティリアは・・聖地クーロードに連れて来い!!聖地クーロードだぞ!!
わかったな、小僧!!」
・・・なんだったんだ・・?一体・・・?それが、今のセイドの素直な感想だった。
セイドは帰ると、ティリアに今あった全てを話した。
少女はティリア=ペルフェリスというコト、悪魔がティリアを欲しがっているコト・・。
「・・セイド・・あたしのコト、家族だなんて言ってくれたんだ・・。」
「いやいやいや。論点ズレてるから。そうじゃなくて、これからどうすんだよ?」
「・・なんでその悪魔達があたしのコト知ってるのか、気になるけど・・・。」
「・・だろだろ?だから、行ってみようぜ!聖地クーロードに!」
セイドは、いかにも旅立ちたい、という雰囲気である。
「でも・・・・罠かも知れないんだよ?」
「どっちみちこのままって訳には行かないだろ。ティリアの記憶について、何か
わかるかも知れないし!」
「うん・・・ありがとね。あたしも丁度気になってたんだし、
セイドがそう言ってくれるなら、明日にでも聖地クーロードに行こうよ!」
「ああ!もちろん!じゃ、今日はたっぷり寝て疲れを取らねぇとな!」
こうして、セイドとティリアの冒険は始まった。
今日の所はこんな感じです。また明日。
結構ギャグ色も強いので、楽しんでくれれば光栄・・。
age
とってもイタイ小説ですね
続きが気になる
16 :
玉春 ◆TAMA2d6Vzo :03/11/30 10:03
楽しいよぉ〜う〜
続きキボン〃
17 :
名無し戦隊ナノレンジャー!:03/11/30 10:06
sage思考って、ネガティブな事かけばいーんか?
神星連鎖ギザヴェランザー B
ーーーー翌日。
「んじゃ、ちょっと俺、聖地クーロードまで行ってくる。ま、多分帰ってくるよ。」
「・・・・。」
多分帰ってくる、というコトは、危険な場所に行くと言っている様なものなのに、
心配どころか反応ひとつ示さない。
「・・相も変わらず冷てー奴らだなぁ。」
ボソリと呟くと、セイドとティリアは家を出た。
「さてと!気を取り直して聖地クーロードに行くとするか!」
見慣れた風景を横目でみながら、セイドはコリィタードを抜けた。
それからしばらくして、ティリアは戸惑いながらもセイドに聞いた。
「・・ねぇ、さっきの人達、セイドのお母さんとお父さんでしょ?
それなのに・・・ずっとあたし達のコト怖い目で見てる・・。
さっきだって、自分の子供が遠出するってのに、あの反応はおかしくない・・?」
「・・あれは、父さんと母さんじゃないんだ。父さんは、俺がまだ小さい頃に
死んじゃって・・・それで俺、親戚の所に預けられてたんだ・・・。」
「ごっ、ごめん!・・・あたし・・変なコト聞いちゃったかな・・・。」
「別にそんなのどうってコトないよ。何もわからないティリアに比べたら、
全部わかってるだけ俺の方が楽なんだし・・。」
それからしばらく沈黙が続いたが、雰囲気を和ませようとティリアがふいに聞いた。
「その・・聖地クーロードって言うのは、一体どこにあるの?」
「へっへー!そんなコトもあろうかと、地図を持ってきたんだ。
えっと・・聖地クーロードは・・・あと一時間ぐらいで着きそうだぜ。」
「そっか。ちょっと疲れたけど、がんばろ!」
「おう、まだまだぁ!!」
そして。
「ここが聖地クーロード・・」
「・・・なーんか殺風景だねぇ・・・・。」
その時、セイドのすぐ横を魔法弾がすり抜けた。
「!!危ないっ!ティリアよけろ!!」
「え?・・・わっ?!」
ヒュオッ!!
「な・・・何?!今の・・・?」
「待っていたぞ!!ティリア=ペルフェリス!!」
柱の影から、またもや悪魔が現れた。だが、この前の悪魔とは見るからに
格が違うようだ。いよいよ向こうも本気らしい。
「来いっていうから、来てやったら何だよいきなり?!」
「フン・・戯言を。ティリアだけで良かったのだが、ゴミまで着いてきてしまったか。」
「誰がゴミだ誰が!!俺はセイド!セイド=カーヴェルだ!!
そう言うお前こそ一体・・・?!」
「我が名はフォデル!ティリア、貴様のその魔石返してもらうぞ!」
「魔石・・?これのコト?!」
ティリアは首に付けている宝石を触って言った。
「・・・まぁ無理もない。記憶を消されたんだからな。」
「ティリアが・・・記憶を消された・・?!」
「あなたがあたしの記憶を消したのっ?!」
フォデルは軽くあざ笑う。
「私が直接消したのではないがな・・。」
「・・・お前っ!!ティリアの記憶を返せっ!!」
「返すぐらいなら、始めからわざわざ消す訳がなかろう?」
「くそっ!石は奪わせねぇ!出でよ!魔剣ゼニスエンクテオ!!はあぁぁぁ!!」
キンッ!!
「そんなものが効くか!炎系下級魔法メゴ!!」
セイドが剣で魔法をなぎ払う。
「先日の悪魔はお前に負けたらしいが・・・私は奴らとは違う!
昨日と同じ状況で貴様に分があると思うのか?!」
「・・大事なコトを一つ忘れてるな。」
セイドが自信げに言う。
「何?!」
「今日は二人居るんだぜ?」
そう言った時には、もうフォデルの後ろにはティリアが居た。
「出てっ!金刃スゼムラルド!!やあっ!!」
「ぐっ!!・・一人だろうが二人だろうが何も変わらん!!」
「そんな訳ないよ!二人だったら、二倍だもん!!」
「黙れっ!!炎系中級魔法メゴラ!!」
地獄の業火がセイドに命中した。
「・・・うおっ!!光系下級魔法トゥア!!」
「効かん!!」
フォデルは両の羽で身を護った。
「そろそろ終わりにしてくれる・・」
「動かないで!!」
声に驚いてフォデルが振り向くと、そこには魔法を構えたティリアが立っていた。
「・・動いたら、これ放っちゃうよ?!」
ティリアの静止も聞かず、フォデルはティリアに直進してきた。
「小賢しいわ!!貴様が放つ前に・・・」
「闇系上級魔法イグナデスト!!」
闇のエネルギーがフォデルを吹き飛ばした。
「ぐああああ?!な・・何?!上級魔法だと?!」
フォデルは驚きを隠せないようだ。
「よーし!」
「ぐぬぅ・・・さすがは、ガレンソォーナ様が欲しがっていただけのコトはある・・。
もう一度出直すべきか・・・!」
ダッ!
「あっ!待てっフォデル!!・・・ちっ!逃がしたか・・・。」
「いいじゃん。追い返せたんだし。」
「ああ・・・そうだな。にしても、すげぇなぁティリア!!上級魔法なんて・・!!」
「あたしのせいでセイドまで危険な目にあったんだから当然だよ〜。」
「いや、でもサンキュ。ティリアが居なかったら俺、死んでたよ多分。」
「照れるな〜・・。これからどうする?」
セイドは困ったコトに、これから先のコトを全然考えていなかった。
「今日はもう疲れたし・・・この時間から家に帰るってのもなぁ・・・。
ここらで野宿しよう!」
一応食料も持ってきてあるので、何日間かはしのげそうだ。
「野宿かぁ・・・。あたし野宿なんて初めてだから、ちょっと楽しみかも。」
はしゃぐティリアにセイドが言う。
「初めても何も、お前記憶ないんだろーが。」
「あっ!そうだった!」
「・・・おいおい。しっかりしてくれよ・・・。」
23 :
名無し戦隊ナノレンジャー!:03/11/30 10:21
イタイっすね
神星連鎖ギザヴェランザー C
「じゃあこれ、ティリアの分の寝袋。」
「うん。ありがとね。」
ガサゴソ・・・
「わぁ!結構これってあったかいんだね〜!」
「いやいやいや。あったかくないと意味ないし。」
「それも・・そうだよね。」
いろんなコトがあったせいか二人共なかなか寝付けず、星を眺めて話しこんでいた。
「・・ティリアって何歳ぐらい?」
「んっと・・・ってわかんないよ。」
「いや、大体でいいからさ。背は俺よりちょっと低いぐらいだけど・・。」
「セイドはいくつ?」
「俺?14だけど・・。」
「じゃあ、あたしも14でいい。」
「・・・いいって言われてもなぁ・・・まぁ、実際そのぐらいか。
ふわあぁぁぁ・・・・。なんか俺、眠くなってきたわ。先におやすみ・・。」
興奮して寝付けないとは言ったものの、体は充分に疲れている。セイドはすぐに
眠りにおちた。
それから何時間経っただろう・・?何か物音がするのでセイドは起きた。
「・・んん・・・あ・・もう朝?あれは太陽?いや・・・月かな?・・餅かも・・・。」
セイドはすっかり寝ぼけている。眠い目をこすりながら、セイドはふと横を見た。
・・・ティリアがいない?!
セイドの眠気は吹き飛んだ。
「夜だ・・・。一体ティリアの奴どこに・・・まさか?!」
そう思って立ち上がってみると、テントの裏に何やら影がある。しかも二つ。
「ティリアと・・・誰?!」
セイドの予感が的中し、その影の正体は魔石を手に取り邪悪な笑みを浮かべたフォデルと
襟元を掴まれ、身動きが取れずにもがいているティリアだった。
「やめ・・て・・」
「くくく・・・!ついに魔石を回収したぞ!残りの四つはすぐにでも・・・」
「ティリアを離せっ!!出でよ!魔剣ゼニスエンクテオ!!てやあぁっ!!」
「ぐっ・・・貴様、起きてきたのか・・・!!」
フォデルの手からティリアが離れる。
「・・セイド・・!!」
「もうこれ以上ティリアを苦しめるな!!大体、なんでティリアの記憶が消されなきゃ
ならねーんだよ?!」
「・・いいだろう。教えてやる。我々の指導者、大悪魔ガレンソォーナ様が、
以前ある目的にティリアを使おうとしていた。その為には記憶が邪魔だったらしい。
何に使おうとしていたかまでは私も知らされていない。」
「そんな理由で・・!!それにしても、なんで今更になってそんなコトを・・?!」
「何故か知りたいか・・?」
そう言うとフォデルは、勢いよく羽を広げた。
「それは、石さえ奪還してしまえば、貴様らは始末して構わんとの命令だからだ!!」
「ティリア、また頼むぜ!!」
「おっけー!闇系上級魔法イグナデスト!!」
今度はフォデルの着ている鎧がティリアの魔法を弾き返した。
「マジかよ?!」
「ちょいと本部から強力な鎧を借りてきたもんでね・・・!いくら威力が強くても、
普通の魔法じゃこの鎧には傷一つ付けられんぞ!!」
「・・・なーるほど。」
セイドが笑いながら言う。
「どうした?絶対的な力の差を前に気でも狂ったか?」
「ちげぇよ。いよいよ、俺の力の見せ所かと思ってよ。」
「はぁ?」
「いくぜっ!光系中級魔法剣技トゥアラブレード!!」
バリン!
フォデルの鎧が砕け散った。
「バ・・・バカな・・?!」
「へっへーん。魔法じゃ傷もつかない鎧なら、剣で傷をつけて、その傷口から
魔力を放出すればいいだけのコトよ!」
「貴様・・・何故そんな器用なマネが出来る?!」
「・・さぁなぁ。生まれ持った才能じゃね?」
「そんなコトが・・・あってたまるものかァッ!!こうなったら我の全ての力を
もって、貴様らを消しクズに変えてくれるわ!!炎系上級魔法メゴライジン!!」
凄まじい勢いで火炎群が飛んで来る。
「クリスタルウォール!!・・・・うう・・・くぁ・・・・」
「大丈夫かティリア?!」
「う・・・うん。なんとか・・。それよりも、今の内に早く!!」
「よっしゃあ!!俺も全ての力をもってお前を倒してやるぜ!!
光系上級魔法剣技トゥアルアスブレードッ!!!」
光の波動が、剣先からフォデルに襲いかかる。
「ぬ・・・ぬおおおおおおお!!」
セイドは、地面に転がった魔石を拾い、ティリアの首にかけてやった。
「・・・ふう。今度は何とか、倒せたみたいだな。」
「うん!セイドのおかげだよ!」
「何言ってんだよ。俺が寝てて気づかなかったんだから、これぐらい当然だぜ。」
「あっ!それあたしのセリフ〜!でも、結局セイドも上級魔法使えたんじゃん。」
「いや、でも俺は使った後ヘトヘトだ。上級魔法使ってもピンピンしてたんだから、
やっぱティリアはすげーよ!」
「照れるな〜・・・。」
「・・ティリアって照れてばっかだな。」
ちょっとセイドがからかってみる。
「セ・・セイドがあんまり褒めるからだよ!」
が、あっけなく痛い所を突かれてしまう。
「うっ・・・ま、まぁそんなコトより、ティリアはまだ眠い?」
「うーん・・・あんまり寝てなかったけど、もう目が覚めちゃったな。」
ティリアが目をこすって言う。
「よし!なら、実は今日は昨日から行こうと思ってた所があるんだ!」
「・・・どこ?」
セイドの目が光る。
「聞いて驚け!この近くにある、聖都レイウズファルドだ!!」
「そうなんだ〜。」
「・・・いや・・驚いてよ・・・。」
「・・わぁ!すっごいな〜!聖都レイウズファルドだって!びっくりだよ。
早く行きたいなあ〜!・・・で・・そのレイウズファルドってのはどこ?」
「・・・いや・・俺が馬鹿だったよ・・。ごめん・・・。聖都レイウズファルドってのは
文明王国クニオリスと並び、盟王都クラチェオの次にすごい町なんだぜ!
そこに、でっかい資料館があるんだ。そこでならティリアの記憶のコトや、
その魔石のコトもわかるかも知れないだろ?」
「ありがとねセイド。この目的地も、またあたしの為なんて、なんか悪いね〜。」
「いやな、その為に旅をしてる訳だしさ・・第一、そうでもなきゃ目的地なんて
ないじゃないか。」
「それも・・そうだよね。・・うん!がんばろ!」
「よっしゃあ!」
次の目的地は聖都レイウズファルド。まだまだセイド達の冒険の旅は終わらない・・・!
今日の所はこんな物です。
まあ、そうイタイイタイ言わないで下さいよ。もう結構進んでて、
最初の頃は自分でもイタイ所があるなってわかってます。
仲間も増えてくれば面白くなってくるハズ・・なので。
30 :
金毘羅 ◆WlFtPozYo6 :03/11/30 10:28
よし!たのしみにしてるぞ!ふぁいとだ!
31 :
ゆっきん ◆GxRzFRYIVk :03/11/30 10:34
すごいですね!!!!!
がんばって!!!
32 :
鈴木@糞業者分溜まったので投下:03/11/30 11:15
秋祭り。
この寒空のもとで、イチャつくバカップル。
これみよがしで…キスしたり、服の上からペッティングしたり…。
誰もうらやましい…なんて思っちゃいないのに。
まあ、うらやましい…といえば、
何歳になってもたくましさを維持している…AV男優の島袋浩だね。
コイツは、顔が地味なのに、アレはスゴイ。
33 :
鈴木@糞業者分溜まったので投下:03/11/30 11:16
ブレスケア。
キスやペッティングのとき、臭(にお)ったらイヤだね。
それならば、お互いに臭いのあるモノを食えばいい。
クサヤ、ドリアン、ニンニク漬け…。
いいねえ、今夜はホームランだ!
34 :
鈴木@糞業者分溜まったので投下:03/11/30 11:17
本日、木枯らし一号!
しかし、私の心は…毎日、木枯らしが吹き荒れております。
そんなとき、このサイトで自らを慰めるのです…。
ああ、悲しきや、悲しきや。
35 :
鈴木@糞業者分溜まったので投下:03/11/30 11:17
歌舞伎の猿之助氏(62歳)が倒れたね。
彼は、脳梗塞の疑いがあるようだが、
実のところ、女遊びのし過ぎ。
モテるからねぇ…。
モテない男は、こちらのサイトで憂(う)さを晴らしましょう。
36 :
鈴木@糞業者分溜まったので投下:03/11/30 11:18
歌舞伎の猿之助氏(62歳)が倒れたね。
彼は、脳梗塞の疑いがあるようだが、
実のところ、女遊びのし過ぎ。
モテるからねぇ…。
モテない男は、こちらのサイトで憂(う)さを晴らしましょう。
37 :
鈴木@糞業者分溜まったので投下:03/11/30 11:18
母ちゃん…もう、疲れたよぉ…。
もう、これ以上は絞れないよぉ…。
タンクは空っぽ。
それにしても、スゴイ効き目。
38 :
鈴木@糞業者分溜まったので投下:03/11/30 11:19
きっと顔に姉ちゃんの肛門グリグリ押し付けられて
「イヤイヤッ太いの全部食べてッ!」
とか言われながら無理やり口の中に極太のモロコシ入りを
ブリュブリュ押し込まれた小6のあの日。
39 :
鈴木@糞業者分溜まったので投下:03/11/30 11:19
母ちゃん…もう、疲れたよぉ…。
もう、これ以上は絞れないよぉ…。
タンクは空っぽ。
それにしても、スゴイ効き目。
40 :
鈴木@糞業者分溜まったので投下:03/11/30 11:20
今日の天気は雨、本当、どしゃぶりの雨だったよ。
いわゆる、rainy day
あそこに居るオンナは、びしょ濡れだなぁ。
いわゆる、rainy lady
勿論、アソコも、ビチョビチョだ。
いわゆる、rainy bay
41 :
鈴木@糞業者分溜まったので投下:03/11/30 11:21
中学校を卒業して、早二十年が経ってしまった。
アルバムを見ながら、初心(うぶ)だった頃を思い出す…。 制服姿のあどけない顔のミッチャン。 まだキスさえも経験のなかった彼女が、 今では、まる
で性獣のように、男を求めて離さない。 その男が好きだから求めるというのではなく、 男だったら誰でも構わない…そんな感じだ。 やはり、効くんだなあ…。 この秘薬。 効きすぎちゃって、困るわぁ。
,,,,,... / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
》 ::::::::´-`) < 投下完了〜♪ねないこだれですの?
~ ~ \_____
神星連鎖ギザヴェランザー D
今日もセイド達は、聖都レイウズファルドを目指していた。
「・・・セイド・・ほんとにこっちであってるの?今日でもぅ・・・四日めだよ?!」
「・・・おっかしーな〜・・・こっちで・・・・あってるハズ・・・。」
野宿から今日でもう四日だ。二人共、特に非力なティリアには限界である。
それに、食料も底を尽きた。そうして棒になった足で歩いていると、
何やら向こうに人影が見えてきた。
「・・・幻か・・?」
だが、それは幻ではなかった。
「ティリアも・・・あの人・・・見える?」
「うん・・・見えるよ・・。」
滅多に人の通らない所だというのに、一体誰だろう?
その影は金髪の長い髪を風になびかせながら、どんどん近づいてきた。
「あのー・・・そこのお姉さん?ちょっと・・・」
ボゴォッ!!
「誰がお姉さんじゃいっ!!」
「うぐっ?!いってぇ!!何すんだよいきなり?!」
「今・・・俺様のコトを『お姉さん』と呼んだのか?!」
「そ・・・そうだけど・・・俺様?」
セイドが聞き返す。
「俺様はデュオ=パシラード!!雷鳴の貴公子、銀河をきらめくフォーマルハウトよ!」
「は・・・はぁ・・。」
セイドはいまいち状況が飲み込めていない。
「・・えっと・・ようするに、あなたは男の人ってコト?」
ティリアが口を挟む。
「そーゆーコト!で、お前らは一体なんでこんな所に?」
「聖都レイウズファルドに行く所なんだよ。資料館に用があってな・・・。」
「何っ?!レイウズファルド?!全然違う方向じゃねェか!本気か?」
「・・やっぱりセイド・・・違ったんじゃん・・。」
「お前ら、どっから来たんだ?」
「コリィタードだけど・・?」
「よし!!お前らレイウズファルドに行きてェんだろ?!だったら、この俺様が
連れてってやるよ!」急にデュオが提案した。
「えっ?!本当?・・・ありがとね!よかったね〜セイド!」
「本当にいいのか?そりゃあ、俺達はもちろん嬉しいけどさ・・・」
「・・・ああ構わねェぜ。条件付だがな・・・。」
「えっ?!条件?!」
「ま、向こうに着いたらゆっくり教えてやるよ。」
ーーー聖都レイウズファルドーーー
さすがは『聖都』と言うだけあり、神聖かつ華やかな雰囲気の大都市である。
コリィタードとは訳が違う。
「・・!!うっわぁ〜・・・これ、ホントに町か?!見たコトもない施設が一杯・・。」
「かっこわりィから、あんま騒ぐなよ。俺様の住んでる盟王都クラチェオなんて、
もっともっとすげェぜ?」
デュオが鼻高々そうに言ってのけた。
「・・でもすごいよ!あたしこんな大きな町、来たコトもないもん!」
「・・・だからな、お前はな、記憶がだな・・?」
セイドが呆れて言う。
「・・ごめん。そうだった・・。」
44 :
なげやりイチ ◆A3eK/z6hmc :03/12/01 19:15
DVD!!
DVD!!
「ん?もしかして、お前・・えっとティリア?記憶ないとか?」
「うん。そうなんだ〜。それで、記憶について調べてみようと思って来たの。」
「へェ・・・可愛い顔して苦労してんだな。」
「照れるな〜・・・。」
聖都をぶらつきながら、変な話をする三人組。はたから見れば不思議な光景である。
「で、例の条件ってやつのコトなんだが・・・実は、このレイウズファルドに俺様の
仲間が居てな。そいつが最近左手が痛むって言うんだよ。それで、この町の医者にも
聞いたんだけど『原因不明』でよォ。なんでも聞いた話によると、コリィタードは
医学が発展してるらしいじゃねェのよ。そこで!この俺様が仲間の為に人肌ぬいで
一人コリィタードを目指していた訳よ!けれども、いくどもいくどもコリィタードは
見えず・・。丁度そこにコリィタードから来たセイド達に出会った!もうお分かり?」
デュオがセイドを横目で見る。
「・・・ようするに、俺達にその仲間の怪我だか病気だかを治せないかって?」
「おお!物分りがいいねェ〜!ズバリそーゆーコトよ!」
「って言うか、デュオも迷ってたってコトだよね?」
グサッ!ティリアの言葉がデュオに突き刺さる。
「・・ん・・まァ、ソレはソレとしてだな・・。どーなのよセイド?」
デュオがセイドに期待を寄せる。
「悪いけど、俺は医学の知識なんて全然ないぞ。」
「・・ガックリ。ま、いいや。とりあえず一応俺の仲間にも会っていけよ。
レイゼルって名前でな。ここをまっすぐ行った所のホテルにいるから。」
「そっか。じゃあ、会ってみようよ。」
神星連鎖ギザヴェランザー E
「ここがそのホテルか・・・。」
「おうともよ!聖都でも一番の超一流ホテルよ!」
「・・・にしても、『月光空間』って言うこのネーミングはどうかと思うぜ・・?」
天井にはプラネタリウムが付いていたりして、それらしい雰囲気である。
「402号室のルームキーをくれ。」
デュオが慣れた様子でルームキーを受け取る。
「あ・・・はい。デュオ=パシラード様ですね。そちらのお二人は・・・?」
セイドとティリアがドキッとする。
「えっと・・・あたし達は・・・」
「いや・・ちょっとした知り合いだ。別に怪しいヤツらじゃねェよ。」
「・・さようでございますか。」
デュオがエレベーターのボタンを押す。
「いや〜、ありがとねデュオ。デュオが上手いコト言ってくれなかったら・・」
「そもそも俺様の仲間の為にお前らに来てもらってるんだからよ、
上手いコト言うのが普通っしょ?」
「それも・・そうだよね。」
そうこうしている間に4階に着いた。
コンコン!
「レイゼル・・・入るぜ?」
ガチャ。
一流ホテルらしいドアの音が鳴り響く。
「どーも・・。ティリアって言います〜。こっちがセイド。」
レイゼルらしき少年が聞きなれない声に驚いて振り向く。
「よっ、レイゼル!医学にはあんまし詳しくねェみてーだけど、一応コリィタードから
来たって奴を連れてきたぜ!」
「・・・ありがと・・。」
見ると、そのレイゼルと言う短めの銀髪の少年の服は、左手の裾だけが長かった。
「左手を見てやるって言っても、これじゃあ・・・。」
「ま、いろいろあってな・・。」
そう言って、デュオはレイゼルの左手の裾をまくしあげる。
するとそこに、左の手の平のある漆黒の穴が現れた。
思わず、「何これっ?!」と言いそうになってティリアが口を塞ぐ。
セイドの手にあるアザとは全く違い、同じ黒色でもセイドのは普通の黒だが、
レイゼルのは無限の闇と言った感じである。それに何より、レイゼルのソレは
動いていた。
「何だかわからないけど、生まれつきらしい。ずっと痛まなかったが、急に痛むように
なったんだとよ。」
デュオが状況を説明する。
「痛むか・・・レイゼル?」
「・・・。」
「と、とりあえず回復魔法とかで痛みを和らげた方がいいんじゃないか?」
「・・そうだね。」
「俺も、回復魔法なんて滅多に使わねぇんだけどなぁ。回復系下級魔法ピリム!」
暖かい光がレイゼルの腕を取り巻く。
「どうだレイゼル?少しはマシになったか?」
デュオが聞く。
「・・・ああ。ありがとう・・・。」
「じゃあ、なんか中途半端だけど俺達はもう行くぜ。俺達が用があるのは
資料館だからな。」
セイドが立ち上がると、すかさずデュオが声をかける。
「だったら、俺様が案内してやるよ。俺様もティリアの記憶のコト、ちょっと
気になるしな。」
「いいのか?デュオって、ホントいい奴だなぁ。」
「なぁに!この雷鳴の貴公子、銀河をきらめくフォーマルハウト、デュオ=パシラード様に、どーんと任しとけって!!俺様は顔だけじゃなくて性格も良いからな〜♪」
「・・・・。」
「そーだ!ここに居てもヒマだろーし、レイゼルも着いてくっか?」
レイゼルは、デュオの誘いに無言でうなずいた。
デュオに案内されて、資料館にたどり着いたセイド達。
「ここで調べればいい訳だな。」
「ここって言うけど・・・もの凄い量だよ?!どうやって探すの?」
「そりゃあ・・・片っ端から見ていくとか。」
ティリアが目を丸くする。
「!!あたしの為にそこまでしてくれなくていいのに・・・。」
「何言ってんだよ。その為に来たんだろ?」
「・・・うん。セイド、ありがとね。」
二人で盛り上がっていると、隅でデュオがぼやく。
「片っ端からってねェ・・・・何時間かかんだよ・・。」
「デュオは元々関係ないんだし、そこまで手伝ってくれなくてもいいんだぜ?」
「セイド〜!そんな意地悪しないで俺様にも手伝わせてくれよ〜!」
それから一時間・・・。
「見つからないねぇ〜。やっぱり、ここには無いんじゃないかな?」
「くっそー!これでやっと手がかりが掴めるかと思ってたのに・・・
・・・ってなんだこれ?『勇者の伝説』?」
セイドが何やら見つけたようだ。
「・・なになに・・世が窮地に落としいれられし時、三人の勇者現れん・・・
右手に紋章宿りし者・・・・光、雷、氷をつかさどる勇者なり・・・。
なんだ?これ?」
「ふっふっふ・・・よくぞ聞いてくれたセイド君!それは、俺様とレイゼルの
コトなのさ!」
デュオは、自らの右手にある紋章をセイドに見せ付ける。おそらく、レイゼルにも
同じ紋章があるのだろう。
「雷の勇者デュオ=パシラード様と、氷の勇者レイゼルよ!
俺様たちは、もう一人の勇者、すなわち光の勇者を探して旅をしてるのさ!!
世界なんて広いから見つかるかどうかわかんねェけど、
もし見つかったらすぐわかるハズだ。なんたって、俺様たち勇者には紋章があるからな。
そうそうセイド、お前みたいにこんな紋章が・・・・ってええっ!?」
デュオがセイドの右手にある紋章を見て飛び上がった。
「これ?なんかここ数週間前から浮かび上がってきて、なんなのかと心配
だったんだけど・・。」
「・・・ってコトは、セイドお前が光の・・・」
ガッシャーン!!
デュオの言葉をさえぎって、轟音と共に資料館が崩れ落ちた。
「!!」
何が起こったのか始めはわからなかったが、資料館の残骸の上にたたずむ
悪魔の姿を見て、セイドは全てを悟った。
「・・ティリア・・この町を消し炭にされたくなかったら、おとなしく魔石を渡せ!」
「ちょっとちょっとセイド?!これは一体どーゆーコトよ?!」
「ごめん。言い忘れてたけど、ティリアって狙われてるんだった。」
「・・・ハァ?!」
セイド達の運命はいかに?!
51 :
なげやりイチ ◆A3eK/z6hmc :03/12/01 19:19
(,,゚∞゚) 授業中せっせと書いて今頃ここに貼り付けてんのかいな
それともコピペかな
どっちでもいいや
俺は今日の昼間もぐうすか寝てたよ
では、続きはまた明日。
>>51 確かに学生だけど、実はもう神星連鎖ギザヴェランザー 60
ぐらいまではできてるんだけど、でもまあ、急に一杯来ても
困るだろうし、少しずつコピペしてるんですよ。
神星連鎖ギザヴェランザー F
「またかよっ?!一体何回来れば気がすむんだよ!!」
「心配しなくても、これで最後だ!!なんと言っても、このセルザ様が
来たんだからなァ!!」
セルザと名乗るその悪魔は、この前のフォデルよりも一回り大きかった。
「フォデルの時は二人いるというコトを考慮に入れていなかったらしく
負けてしまったようだが、もう今度はぬかりはない!!」
セルザはよほど自信があるらしい。
「セルザだっけ?悪いけど、また増えたんだ。」
それを聞いていたデュオが聞く。
「・・・まさか・・俺様たちも戦う・・・とか?」
「・・頼りにしてるよ!雷鳴の貴公子さん!」
丁度いいタイミングでティリアが言う。
「まァ、ティリアにまで言われちゃしょーがねーな!いくぜレイゼル!!」
「・・・ふぅ。」
レイゼルがため息をつく。
「また新たに増えたコトぐらい、百も承知しているわ!」
「この前のフォデルよりは強いんだろうな?出でよ!魔剣ゼニスエンクテオ!!」
「出てっ!金刃スゼムラルド!!」
「おわっ!!お前ら、結構すげェの持ってるじゃねェか!!
俺様も見せてやるぜ!!輝く闘気よ、具現化せよ!冥剣ネンデュヴェルサー!!」
デュオの手には、その細い腕にとても持てるとは思えない程の大きさの、 身長の二倍にもなる大剣があらわれた。
「なっ、なんだよその剣は?!よくそんなの持てるな〜?」
「気の力で持ってるから重くねェんだぜ!」
デュオが大剣を軽々と振り回して言う。
「じゃあ、あたしでも持てるかなぁ?」
「ネンデュヴェルサーの魔力は俺様の魔力と共鳴してるから、俺様にしかもてねェぜ?」
デュオが自慢している間に、セルザはまだ武器を出していないレイゼルに向かって
突進してきた。
「まずは貴様から死ねィ!!風系下級魔法イル!!」
「・・・凍てつく刃よ!舞剣ステイクレス!!」
レイゼルの武器が疾風を跳ね返す。
レイゼルの魔法武器、舞剣ステイクレスは名前こそ剣だが、外見はどう見ても剣には
見えない。手に持つものではなく、手首に通し、回転させて使うものだと言うのも
その理由の一つだろう。
「ならば、これならどうだ!風系中級魔法イルミス!!」
セルザが魔法を連発する。ほとんどは防いだものの、その内の一つがティリアの
腕をかすった。
「きゃあっ?!」
「大丈夫かティリア?!」
「他人の心配をしているヒマはないぞ!!風系上級魔法イミテオス!!」
ティリアの方を向いているセイドに向かって、無数の嵐が襲い掛かる。
「俺様がそうはさせねェよ!!」
デュオが冥剣ネンデュヴェルサーで魔法を受けとめる。が、一人で上級魔法を
受け止めるのはきついらしく、弾かれそうになった所にレイゼルが加わる。
「助かったぜ〜レイゼル!」
「それより・・・・来るぞ!!氷系下級魔法ゼテ!!」
「メタルウォール!!」
鋼鉄の壁がレイゼルの氷を阻む。
「俺様も発動だぜ!雷系中級魔法ラザカースド!!」
「・・くだらん!」
セルザの羽の起こした風によって、デュオの魔法の電撃はセイドの方に飛んでいく。
「・・!!はあぁぁっ!!」
セイドがゼニスエンクテオで電撃を断ち切る。
「ねぇセイド!このままじゃ、資料館以外も壊れちゃうよ?!」
「・・そうだな・・・でも、一体どうすれば・・!?」
「この町もろとも消し去ってくれるわ!もっとも、魔石まで壊してしまっては元も子も
ないからティリアは生かしておくがな。」
セルザは空高く飛び上がり、炎を吐いた。
「とりあえずティリアは、得意の防御魔法を町全体にかけてくれ!」
「・・あんまり得意じゃないんだけどなぁ・・。クリスタルウォール!!」
レイウズファルド全体が透明の壁に包まれる。
「そんなバリア、溶かしきってやろう!!」
セルザが炎を強める。
「・・・うっ・・くぁ・・・だめっ!バリアが・・・・!!」
「くそっ・・俺も支える!なんとかしてくれ!デュオ、レイゼル!」
それからデュオとレイゼルは作戦を練っていたが、急にデュオが攻撃を仕掛けた。
「食らえ斬撃っ!冥剣ネンデュヴェルサー!!」
「ただ剣を振るうだけで、この私を倒せるハズもなかろうに!」
いともたやすくセルザは斬撃をかわす。だが、よけた先にはレイゼルが待ち構えていた。
「・・氷系中級魔法ゼテド!!」
氷の吹雪がセルザに吹き付ける。
「きっ、貴様ァァッ!!」
セルザはそのまま地面に落下した。
「やったね!レイゼル」
ティリアがレイゼルに微笑む。
「・・ふぅ。なんとか・・・ってうわあああ?!」
レイゼルが大声で叫ぶ。
「どっ、どうしたんだよレイゼル?!」
見ると、レイゼルの左手の穴から何か黒い煙のようなものが出ている。
「うっ!・・・うおおおおっ!!」
レイゼルの手から完全に出きった黒い煙は、空中で塊になった。
「・・何なんだ・・一体?!」
「もしかして、今の戦いの反動で出てきたんじゃねェか?!」
デュオがその塊を見上げて言う。
「・・!!いけないっ!何か邪悪な力を感じるよ?!」
そう言ってティリアは、その塊を金刃スゼムラルドで切り裂いた。
「レイゼルから・・・出ていって!」
するとその塊は、凄まじい勢いでレイゼルの左手に戻っていった。
神星連鎖ギザヴェランザー G
「今のは・・・一体・・?」
セイド達が驚きで声も出ないでいると、無口なレイゼルが珍しく自分から口を開いた。
「・・・なぁセイド、次の目的地は決まっているのか?」
「いや・・・魔石のコトについて調べていくつもりだけど、
特にアテもないし・・・。」
「だったら・・・だったら行って欲しいところがあるんだ!」
急に言われて、キョトンとしているセイド達に対してレイゼルは続けた。
「・・カルデヴェラ大神殿に行ってくれ!カルデヴェラ大神殿の地下の祭壇には
リルピレル一族のコトについて記されている石碑があるらしいんだけど、
何故かずっと親から、あそこにだけは行ってはいけないって言われてたんだ。
それに、この左手も絶対人には見せてはいけないって・・・。
小さい頃は何も考えずに守っていたけど、今になって考えると、この左手と
あの神殿は絶対に関係してると思うんだ・・!」
内容を整理するまでに数秒かかったが、内容を理解し終えるとセイドはうなずいた。
「よし!次はカルデヴェラ大神殿だ!ティリアも、それでいいよな?」
「うん!あたしは全然構わないよ。」
「それにしても、セイドが光の勇者だったとはなァ・・」
セルザのコトやレイゼルのコトがあってすっかり忘れ去られていた話を
デュオが思い出したように言った。
「俺が勇者かぁ〜・・・って言うか、勇者って具体的には何なんだよ?」
「・・さァ?俺様もよくわからねェが、勇者の伝説によると何でも、
世界が窮地に落としいれられし時にあらわれるって話だが・・・。」
「俺が紋章が浮かび上がったのは数週間前だけど・・デュオやレイゼルは?」
セイドが紋章を見せて言う。
「俺様は二年くれェ前からかねェ・・・。レイゼルは五年ぐらい前だってよ。」
「ふーん・・・。ってコトは、三つの紋章がそろった今、世界は窮地に
落としいれられてる訳か?!」
セイドが自分で言って驚いた。
「なんにしても、情報が少なすぎる。今の段階じゃ何もわからねェしな・・。
とりあえずは、カルデヴェラ大神殿が先だ!」
デュオが上手くまとめた。
「セイドの、アザじゃなくて勇者の紋章だったんだね。すごいなぁ〜・・。」
ティリアがセイドの紋章を覗き込んで感心している。
「・・あんま実感ないけどな。」
「セイドのが勇者の紋章なんだったら、あたしのは一体何だろ?みんなのとは
場所も違うし・・・まあ形はあたしのの方が格好いいけど♪」
「・・おいおい。」
「冗談だよ〜。冗談。」
「にしてもよ、聖地クーロードの次は聖都レイウズファルド、
そしてカルデヴェラ大神殿かぁ〜!なんかワクワクしてきたぜ!」
セイドが興奮していると、ティリアにつっこまれる。
「・・遊びで来てるんじゃないんだから〜。もー!」
「うわっ、ひでー!ティリアの為に旅してるのになー。じゃあもう、
旅やめちゃおっかなっ♪」
「セイドの意地悪ぅ!」
「・・・じゃあ・・・今日は・・・ここで泊まろう・・。」
「レイゼルもそう言ってるコトだし、俺様たちはさきにホテルに帰ってるわ。
ま、せいぜいゆっくり帰って来いよ、お二人さん♪」
そう言い残すと、デュオ達はとっとと帰ってしまった。
「・・何だよ・・・デュオの奴・・。////」
「なんか今日は疲れたね〜。」
ティリアが、横に腰掛けてため息をつく。
「ああ・・・。セルザとの戦いもあったし・・・ってそうだ!ティリア、傷は?!」
「えっ?」
「ほら!えっと・・セルザの魔法がティリアに当たった時のやつ!」
「・・!!あー!・・んと・・・確かこの辺に・・・あったあった。」
ティリアが指差したそこは、僅かな血痕が残っているだけで、傷口はもう
ほとんど塞がっていた。
「・・なんだ。もう治ってんじゃん。」
「あれ?おっかしいな〜?結構切ったと思ったんだけど・・・?」
「思ったより深くなかったんじゃねぇか?まあ、ティリアが無事なら
それでいいさ。もう少ししたら、俺達もホテルに帰ろうぜ。」
「・・うん。そうしよっか。」
ーーそして翌日。
ここはデュオとレイゼルの部屋。
「・・レイゼル・・・もう起きてるか?」
「ん・・・ああ。」
「セイド達は起きてんのかなァ?」
そう思ってデュオは廊下に出た。
ゴン!
「・・うおお?!」
「ひゃっ?!いったたた・・」
「うっくっ・・・ティリアか?」
「・・デュオ?ごめん・・。」
ティリアにぶつかった。
「で、もう目は覚めたのか?」
「うん・・。セイド以外はね。」
「・・・はァ。なんかあいつ爆睡してる様な気がしたんだよなァ〜・・。
ティリア起こしてきてやってくれ。」
「は〜い・・。」
ガチャ。
ティリアが部屋に入って来る。
「起きて!・・・ね、起きてよセイド!」
反応は全くない。
「・・もー!今日はカルデヴェラ大神殿に行くんでしょ?!」
「・・ん・・・あ?」
なんとか目は覚ましたものの、セイドはまだ寝ぼけてしまっている。
「朝ご飯、食べないの?」
「・・めし?めしなのか?!・・」
「ってわっ!?ちょっ、ちょっとセイド食べないでよ!それは、あたしの指だってば!」
「・・え?・・・わわわわわっ!!ご、ごめん!!俺・・寝ぼけてた?」
「うん・・。」
「・・・ん、コホン。デュオ達をおこして来ないとな!」
セイドは慌てて部屋から出て行こうとした。
「デュオ達なら、とっくに起きてるよ・・!」
「・・・////」
そしてセイド達は朝食を済ませ、旅立つ準備をしていた。
「で、デュオ、そのカルデヴェラ大神殿はどこら辺にあるんだ?」
「・・・ここ・・。」
レイゼルは地図を指差す。
「ここか。ここなら、一日もかからねぇだろ。よし、行こうぜ!」
「うん!がんばろ!」
「俺様、体力はあんまねェから不安だぜ〜・・。」
「背はそんなに高いのに?きっと顔と髪の毛にしか栄養分回らなかったんじゃないか?」
セイドがふざける。
「るっせーなー!俺様はセイドたぁ違って、育ちがいいんだよ!育ちが!
なんてったって盟王都クラチェオだからなァ〜。」
「・・・はいはい。」
「おいっ!セイド!・・てっめェ〜・・」
目指すはカルデヴェラ大神殿!そこでセイド達を待つものとは・・?!
それでは、また明日。
64 :
ハクラ ◆unzespKM5. :03/12/03 21:40
偽者防止に為、トリップつける事にしました。
65 :
ハクラ ◆unzespKM5. :03/12/04 16:52
神星連鎖ギザヴェランザー H
カルデヴェラ大神殿に向かうセイド達だが・・・。
「・・・うへェ・・さみー!セイドもティリアもレイゼルも!お前ら、平気なワケ?!」
「平気って・・何が?」
「寒さだよ寒さ!カルデヴェラ大神殿のあるレイウズファルド地方っていやァ、
極寒の地で有名じゃねェか。んなコトも知んねェワケ?!」
デュオがガタガタ震えている。
「こらデュオ!ティリアは記憶がないんだから、そんなコト言うなよ!」
「・・そういや、そうだったな・・。俺様としたコトが済まねェ・・・」
「ううん・・いいの。やっぱ・・だめだな・・記憶なんて失っちゃったりしたら・・。
みんなと話なんかも合わないし・・・」
ティリアがうつむいてつぶやく。
「気にするコトないよ!ティリアが居たからデュオ達にも出会えたんだし。」
「うん・・・ありがとね。そう言ってもらえると、少し気が楽になるよ・・。」
「・・カルデヴェラ大神殿・・・あれじゃないのか・・?」
レイゼルが指をさした先には、結晶の様な柱で造られた神殿が雪の隙間から
顔をのぞかせていた。
「おっ!もう着いたのか!」
セイドが歓喜の声をあげる。
「もうって言うけどねェ・・・夜だぜ?」
「俺達にとっちゃ、それでも早いよ。デュオに出会った時なんて、四日間も
彷徨ったんだから。なぁ、ティリア?」
「うんうん。誰かさんのせいでね?」
珍しくティリアが不適な笑みを浮かべる。
66 :
ハクラ ◆unzespKM5. :03/12/04 16:52
冷や汗を垂らしているセイドに向かってデュオが言葉を投げかける。
「四日間・・・ねェ・・・。聞いてるだけでも疲れちまうぜ。・・・っていでっ?!」
デュオが目に星をいれて倒れ込む。神殿の柱にぶつかったのだ。
「おいおい、銀河をきらめくフォーマルハウトさんよォ、
目にフォーマルハウト入れてどうすんだよ。」
「・・大丈夫かデュオ・・?」
レイゼルが進んでいくと、声が飛んできた。
「待たれいっ!」
「・・・なんだ、またかよ・・」
そう言ってセイドが前をむいたが、声の主には漆黒の羽など生えていなかった。
「どこへ行く気だ?!」
そこに立っていたのは、白い髭を生やした強固な老人である。
「・・?!じーさん・・一体?」
「質問に答えろ!どこへ行く気だと聞いている!」
「なんだなんだァ?いきなり怒鳴ってよォ・・・見りゃわかるっしょ?!
神殿に入るんだよ!神殿に!」
突然の高圧的な物言いに苛立ったデュオが答える。
「フン・・・やはりな。」
「やはりって・・・それがわかってるなら、早くそこをどいてくれよ!」
セイドが言う。
「何を言うか!お前達のような悪魔、神殿に通す訳なかろう!」
「・・悪魔だって・・?!」
セイド達があっけに取られる。
67 :
ハクラ ◆unzespKM5. :03/12/04 16:53
「とぼけおって!ちゃんとお前達の辺りから邪悪な気を感じておるわ!」
「何が邪悪な気だ!いい加減なコト言ってんじゃねぇ!このクソじじい!」
「俺は・・・悪魔なのか・・?」
ふと振り向くと、レイゼルが自分の手を押さえて青ざめている。
「なっ、何言ってんだよ?!」
「だって・・・手にこんな穴があるし・・・それに、俺は小さい頃から
ここにだけは来てはいけないって・・・・」
「そんな訳あるか!レイゼルが悪魔な訳ねぇじゃねぇか!
「・・・だけど・・」
「レイゼルには悪魔の羽も無いんだ!レイゼルは絶対に違う!!」
「・・・・。」
「なんでもいいから早く出て行け!この悪魔共!」
セイドとレイゼルが取り込んでいる間に先程の老人が再び怒鳴る。
「黙って聞いてれば悪魔悪魔って!!違うって言ってんだろ!」
「まだ言うか!!聖なる神殿に悪魔なんぞが来るでない!!
せっかくの神殿が汚れてしまうわ!!」
「・・・もういいっ!!二度とこんな所来ねぇよ!行こうぜティリア!っておい?!」
老人とセイドが言い合っていると、ティリアがぐらつきこけそうになる。
「大丈夫・・。ちょっと頭痛がしただけだから・・・心配しないで・・。ね?」
「・・ならいいけど。もうこんな所から早く抜け出そう!!」
セイド達はひとまずカルデヴェラ大神殿を出た。
68 :
ハクラ ◆unzespKM5. :03/12/04 16:53
「・・あの時は、ついつい苛立ってあんなコト言っちまったけど、ごめん・・レイゼル。
行きにくくなっちゃったな・・。」
セイドがうなだれて言う。
「・・いや・・仕方ない・・・。」
ハッキリ言って、自分が悪魔なのではないかと不安なレイゼルにとって、
セイドに気を使っている様な余裕はなかった。
「にしても、今日はどうするんだよ?」
すっかり月の出た夜空を見上げてデュオが言う。
「また・・野宿になるんだろーな・・。」
「野宿ぅ〜!?ちょっとちょっと、冗談っしょ?!俺様の美しい肌が荒れちまったら
どうすんだよ!」
「じゃあデュオは一人でレイウズファルドまで帰るか?」
「・・いや〜、へっへ。野宿ってのもなかなか良いモンじゃねェか!なっ?
俺様、ちょっぴり楽しみ・・」
「ったく。それでも本当に雷の勇者かよ・・。ティリアと俺なんて、
この前も野宿したぜ?そのもっと前なんて、狭い部屋で二人暮しだったし・・。」
「へェ?二人っきりだったワケ?」
デュオがニヤけてセイドの方が見る。
69 :
ハクラ ◆unzespKM5. :03/12/04 16:54
「・・いやっ・・二人っきりって言ってもそういうんじゃなくて・・////
・・なぁティリア?!」
「・・・・。」
「どうしたんだ?」
「あっ・・・ごめん。ちょっとボーッとしてただけ。何の話?」
「・・もういいや、今日はみんな疲れてるだろうし。寝るとしようぜ。
・・そういや、寝袋の数足りねーな。」
「これからずっと持って歩くのも何だし、この際、
せっかくだから武器みたいに自由に出せるように、魔法加工しておけば?」
「!!そんなコトも出来んのか?魔法ってのは?」
セイドがたずねる。
「なんだ、お前何も知らねーのな。魔法で加工すれば出し入れができるのは当然、
増殖もできりゃ、処分にも困らねェし便利なんだぜ。よっ!!」
デュオの手から放たれた魔力の塊が寝袋を包み、四つに分かれた。
「すげぇ!もうこれで、いちいち持って歩かなくてもいいんだな!数も足りるし。」
「ま、なんてったって勇者様だからな♪じゃあ俺様はもう寝るぜ!」
デュオはさっさと寝袋に入ってしまった。
70 :
ハクラ ◆unzespKM5. :03/12/04 16:54
神星連鎖ギザヴェランザー I
「デュオも寝ちまった様だし、俺ももう寝るわ。・・・おやすみ〜・・。」
「・・俺も・・。」
セイドやレイゼルも、続けて寝てしまった。
それからしばらくの時間が経った。もう、すっかり音も聞こえない。
だが、一人、また寝ていない影が一つあった。
「みんな・・・もう寝ちゃったのかな・・・。」
「あたしも・・もう寝なきゃ・・うっ!まだ・・頭が痛い・・」
ティリアは、寝袋を出てスッと立ち上がった。
「・・ちょっと夜風に当たって来よう・・。」
月光を浴びて、少女が一人たたずむ。
「あたし・・・どうなっちゃうんだろうな・・。」
ティリアの瞳には涙が浮かんでいた。
記憶の手がかりも見つからず、悪魔たちに襲われ続ける日々に謎の頭痛・・・
14歳の少女には荷が重過ぎる。普段は明るく振舞っていても、不安じゃないはずがない。
そこに、一つの影が近づいて来た。
「セイド・・?もしかして・・・・聞こえちゃった?」
「・・何を勘違いしているのかは知らんが、ちょっと来てもらうぜ!」
「!!」
声も出せぬ内に二つの影は遠ざかっていってしまった。
71 :
ハクラ ◆unzespKM5. :03/12/04 16:55
「・・おっはよー!今日は、起こされなくても起きたぜ!」
セイドは珍しく自ら起きた。
「へっへっへ!どうだよティリア!人類は進化するのさ!」
・・返事は返ってこない。
「まさか、まだ寝てるとか?ったく、しゃーねーなぁ。このセイド様が起こし・・
ティリア?!・・ティリア?!いねぇ・・・くそっ油断した・・!」
セイドも、今度はさすがにすぐ感づいた。
「レイゼル!起きろっ!ティリアが・・ティリアがさらわれちまった!」
「・・・何?!」
普段のおとなしさからも想像できる通り、レイゼルは寝起きがいい。
だが、問題なのは・・・
「起きろよっ!デュオ!」
「・・・。」
反応がない。
「ちくしょう!起きろって!」
「・・・ん?なんだ・・・もうメシか?」
「っとと!!喰ったらぶん殴るからな。」
この前の自分もこうだったのかと思うと、セイドは少し自分が嫌になった。
「・・一体どうしたっつーのよ?!」
ようやくデュオも目を覚ました。
「聞いてくれ!ティリアの奴がまたさらわれたんだよ!」
「さらわれた?!・・それにまたァ?!」
「ああ、言ってなかったな。ティリアは前にも一度さらわれたコトがあるんだよ!」
72 :
ハクラ ◆unzespKM5. :03/12/04 16:55
「・・大変なんだねェ。お前らも色々と。で、どこに行ったかはわかってるワケ?」
「いや・・わかってるぐらいなら早くいくよ。」
「・・・カルデヴェラ大神殿の・・・・あの人に・・・聞くとか・・。」
カルデヴェラ大神殿を抜けて、すぐに野宿したので確かにここからは近い。
「レイゼル・・・いいのか?」
「・・・今は・・そんなコト・・・言ってる場合じゃないから・・・。」
「そうか!なら、すぐに聞きに行こう!」
セイド達は、急いでカルデヴェラ大神殿に向かった。
―――カルデヴェラ大神殿―――
「ハァ・・・ハァ・・。見えてきたぞ・・!」
やっと神殿に着いたのはいいが、やけに静かだ。
「おーい・・・うおっ?!」
近づいてみると、この前の老人が横たわっていた。
「・・どうしたんだ?!何があった一体?!」
「・・・ぐぬぅ・・・お前達・・!やはり、先の奴もお前達の仲間という訳か・・!」
「先も奴!・・・間違いない!ティリアをさらった奴だ!」
「よしっ!急げセイド!」
「ああ!わかってる!魔石さえ取ってしまえば、奴らはティリアを殺しかねない!」
石造りの神殿に、三つの足音が響く・・・
73 :
ハクラ ◆unzespKM5. :
「ここだ!」
そこには魔石を取られ、気絶したティリアと、魔石を二つも持った悪魔だった。
「早くティリアを離せっ!お前も、ガレンソォーナとか言う奴の仲間なのか?!」
「ほう・・・情報はきいているぞ。セイド=カーヴェルとその仲間だろう?
ガレンソォーナ様のコトまで知っていたか・・。」
「仲間で終わらせてんじゃねェよ!!雷鳴の貴公子、銀河をきらめくフォーマルハウト
三大勇者のデュオ=パシラードったァ、俺様のコトよ!」
「・・・なんか増えてるし。まあいいや。んなコトよりティリアを・・」
「魔石の反応がこっちの地方にあったから来てみたら、運よくそこに
魔石を持ったコイツまで居てよぉ・・・二個もGETで、サイヴァ様は
今機嫌がいいんだ。こんな小娘返してやるから、とっとと失せな!」
サイヴァとかいう悪魔は、ティリアをセイド達の方に投げてきた。
それをセイドが受け止める。
「馬鹿言ってんじゃねぇ!!その石は大切な物なんだ!返してもらうぞ!!
出でよ!魔剣ゼニスエンクテオ!!」
セイドの手に剣が出る。
「ほう・・・余程死にたいらしいなっ!!」
セイド達vsサイヴァ!戦局は・・?!
今日はここまでです。では。