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sage進行!
3音符の帰る家:01/09/24 20:50
「・・・ハアー・・ノドガカワイタ・・・。」
歩いて一体何時間がたったのだろう。真夜中そこもでと喧嘩し家を飛び出して、もう今は
夕方になっている。トボトボ歩いていると、ビルとビルの狭間から、
急に西日の光が射し込み、目に痛い。日陰との気温の違いが疲れた体にうっとおしい。
一面のアスファルトが紅蓮に染まって見えた。
「オレ、コノサキドーナルンダロウ・・」音符は、しみじみ思いにふけったいた。

そこにスウっと、音符の体が大きな影で包まれた。
「アア、スズシイ」と無意識に思ったその瞬間。上を見上げた。
髪が金髪でチリチリの(多少アフロが入った)少年とも、青年とも見分けがつかない人間が立っていた。
4音符の帰る家:01/09/24 21:11
そのアフロは、目の前に座り込み、なにやらポケットから差し出している。
粉々になったオカシ。カロリーメイトかなんだろうか。
正直な所、ノドが尋常じゃないくらい渇いていたので、空腹ではあるが、
固形物が喉を通る気がしなかった。それでも、いつありつけるかわからない餌を
逃すわけにはいかないので、素直に貰うことにした。
「・・パク。」・・・オカシイ。何の食感もない。見ると、アフロの手が
少し遠くなってる。

ならもう一度。

「パク!」今度は勢いよくいったが、歯と歯がガチンとぶつかっただけだった。
痛い。痛いだけで、旨くもなんともない。オカシイ。
見たら、また手が遠くなってる。
「パク」「パク」・・食べようとするたび、
このチリチリ頭は、ササ、ササっという感じで、後ろに下がってるようだ。
・・カラカワレテたのか。急に怒りが沸いて来る。自分の目が大きく開くのがわかった。
が、その瞬間手の上のオカシを、地面にパラパラと巻いてきた。
5音符の帰る家:01/09/24 21:14
一目散に食らいつく。無我夢中に。何かされる前に逃げようとしたからだ。
・・その途端に体が空中に浮いた。飛んだ?そんなわけない。
オカシを食べて羽が生えたとか。まさか。そんなのはありえるわけないし。

・・どうやらアフロに首ねっこを掴まれてるらしい。証拠に、目の前に
コイツの顔がある。何やら、オレの下腹部あたりをジーっと見てる。
「オスか。それにしても小汚い猫だな。臭いもシドイ。ああってなる」
何やら、ブツブツと呟いているようだった。

「アア、コレハタブン、ヒトスジナワジャ カエシテモラエナイ!」本能的に、音符は、悟っていた。
6音符の帰る家:01/09/24 21:34
悲しい、記憶。




      
7音符の帰る家:01/09/24 21:43
「おかあさん」
8音符の帰る家:01/09/24 21:45
「みんな」
9音符の帰る家:01/09/24 21:46
「どこに行ったの。皆、ボクを置いて、どっかいっちゃったの」
10音符の帰る家:01/09/24 21:58
・・・何やら、光が見える。ついたり、消えたりと繰り返してる。
「あー、クソ。蛍光灯イカレたか。新しいの買う金なんかねーのにや」
声がする。

・・・夢を見てたのか。ボヤけた頭で、音符は理解し始めた。
そして。

どこだココ。

何やら、主のそこもで家とは、比べものにならないくらいに、
汚らしい。食べかけのカップラーメン、ゲームなどが散乱している。

「お、目開いた。死ぬかと思って半分期待してたが。嘘だ。わげわがんね」
見覚えのある顔。そうだ。さっきのアフロだ。
てことは、オレは、やっぱり連れ去られたのか。拉致されたのか。監禁か。
昔テレビで覚えた言葉が脳裏をよぎっていた。
11мisolier☆彡
続きが読みたいなぁ。