http://ecx.images-amazon.com/images/I/61lwEaqjIgL._SL500_AA300_.jpg 昨年末に開催された「コミックマーケット85」には3日間で52万人ものオタクたちが参加し、
会場内だけでなく周囲の飲食店やコンビニなども例年通りの独特な熱気に包まれていました。
参加した多くのオタクが好きな作品の同人誌や企業のオフィシャルグッズなどを買い求め、
私のようにコスプレイヤーを眺めたりなどして2013年最後の祭りを楽しんでいたように思います。
しかし、今回のコミケでは同人誌やCDなどを頒布していた参加サークルたちには、
例年通りの楽しいコミケとはいかなかったようです。
■冬コミ、ワイセツ表現への規制強化で混乱
2013年11月15日にコミックマーケットを運営する準備会から
「【注意喚起】コミックマーケットにおける頒布物の表現について」というお知らせが発せられました。
青年向けのいわゆる「エロマンガ」の表現について、2013年10月以降に発売された商業誌を参考に
モザイクなどの修正を行うようにという内容で、これまでの基準ではワイセツ物として
法に触れる可能性が強くなってきたというコミックマーケット準備会の危機感が読み取れました。
これを受けて該当する青年向け雑誌やコミックスなどから情報を得て、自身の基準と
照らしあわせた修正を行って「コミックマーケット85」に臨んだサークルが多かったのですが、
残念なことに当日の会場では多くのサークルが修正不足を指摘され、並べられたテーブルの上には
販売停止カードが大量に貼り出される事態となっていました。
http://pbs.twimg.com/media/BcnCW0UCcAACEKm.jpg 指摘を受けたサークルは現地で追加修正の作業を行ったものの、開場時間には間に合わず……
頒布を行いながら修正するという自転車操業状態で乗り切ったサークルもあったそうです。
一部からは事前に正確な基準を示してほしかったとの声が上がっていますが、
"コミケ独自のルール"を決定してしまうのは非常に危険なことで、準備会としてもプロ・アマを問わない
"創作の楽園"を運営する立場にあるからこそ、判断の難しい問題だったのではないでしょうか。
■コミケ後に商業誌の驚くべき"過剰"修正が明らかに
例年以上に慌ただしい雰囲気を肌に感じた冬コミが終わり、年を越して少し落ち着きを見せた矢先。
商業誌でマンガを描いている漫画家・鳳まひろさんがツイッターで新連載作品の修正具合は
こんな感じだと1枚の画像を公開しました。
https://twitter.com/ootorimahiro/status/419320320374222849/ 男性であれば画像をチラッと見ただけで、黒ベタで修正されている範囲の異様さが感じとれることでしょう。
本来の絵がどのようなものだったのか想像することすら難しい修正っぷりで、
もはや青年向け作品なのかすらわからない状態に。
児童ポルノの規制強化に関心が集まっている中で、各出版社も業界を守るために十分すぎるほどの
対応を取らざるを得ない状況になっていることが感じ取れる画像だと思います。
コミケ準備会が基準として挙げていた2013年10月以降に発売された青年向け商業誌においても、
モザイクや黒ベタなどの修正内容には"統一された基準"とは言いがたいバラつきがあり、
そんな状況下において開催された「コミックマーケット85」で混乱が生じてしまったのは仕方のないことでしょう。
商業・同人を問わず、今後も安心して青年向け作品を楽しむためには新しいルール作りが必要になってきたのかもしれませんね。
しかし、マンガというのは空想の産物(ファンタジー)です。 最近は青年向け作品よりエロいという
評判を得ている少年マンガやテレビアニメも多く存在する中で、律儀に法と条例に従っている
青年向けマンガがどうしてこれほどまでに槍玉に上げられるのか不思議に思います。
被害者が実在するような悪質な児童ポルノを肯定するわけではありませんが、
"必要な規制"というのをしっかりと考えるべき時が来ている気がします。
http://ure.pia.co.jp/articles/-/20091