■ビール片手に作品批評
金沢21世紀美術館で開かれた学生アニメの祭典「インターカレッジアニメーション
フェスティバル2013」が十日に閉幕した。期間中、金沢では“裏フェス”も盛り上がった。
全国の学生たちが作品を持ち寄り、夜通し語るアニメ合宿が定番となっているのだ。
アニメ作家の卵たちが結集した金沢の夜をのぞいてみた。
「僕の作品はどうですか」「バカバカしくて楽しい」
JR金沢駅近くの旅館の大広間では九日夜、浴衣姿の学生たちや教授陣ら約七十人が、
地酒やビール片手にアニメ談議にふけっていた。部屋の中央に置いたスクリーンでは、
下ネタ満載で笑いを誘う作品から童話を基にした幻想的な短編まで、学生たちのアニメが
次々に上映された。
東京工芸大や多摩美術大など県外からだけでなく、地元の金沢美術工芸大や金沢学院大の
学生たちも合宿に参加。ぎゅうぎゅう詰めの広間では、教授陣やゲストの若手アニメ作家らに
詰め寄って論評を求める学生もいて、熱気で汗ばむほど。
東京造形大四年の岡田ともかさん(22)は「去年の合宿が楽しかったからまた来た。
宴会をしながらアットホームな空気もいい。アニメって楽しければいいんだなって思った」。
足のあるアザラシのようなキャラクター「足ザラシ」のアニメを持ち寄った金沢学院大四年の
赤川友朗さん(22)はアニメ専攻がある都内の美大などの作品に
「クオリティーが全然違う。勉強になった」と目を見張った。
同フェスは二〇〇二年に都内で始まり、金沢会場は三年前から。
だが、ほかのどの都市にもない「アニメ合宿」を昨年から実現させた。
日本アニメーション協会会長で、同フェス実行委員長の古川タク氏は
「学校を超えた交流では情報交換だけではなく、将来アニメの現場で顔を合わせたときに
『あのとき金沢で会ったね』と思い出を共有できるのが素晴らしい」と話した。
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20131112/CK2013111202000037.html .
大学生がみんなアニメで食って行きたい、と言い始めたら、さてどうする?