現在放映中のTVアニメ『WHITE ALBUM2』は、最近会社の買収騒ぎがあったLeaf(株式会社アクアプラス)から発売されている『WHITE ALBUM2 幸せの向う側』が原作となっている。
『WHITE ALBUM2 幸せの向う側』はPS3専用のいわゆるコンシューマーゲームだ。
しかし、この作品のオリジナルは18禁美少女ゲーム、いわゆるエロゲーの『WHITE ALBUM2』である。
18禁美少女ゲーム『WHITE ALBUM2』は、
前編の『introductory chapter』と後編の『closing chapter』の2本のソフトから成り立っていて、
テレビアニメ版は全13話を予定しているということは、
話数を考えるとアニメとして制作できるのが『introductory chapter』部分になるだろう。
つまり、『introductory chapter』が本当の原作だ。
18禁版からコンシューマー化する際、当然エロ要素を抜くようシナリオがリファインされる。
その上、原作ファンでも再度楽しめるように追加シナリオやオープニングに新規カットを加えたりするものだが、本筋の物語は変わらない。
しかし、アニメ化はどうだろう。多くの原作ありきのアニメ作品は、
細かな部分は抜かして原作と大差はないが、中には丸っきり別作品になり原作ファンの不評を買うこともある。
原作レイプという言葉があるくらいだ。
原作ファンからすれば、大筋が変わらない限りコンシューマー化やアニメ化するにあたって、
細かな設定の変更や全体の話数の関係上シナリオが変更された点などを見つけたりするのも楽しみ方の一つとして存在する。
今回の『WHITE ALBUM2』はどうだろうか。
ゲームは泣きゲーとしてのシナリオ完成度が非常に高く、2010年代の屈指の名作だ。
『WHITE ALBUM』からの流れで、知名度もファンの数も多いこの同作がアニメ化するに至って、
原作はプレイしたことがあるけど、アニメは見ていない、
アニメは見ているけど18禁版はプレイしていない、
という方のためにこれまで放映された回までで、どこがどう異なるか検証してみたい。
これ以降、「原作」は18禁美少女ゲーム『WHITE ALBUM2』を指し、
「アニメ版」は現在放映中の同作を指すとする。
※ここから先はネタバレになりますのでご自身の責任でお読みください。
また、この記事は原作をプレイしたことがある、もしくはアニメ版を観ていることを前提に書かれていることをご了承ください。
●主題歌がアレンジされている
主題歌だが、タイトルが原作とアニメ版で微妙に異なる。
『届かない恋』と『届かない恋 '13』だ。歌い手は上原れなで同じ。
曲調などに変化は見られないが、音作りやアレンジが異なっている。
『届かない恋 '13』のドラムの音は機械的なサウンドではなく、ドラム本来の音に近いタイトな音作りになっている。
Bメロでリズムがハーフダウンする際のリズムアレンジも大幅に変更されている。
そして次に気がつくのがストリングスの大胆な導入だろう。
特に2番からボーカルのすき間を埋めてストリングスが差し込まれ、実に壮大な雰囲気を与えている。
そしてギターソロの明けのブリッジパートのようなサビの後ではブレイクになっている。
最初にアニメ版の主題歌を聴いたとき、ややテンポが遅い印象を受けたのだが、調べてみると原作ともにBPM135だった。
これは機械的ではなく全体が生々しく聞こえるために受けた印象に過ぎなかったらしい。
ひょっとしたら原作の方は精巧な打ち込みで作られた部分が多かったのかもしれない。
ちなみに声優についてだが、原作にはクレジットがないので詳細は不明だ。
アニメ版を見る限り声に変更は見られない。
非常に声を似た声優をアニメ版でも採用したのだろう。(棒読み)
http://otapol.jp/2013/11/post-145.html ※続く