パズドラ、成長継続の軸 新興ゲーム企業、ガンホー・オンライン・エンターテイメントのスマートフォン(高機能携帯電話)
向けゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」が業界を席巻する勢いをみせている。
2012年2月のサービス開始から1年3カ月後の今年5月には累計ダウンロード件数が1400万件を超え、社会現象にさえなりつつある。
業績も右肩上がりで伸び、5月中旬には株式時価総額が1兆5000億円を超える局面もあった。もっともパズドラ頼みの収益構造
ゆえに、このままでは成長が鈍化するのは避けられず、早くも次の戦略に投資家の関心が集まっている。
時価総額、任天堂超え 「すごく速い!」「正確なプレーだ」。パズドラのうまさを競うイベントの決勝で、出場者の
プレーがステージ上のモニターに映し出されると、会場内にどよめきが広がった。4月29日、東京都文京区の東京ドームシティで
催されたガンホーのイベントに参加するため、早朝から列をつくったファンは約2万5000人にのぼった。
パズドラではパズルをしながら敵を倒し、自分のキャラクターを育成していく。単純なパズルと、ユーザー自身がゲーム内の
主人公となるロールプレーイングゲーム(RPG)を組み合わせた点が斬新で、多くのファンを生んだ。課金制のアイテムや
キャラクターを購入しなくても十分に楽しめる設計になっていることも人気を押し上げた。
ダウンロード数はサービス開始から約1年で1000万件を突破。口コミによって徐々に浸透しながら、12年10月にテレビCMの
放映を始めた後は加速度的に伸び、その勢いは現在も衰えをみせていない。
02年創業のガンホーは家庭用ゲーム機向けのソフトとパソコン向けゲーム、スマホ向けゲームの3つを事業の柱としている。
パズドラの空前のヒットに支えられて連結業績は猛烈な勢いで伸び、13年1〜3月期の売上高は前年同期の9.4倍、営業利益は75倍に拡大した。
年初に8万円弱だった株価も沸騰している。5月14日には今年の最高値で年初の約20倍となる163万3000円をつけ、時価総額は
一時的ながらも任天堂を上回り、話題をさらった。
他のゲームに波及 パズドラ人気は、ガンホーが手掛ける他のゲームにも波及している。12年11月に提供を始めたスマホ向けの
「ケリ姫スイーツ」のダウンロード数は今年2月に累計200万件に達した。
ゲーム雑誌出版、エンターブレインの浜村弘一社長は「ガンホーはパズドラのユーザーをケリ姫に送り込んでおり、IPを手に
すれば、顧客を広げるプラットフォーム(基盤)になれることを証明した」と解説する。
この人気にあやかろうと、パズドラとの連携を求める企業も相次ぎ、他社のゲームや菓子での協業が実現した。
もっとも、パズドラの次の戦略はまだ見えてこない。ある証券会社のアナリストは「パズドラに代わるようなヒット作を
出すのは難しい」と指摘する。これに対し、ガンホーが用意した答えの一つはパズドラを使った「生涯顧客化戦略」だ。
(以下省略)
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