政党が乱立していることもあり、投票率が低くなるともいわれる衆院選だが、
投票するだけで受けられるお得な珍サービスがある。過去には商店街が
一丸となって「投票行ったら割引キャンペーン」を実行した例もあるが、
北海道の札幌市では「エロゲ」を割引する店が現れた。
パソコンでプレーするアダルトゲーム「エロゲ」と選挙とはなかなか結びつかないが、
同市の「パソコンショップMK」の店長は「ゲームやアニメばかりに興味があると
思われがちなお客さんやゲーム製作者だけど、政治に意見することが多いんです。
投票率を上げるお手伝いをしようと思いました」と話す。
エロゲ業界は表現規制などの問題を抱え、微妙なバランスで成り立っている。
さらに市場も縮小中。「ある日突然、規制によってエロゲで遊べなくなることも
あり得ない話じゃない」(店長)。そうした現状を多くの人に知ってもらいたい気持ちと、
「エロゲは通信販売が主で、リアル店舗が減ってきた。直接お店に来てほしい」
との思いから、割引キャンペーンを発案。「投票会場に来たことを証明する用紙」
を会場の係員に発行してもらい、それを持参すれば最大3000円が割引される。
キャンペーンはツイッターで広く拡散中だ。
「こんなセールをしなくても投票率が自然に上がるような世の中になってほしい」
と店長は話すが、反響は大きい。札幌市は元スピードスケート五輪金メダリストの
清水宏保氏(38=新党大地・真民主)が出馬するなど注目区だけに、投票率アップに
「エロゲ票」がどれくらい貢献するか、見ものだ。
他にも、神奈川県・箱根で温泉・宿泊施設を運営する「小涌園事業グループ」では
投票済証を提示すると「箱根小涌園ユネッサン」などの入場料が半額になる
キャンペーンを行う。05年の郵政解散総選挙、前回09年の総選挙でも同様の試みを
実施した同グループでは「前回は1か月で千人以上がユネッサンをご利用された」
とこちらも好評だ。
12月8日発行 東京スポーツ紙面より
http://www.tokyo-sports.co.jp/newspaper/12月8日(土)発行/