赤塚漫画の代名詞とも言える「天才バカボン」は昭和42年(1967年)、「少年マガジン」(講談社)で
連載をスタートしました。最初は少しぬけたバカボンとさらにとぼけたバカボンのパパが繰り広げる
ドタバタコメディといった感じでしたが、次第に名門(?)バカ田大学出身のパパの同級生や、
「お〜でか〜けですか〜?」でおなじみレレレのおじさん、奇妙な生物・ウナギイヌなど、
赤塚漫画らしくアクの強いキャラクターが登場してくると、ギャグのテンションもどんどんヒートアップ。
同時に、人気もすぐさま頂点に達しました。
昭和44年(1969年)、一時ライバル誌「少年サンデー」(小学館)に移籍しますが、2年後、マガジンに
復活します。その後もギャグのレベルはますますエスカレート。「実験的」と呼べるほどまでに革新的な
アイディアを生み出していきました。
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20110502-738540-1-L.jpg たとえば、ここに掲げた原画では、コマの中にバカボンの顔がアップで配されていますが、
なんと実はこれ、1ページの中に1人しか描かないというぜいたくなページの使い方をしているのです!
しかもシンプルな造形感覚で描かれた顔は、どこを取っても無駄がないようなすっきりとしたフォルム。
このまねをしたくなるような単純明快さもファンが多い理由のひとつと言えるでしょう。
もちろん、これは実験的なギャグ精神のほんの一端です。展示室では今見ても斬新なアイディアや
表現がちりばめられていますので、驚きと笑いを覚悟でご覧下さい。
(県立美術館主任学芸員・柳原一徳)
<メモ> 企画展「追悼 赤塚不二夫展 ギャグで駆け抜けた72年」は30日まで松江市袖師町の
県立美術館で開かれている。開館時間は午前10時から日没後30分まで(入場は日没まで)。
3日を除く毎週火曜休館。当日券は一般1000円、大学生600円、小中高生300円。
問い合わせは同館(0852・55・4700)へ。
(2011年5月3日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shimane/news/20110502-OYT8T01088.htm 県立美術館(松江市袖師町)で開催中の企画展「追悼 赤塚不二夫展 ギャグで駆け抜けた72年」
(県立美術館、読売新聞社、日本海テレビなど主催)は4日、来場者が7000人を突破した。会場では、
音声ガイドや関連グッズも充実しており、大型連休に入って大勢の家族連れらでにぎわっている=写真=。
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20110504-769355-1-L.jpg 同館によると、4月22日の開幕後、今月2日に5000人を突破。4日は開幕以来最多の1164人が訪れ、
計7216人になった。
会場では、携帯用の音声ガイドを1回500円で貸し出しており、会場内で計約30分、赤塚漫画の豆知識や
裏話、赤塚さんのギャグに対する思いなどを聞くことができる。難しい説明はなく、子どもも楽しめるといい、
担当者は「ぜひ試してみて」と呼びかける。
会場入口前では約450点の関連グッズを販売。文房具や靴下から、高級ペンダントまでマニアには
たまらない品ぞろえ。特に「ニャロメ」や「ウナギイヌ」などのキャラクター商品が人気で、せんべいやアメも
売れ筋だという。
家族で訪れた兵庫県養父市小城の広告業米田透さん(48)は「小さい頃、写真に写る時は必ず、
おそ松くんに登場するイヤミの『シェーッ!』のまねをした。あの頃を思い出す」と懐かしそう。
長男で中学1年の航君(12)は趣味で漫画を描いているといい、「ギャグ漫画はあんまり描かないけど、
原画を見ていたら、描いてみたくなった」と笑顔だった。
同展は30日まで。問い合わせは同美術館(0852・55・4700)へ。(中村申平、大橋裕和)
(2011年5月5日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shimane/news/20110504-OYT8T00595.htm ご依頼いただきました
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1302838237/159