60歳で亡くなるまでに15万ページの漫画を描いた手塚治虫(1928〜89年)の
足跡を紹介する企画展「ようこそ未来人 手塚治虫からの贈り物(メッセージ)」が、
埼玉県川口市のSKIPシティ・映像ミュージアムで開かれている。
手塚は漫画で成功した後、自作のアニメ化のために制作会社「虫プロダクション」を設立。
日本初の国産テレビアニメ「鉄腕アトム」を作り上げた。アニメのためには1秒に
24コマの絵が必要で、1話分に相当する30分のアニメでは単純計算で4万3200枚
となる。当時の日本では、そうしたテレビアニメの制作は費用的にも不可能とされていたが、
手塚は目だけや口だけのセル画(透明シートに描かれる絵)を作って省力化。
同じ絵の使い回しや、絵そのものを移動させるなどの新手法を編み出し、
低予算でのアニメ制作を実現した。根底には「絶対に子供に受け入れられる自信があり、
まずはアニメ化を実現したい」との強い思いがあったという。手塚のアニメ化にかける
執念が感じられる。
企画展では当時のアニメ制作の記録映像をはじめ手塚の生涯を紹介した映像、漫画の原画や
アニメのセル画、ベレー帽など手塚の愛用品、手塚が小学校高学年のころ描いたとみられる
「昆虫手帳」など約120点を紹介している。
4月3日まで。月曜(祝日の場合は翌日)と3月16〜18日休館。
大人500円、小中学生250円。
MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110117/ent11011708100007-n1.htm