映画・演劇事業の松竹は、自社の映画興行事業を分割し、
100%出資子会社の松竹マルチプレックスシアターズ(SMT)と統合することを決定した。
2011年1月21日の株主総会の承認を経て、同3月1日付で同事業部門を分割、SMTが吸収合併する。
松竹の映画興行は長年本社部門にて直営劇場の運営で行って来た。
一方で1990年代に入りシネマコンプレックスが市場で急拡大するに合わせて、
松竹もムービックスのブランドで展開するシネマコンプレックスでの
興行を行なう子会社SMTを1996年に設立した。このため同社グループの
映画興行は2つの体系が並列するかたちとなっている。
今回の再編はこうした事業の一本化を意図したものだ。
一方で、短期間で映画興行の主流となったシネマコンプレックスが、
従来型の映画興行を飲み込んだという見方も出来る。
松竹は今回の統合について、経営資源の集中によるコア事業強化のためとしている。
そのうえで顧客サービスの向上と収益力の強化、意思決定の迅速化につなげる。
松竹の映画興行部門の売上は2010年2月期で108億9200万円、
売上総利益は64億2100万円と、映画製作・配給、演劇、
不動産事業なども行なう同社の中でも優良事業である。
運営を行なう劇場は12サイト56スクリーン、
東劇や新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、梅田ピカデリー、横浜ブルク13などがある。
一方、SMTは売上高204億9100万円、営業利益7億4800万円、
経常利益6億1700万円、経常損失が3億5200万円だった。
ムービックス(MOVIX)は全国で20サイト以上200を越えるスクリーンを持つ。
事業の統合でSMTは、年間売上げ300億円を超える映画興行企業となる。
サイト数スクリーン数も拡大し、興行における存在感も増しそうだ。
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