米国のキャラクター・ライセンス会社4キッズエンタテインメント(4Kids Entertainment)は、
11月15日に2010年第3四半期の決算発表を行なった。業績は引き続き厳しく、
大幅な減収と赤字決算になった。第3四半期までの売上高は970万ドル、前年の1800万ドルから
53.8%の減少となる一方で、純損失は前年の2080万ドルとほぼ同水準の1980万ドルと
依然大きな金額となっている。
こうした業績について同社のCEOアル・カーン氏は、4キッズは引き続きコスト構造と
収益モデルの見直しを続けているとする。また、現金で400万ドル、有価証券で
約1100万ドルを保有しており、経営状態に問題ないこともアピールしている。
一方で、4キッズは、会社立直しのための企業提携を依然探っていることも明らかにしている。
現在、幾つかの企業と同社への出資、もしくは売却、一部事業売却などの話し合いを
続けているという。ただし、話し合いの結果、取引が成立するかどうかは明らかでないともする。
第3四半期には、4キッズにとって大きな決定がされた。自社コンテンツの
トレーデイングカードゲームビジネスを行なうふたつの子会社
TCデジタルゲームスLLC、TCウェブサイトLLCを清算する。
これにより同社が過去数年間力を入れ来たTCG『Chaotic』のビジネスは正式に終了する。
『Chaotic』は『ポケモン』や『遊戯王』といった他社ライセンスのビジネスを行なってきた
4キッズが2007年より展開していた。先行投資の大きさもあり、その不振が同社全体の
業績不振につながっていたためポジティブな材料だ。一方で、4キッズの目指してきた
自社コンテンツ開発の計画はいったん途切れることになる。4キッズは『Chaotic』
のビジネス清算で、各4半期で100万ドルずつ費用が節約出来るとする。
同社は再び、従来の中核事業であったラインセンス事業に注力する。
この秋からは自社が運営する土曜日朝の地上波ネットワークThe CW内の5時間の放映枠を
「The CW Kids」から「Toonzai on CW 4Kids」変更した。放映される番組は、
『遊戯王5D’s』、『ドラゴンボール改』、『ソニックX』、『恐竜キング』、
『遊戯王』である。再び日本アニメをビジネスの基盤とする。
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