日本時間2010年10月22日11:01,AMDは,第2世代のDirectX 11対応GPUシリーズとなる
「Radeon HD 6000」(※正確には「AMD Radeon HD 6000」)シリーズを発表した。
AMDブランドを冠した初めてのRadeonだ。
AMDは,2010年第4四半期中に,ATI Radeon HD 5800シリーズ後継となる「Barts」および
「Cayman」,さらにCaymanを2基搭載した「Antilles」を投入するが,発表に合わせて市場投入
されることになったのは,Bartsこと「Radeon HD 6800」である。
今回発表されたRadeon HD 6800シリーズの製品は2モデル,「Radeon HD 6870」と「Radeon
HD 6850」だ。搭載カードは,正式発表と同時に各パートナーから出荷開始となる。
この2モデルは,モデルナンバーからすると,「ATI Radeon HD 5870」と「ATI Radeon HD 5850」の
後継に思えるが,実はそうではない。注目したいのは,両モデルの資料で示されている
比較対象が,HD 6870はグラフィックスメモリ1GB版「GeForce GTX 460」,HD 6850が
グラフィックスメモリ768MB版GTX 460になっている点だ。
Deep Diveでは,同社でグラフィックス製品を統括するMatt Skynner副社長兼ジェネラル
マネージャーが登壇し,「Northern Islandsシリーズの開発にあたっては,ゲーマーが何を
望んでいるかを第一に考えた」とアピールした。
これは,Radeon HD 6000シリーズが,2010年3月に開催された「Game Developers Conference
2010」で,同社がマニフェストとして掲げた「ゲーマー第一主義」に則ったものであることを
示すものだ。
ここで同社が調査した結果の中に,「エンスージアスト(=ハイエンド志向のPCユーザー)や
ゲーマー(≒コアゲーマー)は,最新技術やパフォーマンスの追求に妥協を許さない。
しかし一方で,より安価なATI Radeon HD 5800シリーズクラスの製品を求める,
コストパフォーマンス重視のゲーマーの層がある」というものがあった。
そこでAMDはATI Radeon HD 5800の後継として,「Barts」と「Cayman」という二つのGPUコアを
用意。Barts搭載製品は,コストパフォーマンス重視のゲーマー層に向けた製品として,
150ドル〜250ドルの市場に投入することにした。これこそが,HD 6870とHD 6850というわけだ。
HD 6870の概要のスライドに記載された演算処理性能も,こうした立ち位置を示すものだ。
HD 6870は最大2TFLOPSの演算処理性能を備えるが,これはHD 5850の2.09TFLOPSと
ほぼ同格で,最大2.72TFLOPSのHD 5870には及ばないものである。
また,HD 6870とHD 5850の比較という点では,消費電力にも注目したい。最大値は同じ151Wで
ありながら,アイドル時の消費電力はHD 5850の27Wから19Wに低減されている。
なおDeep Diveでは,11月の第3週にCaymanコアの「Radeon HD 6970」「Radeon HD 6950」の
2モデルが出荷され,2010年第4四半期中にはフラグシップモデルとなる,Cayman×2基構成の
「Antilles」こと「AMD Radeon 6990」を投入する計画も明らかされた。
合わせて,現行製品に関しては,ATI Radeon HD 5970とHD 5800シリーズについては終息するが,
ATI Radeon HD 5700シリーズは,店頭価格を引き下げて継続販売することも発表されている。
4Gamer.net(一部抜粋)
http://www.4gamer.net/games/110/G011065/20101022001/ ベンチマーク等
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