米国のマンガ出版社Tokyopopは、米国の大手コミックス配信ポータルcomiXologyと連携して
日丸屋秀和さんのマンガ『Axis powers ヘタリア』英語版の単行本発売、オンライン配信の
同時スタートを実現した。Tokyopopは9月21日に単行本の第1巻を発売したが、 comiXologyでも
電子書籍版の販売を開始した。英語翻訳マンガの単行本、電子書籍版ビジネスのあらたな
取り組みとして注目される。
『ヘタリア』の電子書籍版は1巻を6つのパートに分け、第1巻を無料で配信、残りの5パートを
それぞれ0.99ドルで販売する。単行本の価格は定価10.99ドルでおよそ倍となるが、
通常は小売店で値引きされるため実際の価格差はもっと小さくなる。
Tokyopopは、日本マンガの翻訳出版の大手として知られてきた。しかし、近年は米国の
マンガ市場の縮小や人気作品の翻訳出版ライセンスの獲得競争が激化していることから、
日本マンガのライセンス獲得を減らしてきた。
そのなかで2010年4月にライセンス獲得を発表した『ヘタリア』は、同社が現在力を入れる
重要タイトルだ。『ヘタリア』は米国でも人気が高く、米国のアニメ・マンガファンの間で
最もホットな作品となっている。アニメ版も米国の大手アニメ企業ファニメーションが
ライセンスを獲得しており、今後のさらなる盛り上がりが期待出来る。
米国のファンコミニティに強いTokyopopにとっては、ファン人気の高い『ヘタリア』はキラー
タイトルの位置づけにある。今回の出版、配信の同時展開は、この重要作品をきっかけに
電子マンガ配信ビジネスより深く切り込んでいく狙いがあるとみられる。
Tokyopopと手を組むcomiXologyは、2007年に電子コミックスの販売サイトとしてスタートした。
現在はiPhoneや iPad、iPod Touchに向けても作品の販売を行っている。主にマーベルや
DCなどのアメリカンコミックスの2大出版社の作品を中心に現在およそ3000タイトルを取り扱う。
米国で最も有力なコミック販売サイトである。
しかし、これまで日本のマンガは扱って来なかった。今回そのcomiXologyで、あえて
日本マンガを販売するTokyopopの戦略にも関心が集りそうだ。
アニメ!アニメ!
http://animeanime.jp/news/archives/2010/09/post_1347.html