全国で唯一の公営漫画専門図書館「広島市まんが図書館」が昨年、図書の紛失防止対策として
ICタグを導入したところ、これまで年間1500冊もあった紛失件数が一けたに激減した。
年間約75万円分もの漫画が行方不明になっていただけに、効果は絶大。念願の
“紛失冊数ゼロ”も夢ではなくなってきた。
同館は1997年開館。現在約10万冊の蔵書があり、「スラムダンク」「シティーハンター」
「巨人の星」など人気漫画を多数取りそろえる。それゆえに、盗難と見られる被害も相次ぎ、
職員の見回り強化や防犯ミラーの設置などの対策に取り組んできたが、なかなか効果が
上がらなかったという。
そこで同館は昨年、約3000万円をかけて、本の中にICタグを取り付けて無断持ち出しを
識別するブックディテクションシステム(BDS)を導入した。職員が貸し出し処理を済ませて
いないと、出口でブザーが鳴る仕組みだ。「小さな子どもが間違って鳴らすくらいで、
あまり作動することはない」というが、盗難の抑止力につながっている。同館は今年6月、
1週間閉館して本の冊数を調べてみると、行方不明になっていたのは7冊だった。
BDSは、分室に当たる「あさ閲覧室」でも導入している。
小林郁治館長は「確かに激減したが、将来的には紛失の数をゼロにしたい」と意気込んでいる。
毎日jp
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20100907ddlk34040550000c.html