【企業】画像処理半導体「PICA200」を作ったディジタルメディアプロフェッショナル　ニンテンドー3DSで採用され夢を叶える

空中に浮かんだ人気キャラクターのマリオがぐるぐると回り、飛行機が奥行きを持った空間で
輪くぐりする。任天堂が今年6月、米ロサンゼルスで開催した世界最大規模のゲーム見本市「E3」で
披露した3D（3次元）映像を裸眼立体視できる携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」は、世界の
注目を集めた。

そのロサンゼルスの会場で、各国の報道陣や業界関係者が万雷の拍手を送っている
その光景を感慨深げに眺めている男がいた。ディジタルメディアプロフェッショナル（DMP）
代表取締役で、CEO（最高経営責任者）を務める山本達夫氏だ。

2002年に創業、社員わずか40人のDMPは、この任天堂の発表を機に世界中から注目を集める
ことになった。DMPは、3DS最大のウリである3D映像を表示する画像処理技術を半導体にして、
任天堂に提供したからだ。

■ 注力分野を転換し競争軸変える

DMPの主力事業は、画像処理技術を半導体メーカーなどにライセンス供与することだ。
2004年にDMPのCEOに就任した山本氏は、米IBMに長年勤務した後、ルネサステクノロジの
米国法人へと移り、シリコンバレーで半導体のマーケティングに従事していた。

シリコンバレーで10年以上暮らしてきた間、山本氏はいくつものベンチャーが成功する姿を
目の当たりする。

「いつかは、自分も本当の力を試す機会を得たい」。こうした思いを抱いていたところに、
DMPに出資するベンチャーキャピタルからCEO就任の誘いが舞い込んだ。

山本氏は「YES」の返事をしたが、当時の業界事情を知る人は、一体なぜそんな決断をしたのかと
いぶかしむことだろう。当時、画像処理の半導体事業は再編の真っ只中にあったからだ。
そのスピードはすさまじく1990年に約70社あった企業数は、2006年には10社以下にまで
絞り込まれた。

再編が急速に進んだ最大の原因は、コンピューターのダウンサイジングの波が進んだこと。
かつてはスーパーコンピューターに採用されていたような高度な画像処理技術も、性能の
進歩でパソコンでも処理可能になった。

日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100830/216022/
ディジタルメディアプロフェッショナル
http://www.dmprof.com/
続き >>2-3

その過程で技術の標準化も進み、画像処理の半導体の競争軸は、集積度を高めて大量生産する
ことに絞られてくる。巨額の設備投資に耐えるため、業界では資本の集約が進んだ。

DMPはもともと、法政大学の池戸恒雄教授が大学発のベンチャーとしてスタートした企業で、
資本力より技術力に長けていた。資本集約化が進む動きの中では、DMPへの転職は
火中の栗を拾うようなものだった。

だが、山本CEOには成算があった。「競争の関数を根底から変えてしまえばいい」。

携帯電話やゲーム機が進化し、テレビやビデオなどの家電も高度な画像処理が求められるように
なりつつある。それならば競争が激しいパソコン向けではなく、携帯電話や自動車、家電向けに
シフトしようと考えていたのだ。こうした製品で重要になるのは、いかに少ない消費電力で
高い性能を出すか。そこで掲げたのが「消費電力性能比で100倍」というコンセプトだった。

2004年から早速、この目標に向けて新半導体「PICA200」の開発に取りかかり、
2006年に完成した。

特徴はハードウエア活用に徹底的にこだわったことだ。例えばCG（コンピューターグラフィックス）で、
人物に影をつけたいとする。通常の画像処理半導体を使う場合は、技術者がプログラムを
書いて実現する。

だがPICA200ではこの処理をあらかじめハードに組み込んでおき、それを呼び出せば実現する
ようにしているのだ。いちいち半導体で演算する必要がなくなるため、回路規模や消費電力を
大幅に削減することが可能になる。発熱を抑制できるので、従来では高性能の半導体に
必要だった冷却ファンも不要になる。

■ 「実績ないから採用せず」を突破

DMPはPICA200を完成させたことで、コンセプトだけでなく技術的にも問題なく動くことを実証した。
だが、商用ベースに乗るには、さらに1年半の時間を要することになった。

実はこの時、DMPがある問題に直面していた。営業がいくら進んでも、最終的な受注に一向に
つながらない。そこにあったのは、新技術に賭けるベンチャー企業ゆえのジレンマだった。

当時、山本氏が営業先に出向いて、PICA200の技術を説明すると、まず間違いなく高い評価を
得ることができた。そこまではいいが、最後に必ず「よそでの実績を教えてください」と聞かれた。
これから売り出すのだから、答えは当然「まだありません」になる。

「いつもそこで、商談は止まった」と山本氏は当時を振り返る。実績がないから採用されず、
採用されないから実績が生まれない。DMPはベンチャーゆえの悪循環に巻き込まれていた。
こうした状況を打破するために、山本氏はまず市場ごとの特性を分析、その有望性を探った。

その結果、最終顧客が消費者となる携帯電話や自動車産業では、現時点での受注の見込みは
「ほとんどなし」という結論に達した。一方で「見込みあり」と照準を定めたのが、パチンコなど
アミューズメント業界だった。理由の1つは、この業界の一般的な製品サイクルは半年〜1年と
速く、製品の競争力を打ち出すうえで、新技術の採用に積極的な傾向があったことだ。

2006年、山本氏は「アミューズメント分野にリソースを集中する」と社内で宣言する。他分野の
営業案件は、進行中であっても基本的に中断した。技術の商用化を実現することが、
まずは先決。ダメならすべてを失うリスクがあるが、この一歩を踏み出せなければ先がない
という不退転の決意だった。

この賭けは吉と出る。2008年、ニフコアドヴァンストテクノロジーのパチンコ向けLSI（大規模
集積回路）にPICA200が採用された。販売実績ができたことで、これまで止まっていた
ビジネスも一気に動き始めた。現在は数万台の機器に、同社の技術が搭載されている。

■ 日本の半導体産業を変える

山本氏の執務スペースには、いくつもの観葉植物が飾られている。受注のたびに、近所の
花屋で新しいものを購入し大切に育てている。任天堂では「ポトス・エンジョイ」。
当初全長15cm程度だったが、今や50cmまで成長した。

山本氏が任天堂を最初に訪問したのは、CEOに就任した2004年のこと。以後、同社には
定期的に進捗を報告してきた。それだけに「任天堂からの受注は、この技術に賭けた全社員の
夢だった」と言う。ニンテンドーDSは、これまでに1億台以上を出荷した。その後継機での
受注は、DMPが大きく飛躍する転機となる可能性がある。だが、山本氏はまだ満足していない。

「過去20年、日本の半導体ベンチャーで大きく成長したところはほぼ皆無。実績を作り
日本の半導体産業が変わるきっかけになりたい」と語る。夢が実現した時、山本氏は
いくつの植物に囲まれているのだろうか。

いいね

色々あった大手海外メーカーを振り切って採用にこぎつけたんだしな
いい話だ

もうかるのか？

山本さん凄いね。こういう人が実力のある人と言われる人なんだろう。

＞最後に必ず「よそでの実績を教えてください」と聞かれた。
コレは日本特有の悪慣習だろう
この一言で海外に流出した技術がどれだけあるのやら・・・
日本のメーカーは自分の所で評価試験しないからなぁ

これどんだけ儲かるんだろうな

>>8
これは海外の営業活動でも言われたんじゃないの？

>>8
そりゃどこでも聞くだろ。
採用例が無いとなってからの反応が大事。

PICA200はMAESTROという独自拡張もあるから
普通の商材より採用実績が重要だろ

任天堂みたいな強力なプラットフォーマーなら
独自に市場を築いてしまうから冒険できるけど
携帯電話とかちょっとした組込み機を作ってるところじゃ敬遠して当然。

で、結局国内メーカーでは全く採用されず
採用実績より評価試験を重視する海外メーカーに先行採用される

>>13
国内メーカーで採用されたんだが…

>>14
パチメーカーは国内メーカーとは言えない
韓国系の色が強い

>>15
中身作ってるのは国内メーカーばかりかと。
パチ系もゲームと似通った部分が多いから任天堂もそれならと思ったんじゃないかな？

仕事の無いゲームメーカーがパチ始めるのはよくあることだし
元締めはともかく映像は日本が作ってるってことでいいのか

お店の運営は知らないけど、台についてはそんな認識でいいんじゃないかな？
大抵は国内かと。

任天堂が採用に踏み切ったと言う事は、他の候補と比べて電力対性能比は結構優れてたのかな？

PICなら秋月で買えるのに

パチ屋は韓国系
台屋は日本企業が多い
パチンコの玉って元は戦闘機のベアリング作ってた所が戦争終わって他に需要探して始まった

パチ屋は韓国系
台屋は日本企業が多い
パチンコの玉って元は戦闘機のベアリング作ってた所が戦争終わって他に需要探して始まった

三洋（物産）とかSANKYOとかはモロに韓国系だが

ええ話しや

日本のnVIDIA？

つーか、液晶関係はゲーム屋に丸投げが大半だしね

液晶はシャープ、主要プロセッサは国内設計って、
実はひょっとして初代ゲームボーイ以来なんじゃね？

素晴らしい会社だ！！
こういう人たちがかろうじて日本を支えてる。

ギギギ・・・

こういう日本人がいることを誇りに思う。
ガチでカッコよい

PICA200って８００Mピクセルの描画力でもたった５Wで動くそうだ。

すごい発明だと思う。早く実物を見て、衝撃をがつーんと受けてみたいよ。wktkしてまったり待ってるよ。

3DSの充電池使用時間はPICA200のおかげでDSLite並を維持できそうだな

まあ、漏れ聞く情報では出力を相当けちってるみたいだからなぁ。

・500MHz動作可能なARM11x2を266MHzで駆動
・PICA200コアは133MHz駆動
・V/P パイプラインが削られてるかも？

これにプラス要因
・eDRAM 4MB
・RAMは任天堂お得意の1T-SRAMか

ネットの噂だろ
>>30
そういう奴がごろごろいるシリコンバレーは化物的天才集団だよ

もとソニー社員がいるっての、PS３でnVIDIAと組んだからだろ。

めざせ！！　売り上げ３０００億！！

いよいよ今日の任天堂カンファレンスで詳細が明らかになるのか？