5月に掲載した、鉄道をモチーフにした583系PCケースを、覚えているだろうか?
このPCケースを「商品化したい!」と名乗りをあげる、血迷ったメーカーが現れたのだ!
勢いだけで制作しちゃったあの痛PCを商品化したいだなんて、
夏の猛暑で頭がやられてしまったとしか思えないのだが……。
商品化を提案してきたのは情報蓄積型レビューのコミュニティサイト「ジグソー」。
事の真偽を確かめるために、まずは電話で話を聞いてみることにした。
「もしもしASCII.jpですが、電車PCを商品化したいというお話をうかがいました。おたく正気ですか?」
「ええ、記事を読んでビビッときました。ぜひ電車PCを作って販売したいのですが!」
「まずは病院で頭を診てもらうことをお勧めします。それじゃ」
「あわわわ、ちょって待ってください。釣りやイタズラじゃありません、ガチですから!」
「……マジで? 売れ残っても知りませんよ」
「アレは絶対売れますよ! だから、ぜひやらせてください!」
その後、商品化への熱意を30分かけてたっぷりと説明するジグソーのスタッフ。
「―――というわけで、もし売れ残ってもASCII.jpさんには迷惑かけませんから」
「へーそうですか、ふ〜ん」(鼻くそホジホジ)
「ここだけの話、売れたらウハウハですよ、出世間違い無しですよっ」
「ジグソーさん、ぜひ一緒に商品化しましょう!」(キリッ)
というわけで、ジグソーの熱意に押され、商品化へ向けての企画が動き出した。
まずは、電車PCのベースとなるGIGABYTE製PCケース「GZ-M2BPD-700」を販売する
リンクスインターナショナルに、製品化が実現可能かどうか相談してみることにした。
「あの〜、実は電車PCを量産したいのですが、それって可能でしょうか?」
「特注になりますので、最小ロットで1000台は必要ですね、それ以下だと無理です」
………1000台だと!?
いきなり出世の道が閉ざされた、いや、商品化の雲行きが怪しくなってきた。
「1000台注文が集まれば、メーカーに発注して電車PCケースが作れるんですね。
だったら1000台作っちゃいましょうよ、1000人から注文を集めればいいってことですよね」
と、えらく楽観的なジグソーの社員。うむ、その意気だ、よく言った。
みんな私の出世を応援してくれている、こんなことで怖気付いてはいかん!
「1000台くらい余裕で売りますよ!(ジグソーさんが)。なので(私の出世のために)
商品化にご協力いただけませんか?リンクスさん」
「みなさん熱い魂をお持ちのようですね、いいでしょう、その話乗りましょう!」
「ありがとうございます」(ニヤリ)
というわけで、ASCII.jpとジグソーとリンクスインターナショナルの
3社合同プロジェクトがここに立ち上がった。
善は急げと至急会社に戻り、通常の3倍の速度で稟議書を作り編集長に提出する。
ふぅ、久々に真面目に仕事をしてしまった。これで私の昇進は間違いないだろう、フヒヒ。
「あ〜商品化はいいけど、うちは製造業じゃなくて出版業だからな。バカ売れしてもお前の査定には一切関係しないぞ」
「すみません編集長、その稟議書は重大な欠陥があることを思い出しました。今すぐ破棄してください」
「もうハンコ押しちまったからダメ。最後までやれ。あと赤字出したらお前クビだから」
「は、謀ったなジグソー」
ASCII.jp
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